妄想小説集

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レスリング選手控室

脱衣

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大崎健一の男らしい顔は、屈辱と覚悟という相反する感情に歪む。

裸になれという要求。

それをキャプテンとしての覚悟で受け入れた。

自身の矜持を守るために、これから脱衣をしなければならない。

屈辱だ。

だが、彼は信じていた。

過激な要求をしてきた者がいる。

が、しかし、多くは俺をキャプテンとして受け入れているはずだ。

その支持者は、俺が脱衣することにより、俺のキャプテンとしての覚悟を認めてくれるだろう。

彼は、彼の厳しい指導だけではなく、その秀でた容貌、そして、本人とは関係のないところで盛り上がっている女性ファンたちの存在が、チームメイトの彼に対する反感、複雑な気持ちを煽っていることには全く気付いていない。

大崎は、震える太い腕を上げ、自身の裸一貫の誓いの最初の行動に移る。

彼が身に着けているのは、経営陣が「大崎ブルー」と名付け、ファン向けに販売している、青と白がスタイリッシュにデザインされた特注のジャージだ。

それは、彼の絶大な人気とクラブの収益の象徴であり、チーム全員、それと同じデザインのジャージの着用を強いられてきた。

チームは一丸であるはずなのに、キャプテンの大崎だけが特別扱いされているという象徴でもあった。

そのジャージを自ら脱がなくてはならないことは、キャプテンの地位からの下落の象徴でもあった。
 
大崎は、男らしい顎のラインを固く引き締め、「大崎ブルー」のジャージのジッパーに男らしく太い指をかける。

 ジーッ

控え室の凍りついた沈黙に、ジャージのジッパーが下がる音が微かに響く。

それは、彼のプライドが、ゆっくりと自らの手で剥がされていく音でもあった。

ジッパーが降りるにつれ、その下から、汗でピッタリと身体に張り付いた“大崎ブルー”のレスリングユニフォームが、現れてくる。

ユニフォームの薄い布地が、彼の鍛え抜かれた筋肉の輪郭を、さらに強調して見せていた。

厚い胸板の迫力。

ユニフォーム越しでも分かる鉄板のような腹筋の引き締まり。

彼の逞しい肉体美は、汗と布地の密着によって、より一層、雄々しく、そして艶めかしく際立っていた。


ジャージの鎧が剥がれ、内側の身体に密着したユニフォームが現れたのをチームメイトたちの視線が舐めるように見ている。

それは、捕らえられ、解体されている獲物を見つめる猟師のような冷酷で貪欲な視線だった。

大崎は、ジャージの袖から太い腕を抜き、ジャージを床に投げ捨てる。

そして、腰のゴムバンドに手をかけ、「大崎ブルー」の特注ジャージの下を勢いよく引き下げ、足元に脱ぎ捨てた。

震えを抑えながら、歯を食いしばった顔を上げず、汗で肌に張り付いたシングレットの肩紐に指をかける。

心の何処かで誰か、馬鹿な真似はやめろと止めてくれないかと願っていたが、皆、無言だ。

もう、脱ぐほかはない。

クッ、、、

静寂を破り、小さな笑い声が聞こえる。

その笑い声には嘲笑が滲んでおり、大崎の心を刺す。

「さすが、筋肉自慢の“大崎ブルー”。そのユニフォーム、お前の身体を見せつけるのには最高だな。女どもが群がるわけだ」

沢村の声。

「ふふ、、、レスリングの技とは全く関係ねえけどな、、、」

松本が同調する。

試合を終えたばかりで、汗で濡れて光る布越しの筋肉を舐めるように見つめながら言う。

言われている大崎は、なぜそんな屈辱的な言葉をかけられるのが分からない。

屈辱で頬が震える。

チームメイトの視線が、大崎の謝罪を見ているのではなく、彼の恵まれた筋肉に覆われた肉体を陵辱する獲物として見ていることに気付いていない。

大崎の指が肩に掛かり、ユニフォームが自らの手で剥がされていく。

ピッタリと張り付くシングレットの肩を下ろそうと腕を動かせば、脇の下が露わになる。

その強靭な二の腕の付け根には、垣間見える濃密な腋毛が、彼の野性的な男らしさを強調している。

シングレットが胸へと引き下げられれば、彼の厚い胸板が完全に露わになる。

照明の下、汗がオイルのように擦り込まれ、艶めかしく光を反射する鍛え抜かれた胸筋。

その中央には、濃くはないが、男らしさを彩る繊細な胸毛が汗で肌に張り付き、彼の彫像のような肉体に、野性味と色気を添えていた。

誰かが生唾を飲み込んだ。

最高だぜ、、、キャプテン、、、その恵まれた、俺達の上に胡座をかいていた肉体を全部見せろ、、、

そんな声が聞こえてきそうだ。

逞しい胸筋を羽根を広げたフェニックスのように飾る胸毛は、腹筋に降りるとともに次第に細いラインとなり、引き締まったシックスパックの間を通り、臍へと続いていく。

大崎は、屈辱に耐えながら、鉄板のような腹筋を緊張させ、ユニフォームを腰まで下げた。

そして、臍の下、、、

腹筋の最後の瘤の辺りから、その細い体毛は一転して濃密な三角形を描くように、股間へと向かって広がり始める。

大崎は、己の中の意地と矜持を振り絞り、サポーターとともに一気にユニフォームを引き下ろす。 

彼の肉体の中でも特に力強い鍛えられた下半身が顕になる。

強靭な大腿筋は、その筋肉の線維が皮膚の下で複雑に絡み合い、力強い柱のように盛り上がっている。

その均整の取れた太さと彫刻的な美しさは、彼の身体能力に激しいトレーニングを重ねた賜物だ。

そして、彼の臍の下、腹筋の終端から、細い体毛が一気に濃密な三角形へと広がる。

この陰毛は、ただ濃いだけでなく、美しく整った三角形を描き出し、彼の鍛え抜かれた肉体に根源的な野生の男らしさを与えていた。

そして、その濃密な三角形の中央に、彼の男としての象徴が静かに鎮座している。

立派なイチモツは、雄々しい太さと適切な長さを持ち、その先端である亀頭の形は、完璧な円錐形を描き、艶めかしい熱を秘めているかのようだった。

そして、その太い肉棒の根本に抱えられるように、形の良い陰嚢が、陰毛に彩られながら静かに収まっている。

その適度な張りと均整の取れた形状は、彼の男性としての威容を完璧なものとする役割を果たす。

大崎健一の裸の肉体は、美と力の極致であり、神々しいまでの雄々しさを放っていた。

しかし、同時に、剥き出しの肉体はその一切の防御を失い、チームメイトの前、無防備な獲物と化している。

裸一貫。

彼の肉体は、チームメイトの冷酷な視線という名の鉄の檻の中に閉じ込められた。





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