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顔も洗わず、寝癖もついたまま、急いで体操着に着替え、宿舎のロビーに向かう。
「申し訳ありませんっ」
待っていた社会人グループのメンバーに頭を下げる。
コーチは明らかにムッとしていたが、メンバー達は鷹揚に高橋を向かえる。
体育館へ向かう移動のバスの中、寝坊して遅刻したことによる動揺と同時に、身体がスッキリしていることを感じる。
身体の芯に常時溜まっていた疲れ、ストレスといったつっかい棒がすっぱりと消え去った爽快感。
身体が軽い。
解放されたような気分だ。
栗山、、、昨日の若者のお陰だ。
栗山が自分を変えた。
おそらく自分が寝ている内に栗山は出ていった。
眠っている自分を起こさぬよう気を遣ってくれたのだろうと、高橋は、解釈する。
あの屈託のない笑顔。
脳裏に浮かぶ。
早く逢いたい。
栗山のくねる肉体を思い出し、股間が反応し始める。
こんなところで、やばい。
抑えなきゃ。
高橋は、久し振りに初な学生時代の衝動を感じる。
設備の整う体育館。
若いチームが練習を始めている。
遠く栗山の姿を発見し、高橋の胸がキュンとなる。
「おい、高橋っ」
我に返る。
「まだ、寝ぼけてるのか?」
チームメイトが軽口を叩く。
高橋は、笑ってごまかし、トレーニングの準備を始める。
用具の出し入れは、普段後輩に任せるが、率先して動き、若者達が練習している場所に近付く。
せめて目だけでも合わせたい、、、
視線だけで、互いにしか分からない合図を送り合いたい、、、
恋を知り始めた思春期の感情。
じっと栗山を見る。
ふと視線を感じて顔を向けると、昨日、栗山と悶着を起こしていた藤井が、凄まじい憎悪の視線で高橋を睨んでいた。
殺意すら感じる。
高橋の中で、何かが理解できた。
藤井を睨み返す。
その中心にいるはずの若者は涼しい顔で試技に励んでいる。
トレーニングが始まる。
高橋は、栗山が気になり、身が入らない。
気もそぞろだ。
コーチの叱責、同僚、先輩の気合いのヤジも飛ぶ。
自覚はある。
集中しようとするが、気付くと目は栗山のいる方に行ってしまう。
練習種目があん馬に変わる。
そうだ、、、昨夜はあん馬の話から栗山との距離が近付いた。
栗山は高橋の筋肉を誉めた。
自分もあん馬の実力を上げたいと言っていた。
自身のあん馬の実力を栗山に見せつけたい。
高橋の心に火がつく。
コーチやチームメイトは、明らかに身が入ってなかった高橋が、あん馬になったとたんいきなり全力の試技を始めたことに驚く。
ウォーミングアップのレベルではない。
足は高く振り上げられ、身体を支える両腕は力強く、競技器具の上を鍛えられた身体が美しく激しく動く。
栗山は自分の練習に集中して目もくれない。
昼休み、どうにか接触できないかと高橋は、高校生チームの回りをうろうろする。
だか、接触の機会はない。
昼休みの終わり際、高橋は、意を決し、高校生達のロッカールームに忍び込む。
手には、自身のスマホの電話番号とメールアドレス、ラインのIDを書いたメモ、そこには、“昨日は有り難う。ゆっくり話したい”とメッセージも書かれている。
そっと栗山の名が記載されている鞄に忍び込ませる。
おそらく、高橋が生まれて始めて取る一目を気にしながらこそこそと取る後ろめたい行動。
長く感じる午後の練習。
何度も構内の時計を見て、叱責される。
ようやく終わる。
食事中、食事の後、高橋は、うろうろと宿舎ないをうろつく。
栗山を探しているのだ。
いつ連絡が来てもいいようにスマホを片手に持つ。
連絡が来たときは振動するように設定してある。
だが、振動していないのに、何度もスマホを確認してしまう。
その度に落胆するのだ。
栗山に割り当てられた部屋のドアを何度目かにノックした時、ようやく扉が開いた。
胸が高鳴る。
出てきたのは別人。
「く、栗山くんは居るかな?」
「あ、彼は、学校の予定があるからって、夕方、先に合宿を引き上げましたよ」
ガーンと頭を殴られたような衝撃を感じる。
「申し訳ありませんっ」
待っていた社会人グループのメンバーに頭を下げる。
コーチは明らかにムッとしていたが、メンバー達は鷹揚に高橋を向かえる。
体育館へ向かう移動のバスの中、寝坊して遅刻したことによる動揺と同時に、身体がスッキリしていることを感じる。
身体の芯に常時溜まっていた疲れ、ストレスといったつっかい棒がすっぱりと消え去った爽快感。
身体が軽い。
解放されたような気分だ。
栗山、、、昨日の若者のお陰だ。
栗山が自分を変えた。
おそらく自分が寝ている内に栗山は出ていった。
眠っている自分を起こさぬよう気を遣ってくれたのだろうと、高橋は、解釈する。
あの屈託のない笑顔。
脳裏に浮かぶ。
早く逢いたい。
栗山のくねる肉体を思い出し、股間が反応し始める。
こんなところで、やばい。
抑えなきゃ。
高橋は、久し振りに初な学生時代の衝動を感じる。
設備の整う体育館。
若いチームが練習を始めている。
遠く栗山の姿を発見し、高橋の胸がキュンとなる。
「おい、高橋っ」
我に返る。
「まだ、寝ぼけてるのか?」
チームメイトが軽口を叩く。
高橋は、笑ってごまかし、トレーニングの準備を始める。
用具の出し入れは、普段後輩に任せるが、率先して動き、若者達が練習している場所に近付く。
せめて目だけでも合わせたい、、、
視線だけで、互いにしか分からない合図を送り合いたい、、、
恋を知り始めた思春期の感情。
じっと栗山を見る。
ふと視線を感じて顔を向けると、昨日、栗山と悶着を起こしていた藤井が、凄まじい憎悪の視線で高橋を睨んでいた。
殺意すら感じる。
高橋の中で、何かが理解できた。
藤井を睨み返す。
その中心にいるはずの若者は涼しい顔で試技に励んでいる。
トレーニングが始まる。
高橋は、栗山が気になり、身が入らない。
気もそぞろだ。
コーチの叱責、同僚、先輩の気合いのヤジも飛ぶ。
自覚はある。
集中しようとするが、気付くと目は栗山のいる方に行ってしまう。
練習種目があん馬に変わる。
そうだ、、、昨夜はあん馬の話から栗山との距離が近付いた。
栗山は高橋の筋肉を誉めた。
自分もあん馬の実力を上げたいと言っていた。
自身のあん馬の実力を栗山に見せつけたい。
高橋の心に火がつく。
コーチやチームメイトは、明らかに身が入ってなかった高橋が、あん馬になったとたんいきなり全力の試技を始めたことに驚く。
ウォーミングアップのレベルではない。
足は高く振り上げられ、身体を支える両腕は力強く、競技器具の上を鍛えられた身体が美しく激しく動く。
栗山は自分の練習に集中して目もくれない。
昼休み、どうにか接触できないかと高橋は、高校生チームの回りをうろうろする。
だか、接触の機会はない。
昼休みの終わり際、高橋は、意を決し、高校生達のロッカールームに忍び込む。
手には、自身のスマホの電話番号とメールアドレス、ラインのIDを書いたメモ、そこには、“昨日は有り難う。ゆっくり話したい”とメッセージも書かれている。
そっと栗山の名が記載されている鞄に忍び込ませる。
おそらく、高橋が生まれて始めて取る一目を気にしながらこそこそと取る後ろめたい行動。
長く感じる午後の練習。
何度も構内の時計を見て、叱責される。
ようやく終わる。
食事中、食事の後、高橋は、うろうろと宿舎ないをうろつく。
栗山を探しているのだ。
いつ連絡が来てもいいようにスマホを片手に持つ。
連絡が来たときは振動するように設定してある。
だが、振動していないのに、何度もスマホを確認してしまう。
その度に落胆するのだ。
栗山に割り当てられた部屋のドアを何度目かにノックした時、ようやく扉が開いた。
胸が高鳴る。
出てきたのは別人。
「く、栗山くんは居るかな?」
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ガーンと頭を殴られたような衝撃を感じる。
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