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リライト 夕暮れ
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保健室に静けさが戻る。
ベッドで半身を起こした和彦と、その傍らに立つ竜之介。
和彦は少しホッとしたような表情になっている。
謝罪してきた生徒達。
全員が和彦に頭を下げた。
その素直な態度に胸を打たれたのだ。
結城を先頭に、3人ずつ整列し、深々と頭を下げた生徒たち。
「杉山先生、本当に申し訳ありませんでした」
その言葉に、和彦の心が揺れる。
彼らも、、、反省してる?
和彦の性分から、素直に謝ってきた者達をそれ以上に責めることはできない。
だが、いつもの明るい表情には戻っていない。
ホームルームでの出来事でボロボロに傷つけられた心と生徒達の謝罪に癒された心とが分離してしまっている。
素直な和彦は、生徒たちを許した。
しかし、脳裏を襲う屈辱の記憶は消えない。
罪を憎んで人を憎まずというが、生徒達の仕打ちはそうあっさりと忘れ去ることはできない。
どうすればいいんだ、、、
教壇に立つのが怖くなる。
生徒の前に立つことが恐ろしい。
俺は、これからも教師を続けられるのか、、、
彼らの前で平常に振る舞えるのか、、、
生徒たちの目、、、
フラッシュバック。
ギラギラしていた、、、
俺を教師ではなく、獲物のように見ていた、、、
和彦の身体に襲いかかってきた手、、!
全裸をさらし、陰茎を弄られ、陰毛をむしり取られ、ケツにボールペンを突っ込まれる、、、
恥ずかしく、屈辱的、、、
心が締め付けられ、身を捩りたくなる。
“杉山先生、自分が完璧だと思っている人はそれ以上、進歩しません。もし、現在の貴方が、自分が失格だと考えるなら、次は合格を目指せばいいんですよ。先日もお話ししましたが、私も若い頃は空回りをしました。でも、必死で努力すれば挽回できる、、、そう信じてください、、、”
先程の学園長の言葉が脳裏に甦る。
低音の優しい声。
知らぬうちに和彦の頬を涙が伝う。
そして、自分自身が口にした言葉、、、
“お前達の気持ちは受け取った。今日のことは水に流そう。未熟な俺も悪かった。これからは、お互いに切磋琢磨していこう”
和彦は自分自身の言葉に責任を持ちたかった。
何より、彼らを責め、喚き散らしたとしても何も生まれない。
虚しいだけだ。
そして、生徒達に嘘はついてはいけない。
俺は、教師なんだ。
和彦は折れている心を鼓舞する。
だが、簡単には教師を続けることに自信が持てない。
頭がゴチャゴチャして、ホームルームの出来事は細かく思い出せない。
だが、生徒の前で自分自身の手でエロビキニ一枚の裸になり、その小さな、和彦の矜持と言うにはあまりにも薄っぺらで小さなビキニパンツも引き剥がされる。
痛いと叫ぶ生徒達、、、
様子を見ようとした自分に襲いかかってきた生徒達、、、
全裸の自分に加えられた狼藉、、、
フラッシュバックのように自信の身に起こった残酷な光景が脳裏をよぎり、恥辱に歪んだ顔を手で覆う。
涙が、溢れる。
「先生、僕は先生を心から尊敬します」
辛い思い出に浸っていると、不意に優しい声が聞こえた。
え?
和彦は、顔を上げ、その声の方向を見る。
「結城達は、先生に酷いことをしてしまった、決して許してくれないだろうと顔を青くしてました。集団心理でやっちゃいけないことをやってしまったと」
端正な顔立ちの生徒会長は、ジッと和彦の目を見ながら言った。
竜之介の瞳は、誠実で、温かい。
「杉山先生はきっと許してくれるよと彼らに言ったんですが、正直、先生が彼らを怒鳴り散らしても仕方がないと思っていました。彼らはそれだけのことをやったんですから。それなのに、先生は水に流そうと仰った。ちゃんと生徒のことを考えてくれている立派な先生だと思いました」
和彦は、長身の生徒を見上げた。
夕暮れ間近の西日が、その生徒の背後から差し込んでいる。
逆光の中、その生徒は整った顔立ちに優しい笑顔を浮かべている。
和彦の心にその優しい笑顔が沁みる。
藤崎、、、くん、、、
「杉山先生の心の広さ、男らしさを僕は心から尊敬します」
そう言って、生徒会長は、和彦の手を取り、ギュッと握った。
生徒の温もりが和彦の掌から心に伝わってくるようだった。
「先生、泣かないで下さいよ、もう、今日のことは水に流すと結城達と約束したでしょう。嫌な思い出はすぐに忘れてください」
和彦の口から嗚咽が漏れる。
生徒の前で泣いちゃいけないと口を真一文字に結んでいるが、感情が抑えられない。
「先生、、、」
そう一言だけ言うと、竜之介は和彦の身体に手を回し、優しく抱き締めた。
和彦の頬が、竜之介の胸に押しつけられる。
竜之介の指が、和彦の短めの髪をゆっくりと撫でる。
教師は生徒の身体に顔を埋め、咽び泣いた。
「うぅっ! うっっ!」
涙が、竜之介の制服を濡らす。
そして、生徒はその教師の頭を、肩を、背中をゆっくりと優しく撫でた。
「先生、大丈夫、辛くても俺がいるよ」
竜之介の声が、和彦の耳に響く。
生徒の優しく暖かい掌に和彦は癒されていく。
その二人を夕日がゆったりと照らす。
どのくらい経っただろう。
徐々に和彦の気分が落ち着いてくる。
「す、すまない、、、藤崎くんには、みっともないところを見せてしまった」
和彦が顔を竜之介の身体から離しながら言った。
顔は涙と鼻水でグシャグシャだ。
「先生、気にしないで下さいよ。先生が人間らしいところを見せてくれて、なんか、嬉しかったです」
「いや、申し訳ない。そして、藤崎くん、有り難う」
「お礼なんかいいですよ、杉山先生。えっと、、、もし良かったら、僕も皆みたいにカズ先生って呼ばせてもらっていいですか?」
竜之介がはにかんだように言う。
いつもの落ち着いた生徒会長とは違う少年らしい表情だ。
その表情を見て、なぜか和彦の胸が高鳴った。
「もちろんだ、藤崎くん。遠慮なく呼んでくれ」
「あと、もう一つお願いがあるんですけど、僕のことも藤崎くんじゃなく、竜之介って呼んでもらえますか?」
「あぁ、ふじ……いや、竜之介くん、これからも未熟な俺だがよろしく頼む」
和彦が片手を出す。
「僕の方もよろしくお願いします、カズ先生っ!」
竜之介もにこりと笑い、その手を握り返す。
二人はギュッと握手をする。
竜之介の掌の温もりが、和彦の心を満たす。
その時、コツコツと廊下を近づいてくる足音がした。
保健室の扉が開く。
入ってきたのは学年主任の白川と化学の教師、榎木だった。
「おや?藤崎くん、まだ寮に帰っていなかったのか。杉山先生、ちゃんと生徒は帰らせないと、、、」
ぐっ、、、
竜之介に癒されていた和彦だったが、白川の言葉に胃が縮まるような吐き気を覚える。
「保健の加藤先生が退勤時間がきたから、僕に先生の様子を見ていてくれと言ったんですよ。だから、杉山先生を責めるのはおかしいです」
竜之介が強い口調で言う。
白川が竜之介の迫力にたじろぐ。
「あぁ、そうだったのか。なら良ろしい」
そして、竜之介から目を離し、和彦を見る。
「この榎木先生から聞いたんだが、今日のホームルームの後の君のクラスの生徒達の様子がおかしかったようなんだ。ホームルームで何かありましたか?」
和彦はなにも言えず、学年主任と化学教師を見る。
竜之介に癒されかけた心を再び暗雲が覆う。
ホームルーム、、、
フラッシュバック、、、
「先生を怒らせた、どうしようとか、ボソボソ授業中に話していたんですよ」
榎木が言う。
化学の教師に似合わないがっしりとした体格の榎木。
学生時代は水球の名選手で、現在は、学園でレスリング部の顧問をやっいる。
「そのことなら、さっき結城達と先生が話してちゃんと和解しました」
竜之介がビシッと言う。
「ああ、そうなのか、なら良かった。何か揉めたのか心配になってな」
竜之介の語気に気圧されたように榎木が言う。
「生徒達の萎縮した様子が気になったもんでね」
そう言いながら、白川を見る。
「和解したと言うことは、何か、揉めたと言うことでしょう。そういう揉め事は起さないよう生徒と親睦をはかって欲しいですね」
白川がネチッコイ口調で和彦に言う。
「そうだ」
明暗が閃いたように白川の顔が輝く。
「杉山先生、寮に泊り込むのはいかがですか?そうすれば、生徒と親睦を図ることが出来るでしょう。今週は僕の担当だけれど、代わってあげるから泊まってはどうですか?」
寮での生徒達は言うことを聞かない。
泊まり込みのため拘束される。
何より、問題が起きれば責任は自分が負わなければならない。
そして、手当てが出ると言っても一泊700円だ。
寮への宿泊を内心嫌がっている教師がほとんどだ。
もし、和彦が泊まり込みを代わるというのなら、他の教師達は大喜びだろう。
寮に泊まり込む、、、
和彦は愕然とする。
今は一人きりになり、心の傷を癒したい。
そして、生徒達と一緒に居るのが怖い。
さっき、謝罪を受けたものの、これからどんな態度を取られるか恐ろしい。
それが、生徒と密着して過ごす寮に泊まり続けるなんて、、、
キリキリと胃が痛み出す。
「そう言えば、杉山先生、、、生徒達と居るのが楽しくて、寮に住みたい位だって言っていましたね。ちょうどいいじゃないですか。生徒達と是非、親睦をはかってください」
白川が畳み込むように言う。
「カズ先生、寮に泊まってくれるんですか?うれしいなぁ。先生とはもっとゆっくり話したかったんですよ」
竜之介が嬉しそうに言い、和彦の肩に手を乗せて嬉しそうに揺する。
当の本人の意見は聞かれないまま、和彦の泊まり込みは既定路線となってしまった。
心が、締め付けられる。
だが、竜之介の笑顔が、肩に回された手が、和彦の心を包む。
竜之介だけが希望のように思えた。
ベッドで半身を起こした和彦と、その傍らに立つ竜之介。
和彦は少しホッとしたような表情になっている。
謝罪してきた生徒達。
全員が和彦に頭を下げた。
その素直な態度に胸を打たれたのだ。
結城を先頭に、3人ずつ整列し、深々と頭を下げた生徒たち。
「杉山先生、本当に申し訳ありませんでした」
その言葉に、和彦の心が揺れる。
彼らも、、、反省してる?
和彦の性分から、素直に謝ってきた者達をそれ以上に責めることはできない。
だが、いつもの明るい表情には戻っていない。
ホームルームでの出来事でボロボロに傷つけられた心と生徒達の謝罪に癒された心とが分離してしまっている。
素直な和彦は、生徒たちを許した。
しかし、脳裏を襲う屈辱の記憶は消えない。
罪を憎んで人を憎まずというが、生徒達の仕打ちはそうあっさりと忘れ去ることはできない。
どうすればいいんだ、、、
教壇に立つのが怖くなる。
生徒の前に立つことが恐ろしい。
俺は、これからも教師を続けられるのか、、、
彼らの前で平常に振る舞えるのか、、、
生徒たちの目、、、
フラッシュバック。
ギラギラしていた、、、
俺を教師ではなく、獲物のように見ていた、、、
和彦の身体に襲いかかってきた手、、!
全裸をさらし、陰茎を弄られ、陰毛をむしり取られ、ケツにボールペンを突っ込まれる、、、
恥ずかしく、屈辱的、、、
心が締め付けられ、身を捩りたくなる。
“杉山先生、自分が完璧だと思っている人はそれ以上、進歩しません。もし、現在の貴方が、自分が失格だと考えるなら、次は合格を目指せばいいんですよ。先日もお話ししましたが、私も若い頃は空回りをしました。でも、必死で努力すれば挽回できる、、、そう信じてください、、、”
先程の学園長の言葉が脳裏に甦る。
低音の優しい声。
知らぬうちに和彦の頬を涙が伝う。
そして、自分自身が口にした言葉、、、
“お前達の気持ちは受け取った。今日のことは水に流そう。未熟な俺も悪かった。これからは、お互いに切磋琢磨していこう”
和彦は自分自身の言葉に責任を持ちたかった。
何より、彼らを責め、喚き散らしたとしても何も生まれない。
虚しいだけだ。
そして、生徒達に嘘はついてはいけない。
俺は、教師なんだ。
和彦は折れている心を鼓舞する。
だが、簡単には教師を続けることに自信が持てない。
頭がゴチャゴチャして、ホームルームの出来事は細かく思い出せない。
だが、生徒の前で自分自身の手でエロビキニ一枚の裸になり、その小さな、和彦の矜持と言うにはあまりにも薄っぺらで小さなビキニパンツも引き剥がされる。
痛いと叫ぶ生徒達、、、
様子を見ようとした自分に襲いかかってきた生徒達、、、
全裸の自分に加えられた狼藉、、、
フラッシュバックのように自信の身に起こった残酷な光景が脳裏をよぎり、恥辱に歪んだ顔を手で覆う。
涙が、溢れる。
「先生、僕は先生を心から尊敬します」
辛い思い出に浸っていると、不意に優しい声が聞こえた。
え?
和彦は、顔を上げ、その声の方向を見る。
「結城達は、先生に酷いことをしてしまった、決して許してくれないだろうと顔を青くしてました。集団心理でやっちゃいけないことをやってしまったと」
端正な顔立ちの生徒会長は、ジッと和彦の目を見ながら言った。
竜之介の瞳は、誠実で、温かい。
「杉山先生はきっと許してくれるよと彼らに言ったんですが、正直、先生が彼らを怒鳴り散らしても仕方がないと思っていました。彼らはそれだけのことをやったんですから。それなのに、先生は水に流そうと仰った。ちゃんと生徒のことを考えてくれている立派な先生だと思いました」
和彦は、長身の生徒を見上げた。
夕暮れ間近の西日が、その生徒の背後から差し込んでいる。
逆光の中、その生徒は整った顔立ちに優しい笑顔を浮かべている。
和彦の心にその優しい笑顔が沁みる。
藤崎、、、くん、、、
「杉山先生の心の広さ、男らしさを僕は心から尊敬します」
そう言って、生徒会長は、和彦の手を取り、ギュッと握った。
生徒の温もりが和彦の掌から心に伝わってくるようだった。
「先生、泣かないで下さいよ、もう、今日のことは水に流すと結城達と約束したでしょう。嫌な思い出はすぐに忘れてください」
和彦の口から嗚咽が漏れる。
生徒の前で泣いちゃいけないと口を真一文字に結んでいるが、感情が抑えられない。
「先生、、、」
そう一言だけ言うと、竜之介は和彦の身体に手を回し、優しく抱き締めた。
和彦の頬が、竜之介の胸に押しつけられる。
竜之介の指が、和彦の短めの髪をゆっくりと撫でる。
教師は生徒の身体に顔を埋め、咽び泣いた。
「うぅっ! うっっ!」
涙が、竜之介の制服を濡らす。
そして、生徒はその教師の頭を、肩を、背中をゆっくりと優しく撫でた。
「先生、大丈夫、辛くても俺がいるよ」
竜之介の声が、和彦の耳に響く。
生徒の優しく暖かい掌に和彦は癒されていく。
その二人を夕日がゆったりと照らす。
どのくらい経っただろう。
徐々に和彦の気分が落ち着いてくる。
「す、すまない、、、藤崎くんには、みっともないところを見せてしまった」
和彦が顔を竜之介の身体から離しながら言った。
顔は涙と鼻水でグシャグシャだ。
「先生、気にしないで下さいよ。先生が人間らしいところを見せてくれて、なんか、嬉しかったです」
「いや、申し訳ない。そして、藤崎くん、有り難う」
「お礼なんかいいですよ、杉山先生。えっと、、、もし良かったら、僕も皆みたいにカズ先生って呼ばせてもらっていいですか?」
竜之介がはにかんだように言う。
いつもの落ち着いた生徒会長とは違う少年らしい表情だ。
その表情を見て、なぜか和彦の胸が高鳴った。
「もちろんだ、藤崎くん。遠慮なく呼んでくれ」
「あと、もう一つお願いがあるんですけど、僕のことも藤崎くんじゃなく、竜之介って呼んでもらえますか?」
「あぁ、ふじ……いや、竜之介くん、これからも未熟な俺だがよろしく頼む」
和彦が片手を出す。
「僕の方もよろしくお願いします、カズ先生っ!」
竜之介もにこりと笑い、その手を握り返す。
二人はギュッと握手をする。
竜之介の掌の温もりが、和彦の心を満たす。
その時、コツコツと廊下を近づいてくる足音がした。
保健室の扉が開く。
入ってきたのは学年主任の白川と化学の教師、榎木だった。
「おや?藤崎くん、まだ寮に帰っていなかったのか。杉山先生、ちゃんと生徒は帰らせないと、、、」
ぐっ、、、
竜之介に癒されていた和彦だったが、白川の言葉に胃が縮まるような吐き気を覚える。
「保健の加藤先生が退勤時間がきたから、僕に先生の様子を見ていてくれと言ったんですよ。だから、杉山先生を責めるのはおかしいです」
竜之介が強い口調で言う。
白川が竜之介の迫力にたじろぐ。
「あぁ、そうだったのか。なら良ろしい」
そして、竜之介から目を離し、和彦を見る。
「この榎木先生から聞いたんだが、今日のホームルームの後の君のクラスの生徒達の様子がおかしかったようなんだ。ホームルームで何かありましたか?」
和彦はなにも言えず、学年主任と化学教師を見る。
竜之介に癒されかけた心を再び暗雲が覆う。
ホームルーム、、、
フラッシュバック、、、
「先生を怒らせた、どうしようとか、ボソボソ授業中に話していたんですよ」
榎木が言う。
化学の教師に似合わないがっしりとした体格の榎木。
学生時代は水球の名選手で、現在は、学園でレスリング部の顧問をやっいる。
「そのことなら、さっき結城達と先生が話してちゃんと和解しました」
竜之介がビシッと言う。
「ああ、そうなのか、なら良かった。何か揉めたのか心配になってな」
竜之介の語気に気圧されたように榎木が言う。
「生徒達の萎縮した様子が気になったもんでね」
そう言いながら、白川を見る。
「和解したと言うことは、何か、揉めたと言うことでしょう。そういう揉め事は起さないよう生徒と親睦をはかって欲しいですね」
白川がネチッコイ口調で和彦に言う。
「そうだ」
明暗が閃いたように白川の顔が輝く。
「杉山先生、寮に泊り込むのはいかがですか?そうすれば、生徒と親睦を図ることが出来るでしょう。今週は僕の担当だけれど、代わってあげるから泊まってはどうですか?」
寮での生徒達は言うことを聞かない。
泊まり込みのため拘束される。
何より、問題が起きれば責任は自分が負わなければならない。
そして、手当てが出ると言っても一泊700円だ。
寮への宿泊を内心嫌がっている教師がほとんどだ。
もし、和彦が泊まり込みを代わるというのなら、他の教師達は大喜びだろう。
寮に泊まり込む、、、
和彦は愕然とする。
今は一人きりになり、心の傷を癒したい。
そして、生徒達と一緒に居るのが怖い。
さっき、謝罪を受けたものの、これからどんな態度を取られるか恐ろしい。
それが、生徒と密着して過ごす寮に泊まり続けるなんて、、、
キリキリと胃が痛み出す。
「そう言えば、杉山先生、、、生徒達と居るのが楽しくて、寮に住みたい位だって言っていましたね。ちょうどいいじゃないですか。生徒達と是非、親睦をはかってください」
白川が畳み込むように言う。
「カズ先生、寮に泊まってくれるんですか?うれしいなぁ。先生とはもっとゆっくり話したかったんですよ」
竜之介が嬉しそうに言い、和彦の肩に手を乗せて嬉しそうに揺する。
当の本人の意見は聞かれないまま、和彦の泊まり込みは既定路線となってしまった。
心が、締め付けられる。
だが、竜之介の笑顔が、肩に回された手が、和彦の心を包む。
竜之介だけが希望のように思えた。
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