無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす

文字の大きさ
91 / 159
冒険者Dと近隣国

追う女

しおりを挟む
ディーが帰って来ない。アンナは少し切れていた。

一区切り付けは帰ってくる筈とマクシミリアン•ライザップ様は仰ったが帰って来ない。戦闘が終わりエッテンベルク城の占拠と捕虜の選別も終わりかけたと言う連絡と共にDの行方が分かった。

なんとギルーラ•エッテンベルクを追ってベラーシ王国の大都市バラナビィーチまで行ってると言うのだ。
遠い、余りにも遠すぎる。風来坊のディーの事だ、きっと素直にはライザップ領には帰って来ないに違いない。

アンナは護衛としている冒険者の継続をして、ディーを追い掛ける事を決めた。自分の貯蓄は無いが家の金を使えば問題ない筈だ。
数年とはいえ、あたしが居なかった分の浮いた金がある筈だ。お父様には手紙を書こう。
まずはマクシミリアン様に話を通さないといけない。

マクシミリアン様の執務室へ行き、執務をしているマクシミリアンと話をする。
「マクシミリアン様、わたくし、ベラーシ王国へ参りますわ」
「何ですと!侯爵令嬢であるあなたがベラーシ王国などに何故行かれるのです?」
「ふふふ、ご心配下さいますの?親善、いえアロシア帝国の横暴に抗議する為に交渉に参りますわ」
「あなたは外交官でも何でも無い・・・まさか資格を得られましたか?」
「ええ、お父様にお願い致しましたわ。特別外交官、この資格なら問題無く外交が出来ますわ。それにエッテンベルク城まで行けばスリム•ライザップ辺境伯様の援助を得られるでしょう」
「ああ、アンナ様ときたら。そんな行動力のあるあなたに惚れたのですけどね。私には釣れない。」
「申し訳ありませんわ。」
「分かりました。許可証を出しましょう。それでいつ立つご予定ですか?」
「父からの連絡待ちになりますので10日程かと」
「護衛の手配などは如何しますか?」
「それは心当たりがありますので大丈夫でしょう。お心遣いありがとうございます。」

マクシミリアンとの話を済ませた後にあたしは冒険者パーティ破軍の星(デストロイスター)のローリエと話をした。
彼女達は快諾してくれた。何でもあたしの護衛依頼達成でC級に昇格したようだ。

あたしが外出している時は必ず付いてくるし、そうでない時はギルドから単発で依頼を受けて腕を磨く事も怠りなくやっているらしい。常設依頼のワイバーン討伐も難なく熟す事が出来る様になって来たらしい。
ローリエに言わせるとあたしと知り合えてからと言うもの運が向いて来て、QTには感謝しか無いと笑った。

そんなあたしの所へ昔の知り合いが顔を出して来た。
ダゾンの街の冒険者ギルドの受付嬢だったマリリンだった。あたしがベゼワントにいることを聞きつけて顔を出したらしい。

隣には商人がいた。
「お初にお目に掛かります、わたくし王都の南地区の倉庫街でバッタ商会を商わさせて頂いている商人コメツキ•バッタと申します。こちらのアルマさんの・・・その・・知り合いでして」

マリリンの横にいた小太りの商人が卒の無い挨拶をするが、マリリンに惚れているのが人目で分かった。
あたしはマリリンに聞く。
「マリリン、アルマってどういう事なの?」
「申し訳ございません。アンナ様。実は身を隠すのに偽名を使って受付嬢しておりました。ダゾンの街の冒険者ギルドマスターは知っておりました。」

まぁ、色んな事情で偽名を使うことは良くあることだ。コメツキはあたしとアルマが知り合いだった事に驚いている。
「実は国境を抜ける許可証が得られなくて、何とかお力添え頂けないかとお願いに参りました。」

あたしはマリリン、いやアルマの服装を見て聞く。
「その格好は・・・冒険者になったの?」
「ダゾンを離れるにはこの方が何かと便利なので。今では単独C級で稼いでいます。」

華奢なアルマの姿からはそんなに勇猛に見えない。それに年齢もQTと変わらなかった筈だ。
「年齢でございますか?今は16になっておりますが」

やっぱり若い。
「それで国境を抜けたい理由は何なの?」

少しアルマは躊躇したが話す事にしたらしい。
「ある者を追っております。詳しい事情は話せませんが会わないといけないのです。」
「どんな相手なのかしら」
「詳しい事は言えませんが近付けばあたしのスキルで分かります。」
「その相手と会ってどうするの?」
「・・・多分戦いにはなりません。相手の方が圧倒的に強い筈ですから。多分、一族の元へ帰る様に説得する事になると思います。」

アルマじゃない、マリリンはDによればあたしの危機を救う手助けをしてくれたらしいので少しくらい不審なところはあるにせよ、口添えくらい良いだろう。
「あたしも用事が合って国境を抜けてエッテンベルク城まで行くのでその随行として、連れて行ってあげるわ」
「本当でございますか!ありがとうございます!」

アルマが喜んでいるのを隣のコメツキ•バッタもにこやかに見ていた。
「それでバッタ商会長も同行するの?」

あたしの言葉に慌ててコメツキが言う。
「いえいえ、わたくしはアルマさんのお力になろうとアンナ様の面会をお願いしただけでございます。とても残念でございますが同行は致しません。」

面会を終えるとコメツキバッタは帰って行ったがアルマには残って貰い、C級の破軍の星(デストロイスター)と面通しをした。
彼らは直ぐに打ち解けてくれて安心した。
多分QTと共闘していたからだろう。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...