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戦争と冒険者D
アラド兄弟
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俺はまず、商業ギルドのサブマスターのトレジイの所に行った。
何、用事があったわけじゃない。抱きに来いと言われていたから行っただけさ。
トレジイはいい女だぜ。ヨハンナやアンナみたいな爆乳じゃないけど程々だし、あの白い柔肌が良い。仕事に関しては冷徹で効率主義者だが眼鏡を外した私生活は尽くすタイプで俺のお気に入りだ。まだまだ脂が乗ったいい女さ。
その後は錬金術師ギルドのギルドマスターであるドワーフのランドルドに会いに行った。俺に付き合って貰うためだ。飯を食いながら話をすればそろそろ行くつもりだったらしい。既に冒険者ギルドに護衛の指名依頼してあると言われた。ほぼ準備は済んでいるようで俺の行動も見透かされていたらしい。
案の定、王都東地区冒険者ギルドに行けばヨハンナが直に手続きを済ませてくれた。サブマスターの部屋に連れ込まれ、たっぷりサービスさせられたぜ。おいおい、職権濫用じゃないのか?筆頭受付嬢ランに胡乱な目で見られたぜ。まぁ唆るものはあったがな。
休憩とも一仕事とも言えない事を済ませた俺は冒険者ギルドを出てスラム街へやって来た。ヨークゼンの街でやったようなスキル集めをしても良いがそのためにやって来た訳じゃ無い。ここには『緋空旅団』の秘密部隊のアジトがあるのだ。なんせ『緋空旅団』の設立には俺も関わってるからな。
外見は罅もあるし蔦も這っているようなオンボロな建物だが中に入るには何重ものセキュリティを抜けないと入れない。この保安設備も俺の発案だ。まぁ作ったのは魔導具造りの天才ランドルドだけどな。
セキュリティを抜けて地下室の中に入ると数人の『緋空旅団』のメンバーが広い部屋で忙しそうにしていた。一斉にこちらを向いてその中の一人が俺に声を掛ける。
「Dさん!久方ぶりですね!」
最初に声を掛けてきたのは傭兵団の制服に身を包んだ痩せぎすの男だ。名前をロングという。ロングは元々スラムに流れて来たアランダ地方の騎士崩れで、この秘密部隊の警備責任者だ。
「おう!そうだな。ロングも元気でやってるか。食堂の彼女とは上手くやってるか?」
「ははは、一緒になる約束してますよ」
「そりゃ良かった。ところでキャサリンはいるか?」
「ああ、所長なら通信室ですよ。」
「そうか、ありがとう。行ってみるぜ」
俺は軽くロングに手を振り、部屋の奥にあるドアに向かった。更に奥にはもっと大きな部屋があったがその部屋には巨大な魔導具が置かれ、狭く感じられる。魔導具のあちらこちらが色とりどりの点滅をしていて、何処かの風景を映し出すモニターを持っていた。そのうちの一番大きなモニターの前に黒々とした長髪で白衣を着た小柄な姿があった。
「キャサリン!」
俺が声を掛けるとキャサリンは振り向き、黒い目を見開いた。そしてその目にみるみる涙が溜まる。
「ディー!」
少し舌足らずな子供じみた声でキャサリンが俺の名を呼びながら飛びついてきた。キャサリンは声だけでなく体型さえも小柄だった。年齢で言ったら10才にも満たない外見だが既に成人していて俺と同じ21歳だ。キャサリンはここの通信設備と王都の監視装置を管理している。
「ディー、見ていたぞ、お主の戦いぶりを!」
「そうか!覗き穴を使って見ていたか」
『覗き穴』とはカメラの事だ。王都のあちこちに設置してあって、この通信設備のモニターで見ることができる。
「そうじゃ!ここの『鏡』に写っておったのじゃ!」
『鏡』はモニターの事だ。キャサリンが示した『鏡』は通信設備に付属した小さなモニターだった。
「見つけたのは儂じゃ無かったが『大鏡』に映して見たのじゃ!ハラハラしたが無事で良かった!」
抱きつきながら鼻水まで垂らしながらキャサリンは嬉しそうに笑う。
「儂に会いに来てくれたんじゃろう?」
「それもあるが違うんだ。コングと話したくてな。」
キャサリンは途端に顔を曇らせて俺を掴んでいた手を離し、床に降りてしまった。『コング』とはアラド兄弟の兄ルクランの愛称だ。昔から身体を鍛えるのが趣味でムキムキの体自慢の男だ。
「今、アラド兄弟は北に遠征中だろ?そっちの事情が知りたくてな」
「・・・なんじゃ、兄様と話がしたかったのか」
明らかに気落ちしていたが俯いていた顔を上げてキャサリンは泣き笑いを見せた。
「まあ、任せろ」
キャサリンは通信設備の大型のモニターの前に戻り、幾つかのレバーを倒し、両手で摘みを回して数字の羅列を調節した。すると通信設備の大型のモニターに何処かの戦闘場面が写った。同時に誰かが叫んだり、何かがぶつかったり、斬られる音がする。
「兄様!兄様、聞こえるかえ?」
「・・・ザザー・・・あ?あん?・・・キャ・・キャサリンかぁ~?今はちと、忙しいんだが!!」
どうもアラド兄弟は戦闘中だったらしい。
「ちと、飛び上がるから待っとれ!」
現下に大型のモニターに映る景色が回転して上空から見た風景になった。
そこには翼竜ような姿をした者たちと青味がかった鎧に身に纏った騎士たちが戦っていた。戦っている騎士たちは数が少なく圧倒的に翼竜のような姿をした者達のほうが優勢だった。
何、用事があったわけじゃない。抱きに来いと言われていたから行っただけさ。
トレジイはいい女だぜ。ヨハンナやアンナみたいな爆乳じゃないけど程々だし、あの白い柔肌が良い。仕事に関しては冷徹で効率主義者だが眼鏡を外した私生活は尽くすタイプで俺のお気に入りだ。まだまだ脂が乗ったいい女さ。
その後は錬金術師ギルドのギルドマスターであるドワーフのランドルドに会いに行った。俺に付き合って貰うためだ。飯を食いながら話をすればそろそろ行くつもりだったらしい。既に冒険者ギルドに護衛の指名依頼してあると言われた。ほぼ準備は済んでいるようで俺の行動も見透かされていたらしい。
案の定、王都東地区冒険者ギルドに行けばヨハンナが直に手続きを済ませてくれた。サブマスターの部屋に連れ込まれ、たっぷりサービスさせられたぜ。おいおい、職権濫用じゃないのか?筆頭受付嬢ランに胡乱な目で見られたぜ。まぁ唆るものはあったがな。
休憩とも一仕事とも言えない事を済ませた俺は冒険者ギルドを出てスラム街へやって来た。ヨークゼンの街でやったようなスキル集めをしても良いがそのためにやって来た訳じゃ無い。ここには『緋空旅団』の秘密部隊のアジトがあるのだ。なんせ『緋空旅団』の設立には俺も関わってるからな。
外見は罅もあるし蔦も這っているようなオンボロな建物だが中に入るには何重ものセキュリティを抜けないと入れない。この保安設備も俺の発案だ。まぁ作ったのは魔導具造りの天才ランドルドだけどな。
セキュリティを抜けて地下室の中に入ると数人の『緋空旅団』のメンバーが広い部屋で忙しそうにしていた。一斉にこちらを向いてその中の一人が俺に声を掛ける。
「Dさん!久方ぶりですね!」
最初に声を掛けてきたのは傭兵団の制服に身を包んだ痩せぎすの男だ。名前をロングという。ロングは元々スラムに流れて来たアランダ地方の騎士崩れで、この秘密部隊の警備責任者だ。
「おう!そうだな。ロングも元気でやってるか。食堂の彼女とは上手くやってるか?」
「ははは、一緒になる約束してますよ」
「そりゃ良かった。ところでキャサリンはいるか?」
「ああ、所長なら通信室ですよ。」
「そうか、ありがとう。行ってみるぜ」
俺は軽くロングに手を振り、部屋の奥にあるドアに向かった。更に奥にはもっと大きな部屋があったがその部屋には巨大な魔導具が置かれ、狭く感じられる。魔導具のあちらこちらが色とりどりの点滅をしていて、何処かの風景を映し出すモニターを持っていた。そのうちの一番大きなモニターの前に黒々とした長髪で白衣を着た小柄な姿があった。
「キャサリン!」
俺が声を掛けるとキャサリンは振り向き、黒い目を見開いた。そしてその目にみるみる涙が溜まる。
「ディー!」
少し舌足らずな子供じみた声でキャサリンが俺の名を呼びながら飛びついてきた。キャサリンは声だけでなく体型さえも小柄だった。年齢で言ったら10才にも満たない外見だが既に成人していて俺と同じ21歳だ。キャサリンはここの通信設備と王都の監視装置を管理している。
「ディー、見ていたぞ、お主の戦いぶりを!」
「そうか!覗き穴を使って見ていたか」
『覗き穴』とはカメラの事だ。王都のあちこちに設置してあって、この通信設備のモニターで見ることができる。
「そうじゃ!ここの『鏡』に写っておったのじゃ!」
『鏡』はモニターの事だ。キャサリンが示した『鏡』は通信設備に付属した小さなモニターだった。
「見つけたのは儂じゃ無かったが『大鏡』に映して見たのじゃ!ハラハラしたが無事で良かった!」
抱きつきながら鼻水まで垂らしながらキャサリンは嬉しそうに笑う。
「儂に会いに来てくれたんじゃろう?」
「それもあるが違うんだ。コングと話したくてな。」
キャサリンは途端に顔を曇らせて俺を掴んでいた手を離し、床に降りてしまった。『コング』とはアラド兄弟の兄ルクランの愛称だ。昔から身体を鍛えるのが趣味でムキムキの体自慢の男だ。
「今、アラド兄弟は北に遠征中だろ?そっちの事情が知りたくてな」
「・・・なんじゃ、兄様と話がしたかったのか」
明らかに気落ちしていたが俯いていた顔を上げてキャサリンは泣き笑いを見せた。
「まあ、任せろ」
キャサリンは通信設備の大型のモニターの前に戻り、幾つかのレバーを倒し、両手で摘みを回して数字の羅列を調節した。すると通信設備の大型のモニターに何処かの戦闘場面が写った。同時に誰かが叫んだり、何かがぶつかったり、斬られる音がする。
「兄様!兄様、聞こえるかえ?」
「・・・ザザー・・・あ?あん?・・・キャ・・キャサリンかぁ~?今はちと、忙しいんだが!!」
どうもアラド兄弟は戦闘中だったらしい。
「ちと、飛び上がるから待っとれ!」
現下に大型のモニターに映る景色が回転して上空から見た風景になった。
そこには翼竜ような姿をした者たちと青味がかった鎧に身に纏った騎士たちが戦っていた。戦っている騎士たちは数が少なく圧倒的に翼竜のような姿をした者達のほうが優勢だった。
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