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第五章
真実への道
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「……ご無沙汰しております、国王陛下」
手紙に何が書いてあったかは分からないが、国王は私の姿を見ても驚かなかった。きっと、私がここへ来ることが書かれていたのだろう。
「まさか戻ってくるとは思わなかったが、元気そうで何よりだ。……そなたには謝罪しなければならないことが多すぎる」
「それは……ルーファス様殺害未遂の件でしょうか? 今回私に罪を着せた人物を特定しましたので、無実を証明したく参上したのです」
「そうか、では聞かせてくれ。私も真実を知りたいと思っていた」
正直、国王が私の話を聞いてくれるとは思っていなかったので驚いた。国王にも気にかかることがあったのかもしれない。
「私は殺害未遂の罪をかけられたと同時に、寿命をすり減らす呪いを受けておりました。ここにそのことについて書かれています。お読みください……シャーロット様の日記です」
私がシャーロット様の日記を渡すと、国王はパラパラと読み始めた。しばらくしてため息を吐きながら、ぽつりと呟いた。
「シャーロットも知っていたのか。まさかあの子がそこまでするとはな……。リディア・クローバー、ここに記されていることはおそらく事実だろう。さて、そなたはどうすべきだと? シャーロットを処刑するか? それとも元凶のルーファスを罪に問うか?」
「ますはお二人をここへ呼んでいただけますか? 出来れば一人ずつ。シャーロット様には伝えたいこともありますし、ルーファス様の件に関しては、詳細を知りませんので」
「よかろう。すぐにここへ来させよう」
ついにあの二人と再会できる。真相を知ってから、会いたいのか会いたくないのか自分でも分からなかった。ずっと味方だと思っていた二人が私を騙していたことを、心の底では信じたくなかったのかもしれない。
でも今はそんな気持ちは消えてしまった。私には心から私を支えてくれる人たちがいる。彼らのためにも冷静に真実を見つめたい。それだけだ。
謁見の間の扉が開き、シャーロット様が来たことを告げられる。私はクラウスの手を握ると、深呼吸をした。
(大丈夫、自分を見失わずに話せば良いだけよ)
「お父様、お待たせしました。ご用件は……っ!」
「こちらはスカイテルーシ帝国国使のクラウス・エルナンデスと……リディア・クローバーだ。シャーロットよ、なぜ自分が呼び出されたのか分かるか?」
「……はい、お父様。リディア様の件ですね」
シャーロット様は何かを決意したような、それでいて諦めたような複雑な表情をしていた。彼女の瞳の色は真っ黒に染まっていた。やはり呪いはシャーロット様に返されたのだ。
手紙に何が書いてあったかは分からないが、国王は私の姿を見ても驚かなかった。きっと、私がここへ来ることが書かれていたのだろう。
「まさか戻ってくるとは思わなかったが、元気そうで何よりだ。……そなたには謝罪しなければならないことが多すぎる」
「それは……ルーファス様殺害未遂の件でしょうか? 今回私に罪を着せた人物を特定しましたので、無実を証明したく参上したのです」
「そうか、では聞かせてくれ。私も真実を知りたいと思っていた」
正直、国王が私の話を聞いてくれるとは思っていなかったので驚いた。国王にも気にかかることがあったのかもしれない。
「私は殺害未遂の罪をかけられたと同時に、寿命をすり減らす呪いを受けておりました。ここにそのことについて書かれています。お読みください……シャーロット様の日記です」
私がシャーロット様の日記を渡すと、国王はパラパラと読み始めた。しばらくしてため息を吐きながら、ぽつりと呟いた。
「シャーロットも知っていたのか。まさかあの子がそこまでするとはな……。リディア・クローバー、ここに記されていることはおそらく事実だろう。さて、そなたはどうすべきだと? シャーロットを処刑するか? それとも元凶のルーファスを罪に問うか?」
「ますはお二人をここへ呼んでいただけますか? 出来れば一人ずつ。シャーロット様には伝えたいこともありますし、ルーファス様の件に関しては、詳細を知りませんので」
「よかろう。すぐにここへ来させよう」
ついにあの二人と再会できる。真相を知ってから、会いたいのか会いたくないのか自分でも分からなかった。ずっと味方だと思っていた二人が私を騙していたことを、心の底では信じたくなかったのかもしれない。
でも今はそんな気持ちは消えてしまった。私には心から私を支えてくれる人たちがいる。彼らのためにも冷静に真実を見つめたい。それだけだ。
謁見の間の扉が開き、シャーロット様が来たことを告げられる。私はクラウスの手を握ると、深呼吸をした。
(大丈夫、自分を見失わずに話せば良いだけよ)
「お父様、お待たせしました。ご用件は……っ!」
「こちらはスカイテルーシ帝国国使のクラウス・エルナンデスと……リディア・クローバーだ。シャーロットよ、なぜ自分が呼び出されたのか分かるか?」
「……はい、お父様。リディア様の件ですね」
シャーロット様は何かを決意したような、それでいて諦めたような複雑な表情をしていた。彼女の瞳の色は真っ黒に染まっていた。やはり呪いはシャーロット様に返されたのだ。
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