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第068話(団員再会?!)
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市場は昨日同様賑わっていた。料理を作った事でせっかく買った野菜類を使い切ってしまったので、再び野菜などを買い集める。特にリコピルの実、ガリクの根、カプタンの球根は必須だ。それぞれ、トマト、ニンニク、タマネギに相当する。
色々な香辛料や香草類を買った食料品店でも、オリガの粉や、他に目についたものを購入する。昨日の狩りの報酬がかなり大きかったので、色々散財しても問題ない。
そして露店の香りに釣られて、肉串や味付きナンのようなものを買って食べてみる。相変わらず血抜きしていない肉は獣臭く、ピリの葉で誤魔化していた。
「匂いは良いんですが、あまり美味しくないのです」
「そうだね。やはり早めに料理革命を起こさないと」
自分で作れば美味しく作れるのだが、一々作っていたら時間が掛かるし、何よりも料理人達がアレンジした別角度からの料理を楽しめない。だから冒険者ギルドに料理方法を教えてでも、美味しい料理を早く普及する必要がある。
「おい、コラ!お前!昨日逃げやがったな!!」
肉串とナンを平らげて、そろそろ冒険者ギルドに向かおうと思っていると、また背後から声がかかる。
「またこのパターンか……」
僕はうんざりした表情を浮かべながら後ろを振り向く。
「えーっと、ケイン君だっけ?」
僕の振り向いた先には、昨日イチャモンを付けてきた4人組が再び姿を表していた。そして、その先頭に立つのはツンツンと逆だって燃えるような赤毛が特徴の少年ケインだった。
「昨日は卑怯な手を使いやがって!そして、俺の気が付かない間に逃げた罪、万死に値する!」
僕をビシッと指差しながら啖呵を切るケイン君。周りに目を向けるとやれやれと言った表情を浮かべている。仕方なくケインの暴走に付き合っているらしい。
「勝負だ!…えーっと、うーん、何だったっけ?」
「シン君だよ」
「お、おう。そうだった!という事でシン勝負だっ!」
茶色のミディアムヘアの女の子エリーがケインに耳打ちすると、宙を彷徨わせていた指を再度ビシッと僕に向けてくる。
全く教えなくてもいいのに、余計なことを……
「その勝負に答える義理はまったくないんだけど……」
「お前になくても、俺にはある!クーフェさんと一つ屋根の下にとは羨ま……ゲフンゲフン!けしからん!!」
「……ケイン、心の声漏れてる」
「ただの言いがかりだよねぇ」
「そう思っているなら止めてくれよ……」
勝負を断ろうとする僕に、無茶な理由を押し付けてくるケイン君。そして冷めた声でコメントしているのは水色の髪の女の子のココットと、諦めにも似た溜息を付いている気弱そうな男の子はオリバーになる。
そして止めてくれない3人にボヤく僕。
「昨日は剣術で不覚を取ったが、今日はそうは行かない!」
「剣術って……ただ切りかかってきただけじゃないか……」
「今日の勝負はケーゾクだ!」
「ケーゾク?」
「何だ知らないのか?さすがヨソ者。素直に俺の傘下に入れば教えてやったものを!!」
「何か微妙にディスられているんだけど」
「もはや問答無用!こちらの先攻だ!!」
そういって、飛びかかってくるケイン。
「……えいっ」
ココットがのんびりした口調とは裏腹に素早い動きで、飛びかかるケインの足元に、緑色のゲル状の何かを投げつける。
「お?おおおぉっ!」
そして緑色のゲル状に軸足を踏み込んでしまう。そのままゲル状の物体に足を取られ……
「うわわわわっ」
バランスを崩したケインはそのまま後ろに仰け反りながら倒れ、後頭部を強打してしまう。
「……いきなり説明もなく開始するの良くない。ココットのせんじゅつてきしょうり、ぶい」
ココットは後頭部を強打して意識が飛んでしまっているケインをちらりと見て、僕の方にVサインでアピールする。
……何か昨日と同じパターンなんだが……
「またまた、危ないよね、それ?」
「……大丈夫。ケインの後頭部はいつも強化している」
何が大丈夫か全くわからない説明をしてくるココット。まぁトラブルが片付いたから良いんだけど。
「今の内に去ったほうが良いわよ。目を覚ますとまた面倒なことになるから」
「うん。そうさせてもらうよ」
そう勧めてくるエリーに同意して、僕はその場を去ろうとする。
「またねー」
「……また」
手を振ってくるココットとオリバーに手を振り返し、僕は再び市場に戻っていく。またって、もう面倒くさいから会いたくないんだけどなぁ。
僕は無駄な時間を過ごしたと溜息を付きながら、ケイン達一行に背を向けると冒険者ギルドに向かうのだった。
色々な香辛料や香草類を買った食料品店でも、オリガの粉や、他に目についたものを購入する。昨日の狩りの報酬がかなり大きかったので、色々散財しても問題ない。
そして露店の香りに釣られて、肉串や味付きナンのようなものを買って食べてみる。相変わらず血抜きしていない肉は獣臭く、ピリの葉で誤魔化していた。
「匂いは良いんですが、あまり美味しくないのです」
「そうだね。やはり早めに料理革命を起こさないと」
自分で作れば美味しく作れるのだが、一々作っていたら時間が掛かるし、何よりも料理人達がアレンジした別角度からの料理を楽しめない。だから冒険者ギルドに料理方法を教えてでも、美味しい料理を早く普及する必要がある。
「おい、コラ!お前!昨日逃げやがったな!!」
肉串とナンを平らげて、そろそろ冒険者ギルドに向かおうと思っていると、また背後から声がかかる。
「またこのパターンか……」
僕はうんざりした表情を浮かべながら後ろを振り向く。
「えーっと、ケイン君だっけ?」
僕の振り向いた先には、昨日イチャモンを付けてきた4人組が再び姿を表していた。そして、その先頭に立つのはツンツンと逆だって燃えるような赤毛が特徴の少年ケインだった。
「昨日は卑怯な手を使いやがって!そして、俺の気が付かない間に逃げた罪、万死に値する!」
僕をビシッと指差しながら啖呵を切るケイン君。周りに目を向けるとやれやれと言った表情を浮かべている。仕方なくケインの暴走に付き合っているらしい。
「勝負だ!…えーっと、うーん、何だったっけ?」
「シン君だよ」
「お、おう。そうだった!という事でシン勝負だっ!」
茶色のミディアムヘアの女の子エリーがケインに耳打ちすると、宙を彷徨わせていた指を再度ビシッと僕に向けてくる。
全く教えなくてもいいのに、余計なことを……
「その勝負に答える義理はまったくないんだけど……」
「お前になくても、俺にはある!クーフェさんと一つ屋根の下にとは羨ま……ゲフンゲフン!けしからん!!」
「……ケイン、心の声漏れてる」
「ただの言いがかりだよねぇ」
「そう思っているなら止めてくれよ……」
勝負を断ろうとする僕に、無茶な理由を押し付けてくるケイン君。そして冷めた声でコメントしているのは水色の髪の女の子のココットと、諦めにも似た溜息を付いている気弱そうな男の子はオリバーになる。
そして止めてくれない3人にボヤく僕。
「昨日は剣術で不覚を取ったが、今日はそうは行かない!」
「剣術って……ただ切りかかってきただけじゃないか……」
「今日の勝負はケーゾクだ!」
「ケーゾク?」
「何だ知らないのか?さすがヨソ者。素直に俺の傘下に入れば教えてやったものを!!」
「何か微妙にディスられているんだけど」
「もはや問答無用!こちらの先攻だ!!」
そういって、飛びかかってくるケイン。
「……えいっ」
ココットがのんびりした口調とは裏腹に素早い動きで、飛びかかるケインの足元に、緑色のゲル状の何かを投げつける。
「お?おおおぉっ!」
そして緑色のゲル状に軸足を踏み込んでしまう。そのままゲル状の物体に足を取られ……
「うわわわわっ」
バランスを崩したケインはそのまま後ろに仰け反りながら倒れ、後頭部を強打してしまう。
「……いきなり説明もなく開始するの良くない。ココットのせんじゅつてきしょうり、ぶい」
ココットは後頭部を強打して意識が飛んでしまっているケインをちらりと見て、僕の方にVサインでアピールする。
……何か昨日と同じパターンなんだが……
「またまた、危ないよね、それ?」
「……大丈夫。ケインの後頭部はいつも強化している」
何が大丈夫か全くわからない説明をしてくるココット。まぁトラブルが片付いたから良いんだけど。
「今の内に去ったほうが良いわよ。目を覚ますとまた面倒なことになるから」
「うん。そうさせてもらうよ」
そう勧めてくるエリーに同意して、僕はその場を去ろうとする。
「またねー」
「……また」
手を振ってくるココットとオリバーに手を振り返し、僕は再び市場に戻っていく。またって、もう面倒くさいから会いたくないんだけどなぁ。
僕は無駄な時間を過ごしたと溜息を付きながら、ケイン達一行に背を向けると冒険者ギルドに向かうのだった。
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