戦いの中で無力化しながら成り行きで放置される事になった廃棄寸前の宇宙要塞を再生・再建して盛り返し、周辺宇宙の全域で最強にします。

トーマス・ライカー

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再起動

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「…どうだ? 」


「…ダメですね。足りないです。今のパワーレベルでメイン・リアクターを起動しようとすれば、要塞全域で環境制御も生命維持システムも止まります…」


 ロジェ・アナンがパワー・アセンブリ・サイトのモニターから顔を上げる。


 それを聞いたスコット・バウアーはコミュニケーターを取り出す。


「…『スプリング』…『サマー』…『オータム』…エンジン始動だ……サブ・グリッドのパワーレベルが低過ぎる……宇宙艦艇用のパワー・チャージャーを逆に辿って、要塞のメイン・パワーグリッドにチャージする……艦からのアクセス・アプローチで、チャージ・アタッチメントを操作してみてくれ……人手が足りないようなら、こちらから何人か戻す…」


「…了解…やってみる…」


 『サマー』から、デニス・アスキューが応えた。


「…スコット…ここからも、何人か戻した方が良い…」


「…そうだな…君がハリットとマグナスとバーンを連れて戻ってくれ…シュッター・カタム1台でな……誰かに出会うかも知れないから、充分に注意してくれ……」


「…分かった…3人は俺と一緒にハーバー・ポートに戻る…艦のエンジンからパワーを引いて、メイン・リアクターを起動させるんだ。行くぞ! 」


 マーク・アンドリューがそう応え、4人は揃って中央指令室から出て行った。


「…よし…センサー起動。生存者がどこに…どれだけ居るか、確認する…」


 レジーナ・クラークとニーナ・トラントフ…2人の女性士官が、要塞の内部センサーを起動させた。


「…要塞の内部なら…今のパワーレベルでも充分に視えます……生存者は…センター・コア・エリアに集まっています……3568人…特に生命反応の低い個体は感知できません…」


「…武器の存在は? 」


「…待って下さい……武器を持っているのは、48人…まだパワーレベルは高いですね…他に起動している武器や兵器は、視えません…」


「…そうか……『表敬訪問』は、メイン・リアクターを起動させてからにしよう……ドックを観てくれ…艦は残っているのか? 」


「……軽巡宙艦が2隻に…高機動戦闘艇が6隻…動いていませんし、生命反応もありません…あとはランチが8隻です……」


「…俺達がここに辿り着いた事は、まだ気付かれてないって訳だな…通信システムは? 」


「…活きています…」


「…俺達のコミュニケーターと、リンクさせてくれ…OK…この周りをもう一度調べて、使える装備品と…武器をここに集めよう…」


 それからまた彼らは周りを探索して調べ回り、手持ち武器・兵器も含めて様々な装備品を指令室内に集めた。


「…OK……結構集まったな……先ず全員、サイズを合わせて戦術ベストを着けてくれ……ライトは1人で4本持てるな? それじゃあ、手榴弾パイナップル……ナイフも含めて各種ツール……拳銃は足首と外腿と背中にも装備しろ……予備のマガジンとエネルギー・パックは頭割りにしろよ……クイック・セットのプラスチック爆薬セムテックスとタイマーも各自で持ってくれ……トライ・コーダーで観れば、お互いの血液型は判るからな……相互間輸血装備に消毒液……各種の経口・塗布薬品・包帯も持ってくれ……あとの装備品は出来るだけ、頭割りにして持ち合おう……余った戦術ベストは、ここを出る時にシュッター・カタムに積み込む……」


 最後に全員でレーザー・ライフルの起動を確認した。


 コミュニケーターが無音で振動する…繋いできたのは『スプリング』のレナーテ・ミューラーだ。


「…こちらスコット…どうした? こっちから戻した4人は着いたか? 」


「…連絡があって、もうすぐ着くそうです……艦からハーバー・レギュレーション・システムに、ケーブルとパワー・コンジットで繋ぎましたが…パワー・チャージ・アタッチメントが操作できません……港湾の管制室からしか操作は出来ないようです…」


「…じゃあ、マークら4人が着いたら、港湾の管制室に向かうよう指示してくれ…」


「…分かりました…」


「…艦とパワー・チャージ・アタッチメントが接続できたら報せてくれ…メイン・パワー・グリッドへのパワー・アクセプタンスを解放する…」


「…了解…」


 通話はそれで切れたので、コミュニケーターを仕舞う。


「…よし…あとは足だな…シュッター・カタムがまだこの辺りに残ってないか、観てくれるか? 」


「…待って下さい……ありました。半径70mの範囲内で2台…パワーパックも大丈夫です…」


「…ロジェとマキシムで取りに行ってくれ…あとはここに集めた装備品を、カタムに積み込む…」


 そうしてカタム4台に、装備品を積み込んだ。


 マーク・アンドリューからの通話が繋がったのは、それから15分後だった。


「…今、港湾の管制室にいる…こちらからの操作で、チャージ・アタッチメントを艦に接続した…準備完了だ…」


「…了解…そこで待機していてくれ…」


 そう応えて、コミュニケーターのマルチ・リンクを切り換える。


「…『サマー』…『オータム』…『スプリング』…準備完了だ…要塞メイン・パワー・グリッドへのパワー・アクセプタンス解放10秒前! 解放と同時に、艦からのリバーサル・パワー・コンダクションを開始する! 5秒前! 3…2…オープン・リバース! 」


 タイミングを合わせて、艦からメイン・パワー・グリッドへのリバーサル・パワー・コンダクションが開始された。


 ラウラ・フェネシュとナタリア・オレイロが、パワー・アセンブリ・アレイ・モニターに張り付いている。


「…メイン・グリッド、パワー・レベル上昇…14……22……30……39……41……53……67…」


「…メイン・リアクター、再起動準備…」


 ロシャン・セスがリアクターの制御席に滑り込む。


「…再起動準備ようそろ…セルモーター、コンタクト…フライホイール接続して回転開始…」


「…パワー・レベル上昇…87……99……128……145……162…」


「…フライホイール回転加速…48……59……74……86……112……131…」


「…パワー・レベル、198で安定…」


「…フライホイール回転数…185…」


「…メイン・パワー・グリッドからフライホイールに、パワー伝達してリアクター起動! 」


「…了解…伝達、起動! メイン・リアクター、定格にて起動……臨界パワー、20%から徐々に上昇……」


「…生命維持・環境制御、パワー増強……人工重力場安定……センサー・システム再起動して、レベルアップ……メイン・コンピューター再起動……防衛システム・防衛装備、オンライン……通信システム、オンライン…」


「…マーク、聴こえるか? 」


「…よく聴こえるよ…」


「…チャージ・アタッチメントと……コンジットにケーブルも離脱・収納して、全員艦に乗ってくれ……」


「…分かった…」


「…それで3隻とも、ポートから発進……要塞『グーン』のセンター・コア・エリアに接近してくれ…」


「…了解…直ぐに取り掛かる…」


「…頼む…こちらも今からセンター・コア・エリアに向かう…」


「…気を付けてくれよ…」


「…お互いにな…以上だ…」


 通信を切ってスコット・バウアーは、振り返って皆を見渡す。


「…よし…じゃあ…シュッター・カタム4台に分乗して、センター・コアに向かう……呼び掛けるのは、3隻が接近してからだ…行くぞ…」

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