78 / 80
第078話(野菜肉巻?!)
しおりを挟む
「駄目、良し、良し、駄目ね」
意気込んでクーフェさんに持っていったケイン君達だが、半分は駄目だったらしい。
「シン君には何故駄目なのかわかるかしら?」
クーフェさんはそう言うと、まだへアル草を探しに行かないで様子を見ていた僕に話しかけてくる。
「はぁ、ちょっと見せてもらっても良いですか?」
「俺の取ってきたこれのどこが駄目なんだっ!」
ケイン君が自分が見つけてきた草を突き出してくる。
「これ、多少は似てるけど、一目見てわかるくらい全く違うものです」
「何だと?これのどこが違うっていうんだ!」
ケイン君は鼻息荒く、冒険者ガイドブックのヘアル草のページを開いて突き出しながら言ってくる。
「まず葉の形。ヘアル草はどちらかといえば細長い形で、葉のフチのギザギザが細かいのが特徴なんだけど、それは幅広の葉でギザギザが荒く大きい。次に色だけど、ヘアル草の色は鮮やかな明るい緑色だけど、これはやや深みのある緑。更に香りだけど、へアル草は清涼感のある香りがするんだけど、これはちょっとツンっとした香りがする。という事でケイン君が持ってきたのはピリの葉だね」
「シン君、正解です」
僕が違いを説明し、クーフェさんからお墨付きをもらうと、ケイン君はプルプルと身体を震わせ始める。
「うわぁぁぁぁんっっ!!シンのバカヤローっっ!!」
僕に向かってピリの葉を投げつけると、走って地下室から出ていってしまう。まったく子供のような態度だなぁ、子供を卒業ということで冒険者講習受けに来たんだろうに……
「じゃぁ……コレ」
次に駄目出しをされたココットさんが僕の前に、ずずいっと葉っぱを突き出してくる。
「あぁ、これか。これはちょっと難しんだけど、葉っぱを裏返してもらえるかな?」
僕がそう言うとココットさんが葉っぱを裏返す。すると、葉の裏に小さな黄色い液胞がいくつも点いているのが見て取れる。
「あ……」
「うん。この黄色い液胞は毒で潰すと皮膚が荒れてしまうんだ。さらに口から摂取すると内臓が荒れてダメージを受けてしまう。なのに回復効果のあるへアル草と似ているから気をつける必要があるんだ」
「シン君、それも正解です。このように覚えていなければ正確な採集ができませんし、覚えていても中途半端な覚え方では、逆に危険に繋がることもあります。なので冒険者はきちんとした知識を身に付ける必要があるのです」
説明するクーフェさんに頷きながら草花の山にへアル草を取りに行こうとした僕は、クーフェさんに止められる。さっきの駄目な草を見抜いたことから、合格になったらしい。
今日の講習は薬草の見分け方で終了らしく、僕達は解散することになった。ちなみにケイン君は地下室に降りる階段の前で待っていた。バツが悪くて戻るに戻れなかったらしい。
「シン君。またねー」
「また明日」
「ん」
「……ふんっ」
ギルド前でエリーさん、オリバー君、ココットさん、ケイン君を見送ってから、僕も家路につく。明日も朝から兎の一角亭に行かなくてはならないので、今日は早めに休みたい。
「夕飯の材料を買いに市場に寄って行こうか」
「はいなのです」
「ワゥッ!」
「ピィッ!」
僕が声をかけると皆が返事をする。
「ポメまだ一角兎の肉は残っていたよね?」
「うーん。残り1羽くらいしか残ってないのです」
「じゃぁ、また狩りに行かないとね」
「じゃぁ今日は野菜多めの料理にしてみようかな」
僕は料理を考えながら市場で野菜を買い込んで、クーフェさんの家に戻る。やはり市場は朝のほうが活気があるみたいで、夕方には露店も品揃えも若干減っていた。その代わり屋台が出ていて、肉の焼けるいい匂いが市場に漂っていた。
ファングとビークが我慢できなさそうだったので、肉串を4本買って皆で間食もしてみたりした。
クーフェさんの家に戻ると、すぐに厨房で用意を始める。大きな鍋に水を入れて、買ってきた野菜を茹であげる。
そして一角兎の塊肉を薄くスライスしていく。スライスした肉の両面を軽く焼いた後、茹でた野菜を肉で巻いて、串を指して留めていく。中の野菜を変えながら4つ位の野菜巻き肉を串に刺すと、串に刺したまま再度焼いていく。
最初の両面焼きは生肉の表面を焼くことで殺菌し、2度目は野菜を巻いたまま焼く事で肉の旨味を野菜に染み込ませるためだ。
巻き込んだ野菜はポタトの球根とアスパラ茎、ピリの葉、エリン茸、セサミの葉などだ。それぞれ食感と香りに違いを持たせて楽しんで味わえるようにしてみた。
家の中に肉と野菜の焼けた、なんとも食欲のそそる香りが充満した頃、クーフェさんとキリクさんが帰宅してくる。
そしていつものように匂いで料理が気になるらしく、僕の手元を覗き込みながらウンウン頷くと、汗を流したり部屋着に着替えたりしに行く。
「地の女神イシュター様、今日も大地の恵みをありがとうございます」
食卓についたクーフェさんとキリクさんが手を胸の前で組みながら、目を閉じて地の女神イシュター様に祈りを捧げると僕の料理を食べ始めるのだった。
意気込んでクーフェさんに持っていったケイン君達だが、半分は駄目だったらしい。
「シン君には何故駄目なのかわかるかしら?」
クーフェさんはそう言うと、まだへアル草を探しに行かないで様子を見ていた僕に話しかけてくる。
「はぁ、ちょっと見せてもらっても良いですか?」
「俺の取ってきたこれのどこが駄目なんだっ!」
ケイン君が自分が見つけてきた草を突き出してくる。
「これ、多少は似てるけど、一目見てわかるくらい全く違うものです」
「何だと?これのどこが違うっていうんだ!」
ケイン君は鼻息荒く、冒険者ガイドブックのヘアル草のページを開いて突き出しながら言ってくる。
「まず葉の形。ヘアル草はどちらかといえば細長い形で、葉のフチのギザギザが細かいのが特徴なんだけど、それは幅広の葉でギザギザが荒く大きい。次に色だけど、ヘアル草の色は鮮やかな明るい緑色だけど、これはやや深みのある緑。更に香りだけど、へアル草は清涼感のある香りがするんだけど、これはちょっとツンっとした香りがする。という事でケイン君が持ってきたのはピリの葉だね」
「シン君、正解です」
僕が違いを説明し、クーフェさんからお墨付きをもらうと、ケイン君はプルプルと身体を震わせ始める。
「うわぁぁぁぁんっっ!!シンのバカヤローっっ!!」
僕に向かってピリの葉を投げつけると、走って地下室から出ていってしまう。まったく子供のような態度だなぁ、子供を卒業ということで冒険者講習受けに来たんだろうに……
「じゃぁ……コレ」
次に駄目出しをされたココットさんが僕の前に、ずずいっと葉っぱを突き出してくる。
「あぁ、これか。これはちょっと難しんだけど、葉っぱを裏返してもらえるかな?」
僕がそう言うとココットさんが葉っぱを裏返す。すると、葉の裏に小さな黄色い液胞がいくつも点いているのが見て取れる。
「あ……」
「うん。この黄色い液胞は毒で潰すと皮膚が荒れてしまうんだ。さらに口から摂取すると内臓が荒れてダメージを受けてしまう。なのに回復効果のあるへアル草と似ているから気をつける必要があるんだ」
「シン君、それも正解です。このように覚えていなければ正確な採集ができませんし、覚えていても中途半端な覚え方では、逆に危険に繋がることもあります。なので冒険者はきちんとした知識を身に付ける必要があるのです」
説明するクーフェさんに頷きながら草花の山にへアル草を取りに行こうとした僕は、クーフェさんに止められる。さっきの駄目な草を見抜いたことから、合格になったらしい。
今日の講習は薬草の見分け方で終了らしく、僕達は解散することになった。ちなみにケイン君は地下室に降りる階段の前で待っていた。バツが悪くて戻るに戻れなかったらしい。
「シン君。またねー」
「また明日」
「ん」
「……ふんっ」
ギルド前でエリーさん、オリバー君、ココットさん、ケイン君を見送ってから、僕も家路につく。明日も朝から兎の一角亭に行かなくてはならないので、今日は早めに休みたい。
「夕飯の材料を買いに市場に寄って行こうか」
「はいなのです」
「ワゥッ!」
「ピィッ!」
僕が声をかけると皆が返事をする。
「ポメまだ一角兎の肉は残っていたよね?」
「うーん。残り1羽くらいしか残ってないのです」
「じゃぁ、また狩りに行かないとね」
「じゃぁ今日は野菜多めの料理にしてみようかな」
僕は料理を考えながら市場で野菜を買い込んで、クーフェさんの家に戻る。やはり市場は朝のほうが活気があるみたいで、夕方には露店も品揃えも若干減っていた。その代わり屋台が出ていて、肉の焼けるいい匂いが市場に漂っていた。
ファングとビークが我慢できなさそうだったので、肉串を4本買って皆で間食もしてみたりした。
クーフェさんの家に戻ると、すぐに厨房で用意を始める。大きな鍋に水を入れて、買ってきた野菜を茹であげる。
そして一角兎の塊肉を薄くスライスしていく。スライスした肉の両面を軽く焼いた後、茹でた野菜を肉で巻いて、串を指して留めていく。中の野菜を変えながら4つ位の野菜巻き肉を串に刺すと、串に刺したまま再度焼いていく。
最初の両面焼きは生肉の表面を焼くことで殺菌し、2度目は野菜を巻いたまま焼く事で肉の旨味を野菜に染み込ませるためだ。
巻き込んだ野菜はポタトの球根とアスパラ茎、ピリの葉、エリン茸、セサミの葉などだ。それぞれ食感と香りに違いを持たせて楽しんで味わえるようにしてみた。
家の中に肉と野菜の焼けた、なんとも食欲のそそる香りが充満した頃、クーフェさんとキリクさんが帰宅してくる。
そしていつものように匂いで料理が気になるらしく、僕の手元を覗き込みながらウンウン頷くと、汗を流したり部屋着に着替えたりしに行く。
「地の女神イシュター様、今日も大地の恵みをありがとうございます」
食卓についたクーフェさんとキリクさんが手を胸の前で組みながら、目を閉じて地の女神イシュター様に祈りを捧げると僕の料理を食べ始めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜
ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる