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仕組まれた厳罰と秘められた厳罰(回想編)〜和彦
砂ぼこり舞うグラウンド
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和彦は、荒木に続いてグラウンドに足を踏み入れる。
第3グラウンドは学園の裏手にある小高い山の中腹に広がる。
高いフェンス、そして、その向こうの山側には鬱蒼とした木々が茂る。
振り返れば広々とした学園の建物が見下ろせる。
校舎からは離れ、緩いとはいえ坂を上り下りしなければならず、休み時間を移動に取られるため、生徒にはあまり評判は良くない。
ただし、放課後の部活や生徒同士のレクリエーションで使うには、教師の見回りはほぼ無く、校舎から離れ監視の目も届かないので、一部の生徒の使用頻度は高い。
校舎側からは強めの夏風が吹き、剥き出しの土のグラウンドに砂ぼこりが舞っている。
そのグラウンドの入り口近くに3年生の運動部の有志が集まっている。
ラグビー部、水泳部、体操部だけではなく、他の部からも有志が来ているようだ。
「先生達ぃ、遅いッスよ、、、」
「身体を動かしたくてウズウズしてるんですから、、、」
「早くストレッチしましょう!」
若々しい声。
運動で身体を鍛えている3年生はほぼ集まっているようだ。
ムッとするような若者の集団。
大人になりかけの肉体が放つはち切れんばかりのエネルギーが伝わってくるようだ。
「おぉ、悪かったな。さあ、ストレッチだ。身体をよく解せよ、今日は身体を動かしまくるぞっ!」
荒木が声を掛ける。
遅れたのは用意してしなかった和彦のせいなのに、荒木はそのことは言わなかった。
和彦は、それまで距離を感じていた荒木に対し、感謝した。
荒木さんと距離があると思っていたのは、俺の思い込みだったのかもしれない。
和彦は少し反省し、荒木の広い背中を見る。
荒木が生徒達の集団に向かい歩き出す。
和彦もそれに続こうと足を出しかけ、ビクッと動きが止まる。
和彦達の方にワラワラと歩いてくる生徒達。
その視線、、、
和彦の身体を舐め回すように見ている気がする。
いや、事実、何人かの生徒達はピッタリとしたラグビーユニフォームの和彦の肉体を見つめている。
普段のジャージ姿とは異なるラグビーのユニフォーム姿。
普段は見せない和彦の筋肉の荒々しい側面を強調しているようだ。
その姿に生徒が目を留めたとしても無理はない。
どっしりとグラウンドを踏む太い脚。
ラガーシャツの袖を破らんばかりの太い腕。
グッと張る胸筋。
締まった腰。
そして、己を誇示するかのように盛り上がる股間。
男盛りと青春の残滓を併せ持つ清々しい男らしさ。
運動を好む若者であれば憧れの視線を向けてもおかしくはない。
が、和彦はその視線に怯える。
自身の肉体を舐めるように見た後に襲いかかってきた生徒達。
“ブッとい腕、すげぇ、、、”
そう言い、和彦の腕を舐め回し、軽く噛み付いてきた生徒。
「腹に力入れろよっ!ん~~、このシックスパックに囲まれた臍、可愛いじゃんっ!」
そう言った後、和彦の瘤のような腹筋を撫で回しながら、臍に舌を突っ込んできた生徒。
「でけぇ、ケツ!揉み甲斐があるぜっ!」
ケツを千切るように掴まれた。
「おらっ!テメェの脚はテメェで支えろっ!」
そう言われ、自身の手で膝を開き大股を晒させられた挙句、
「鍛えられてんなぁ、この脚、、、」
と言われ、内腿を撫で回され、同時に、他の生徒達は、足の裏を、脹脛を、腿の付け根を、和彦の筋肉を愛でる言葉を発しながら、撫で回し、舐め回した。
だから、グラウンドにいる3年生達の視線が怖かった。
もちろん、賞賛だけでなく、性的な目で和彦を見ている生徒達も少なくはなく、和彦の身のうちに湧いた慄えは根拠のないものではなかったのだが。
さらに、一番後ろに立つ風間、保田、水田が和彦に対し、あからさまに厳しい目を向けている。
その鋭く尖った視線も和彦を射抜く。
三人は、風呂場で、2年生達にあしらわれ、彼らに従うように身を任せた姿を和彦に見られているのだ。
ただでさえ、その2年生たちとつるみがちなことに嫉妬の目を向けていた彼らの和彦に対する恨み、妬みが増していることは想像に難くない。
「じゃ、二人一組でストレッチだっ!杉山、俺と組め!皆、俺達の動きについてこいっ!」
荒木の言葉に和彦はホッとする。
このまま生徒の誰かと組んだら、ビビって身体が動かなくなってしまうかもしれない。
荒木ならば安心できる。
和彦と荒木は、互いの手を握り、身体の筋を伸ばすストレッチを始めた。
生徒もそれに続く。
夏風が爽やかに吹き、グラウンドに再び砂ぼこりが舞う。
第3グラウンドは学園の裏手にある小高い山の中腹に広がる。
高いフェンス、そして、その向こうの山側には鬱蒼とした木々が茂る。
振り返れば広々とした学園の建物が見下ろせる。
校舎からは離れ、緩いとはいえ坂を上り下りしなければならず、休み時間を移動に取られるため、生徒にはあまり評判は良くない。
ただし、放課後の部活や生徒同士のレクリエーションで使うには、教師の見回りはほぼ無く、校舎から離れ監視の目も届かないので、一部の生徒の使用頻度は高い。
校舎側からは強めの夏風が吹き、剥き出しの土のグラウンドに砂ぼこりが舞っている。
そのグラウンドの入り口近くに3年生の運動部の有志が集まっている。
ラグビー部、水泳部、体操部だけではなく、他の部からも有志が来ているようだ。
「先生達ぃ、遅いッスよ、、、」
「身体を動かしたくてウズウズしてるんですから、、、」
「早くストレッチしましょう!」
若々しい声。
運動で身体を鍛えている3年生はほぼ集まっているようだ。
ムッとするような若者の集団。
大人になりかけの肉体が放つはち切れんばかりのエネルギーが伝わってくるようだ。
「おぉ、悪かったな。さあ、ストレッチだ。身体をよく解せよ、今日は身体を動かしまくるぞっ!」
荒木が声を掛ける。
遅れたのは用意してしなかった和彦のせいなのに、荒木はそのことは言わなかった。
和彦は、それまで距離を感じていた荒木に対し、感謝した。
荒木さんと距離があると思っていたのは、俺の思い込みだったのかもしれない。
和彦は少し反省し、荒木の広い背中を見る。
荒木が生徒達の集団に向かい歩き出す。
和彦もそれに続こうと足を出しかけ、ビクッと動きが止まる。
和彦達の方にワラワラと歩いてくる生徒達。
その視線、、、
和彦の身体を舐め回すように見ている気がする。
いや、事実、何人かの生徒達はピッタリとしたラグビーユニフォームの和彦の肉体を見つめている。
普段のジャージ姿とは異なるラグビーのユニフォーム姿。
普段は見せない和彦の筋肉の荒々しい側面を強調しているようだ。
その姿に生徒が目を留めたとしても無理はない。
どっしりとグラウンドを踏む太い脚。
ラガーシャツの袖を破らんばかりの太い腕。
グッと張る胸筋。
締まった腰。
そして、己を誇示するかのように盛り上がる股間。
男盛りと青春の残滓を併せ持つ清々しい男らしさ。
運動を好む若者であれば憧れの視線を向けてもおかしくはない。
が、和彦はその視線に怯える。
自身の肉体を舐めるように見た後に襲いかかってきた生徒達。
“ブッとい腕、すげぇ、、、”
そう言い、和彦の腕を舐め回し、軽く噛み付いてきた生徒。
「腹に力入れろよっ!ん~~、このシックスパックに囲まれた臍、可愛いじゃんっ!」
そう言った後、和彦の瘤のような腹筋を撫で回しながら、臍に舌を突っ込んできた生徒。
「でけぇ、ケツ!揉み甲斐があるぜっ!」
ケツを千切るように掴まれた。
「おらっ!テメェの脚はテメェで支えろっ!」
そう言われ、自身の手で膝を開き大股を晒させられた挙句、
「鍛えられてんなぁ、この脚、、、」
と言われ、内腿を撫で回され、同時に、他の生徒達は、足の裏を、脹脛を、腿の付け根を、和彦の筋肉を愛でる言葉を発しながら、撫で回し、舐め回した。
だから、グラウンドにいる3年生達の視線が怖かった。
もちろん、賞賛だけでなく、性的な目で和彦を見ている生徒達も少なくはなく、和彦の身のうちに湧いた慄えは根拠のないものではなかったのだが。
さらに、一番後ろに立つ風間、保田、水田が和彦に対し、あからさまに厳しい目を向けている。
その鋭く尖った視線も和彦を射抜く。
三人は、風呂場で、2年生達にあしらわれ、彼らに従うように身を任せた姿を和彦に見られているのだ。
ただでさえ、その2年生たちとつるみがちなことに嫉妬の目を向けていた彼らの和彦に対する恨み、妬みが増していることは想像に難くない。
「じゃ、二人一組でストレッチだっ!杉山、俺と組め!皆、俺達の動きについてこいっ!」
荒木の言葉に和彦はホッとする。
このまま生徒の誰かと組んだら、ビビって身体が動かなくなってしまうかもしれない。
荒木ならば安心できる。
和彦と荒木は、互いの手を握り、身体の筋を伸ばすストレッチを始めた。
生徒もそれに続く。
夏風が爽やかに吹き、グラウンドに再び砂ぼこりが舞う。
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