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サイモンの結末 ※サイモン視点
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今日のパーティーは最悪だった。
せっかくイレーネに金をかけて着飾ってやって、俺も良い気分だったのに……。
シランが来ていたのには驚いたが、それよりも随分と痩せて綺麗になっていたことにもっと驚いた。
表情のせいだろうか、顔も前より可愛くなったな。婚約を破棄したのは少し惜しかったかもな……。
だがシランに声をかけてやったのに、あいつの態度は以前と違っていた。
それに妙な男といると思ったら、帝国の公爵だと?!
まずいな……帝国の貴族に失礼があると、父に何を言われるか……。
いや、シランの友人として紹介してもらえれば、むしろ良い印象になるんじゃないか?そうすれば俺の評価が上がって、父に褒められるかもしれない!
……そう思ったのにシランには断られるし、公爵に直接会いに行ったら散々に言われてしまった。
「シランに誠心誠意謝罪をして許してもらえたら、今回のことは不問にしてやる。それまで私に話しかけるな」
まったくイレーネのせいで公爵の機嫌を損ねてしまったじゃないか!余計なことを言いやがって!
もし本当に取引がなくなったら大変だ。とにかくシランに許してもらうしかない。
それなのに、シランは俺がどんなに謝っても許してくれなかった。もう一度婚約しようと言えば、喜んで受け入れてくれると思っていたのに……
「私を捨てたことを後悔しているようね。今更遅いけれど……。さよなら、サイモン」
あぁっくそ!どうしてこんなことに……!
シランは帰ってしまったし、イレーネも気がついたらいなくなっていた。
イライラしながら家に帰ると、さらに最悪なことが待ち受けていた。
「ようやく帰って来たか。サイモン、お前には伝えておくことがある」
いつもは書斎に閉じこもっている父が、珍しく俺を待っていた。
「ウェストン伯爵から令嬢との婚約破棄について、慰謝料の請求が来た。我が家からではなくお前自身の財産から支払うように、とのことだ。この件に関しては、お前の独断で進めたこと。その条件で了承しておいた。これが請求書だ。しっかり対応しなさい」
い、慰謝料?!俺が支払うのか?ものすごく高額じゃないか!こんな金額払えるわけがない。
「父上、確かに婚約破棄は俺の判断ですが……少しくらい援助してもらえませんか?この条件はあまりにも……」
「黙れ。……お前にはもう一つ伝えることがある。お前、エルバン帝国の貴族に何か無礼な振る舞いをしたな?帝国の公爵から手紙が来たぞ。我が家と帝国貴族の取引を中断させるとな!お前と縁を切れば、取引を継続してくれるそうだ!一体何をした?何が援助だ……ふざけるな!」
初めて聞く父の怒号に身体が固まった。
「なっ……お、俺はなにもしていない……」
「嘘をつくな!……まあいい、どのみちお前とは縁を切るのだからな。荷物をまとめ次第、出ていくがいい。荷造りの時間くらいはくれてやる」
そう言い残して父は書斎に戻っていった。なんてことだ……。俺はこれからどうすればいいんだ?
翌日、ぼんやりと荷造りをしていると、イレーネがやって来た。
「サイモン、昨日はごめんなさいね。でも私、あなたのことが好……」
「イレーネ!なあ、金を貸してくれないか?大金が必要なんだ!父上から絶縁されて、これから大変なんだ……。お前の婿養子になるから、助けてくれよ!」
イレーネに必死に縋ると、彼女の笑顔がスッと消えた。
「は?絶縁されたの?じゃあ、もう貴族じゃなくなるのね……用事を思い出したから帰るわ。それから、私、あなたと結婚するつもりなんてないから。じゃあね」
早口でそれだけ告げると、彼女は帰っていった。
俺は一体何を間違えたんだ……。こんなことなら婚約破棄なんかせずに、シランと結婚していれば良かった。
せっかくイレーネに金をかけて着飾ってやって、俺も良い気分だったのに……。
シランが来ていたのには驚いたが、それよりも随分と痩せて綺麗になっていたことにもっと驚いた。
表情のせいだろうか、顔も前より可愛くなったな。婚約を破棄したのは少し惜しかったかもな……。
だがシランに声をかけてやったのに、あいつの態度は以前と違っていた。
それに妙な男といると思ったら、帝国の公爵だと?!
まずいな……帝国の貴族に失礼があると、父に何を言われるか……。
いや、シランの友人として紹介してもらえれば、むしろ良い印象になるんじゃないか?そうすれば俺の評価が上がって、父に褒められるかもしれない!
……そう思ったのにシランには断られるし、公爵に直接会いに行ったら散々に言われてしまった。
「シランに誠心誠意謝罪をして許してもらえたら、今回のことは不問にしてやる。それまで私に話しかけるな」
まったくイレーネのせいで公爵の機嫌を損ねてしまったじゃないか!余計なことを言いやがって!
もし本当に取引がなくなったら大変だ。とにかくシランに許してもらうしかない。
それなのに、シランは俺がどんなに謝っても許してくれなかった。もう一度婚約しようと言えば、喜んで受け入れてくれると思っていたのに……
「私を捨てたことを後悔しているようね。今更遅いけれど……。さよなら、サイモン」
あぁっくそ!どうしてこんなことに……!
シランは帰ってしまったし、イレーネも気がついたらいなくなっていた。
イライラしながら家に帰ると、さらに最悪なことが待ち受けていた。
「ようやく帰って来たか。サイモン、お前には伝えておくことがある」
いつもは書斎に閉じこもっている父が、珍しく俺を待っていた。
「ウェストン伯爵から令嬢との婚約破棄について、慰謝料の請求が来た。我が家からではなくお前自身の財産から支払うように、とのことだ。この件に関しては、お前の独断で進めたこと。その条件で了承しておいた。これが請求書だ。しっかり対応しなさい」
い、慰謝料?!俺が支払うのか?ものすごく高額じゃないか!こんな金額払えるわけがない。
「父上、確かに婚約破棄は俺の判断ですが……少しくらい援助してもらえませんか?この条件はあまりにも……」
「黙れ。……お前にはもう一つ伝えることがある。お前、エルバン帝国の貴族に何か無礼な振る舞いをしたな?帝国の公爵から手紙が来たぞ。我が家と帝国貴族の取引を中断させるとな!お前と縁を切れば、取引を継続してくれるそうだ!一体何をした?何が援助だ……ふざけるな!」
初めて聞く父の怒号に身体が固まった。
「なっ……お、俺はなにもしていない……」
「嘘をつくな!……まあいい、どのみちお前とは縁を切るのだからな。荷物をまとめ次第、出ていくがいい。荷造りの時間くらいはくれてやる」
そう言い残して父は書斎に戻っていった。なんてことだ……。俺はこれからどうすればいいんだ?
翌日、ぼんやりと荷造りをしていると、イレーネがやって来た。
「サイモン、昨日はごめんなさいね。でも私、あなたのことが好……」
「イレーネ!なあ、金を貸してくれないか?大金が必要なんだ!父上から絶縁されて、これから大変なんだ……。お前の婿養子になるから、助けてくれよ!」
イレーネに必死に縋ると、彼女の笑顔がスッと消えた。
「は?絶縁されたの?じゃあ、もう貴族じゃなくなるのね……用事を思い出したから帰るわ。それから、私、あなたと結婚するつもりなんてないから。じゃあね」
早口でそれだけ告げると、彼女は帰っていった。
俺は一体何を間違えたんだ……。こんなことなら婚約破棄なんかせずに、シランと結婚していれば良かった。
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