無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

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王都のQT

キュウの仕事ー迷子犬探し

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初心者冒険者訓練は結局、キュウだけしか残らなかった。他の3人は2日目から来なかったようだ。
まぁ冒険者は自己責任だから来ないものを無理やり強制する訳にはいかない。ヨハンナはザブギルマスとしてそう思う。

初心者冒険者訓練を終えれば当座戦う事は出来るようになる。ソロで活動を始める方法もあるがキュウの戦い方に合ったパーティに参加させるのか良いかな。女の子だから女性のいるパーティが望ましいが中々無い。仕方ないから王都内で出来る初心者向けの依頼を暫く熟して貰おう。

キュウとDの屋敷に帰ってみればやっぱりDは帰って来ていなかった。キュウの面倒を見ることでDの心証を上げておきたい。チッチェにお願いしてDが帰ってきたら遅くても教えて貰うようにしたから夜は満足行くまで付き合って貰う。嫌じゃないよね?

女房面する気は無いけど居なくなる前は半年で戻ると言っていたのだ。それが1年経っても戻ってこないなんて、何処の風来坊よ!
暫くは独占したって罰は当たらないと思うの。そうよね?D。

寝物語にDが語る冒険は楽しいけどサブギルマスの仕事がなけりゃ付いて行きたかったわよ。でも、無理なのは判ってるわ。悲しい。

◆◆キュウ視点◆◆
ヨハンナさんから参加出来そうなパーティを探して置くから暫くは王都内のソロ用の依頼を熟す様に言われた。
孤児だった事もあってソロで動くのは問題ないと思う。

初心者冒険者訓練で服は借りられたが冒険者として動くにはDに買ってもらった服では駄目と言われ、ランさんに教えて貰った店で服を買って着ている。お金はヨハンナさん持ちだ。いずれ返そう。
朝晩は少し寒くなってきた季節だから長袖、ズボンで革の胸当てだけしている状態だ。一応武器はレイピアと呼ばれる刺突剣を腰に下げている。細剣とは扱いが多少違うが使いやすく、こっちのほうが好みだ。

王都に来て5日目から冒険ギルドにヨハンナさんと一緒に来て、一人で依頼を探してる。見方とか依頼の受け方とか冒険者ギルド内の施設の使い方とかはランさんが親切に教えてくれた。忙しいのにごめんなさいと言うとその代わりヨハンナさんに良く言っておいてと言われた。

なるほど、ヨハンナさんによく思われたいらしい。ヨハンナさんは受付嬢みんなの憧れらしい。凄いです、ヨハンナさん。

今日の依頼は『迷子の犬探し』だ。
嫌い主は商家のおばあさん。長年連れ添って来たのに大きな物音に驚いた犬が逃げ出して何処かに行ってしまったらしい。

居なくなった場所を教えて貰って取り敢えず近所での目撃者探しをする。
中々見たという人は居なかったが犬が走り去った方向でウロウロしている犬を見た人を見つけた。それだけで半日が終わってしまった。

近場の屋台でホットドッグを食べて昼飯を済ます。別に駄洒落じゃないからね。

屋台のおっちゃんに聞いたらビンゴだった。それらしい犬が路地裏で餌探しをしているのを見たと言う。

その場所に行ってみると犬は居なかったが近所の子供達が居た。
子供達に銅貨を見せて情報を集めるとスラム方向のゴミ山近くで見たと分かった。
餌探しをして帰る方向を見失ったのかも知れない。

ゴミ山に行くと犬が寝そべって居た。
商家のおばあさんの言っていた特徴と一致している。たぶん間違いないだろう。
脅かさない様に近づくとこちらを見て立ち上がった。いつでも逃げられる大勢のようだ。
こちらを見てうろうろと視界を彷徨わせる。
その姿は弱々しい。たぶん食べ物が無くてお腹を空かせているのだろう。

腰のポーチから屋台で買ったホットドッグを出して、少し千切って差し出す。
じっと千切れたホットドッグを見つめている。
どうしようかと考えているのだろうと思う。こういう時は焦っては駄目だ。相手のペースに付き合うつもりでじっと我慢する。

近くに板切れがあったのでそれに載せて置き、少し下がって様子を伺う。

犬はあたしの顔を見て、ホットドッグを見て、またあたしの顔を見た。
あたしが頷くと警戒してクンクンしていたがゆっくり近づいて食べてくれた。

くぅ~ん
と鳴く。

お腹が凄く空いていたのだろう、更に残りも差し出すと食べてしまった。
持っていた手をペロペロしてくるのでそっと首輪に紐を通す。

優しく声を掛けておばあさんの事を話しながら紐を持って連れて行く。
話が分かる訳でも無いのに大人しく付いてきてくれた。

商家の近くまで来ると犬は自分から家に戻ろうと引っ張り出した。
慌てない様に商家のおばあさんを訪って犬を渡す。犬はおばあさんの顔をペロペロ舐めて尻尾をブンブン振っていた。

依頼完了だ。
おばあさんから依頼書に完了のサインを貰う。おばあさんから凄く感謝されて嬉しい。家に上がってお茶して行けと言ってくれたが報酬はちゃんとあるのだ。

冒険者ギルドに帰ってから受付嬢のお姉さんに完了の報告をすると褒められた。犬探しなどは受ける人が殆ど居ないらしい。
一日で見つけてくるのも優秀だと言われた。

報酬は金貨1枚。
これが依頼の最低金額らしい。依頼する時は別に大銀貨1枚が掛かり、これがギルドの手数料になるようだ。

まだ少し日が高くて早かったが次の依頼を探して『大工の手伝い』を選んだ。報酬は一日で金貨2枚だ。期間は数日とだけあった。受付嬢のお姉さんもOKを出してくれたので大丈夫だろう。
冒険者ギルドから相手の棟梁に話をしてくれるというので明朝また冒険者ギルドに来ればいいようだ。



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