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最初は小さなことでした。教科書を隠されたり、上履きを隠されたり、体育着を隠されたりしていました。そして、私が見つからない見つからないと困って、他の人に聞いても知らないと言われて、仕方がなく担当の先生に、持ってきたにも関わらず無くしてしまった旨を伝える瞬間に、どこからか、それらが出てくるのです。そして私は目を輝かせて、出てきたなくしものを、見つけてくれた子から受け取ります。そして私は、ありがとうと、その子に言います。するとその子は、非常に汚い目で、私を見下してくるのです。
「良くしてくれた人に感謝する」というのは、私の道徳観に沿った、真っ当な行いです。にも関わらず、その子は不快感を丸出しにして、私を見下し睨みつけて来たのです。つまりこの子は、私とは全く異なる倫理観を持った人なのだと、私は気が付きました。私の道徳が、全く通用しない人がいるのだということを、私はその時、気が付きました。
そしてその辺りから、私の身の回りに異変が起こりました。ある日学校に行くと、机に鉛筆で、落書きがされていました。
「死ね」「バカ」「クソチビ」「臭い」「学校来るな」「キモイ」
あたかも罵倒語の辞典のように、机には、汚い言葉が並べてありました。そしてそれを見る私を見て、ニヤニヤと、質の悪い笑みを浮かべる人が、何人もいました。私は筆箱から消しゴムを取り出して、その言葉を一つ一つ消しました。私は、クラスメートの、この行動が、全く理解できませんでした。
まず、落書きをしたいだけなら、落書き帳にすればいいのにと、私は思いました。そして、私が嫌いで嫌いで仕方がないのなら、私をトコトン避ければ良いと、私は思いました。私は、人が不幸な思いをするのが何よりも嫌なのです。もしも私と一緒にいて不幸な思いをするのなら、そしてそう言ってもらえれば、私は素直に、その人を避けます。しかし、何の前置きもなく、机に落書きだけして、それを私が見ることを端から見てニヤニヤして、何になるのでしょうか。
私は考えました。そしてパッと、答えが見つかりました。これをやった人は、「私の机に罵倒語を鉛筆で落書きして私に見せる」という行為が、「大好き」なのだと言う結論に至りました。きっとこれをすることで、その人は魂が浄化されるような、心の底から清々しい気持ちになることができるのだと、思いました。そう思うと、私はこの落書きが非常に誇らしく思えてきました――――
「良くしてくれた人に感謝する」というのは、私の道徳観に沿った、真っ当な行いです。にも関わらず、その子は不快感を丸出しにして、私を見下し睨みつけて来たのです。つまりこの子は、私とは全く異なる倫理観を持った人なのだと、私は気が付きました。私の道徳が、全く通用しない人がいるのだということを、私はその時、気が付きました。
そしてその辺りから、私の身の回りに異変が起こりました。ある日学校に行くと、机に鉛筆で、落書きがされていました。
「死ね」「バカ」「クソチビ」「臭い」「学校来るな」「キモイ」
あたかも罵倒語の辞典のように、机には、汚い言葉が並べてありました。そしてそれを見る私を見て、ニヤニヤと、質の悪い笑みを浮かべる人が、何人もいました。私は筆箱から消しゴムを取り出して、その言葉を一つ一つ消しました。私は、クラスメートの、この行動が、全く理解できませんでした。
まず、落書きをしたいだけなら、落書き帳にすればいいのにと、私は思いました。そして、私が嫌いで嫌いで仕方がないのなら、私をトコトン避ければ良いと、私は思いました。私は、人が不幸な思いをするのが何よりも嫌なのです。もしも私と一緒にいて不幸な思いをするのなら、そしてそう言ってもらえれば、私は素直に、その人を避けます。しかし、何の前置きもなく、机に落書きだけして、それを私が見ることを端から見てニヤニヤして、何になるのでしょうか。
私は考えました。そしてパッと、答えが見つかりました。これをやった人は、「私の机に罵倒語を鉛筆で落書きして私に見せる」という行為が、「大好き」なのだと言う結論に至りました。きっとこれをすることで、その人は魂が浄化されるような、心の底から清々しい気持ちになることができるのだと、思いました。そう思うと、私はこの落書きが非常に誇らしく思えてきました――――
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