聖域で狩られた教師 和彦の場合

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リライト 生徒の庇護

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ズカズカと入ってきた長身の生徒。  

誰もが美少年と認めるほどの綺麗な顔立ちをしている。  

登場しただけで場が明るくなるような雰囲気。  

そして、リーダーシップも有している。  

生徒会長の藤崎竜之介だ。  

弓道の名手。  

もともと学園に弓道部はなかったが、彼の要望で新設され、藤崎を慕う者たちが次々と入部し、開設して三年も経たないうちに人気クラブとなった。  

その藤崎が教室に入ってくる。  

全裸の和彦に群がっていた生徒たちがさっと散る。  

若者というものは、年の離れた教師より、年の近い先輩の方に畏敬の念を抱くものだ。  

教師すら一歩引いた態度で彼に接する藤崎は、下級生たちにとっては、絶対的な存在だった。

確かに藤崎の存在感は大きく、  教室の雰囲気を一変させる。

生徒達から解放された和彦は、素っ裸で転がったまま右腕で顔を隠す。  

関節技を決められた左腕は、まだその効果が残っているのかダランと伸ばされている。

生徒たちの仕打ちに心が折れたのか、立ち上がる気力も無いようだ。  

教室の床の上で見事な筋肉の塊が、小刻みに震えながらうごめく。

心労で体脂肪の落ちた身体に、筋肉が浮き上がり、波打っている。  

汗で光る肌、張りつめた胸筋、鋭く割れた腹筋。  

肩から二の腕にかけてのコブのような筋肉。  

汗が、胸の谷間を伝い、腹筋の溝を這う。

顔は隠されているが、股間は剥き出しだ。

縮こまってもそれなりのボリュームがある和彦の逸物がニョッキリと陰毛の中から突き出し、存在感を示している。  

ボールペンはケツの穴に突き刺さったままだ。  

「お前らっ、ホームルーム中だろ。静かにしろっ。杉山先生も、なんて格好をしてるんですかっ!」  

藤崎が一括する。

その言葉に和彦がビクンと反応する。  

顔を隠していた腕を、下半身に動かし、太腿を曲げ、どうにか陰部を隠す。  

ゥゥゥゥゥ、、、  

か細い声をあげている。  

息が荒く、胸筋が震える。  

「ほら、杉山先生、しっかりしてください」  

竜之介がしゃがみ、横たわる和彦の背中に腕を入れ、上半身を起こそうとする教師を支える。  

全裸の教師はヨロヨロと立ち上がろうとする。  

脚がガクガクしている。  

精神的なショックがまだ続いているのだろう。

竜之介は、和彦の腋の下から背に腕を回し、教師を支える。  

藤崎の制服越しの温もりが、和彦の肌に伝わる。  

その温もりが和彦のボロボロになった心に力を与える。

教師が産まれたての子鹿のように脚を震わせ、立つ。

その背後、尻からはポールペンが突き出ている。

藤崎は、その尻から突き出ているボールペンを見つけ、手を回すと、一気に引き抜く。  

その肛門を擦る刺激に、和彦の身体が、ビクンッと跳ねる。  

尻の筋肉が、収縮し、汗で光る。  

よろけて藤崎の身体に体重がかかる。

だが、鍛えられた藤崎の身体は和彦の身体をしっかりと受け止める。

藤崎は、教師の肛門を抉っていたボールペンを2年生に向けて叩き付ける。  

「お前ら、先生に向かって何をやってるんだっ!無礼だろう!」  

和彦を抱えるようにしながら、言う。  

厳しい目付きだ。  

竜之介の腕が和彦の背中に回されグッと抱きしめる。

和彦は長身の生徒会長に身を預けている。

「何をやったか分かってるか?これは、停学、いや、退学ものだぞっ!」  

停学、退学という言葉に2年生たちがビクッとする。  

やり過ぎた、、、その後悔がクラスの面々に浮かぶ。  

「こ、こいつが暴力振るったんです」  

「そうだ、こいつは暴力教師なんですよ」  

教師を“こいつ”呼ばわりし、竜之介には敬語を使っている。  

「馬鹿を言ってるんじゃない。どうせ、お前らが悪ふざけして、先生を怒らせたんだろう。怪我をしたってのはどいつとどいつだ?見せてみろ。ったく、すりむいただけじゃないか。次、お前か?なんだ、この程度がケガって言えるのか?まったく、大袈裟に騒ぎやがって、先生を素っ裸にヒン剥いたヤツは誰だ?」  

「そいつが勝手に脱ぎだしたんですよ」  

「そうです。自分で脱ぎました」  

二年達が言う。  

「まぁ、いい。どうせ、お前らが悪ふざけで脱ぐように仕向けたんだろう。けれど、これは、やりすぎだっ!杉山先生、大丈夫ですか?」  

抱えた和彦に聞く。  

和彦は答えられない。  

微かに首を縦にふる。  

息が荒く、胸筋が震える。  

「おい、先生のパンツはどこだ?」  

一人の生徒が床に丸まっているかつてエロビキニだった紫の布切れを差し出す。  

「なんだ?こりゃ、、、」  

藤崎が指先で摘まんで言った。  

「すげぇ、趣味だな、先生、こんなのを履いてるんだ」  

和彦が首を横に振り、掠れた声で言う。  

「チ、、、チガウ、、、チガウンダ、、、」  

「先生、無理して喋らなくていいですよ」  

そう言って、和彦を傍らの椅子に座らせる。  

グタッと糸の切れた操り人形のように和彦の鍛えられた上半身が机に突っ伏す。  

役目を終えた筋肉の人形、、、

「お前ら、整列しろっ!何があったか知らないが、先生にこれは、やりすぎだっ!許されることじゃない。先生に謝れっ!」  

生徒たちがシブシブと並ぶ。  

生徒たちが3~4列になったことを確認すると、藤崎はクラス委員の結城にほらっと言うように目で即した。  

「すいませんでしたっ!」  

結城が大声で言い、頭を下げる。  

続いて、クラス全員がすいませんでしたっと唱和して頭を下げた。  

「おまえら、次の授業が始まるだろ。机を直さなきゃな……次の時間の先生は誰だ?」  

「藤崎さん、次は化学の実験室での授業です」  

結城が答える。  

「そうか、榎木先生か……」  

その時、ホームルーム終了のベルがなった。  

「おい、教室のカーテンを閉めろっ!他のクラスの連中に見られたらマズい」  

藤崎の指示に2年生たちが従い、さっと廊下側、校庭側のカーテンが引かれる。  

一瞬の後に、隣のクラスの生徒が教室から廊下に出た気配がする。  

藤崎の機転で、全裸で椅子に崩れるように腰掛ける和彦の姿は他のクラスの生徒には見られずに済んだ。  

「榎木先生は遅刻にうるさいから、お前らは科学室へ移動しろっ、いいか?お前らが杉山先生にやったことは、停学、あるいは退学処分になってもおかしくないことだ、だから、この事は、クラスのお前らと杉山先生、俺だけのこととしよう。いいか?」  

2年生たちは頷く。  

「さぁ、ここは、俺に預けて、お前達はさっさと実験室へ向かえ」  

2年生たちは、教科書、ノート、筆箱を持つとさっと教室を出ていった。  

最後に結城がジロッと和彦に一瞥をくれ、扉を閉めた。  

結城が、フルフルと揺れる和彦の広く筋肉の厚い背中に手を触れる。  

「先生、大丈夫ですか?」  

ゆっくりと上げられた和彦は顔を歪ませていた。  

口は真一文字に閉められている。  

涙を堪えているのだ。  

もうすでに目の周り、そして、頬は、悔し涙で濡れているというのに、、、

必死で、男として、教師としての矜持を保とうとしているのだ。  

心はボロボロになり、頭も何をしたらいいのか纏まらない。  

そんな和彦の頭を藤崎は抱き寄せる。  

「先生、奴らを許してやってください。きっと悪ふざけが行きすぎただけです。後で、ちゃんと奴らに言い聞かせますから」  

和彦は痙攣するように首を振る。  

「お、、、おれが、、、だ、、、めなんだ、、、だめな、、、教師だ、、、しっかくだ、、、」  

泣き声になる。

緊張が途切れ、もう涙を堪えられなくなったのだろう。  

涙が頰を伝い、畳に滴る。  

「先生、そんなこと言わないでくださいよ、、、落ち着いて、、、もう大丈夫です、、、安心してください、、、ね、先生、まずは、服を着ましょうよ、、、」  

歳下の生徒が、年長の教師に優しく言う。  

そして和彦は、竜之介の“服を着ましょうよ”という言葉にハッとする。  

自身が全裸だということが今更ながら恥ずかしくなったのだ。  

動こうとするが。うまく力が入らない。  

そんな和彦の上半身を竜之介が支える。  

完全に生徒が教師をリードし、教師は生徒に頼り切っている。

「ごめん、、、ごめん、、、」  

顔は涙と鼻水でグシャグシャになっている。  

竜之介に支えられながら、ゆっくりと教室の前方、脱いだジャージが置いてある教卓へ向かう。  

よろけそうになるのを堪えながら、素っ裸の和彦は机と椅子が乱雑に散らばる教室を教壇に向かい進む。

その身体を竜之介が、優しく、だが、しっかりと支える。  

和彦の背は165センチ、竜之介の背丈は180センチを超えているだろう。  

小柄な筋肉質の青年教師が、長身の生徒に抱えられるように進む。  

力の抜けそうになる身体を年下の生徒に預ける。  

細身だが鍛えられているのがわかる竜之介の身体が、しっかりとボロボロになった教師の身体を受け止めている。  

和彦は、制服越しの温もりが暖かく感じられ、そして、強靭な身体が、頼もしく感じられていた。  

そして、脇腹を支える掌の優しさ。  

顔を上げて竜之介を見る。  

秀でた甘い顔。  

和彦の視線に気付き、優しく微笑んだ。  

その慈しみに満ちた目が和彦を包む。  

ここしばらくの間、見えない悪意に怯え、そして、今日、生徒から理不尽な扱いを受け、気付きボロボロになった心に染みる。  

和彦の身体が急に震え出す。  

「ど、どうしたんですか?先生っ!」  

その若々しい張のある声を聞きながら、和彦の意識が遠くなる。  

年下の生徒に感じた頼もしさのおかげで緊張の糸が切れ、気を失ってしまったのだ。  

「先生、、、杉山先生、、、」  

そんな生徒の声を遠く聞き、崩れ落ちる身体を支えてくれる腕を心地よく感じながら、、、


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