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裸祭の夜〜純一&和彦
純一 5
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、、、、?
、、、え?
、、えぇっ?!
御輿を担ぐ純一の下半身に違和感が生じている。
股間の逸物の締め付けが緩んだ気がする。
そして、太股をサワサワと軽く撫でられるような感触がある。
ま、まさか、、、
褌がずり落ちてる?
結び目が外れたのか?
しっかり締めてもらったはずなのに、、、
血の気が引いていく。
間違いだっ、、、気のせいだっ、、、
そう思おうとするが、腰から太股にかけて、違和感は増す。
そして、それにつれ、太股に何かが絡み付き軽く両脚の動きを妨げる。
えっ?
まさかっ!
そんなこと、、、
純一は混乱する。
ふ、、ふ、、、褌がほどけるなんてっ!
純一の身体の動きがみだれる。
神輿は集団で担ぐものだ。
一人が乱れると他に影響してしまう。
そして、休息時以外に担ぎ手が神輿から離れるのはご法度だ。
が、焦る純一はその事に注意が回らない。
下を見る。
きっちりと締まっているはずの褌がだらしない形に歪み、股間の漆黒の剛毛と肉棒の付け根が見えている。
や、ヤバイっ!
褌を引き上げようと、担ぎ棒を乗せた肩とは反対側の腕を腰の辺りまで下ろす。
歩みの速度が遅くなり、横と後ろの担ぎ手にぶつかる。
“邪魔だっ”
誰かに押され、純一は体勢を崩す。
一度は指先が摘まみかけたのに、あっさりと褌の紐は純一から逃げていく。
そして、ますます弛んでいく。
“どけっ”
屈みかけた純一の身体が、誰かの腕で強く押され、誰かが強く蹴り、突き飛ばされる。
神輿の周りもまた人が取り囲んでいる。
人波に倒れ混んだ純一は身体の自由が利かない。
褌はほどけていく。
手を伸ばそうにも、密集した人の波に揉まれ、手を腰に下ろすことが出来ない。
ほとんどほどけた褌は、何かに引っ掛かったようで純一の身体を離れてしまう。
“ソイヤッ!”
“セヤッ!”
男らしい活気ある掛け声と共に、神輿を中心に密集した上裸の男達が押し合いへし合いをする中、全裸となった純一は泣きそうになりながら神輿を見送る。
追いかけたいが、汗まみれの男達の人混みに揉まれ思うように身体が動かない。
そして、褌もない。
ど、、、どうしよう、、、
純一は泣き出したい気持ちだった。
その時。
そうだ、栗山くんっ!
ついさっき、神輿の横にいた。
浜田と菊池は神輿と共に先に行ってしまった。
だか、この沿道の人混みなら栗山はまだそんなに離れていないはずだ。
とりあえず、栗山くんと合流しよう。
そして、彼に股間を隠す何かを持ってきてもらおう。
純一は頭を巡らせ、生徒の姿を探す。
どこだ、、、どこにいる?
“栗山くん、、、くりやまく~ん、、、”
名を呼ぶ。
純一にとって幸運だったのは、祭に高揚している周囲の者達が神輿に注意を向けているため、純一の無防備な股間に目を向けていないことだ。
必死で栗山を探す。
その栗山はスマホを教師である純一のほうに向け、その焦る様子を撮影している。
純一の顔が栗山の方を向くとすっと人影に隠れながら、、、
純一は生徒が自分を盗撮しているなどと思っていない。
必死で探している。
“Oh!Wonderful Japanese guy
!”
急に声をかけられ純一の前に巨漢が現れる。
長めの金髪、がっしりした体格、男らしい顔の白人が純一の前に立ちはだかった。
純一が見上げるような巨漢だ。
胸毛が密集して生えている。
褌姿の立派な筋肉質の身体を持つその外国人は、密林の王ターザンを彷彿とさせる美丈夫だった。
“You are so cool!”
そう言って、純一をハグする。
“A-ha-ha-ha”
横から笑い声。
こちらも見事な体格の黒人が純一の横に来る。
そして、純一のケツを触る。
“Oh, You are naked!”
裸に気付き、黒人が言う。
白人が、
“Really? Oh,great!You so cute!”
と言い、ガシッと純一を抱き締め、頬にキスをする。
純一の裸の身体に巨漢の胸毛があたり、チクチクする。
そして、純一の逸物をにぎり“Big!”と言う。
黒人は純一の尻を、腹を撫でる。
“So.....Sorry . I'm in harry”
僕は急いでいますと伝え、純一は2人から離れようと、もがくように身体を動かし、人混みを分け進む。
急に身体が楽になる。
神輿を取り囲んだ男達の人波を抜けたのだ。
「ねぇ、ママ、あの人、裸だよ~」
子供の声にハッとする。
揉み合う男衆から少し離れて見物している一群の前に飛び出してしまったのだ。
「見るんじゃありません!」
「すごいよ、おチンポが古くなったバナナみたいだよ、、、お父さんよのと全然違う、、、」
「こっちに来なさい」
純一は真っ赤になり、股間を手で隠す。
母親が何かを告げた後、その子供は言った。
「ろしゅつきょうって、なあに、、、」
その言葉が純一の心に突き刺さる。
周囲の群衆が爆笑する。
「へんたいのことなのぉ?」
さらに子供の声が響き、笑い声も高まる。
指を指す者、、、
スマホを純一に向ける者、、、
ハァァ~~~ッ!
純一の口から切羽詰まった悲鳴が漏れる。
純一の顔はどす黒いほど赤くなっている。
股間を隠し、急いでその場を離れようとする。
「ストリーキングかよ」
「ストリーキング?」
「素っ裸で路上を走る変態野郎のこと」
純一が近付くと汚いモノでも来たかのように、人が避け、道が開く。
「やだっ!」
「うわっ!」
嫌悪の悲鳴が純一の心を裂く。
レンガ塀の隙間の横道に飛び込み、その先の塀の切れ目を見つけ、影にしゃがみ混む。
どうしよう、、、、
泣きたくなる。
テント、あるいは、駐車場まで素っ裸で行くしかないのか、、、
人混みを裸で行くのは恥ずかしい。
が、裏道は土地勘がない。
さらに、この路地が行き止まりだったら、大通りに戻るしかない。
どうしよう、、、
純一の筋肉に覆われた見事な身体がガタガタと震えだす。
生きた心地がしない。
その時、足音が近付いてきた。
おずおずと純一は顔をだし、そちらを見る。
影が近付いてくる。
スマホを掲げている。
「栗山くんっ!」
地獄で仏に会ったような安堵感。
さすがに教師を哀れに思ったのか、それとも、影に隠れてしまった教師に物足りなさを感じてしまったのか、栗山が純一の前に現れた。
スマホで撮影しながら。
「全裸で走る人を見つけたから追ってきたら、まさかの僕たちの来生先生でした、、、」
実況をしているのだ。
「く、栗山くんっ、、、やめてっ!、、撮るな、撮らないで、、、」
「先生、素っ裸は気持ちいいですか?」
「き、気持ちいい訳ないだろっ!」
「デカチンをみんなに見せたかったんですか?」
「ば、バカなことを言うな、、、スマホを止めろっ!法被を貸してくれっ!た、頼むっ!」
嘆願する教師の様子をたっぷりと撮影した後、栗山はスマホを下ろす。
「しょうがないな」
栗山が法被を脱ぎ、教師に渡す。
栗山は、純一に比して小柄だ。
そして、純一の立派な逸物は今、力なく頭を落としている。
だから、法被の裾はギリギリ股間を隠すくらいの位置となる。
「センセ、せっかくだからチンチン出しちゃえば良いじゃん」
「そんなこと出来ないっ!」
純一は絞り出すように言う。
「じゃ、先生、僕、旨そうな男探しに行ってくるね~」
え?
栗山が付き添ってくれるものだと思っていたのだ。
が、生徒は教師のすがりたい気持ちを無視してさっさと行ってしまう。
心細い、、、
だが、いつまでもここに居るわけには行かない。
純一は法被の前を重なるように押さえ、こそこそと歩き出す。
テントは人が多い。
そこに褌を無くしたなどと言って行くのは恥ずかしい。
さらに、神輿を担いでいる途中で担ぎ棒から離れると言うマナー違反をしてしまったため、会わせる顔もない。
だから、送迎のバスに乗せてもらおうと駐車場に向かう。
途中、先ほど純一に絡んできた外国人達の姿を見つけ、こそこそと隠れる。
人の目が自分に注がれているような気がして、心が落ち着かない。
町外れの駐車場が見えてきた時に、ホッとする。
送迎バスの姿はなく、駐車されている乗用車の影に隠れ、一息つく。
悔恨と疑念が湧いてくる。
なんで、、、なんでこんな時に褌がほどけるんだ、、、
今まで締めた褌が弛むことなんて無かった。
なのに何故。
褌は栗山が結んでくれた、、、
まさか、、、
いや、ダメだ。
証拠もないのに人を疑っちゃダメだ。
事実は褌を締めた時に、教師と浜田の隙を見て、結び目に丈夫なピアノ線を仕込み、その位置のサラシに切れ込みをいれていた。
そして、あの時、後ろで担ぐ菊池が思い切り仕込まれたピアノ線に作られた輪を思い切り引っ張り、サラシを切った。
が、純一にはそんなことは思い至らない。
影が駐車場に近付いてくる。
がっしりとした肩幅、締まった腰、尊大な歩き方、、、
「浜田くんっ!」
純一は車の影から飛び出す。
そして、ギョッとする。
浜田が純一を睨み付けてくる。
怒ってるっ!
純一がハッとして、彼をなだめようとする暇もなく、頬が張られた。
右、、、
左、、、
また、左、、、
衝撃が三度走り、純一はよろける。
「てめぇ、担いでいる最中に列を離れるなんて何を考えているんだっ!担ぎ手として御法度だぞっ!」
「す、すまない、、、許してくれっ!」
「言い訳するんじゃねぇ、いい歳をして、お前は、、、え?てめえ、褌はどうした?チンポコ丸出しじゃねぇか」
純一は、慌てて法被の前を閉じる。
が、浜田の行動も素早い。
グイと法被の襟を引っ張る。
純一は押さえる。
浜田が両手で襟と首元を掴み強引に引く。
純一の裸の右肩が剥き出しになり、そして、背の布がビリッと破れる。
純一は観念する。
破れた法被は剥ぎ取られ、純一は駐車場で裸体を晒す。
「てめぇ、なんで素っ裸なんだ」
浜田のドスが効いた声。
「ふ、、、褌が、、、ハズレて、、、なくなって、、、」
「はぁ?まさか、担いでる最中にフルチンになったのか?」
純一は顔を赤らめ、コクンと頷く。
バチンッ!
頬が張られる。
「おまえ、いい歳こいて、何をみっともないことを、、、」
ガヤガヤと騒いでいる一団が駐車場の入り口に近付いてくる。
チッ!
浜田が舌打ちをし、破れた法被を純一に放り投げる。
純一は慌てて法被を纏う。
背中の布が裂けているため、尻が丸見えだ。
「帰るぞっ!」
「え?まだ、バスが、、、」
「何を贅沢言っているんだ、行くぞ、ランニングだっ!」
浜田が駆け出す。
純一も後を追い、慌てて駆け出す。
駐車場は町のハズレにあり、中心部に比べれば人通りは少ない。
が、居ない訳ではない。
純一は法被の前を合わせ、股間が見えないように走る。
だから、全速力は出さず、浜田との距離は開いていく。
置いていかれまいと人通りが途切れると法被から手を離し、全速力で走り距離を縮め、人が来ると前を押さえて距離が離される。
格闘家の浜田よりもサッカーでならした純一の方が足が速い。
だから、どうにか浜田についていけた。
旅館へ続く道はゆっくりと上り坂になり、民家は少なくなり、木々が増えていく。
人通りがとうとう絶え、暗い山道に差し掛かるあたりで浜田が立ち止まり、純一を待つ。
二人とも息が粗い。
浜田は無言で純一の法被に手を掛け、剥ぎ取る。
純一は山道の途中、再び素っ裸になる。
「浜田くん、聞いてくれっ!おねが、、、」
「黙れッ!」
生徒の一喝に、教師は黙る。
「言い訳するヤツは大ッ嫌いだ。お前の根性を叩き直す必要があるな」
純一の血の気が引く。
「お前に口を開く権利はないっ!」
酷い言いようだ。
「四つん這いになれ」
!!??
純一の顔がひきつる。
「せめて、犬並みにはなってもらわないとな、、、」
教師の顔がブルブルと痙攣する。
が、何も言わず、ゆっくりと身体が沈む。
生徒の命令のまま、教師は犬のように四つん這いになる。
「いいか、お前に許される言葉は、これから“ワン”だけだ。いいなっ!」
「ワンッ」
「良い子にしていたら散歩につれていってやる」
「ワン」
「行くゾッ」
尊大な態度で生徒が歩きだし、教師が四つん這いのまま後を進む。
発達した尻をプリプリと振りながら、、、
、、、え?
、、えぇっ?!
御輿を担ぐ純一の下半身に違和感が生じている。
股間の逸物の締め付けが緩んだ気がする。
そして、太股をサワサワと軽く撫でられるような感触がある。
ま、まさか、、、
褌がずり落ちてる?
結び目が外れたのか?
しっかり締めてもらったはずなのに、、、
血の気が引いていく。
間違いだっ、、、気のせいだっ、、、
そう思おうとするが、腰から太股にかけて、違和感は増す。
そして、それにつれ、太股に何かが絡み付き軽く両脚の動きを妨げる。
えっ?
まさかっ!
そんなこと、、、
純一は混乱する。
ふ、、ふ、、、褌がほどけるなんてっ!
純一の身体の動きがみだれる。
神輿は集団で担ぐものだ。
一人が乱れると他に影響してしまう。
そして、休息時以外に担ぎ手が神輿から離れるのはご法度だ。
が、焦る純一はその事に注意が回らない。
下を見る。
きっちりと締まっているはずの褌がだらしない形に歪み、股間の漆黒の剛毛と肉棒の付け根が見えている。
や、ヤバイっ!
褌を引き上げようと、担ぎ棒を乗せた肩とは反対側の腕を腰の辺りまで下ろす。
歩みの速度が遅くなり、横と後ろの担ぎ手にぶつかる。
“邪魔だっ”
誰かに押され、純一は体勢を崩す。
一度は指先が摘まみかけたのに、あっさりと褌の紐は純一から逃げていく。
そして、ますます弛んでいく。
“どけっ”
屈みかけた純一の身体が、誰かの腕で強く押され、誰かが強く蹴り、突き飛ばされる。
神輿の周りもまた人が取り囲んでいる。
人波に倒れ混んだ純一は身体の自由が利かない。
褌はほどけていく。
手を伸ばそうにも、密集した人の波に揉まれ、手を腰に下ろすことが出来ない。
ほとんどほどけた褌は、何かに引っ掛かったようで純一の身体を離れてしまう。
“ソイヤッ!”
“セヤッ!”
男らしい活気ある掛け声と共に、神輿を中心に密集した上裸の男達が押し合いへし合いをする中、全裸となった純一は泣きそうになりながら神輿を見送る。
追いかけたいが、汗まみれの男達の人混みに揉まれ思うように身体が動かない。
そして、褌もない。
ど、、、どうしよう、、、
純一は泣き出したい気持ちだった。
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そうだ、栗山くんっ!
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だか、この沿道の人混みなら栗山はまだそんなに離れていないはずだ。
とりあえず、栗山くんと合流しよう。
そして、彼に股間を隠す何かを持ってきてもらおう。
純一は頭を巡らせ、生徒の姿を探す。
どこだ、、、どこにいる?
“栗山くん、、、くりやまく~ん、、、”
名を呼ぶ。
純一にとって幸運だったのは、祭に高揚している周囲の者達が神輿に注意を向けているため、純一の無防備な股間に目を向けていないことだ。
必死で栗山を探す。
その栗山はスマホを教師である純一のほうに向け、その焦る様子を撮影している。
純一の顔が栗山の方を向くとすっと人影に隠れながら、、、
純一は生徒が自分を盗撮しているなどと思っていない。
必死で探している。
“Oh!Wonderful Japanese guy
!”
急に声をかけられ純一の前に巨漢が現れる。
長めの金髪、がっしりした体格、男らしい顔の白人が純一の前に立ちはだかった。
純一が見上げるような巨漢だ。
胸毛が密集して生えている。
褌姿の立派な筋肉質の身体を持つその外国人は、密林の王ターザンを彷彿とさせる美丈夫だった。
“You are so cool!”
そう言って、純一をハグする。
“A-ha-ha-ha”
横から笑い声。
こちらも見事な体格の黒人が純一の横に来る。
そして、純一のケツを触る。
“Oh, You are naked!”
裸に気付き、黒人が言う。
白人が、
“Really? Oh,great!You so cute!”
と言い、ガシッと純一を抱き締め、頬にキスをする。
純一の裸の身体に巨漢の胸毛があたり、チクチクする。
そして、純一の逸物をにぎり“Big!”と言う。
黒人は純一の尻を、腹を撫でる。
“So.....Sorry . I'm in harry”
僕は急いでいますと伝え、純一は2人から離れようと、もがくように身体を動かし、人混みを分け進む。
急に身体が楽になる。
神輿を取り囲んだ男達の人波を抜けたのだ。
「ねぇ、ママ、あの人、裸だよ~」
子供の声にハッとする。
揉み合う男衆から少し離れて見物している一群の前に飛び出してしまったのだ。
「見るんじゃありません!」
「すごいよ、おチンポが古くなったバナナみたいだよ、、、お父さんよのと全然違う、、、」
「こっちに来なさい」
純一は真っ赤になり、股間を手で隠す。
母親が何かを告げた後、その子供は言った。
「ろしゅつきょうって、なあに、、、」
その言葉が純一の心に突き刺さる。
周囲の群衆が爆笑する。
「へんたいのことなのぉ?」
さらに子供の声が響き、笑い声も高まる。
指を指す者、、、
スマホを純一に向ける者、、、
ハァァ~~~ッ!
純一の口から切羽詰まった悲鳴が漏れる。
純一の顔はどす黒いほど赤くなっている。
股間を隠し、急いでその場を離れようとする。
「ストリーキングかよ」
「ストリーキング?」
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「うわっ!」
嫌悪の悲鳴が純一の心を裂く。
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おずおずと純一は顔をだし、そちらを見る。
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「栗山くんっ!」
地獄で仏に会ったような安堵感。
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スマホで撮影しながら。
「全裸で走る人を見つけたから追ってきたら、まさかの僕たちの来生先生でした、、、」
実況をしているのだ。
「く、栗山くんっ、、、やめてっ!、、撮るな、撮らないで、、、」
「先生、素っ裸は気持ちいいですか?」
「き、気持ちいい訳ないだろっ!」
「デカチンをみんなに見せたかったんですか?」
「ば、バカなことを言うな、、、スマホを止めろっ!法被を貸してくれっ!た、頼むっ!」
嘆願する教師の様子をたっぷりと撮影した後、栗山はスマホを下ろす。
「しょうがないな」
栗山が法被を脱ぎ、教師に渡す。
栗山は、純一に比して小柄だ。
そして、純一の立派な逸物は今、力なく頭を落としている。
だから、法被の裾はギリギリ股間を隠すくらいの位置となる。
「センセ、せっかくだからチンチン出しちゃえば良いじゃん」
「そんなこと出来ないっ!」
純一は絞り出すように言う。
「じゃ、先生、僕、旨そうな男探しに行ってくるね~」
え?
栗山が付き添ってくれるものだと思っていたのだ。
が、生徒は教師のすがりたい気持ちを無視してさっさと行ってしまう。
心細い、、、
だが、いつまでもここに居るわけには行かない。
純一は法被の前を重なるように押さえ、こそこそと歩き出す。
テントは人が多い。
そこに褌を無くしたなどと言って行くのは恥ずかしい。
さらに、神輿を担いでいる途中で担ぎ棒から離れると言うマナー違反をしてしまったため、会わせる顔もない。
だから、送迎のバスに乗せてもらおうと駐車場に向かう。
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悔恨と疑念が湧いてくる。
なんで、、、なんでこんな時に褌がほどけるんだ、、、
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なのに何故。
褌は栗山が結んでくれた、、、
まさか、、、
いや、ダメだ。
証拠もないのに人を疑っちゃダメだ。
事実は褌を締めた時に、教師と浜田の隙を見て、結び目に丈夫なピアノ線を仕込み、その位置のサラシに切れ込みをいれていた。
そして、あの時、後ろで担ぐ菊池が思い切り仕込まれたピアノ線に作られた輪を思い切り引っ張り、サラシを切った。
が、純一にはそんなことは思い至らない。
影が駐車場に近付いてくる。
がっしりとした肩幅、締まった腰、尊大な歩き方、、、
「浜田くんっ!」
純一は車の影から飛び出す。
そして、ギョッとする。
浜田が純一を睨み付けてくる。
怒ってるっ!
純一がハッとして、彼をなだめようとする暇もなく、頬が張られた。
右、、、
左、、、
また、左、、、
衝撃が三度走り、純一はよろける。
「てめぇ、担いでいる最中に列を離れるなんて何を考えているんだっ!担ぎ手として御法度だぞっ!」
「す、すまない、、、許してくれっ!」
「言い訳するんじゃねぇ、いい歳をして、お前は、、、え?てめえ、褌はどうした?チンポコ丸出しじゃねぇか」
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バチンッ!
頬が張られる。
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チッ!
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「帰るぞっ!」
「え?まだ、バスが、、、」
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だから、どうにか浜田についていけた。
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二人とも息が粗い。
浜田は無言で純一の法被に手を掛け、剥ぎ取る。
純一は山道の途中、再び素っ裸になる。
「浜田くん、聞いてくれっ!おねが、、、」
「黙れッ!」
生徒の一喝に、教師は黙る。
「言い訳するヤツは大ッ嫌いだ。お前の根性を叩き直す必要があるな」
純一の血の気が引く。
「お前に口を開く権利はないっ!」
酷い言いようだ。
「四つん這いになれ」
!!??
純一の顔がひきつる。
「せめて、犬並みにはなってもらわないとな、、、」
教師の顔がブルブルと痙攣する。
が、何も言わず、ゆっくりと身体が沈む。
生徒の命令のまま、教師は犬のように四つん這いになる。
「いいか、お前に許される言葉は、これから“ワン”だけだ。いいなっ!」
「ワンッ」
「良い子にしていたら散歩につれていってやる」
「ワン」
「行くゾッ」
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発達した尻をプリプリと振りながら、、、
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その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
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