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武田来たる
御前試合
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1567年 五月七日
駿府城下には二万人を超える人々が集まっていた。
彼らの御目当てはもちろん氏真が催している武芸者
達による御前試合の見物であった。
忍び達が撒いた噂を聞きつけたのか、御前試合に
参加する武芸者の数は42名(徳川家の刺客3名を含む)と意外にも多く集まった。
その報告を自身の居室で聞いていた氏真は
早速試合会場に向かおうとするが近習より
「「武田典厩信豊様が殿に挨拶をしたい。」と、
申しておりまするが如何いたしましょう?」と
尋ねてきたので、氏真は会うことにしたのだった。
「武田典厩信豊にござる。」
「今川治部大輔氏真じゃ。」
「駿河はどうであった?」
「素晴らしいところにございますな。甲斐、信濃の
近くにこれほど豊かな土地があったとは、正直驚い
ておりまする。」
「そうか。義父上は息災か?」
「はい、「海を見るまでは死ねぬ。」と、毎日駿河
の方を向いて申しておりまする。」
信豊の発言にその場にいた岡部元信は表情を変えた。
...武田は本気で駿河を狙っているのか?...
...今や今川家は氏真様の元一つにまとまっておる...
...もし攻めてきたところで、我らには北条がついて
おる...
...万に一つ武田に勝ち目はないはずだ...
...賢い信玄ならば、そのことは充分存じておるはず...
「見るまでか...。武田は駿河を欲するか?」
「...」
「フッ、欲しければ力で奪いにこい!と義父上に
伝えておけ。」
「かしこまりました。では...」
(信豊が部屋を退出した)
「妙だな?遠江にも駿河にも武田に同調する国人
領主などおるまい。正綱、何か知っておるか?」
「いえ、何も存じませぬ。」
「ふむ、そうか。」
「殿、まもなく試合が始まりまする。」
「わかった。元信、行くぞ!」
「はっ。」
氏真は信豊の発言に少しの疑問を抱きながらも
試合会場に向かうのだった。
試合会場に着くと正綱が出迎えにきたのだった。
「殿、お待ち申しておりました。」
「すまぬな。信豊と話しをしておったゆえ。」
「そうでしたか。殿、こちらへ。」
氏真は正綱に連れられて会場に設けられている
床几に腰を下ろしたのだった。
「皆、今日はよく集まってくれた。貴公らの
腕前を存分に披露してくれ!」
「おー!」
試合は順調に進んでいった。
中でも氏真は腰に二本の刀を差し、手には薙刀を
持っている武芸者に注目していた。
...歳は四十を過ぎたあたりだろうか...
...身長は六尺(180cm)はあるだろうか...
氏真がその武芸者について考えていると、
こちらに向かって走り込んでくる男達がいた。
それも二名。
「止まれ、ここよりは立ち入ってはならぬ!」
(ザシュ)
誰かが斬られる音が聞こえた。
「退け!」
「キャアアアア!!」
「曲者だ!捕らえよ!!」
氏真は一瞬何が起きたのか、分からなかったが
正綱が小声で「曲者です。」と、伝えてくれた
ので状況を理解することができたのだった。
「泰朝、曲者を捕らえよ!」
「承知!」
「殿、こちらへ!」
「ああ。」
ところが次の瞬間、氏真の目の前を何かの玉と
思われる物が掠めたのである。
氏真はあまりの痛みに思わずよろけて、その場に
膝をついてしまったのだった。
...ぐっ、いったい何が起きたのだ?...
氏真は手で顔を覆いながら、あたりを見渡して
いると、御前試合に参加していた男が鉄砲を
こちらに向けていたのである。
しかも、すでに鉄砲の弾入れを終えているのか、
氏真に銃口を向けていた。
...くそ、父の仇を討たぬまま、のたれ死んでしまう
のか...
...やはり父上にはおよばぬのか...
男が引金を引いた。
氏真は目を閉じていた。しかし、いつまでたって
も銃声が聞こえてこないので、恐る恐る顔をあげて
見ると、そこには首に矢を受けた男が、立っていた。
...助かったのか...
「殿、お怪我は?」
「大事ない。」
「しかし、顔に傷が...」
「手当は後でよい。それよりも曲者は?」
「はっ。一人は矢で、残りの二人は一人の武芸者
によって討たれました。」
「そうか。」
「それにしてもいったい誰が矢を...」
「礼を申したかったのだが...、正綱知っておるか?」
「いえ...。」
「ふーむ。」
「そういえば...」
「何だ?」
「確か武芸者の中に矢を放つ者がおりました。」
「何?俺は狙われるまでずっと試合を見てきたが、
そのような者は見ておらぬ!」
「申し訳ありませんぬ。武芸者は刀や薙刀、槍
しか使わないと思っていたので、参加させており
ませんでした。」
「顔は覚えておるな。」
「はい。」
「明日、俺の居室に連れて参れ。」
「かしこまりました。」
「殿、試合はいかがなさいますか?」
「続けよ。」
「かしこまりました。」
(慌ただしい足音)
「殿!大事ありませぬか?」
「ああ、大事ない。」
「左様でしたか。」
「心配をかけたな、泰朝。」
「いえ、それよりも武田め!」
そういうと、泰朝は信豊の方に顔を向けていた。
「信豊殿、これはいかなることか!」
「それがしは何もしておらぬし、第一に武田が
したとは限らぬ!」
信豊は何も知らないのか、氏真の方に顔を向けて
切実に訴えていた。
「おのれ!しらを切るつもりか!」
「止めよ。」
「しかし...」
「信玄ならば証拠を残すまい。わかったら急いで
曲者達を討ってくれた武芸者達を探し出せ。
よいな。」
「...はっ。」
「疋田影兼殿、御入場!」
「おー!!」
「山海坊殿、御入場!」
「おー!!」
決勝戦は、氏真の注目していた男と未だに四十を
超えてなさそうな男が戦うことになったのだった。
結果は山海坊の圧勝だった。
「見事な試合であった。」
「ありがたきお言葉。」
「褒美を与える。何か欲しい物があるか?」
「いえ」
「そうか...、この後はいかがいたすのだ?」
「何も決まっておりませぬ。」
「...もし良かったら我が家の家臣にならぬか?」
「家臣?それがしのような下賤な者を雇って
くださるのですか?!」
「ああ、お主ような武に長けた者をのを埋もれ
させるのは惜しい。」
「ありがたく、ぜひそれがしの武をお使いくだ
さい。」
「うむ、頼りにしておるぞ!」
山海坊との対面が終わった後、氏真は疋田影兼に
今川家への士官を持ちかけたのだった。
「先程はお恥ずかしき所をお見せしました。」
「よい、勝敗は兵科の常だ。負ける事もある。」
「...はっ。」
「それにしても、曲者とはいえ、なかなかの
腕前を持つ手練れ二人をいとも容易く討ち取って
しまうそなたの腕前には眼を見張るものがあった。
もし、出来ることならばその武を今川のために
役立ててはくれぬか?」
「それはどういう...」
「そのまんまの意味だ。」
「それは、つまり家臣として雇ってくださるの
ですか?」
「ああ。」
「負けた身であるそれがしをこうして尋ねて
くださり、なおかつ士官もさせてもらえるなど...」
「して、返事は?」
「今川の家のためにこの疋田の武を存分にお使い
ください。」
こうして、後に鍾馗四人衆と呼ばれる猛将達の
内の二人が今川家に士官したのだった。
駿府城下には二万人を超える人々が集まっていた。
彼らの御目当てはもちろん氏真が催している武芸者
達による御前試合の見物であった。
忍び達が撒いた噂を聞きつけたのか、御前試合に
参加する武芸者の数は42名(徳川家の刺客3名を含む)と意外にも多く集まった。
その報告を自身の居室で聞いていた氏真は
早速試合会場に向かおうとするが近習より
「「武田典厩信豊様が殿に挨拶をしたい。」と、
申しておりまするが如何いたしましょう?」と
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「駿河はどうであった?」
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ておりまする。」
「そうか。義父上は息災か?」
「はい、「海を見るまでは死ねぬ。」と、毎日駿河
の方を向いて申しておりまする。」
信豊の発言にその場にいた岡部元信は表情を変えた。
...武田は本気で駿河を狙っているのか?...
...今や今川家は氏真様の元一つにまとまっておる...
...もし攻めてきたところで、我らには北条がついて
おる...
...万に一つ武田に勝ち目はないはずだ...
...賢い信玄ならば、そのことは充分存じておるはず...
「見るまでか...。武田は駿河を欲するか?」
「...」
「フッ、欲しければ力で奪いにこい!と義父上に
伝えておけ。」
「かしこまりました。では...」
(信豊が部屋を退出した)
「妙だな?遠江にも駿河にも武田に同調する国人
領主などおるまい。正綱、何か知っておるか?」
「いえ、何も存じませぬ。」
「ふむ、そうか。」
「殿、まもなく試合が始まりまする。」
「わかった。元信、行くぞ!」
「はっ。」
氏真は信豊の発言に少しの疑問を抱きながらも
試合会場に向かうのだった。
試合会場に着くと正綱が出迎えにきたのだった。
「殿、お待ち申しておりました。」
「すまぬな。信豊と話しをしておったゆえ。」
「そうでしたか。殿、こちらへ。」
氏真は正綱に連れられて会場に設けられている
床几に腰を下ろしたのだった。
「皆、今日はよく集まってくれた。貴公らの
腕前を存分に披露してくれ!」
「おー!」
試合は順調に進んでいった。
中でも氏真は腰に二本の刀を差し、手には薙刀を
持っている武芸者に注目していた。
...歳は四十を過ぎたあたりだろうか...
...身長は六尺(180cm)はあるだろうか...
氏真がその武芸者について考えていると、
こちらに向かって走り込んでくる男達がいた。
それも二名。
「止まれ、ここよりは立ち入ってはならぬ!」
(ザシュ)
誰かが斬られる音が聞こえた。
「退け!」
「キャアアアア!!」
「曲者だ!捕らえよ!!」
氏真は一瞬何が起きたのか、分からなかったが
正綱が小声で「曲者です。」と、伝えてくれた
ので状況を理解することができたのだった。
「泰朝、曲者を捕らえよ!」
「承知!」
「殿、こちらへ!」
「ああ。」
ところが次の瞬間、氏真の目の前を何かの玉と
思われる物が掠めたのである。
氏真はあまりの痛みに思わずよろけて、その場に
膝をついてしまったのだった。
...ぐっ、いったい何が起きたのだ?...
氏真は手で顔を覆いながら、あたりを見渡して
いると、御前試合に参加していた男が鉄砲を
こちらに向けていたのである。
しかも、すでに鉄砲の弾入れを終えているのか、
氏真に銃口を向けていた。
...くそ、父の仇を討たぬまま、のたれ死んでしまう
のか...
...やはり父上にはおよばぬのか...
男が引金を引いた。
氏真は目を閉じていた。しかし、いつまでたって
も銃声が聞こえてこないので、恐る恐る顔をあげて
見ると、そこには首に矢を受けた男が、立っていた。
...助かったのか...
「殿、お怪我は?」
「大事ない。」
「しかし、顔に傷が...」
「手当は後でよい。それよりも曲者は?」
「はっ。一人は矢で、残りの二人は一人の武芸者
によって討たれました。」
「そうか。」
「それにしてもいったい誰が矢を...」
「礼を申したかったのだが...、正綱知っておるか?」
「いえ...。」
「ふーむ。」
「そういえば...」
「何だ?」
「確か武芸者の中に矢を放つ者がおりました。」
「何?俺は狙われるまでずっと試合を見てきたが、
そのような者は見ておらぬ!」
「申し訳ありませんぬ。武芸者は刀や薙刀、槍
しか使わないと思っていたので、参加させており
ませんでした。」
「顔は覚えておるな。」
「はい。」
「明日、俺の居室に連れて参れ。」
「かしこまりました。」
「殿、試合はいかがなさいますか?」
「続けよ。」
「かしこまりました。」
(慌ただしい足音)
「殿!大事ありませぬか?」
「ああ、大事ない。」
「左様でしたか。」
「心配をかけたな、泰朝。」
「いえ、それよりも武田め!」
そういうと、泰朝は信豊の方に顔を向けていた。
「信豊殿、これはいかなることか!」
「それがしは何もしておらぬし、第一に武田が
したとは限らぬ!」
信豊は何も知らないのか、氏真の方に顔を向けて
切実に訴えていた。
「おのれ!しらを切るつもりか!」
「止めよ。」
「しかし...」
「信玄ならば証拠を残すまい。わかったら急いで
曲者達を討ってくれた武芸者達を探し出せ。
よいな。」
「...はっ。」
「疋田影兼殿、御入場!」
「おー!!」
「山海坊殿、御入場!」
「おー!!」
決勝戦は、氏真の注目していた男と未だに四十を
超えてなさそうな男が戦うことになったのだった。
結果は山海坊の圧勝だった。
「見事な試合であった。」
「ありがたきお言葉。」
「褒美を与える。何か欲しい物があるか?」
「いえ」
「そうか...、この後はいかがいたすのだ?」
「何も決まっておりませぬ。」
「...もし良かったら我が家の家臣にならぬか?」
「家臣?それがしのような下賤な者を雇って
くださるのですか?!」
「ああ、お主ような武に長けた者をのを埋もれ
させるのは惜しい。」
「ありがたく、ぜひそれがしの武をお使いくだ
さい。」
「うむ、頼りにしておるぞ!」
山海坊との対面が終わった後、氏真は疋田影兼に
今川家への士官を持ちかけたのだった。
「先程はお恥ずかしき所をお見せしました。」
「よい、勝敗は兵科の常だ。負ける事もある。」
「...はっ。」
「それにしても、曲者とはいえ、なかなかの
腕前を持つ手練れ二人をいとも容易く討ち取って
しまうそなたの腕前には眼を見張るものがあった。
もし、出来ることならばその武を今川のために
役立ててはくれぬか?」
「それはどういう...」
「そのまんまの意味だ。」
「それは、つまり家臣として雇ってくださるの
ですか?」
「ああ。」
「負けた身であるそれがしをこうして尋ねて
くださり、なおかつ士官もさせてもらえるなど...」
「して、返事は?」
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