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第077話(座学夢現?!)
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「今日はここまでね」
クーフェさんがコメカミを人差し指で押さえながら、眉間にシワを寄せつつ言う。
「え?まだ触りの話しか……」
僕がそう言うと、クーフェさんが僕の横の席を指差す。
「あぁ……」
その風景を見て納得してしまう。
「さすがの阿呆共なのです。情報の重要性を全く理解していないのです」
ポメが断言しつつ冷ややかな視線を送った先には、爆睡こいている4人組がいた。ケインは熱血バカなので仕方ないとして、他の三人も見事に撃沈している。学習慣れしておらず、どう見ても長時間の座学に慣れてなさそうだから、こういう講義は中々厳しいのかもしれない。
「で、シン君は理解できた?」
「えーっと、ウルクの町から南側にアーグ大樹海があり、その間の草原は比較的レベルの低い野獣が多く、また薬草の採取も出来るので初心者向け。東側にはインバース山脈があり、その麓近くまで行くと、少し手強い野獣が増えてくる。また様々な洞窟が発見されていて、小邪鬼などの生息が確認されている。北と西には街道が伸びていて、エルデ、オーフィスと言った中規模の町に繋がっている……ですよね?」
聞いていた内容をクーフェさんに鸚鵡返しする。
「うん、あっているわ。さすがシン君ね」
笑顔を浮かべてウィンクをするクーフェさん。
「……おっぱいオバケが御主人様を誘惑するのはやめるのです」
そんなクーフぇさんに向けてポメがボソッと口走る。その瞬間クーフェさんから殺気のこもった鋭い視線がポメに飛ぶ。
「……っ!」
ポメは顔を背けると下手な口笛を吹いて誤魔化そうとする。そんなにビビるなら言わなきゃいいのに……
「この子達は、この周辺のことなら大概知っているから聞いてなくても、そんなに大きな問題にはならないでしょうから」
クーフェさんがため息交じりにそう言うと姿勢を正す。
「ケイン君、エリーさん、オリバー君、ココットさん!授業中ですよ!」
少し大きな声で活を入れるとエリーさん、オリバー君、ココットさんの身体がビクッと反応し目を覚ます。
「はっ!わたし……すみません、クーフェさん」
すぐに状況を把握したエリーさんがすぐに謝罪する。それにつられてココットさんとオリバー君も頭を下げる。
「このバカケインッ!!」
エリーさんがそう大声を上げると、自分のミスを誤魔化すかのように、まだ爆睡しているケイン君の頭にゲンコツを落とす。
「いっ!いてぇぇぇっっ!!何っすんだこのっ!!」
頭部への衝撃で流石に目を覚ましたケイン君は、頭を抑えて後ろを振り向き、エリーさんに恨めしそうな視線を送る。
「アンタがいつまでも寝てるからでしょっ」
「エリーも一緒」
「アンタだって寝てたでしょ、ココット」
「ココットはちゃんと起きてた。ぶぃっ」
エリーさんの発言にココットさんがツッコミを入れ、指二本でVサインを作る。うん、ココットさんも寝てたんだけどね。
「なんで俺だけ一方的に殴られなきゃいけないんだよ……」
「それは最後まで寝てたからだと思うよ」
「理不尽だっ!」
ケイン君にコメントしているのはオリバー君だ。
「はいはい。その辺にして、君達はもう少しシン君を見習いなさい。ちゃんと起きていて話を聞いて、しっかり理解していたわよ」
「い、いや、それは当たり前なんですが……」
「その当たり前が出来ないから困ってしまうのよね」
「ポメもちゃんと起きてたのに……やはりオッパイが大きいと理不尽に……」
「なにか言った?ポメちゃぁぁぁん?」
またもやポメが余計なことを言ってクーフェさんに睨まれる。
「なんでも無いのです!」
そして背筋を伸ばして敬礼するポメ。なんだかなぁ……
今日はもう集中できないだろうということで、座学は辞めにして、解体や薬草や毒草を見分ける実践的な講習にシフトする事になった。
「さっき説明した採取する草花は覚えた?」
「バッチリだぜ」
「一応……」
「大体は」
「……ぶぃ」
簡単に採取する草花の説明を受けた後、色々な草が積み上げられた地下室に通される。地下室は少しヒンヤリとしていてることから貯蔵に向いているみたいだ。
「これらは冒険者ギルドで購入し保管している草花よ。この中から下級ポーションの材料となるヘアル草を抜き取って、私に見せてもらうわ」
クーフェさんはそういって大量の草が山積みされた所を指差す。
「雑草も含めて無差別に草花を集めているから、ちゃんとヘアル草の特徴を思い出しながら探してね」
こんな雑多な中から目的の一つを選ぶのは、相当真剣に話を聞いているか、既に採取した経験がなければ、非常に難しい課題になる。
僕は先日、町の外へ出た際にヘアル草も見てきているし、先程教えてもらった時に絵もしっかり見て、再度確認したので、問題なく持ってこれると思う。
我先にとケイン君達が草花の山に向かったのを見て、僕はその後ろから様子を眺めながら待つことにした。
クーフェさんがコメカミを人差し指で押さえながら、眉間にシワを寄せつつ言う。
「え?まだ触りの話しか……」
僕がそう言うと、クーフェさんが僕の横の席を指差す。
「あぁ……」
その風景を見て納得してしまう。
「さすがの阿呆共なのです。情報の重要性を全く理解していないのです」
ポメが断言しつつ冷ややかな視線を送った先には、爆睡こいている4人組がいた。ケインは熱血バカなので仕方ないとして、他の三人も見事に撃沈している。学習慣れしておらず、どう見ても長時間の座学に慣れてなさそうだから、こういう講義は中々厳しいのかもしれない。
「で、シン君は理解できた?」
「えーっと、ウルクの町から南側にアーグ大樹海があり、その間の草原は比較的レベルの低い野獣が多く、また薬草の採取も出来るので初心者向け。東側にはインバース山脈があり、その麓近くまで行くと、少し手強い野獣が増えてくる。また様々な洞窟が発見されていて、小邪鬼などの生息が確認されている。北と西には街道が伸びていて、エルデ、オーフィスと言った中規模の町に繋がっている……ですよね?」
聞いていた内容をクーフェさんに鸚鵡返しする。
「うん、あっているわ。さすがシン君ね」
笑顔を浮かべてウィンクをするクーフェさん。
「……おっぱいオバケが御主人様を誘惑するのはやめるのです」
そんなクーフぇさんに向けてポメがボソッと口走る。その瞬間クーフェさんから殺気のこもった鋭い視線がポメに飛ぶ。
「……っ!」
ポメは顔を背けると下手な口笛を吹いて誤魔化そうとする。そんなにビビるなら言わなきゃいいのに……
「この子達は、この周辺のことなら大概知っているから聞いてなくても、そんなに大きな問題にはならないでしょうから」
クーフェさんがため息交じりにそう言うと姿勢を正す。
「ケイン君、エリーさん、オリバー君、ココットさん!授業中ですよ!」
少し大きな声で活を入れるとエリーさん、オリバー君、ココットさんの身体がビクッと反応し目を覚ます。
「はっ!わたし……すみません、クーフェさん」
すぐに状況を把握したエリーさんがすぐに謝罪する。それにつられてココットさんとオリバー君も頭を下げる。
「このバカケインッ!!」
エリーさんがそう大声を上げると、自分のミスを誤魔化すかのように、まだ爆睡しているケイン君の頭にゲンコツを落とす。
「いっ!いてぇぇぇっっ!!何っすんだこのっ!!」
頭部への衝撃で流石に目を覚ましたケイン君は、頭を抑えて後ろを振り向き、エリーさんに恨めしそうな視線を送る。
「アンタがいつまでも寝てるからでしょっ」
「エリーも一緒」
「アンタだって寝てたでしょ、ココット」
「ココットはちゃんと起きてた。ぶぃっ」
エリーさんの発言にココットさんがツッコミを入れ、指二本でVサインを作る。うん、ココットさんも寝てたんだけどね。
「なんで俺だけ一方的に殴られなきゃいけないんだよ……」
「それは最後まで寝てたからだと思うよ」
「理不尽だっ!」
ケイン君にコメントしているのはオリバー君だ。
「はいはい。その辺にして、君達はもう少しシン君を見習いなさい。ちゃんと起きていて話を聞いて、しっかり理解していたわよ」
「い、いや、それは当たり前なんですが……」
「その当たり前が出来ないから困ってしまうのよね」
「ポメもちゃんと起きてたのに……やはりオッパイが大きいと理不尽に……」
「なにか言った?ポメちゃぁぁぁん?」
またもやポメが余計なことを言ってクーフェさんに睨まれる。
「なんでも無いのです!」
そして背筋を伸ばして敬礼するポメ。なんだかなぁ……
今日はもう集中できないだろうということで、座学は辞めにして、解体や薬草や毒草を見分ける実践的な講習にシフトする事になった。
「さっき説明した採取する草花は覚えた?」
「バッチリだぜ」
「一応……」
「大体は」
「……ぶぃ」
簡単に採取する草花の説明を受けた後、色々な草が積み上げられた地下室に通される。地下室は少しヒンヤリとしていてることから貯蔵に向いているみたいだ。
「これらは冒険者ギルドで購入し保管している草花よ。この中から下級ポーションの材料となるヘアル草を抜き取って、私に見せてもらうわ」
クーフェさんはそういって大量の草が山積みされた所を指差す。
「雑草も含めて無差別に草花を集めているから、ちゃんとヘアル草の特徴を思い出しながら探してね」
こんな雑多な中から目的の一つを選ぶのは、相当真剣に話を聞いているか、既に採取した経験がなければ、非常に難しい課題になる。
僕は先日、町の外へ出た際にヘアル草も見てきているし、先程教えてもらった時に絵もしっかり見て、再度確認したので、問題なく持ってこれると思う。
我先にとケイン君達が草花の山に向かったのを見て、僕はその後ろから様子を眺めながら待つことにした。
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