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冒険者Dと近隣国
冒険者ギルド
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散々食べ散らかして俺は酒場を出る。
もうすぐ夜更けを過ぎて空が明るくなるだろう。銀貨を出して酒場に居た奴らに奢ればやんややんやの大騒ぎだ。俺が酒場を出る頃には酔い潰れた奴らがわんさか出たぜ。そのお陰でハルッツも知らねえ話が聞けたから良しとしよう。
俺は冒険者ギルドを目指してのんびりと歩いた。
この時間はまだ一部の冒険者しか出て来ていない筈だ。夜の魔物を狩って戻った冒険者がいるか、夜勤の受付嬢くらいしか居ない。
ギルマスやサブマスは性格で遅出する者も、泊まり込んで仕事をする者もいる。ライアンはそんな男だろう。
バラナビィーチ冒険者ギルドマスターであり、立派な体躯をした冒険者叩き上げの男だ。厳つい顔はその生真面目さを表してる。
しかも俺が仕事を振ってるからな。
バラナビィーチ冒険者ギルド塩漬け案件の妙齢の婦人行方不明事件にアミバ•モトーレン伯爵が関わっていると教えたし、冒険者パーティのテンペストの連中がわざと塩漬けにしたとも言ったからな。
スナーク辺境伯への繋ぎと内偵やらテンペストの処罰やら忙しいだろうよ。
冒険者ギルドに入るとミリュエルが受付で居眠りをしていた。どうやら彼女が夜勤だったらしい。
髪の毛がほつれて妙な色気を出してやがる。唆るぜ。
俺が入って来た音で目が覚めたらしい。こっちをぼんやりした目で見てる。
「ギルマスは居るか?」
俺が声を掛けると目を瞬かせてから、しゃんとして応えた。
「あっ、はい!泊まり込みで部屋に居るはずです!」
窓明かりが差し込む誰も居ないギルドの中は静かだったからミリュエルの声がやけに大きく聞こえる。
「奴に報告かあるから上がるぜ。終わったらミリュエルにも話をしないとな」
俺がニヤリと笑うとミリュエルは顔を赤らめて背けた。
俺は遠慮なしに2階のギルマスの部屋に向かった。
訪う事無くドアを無遠慮に開けて中に入ると執務机の椅子に座ったまま、頭を上げて鼾をかいていやがった。
「おい、起きろ!ライアン」
俺が声を掛けたら変な寝言をかきやがった。
仕方ないから執務机を叩いてやると積み上げられていた書類が崩れ、ライアンが音にビクついて起きた。
「な、な、何だぁ?」
「朝早くから悪いな!俺だ、Dだ。」
目をしょぼつかせながらライアンが俺を見て、言った。
「アミバの件ならまだ終ってないぞ。ようやく、拘束する手筈がスナーク伯爵と整ったばかりだ。」
呑気すぎるような気がするぞ。
「おいおい、大丈夫か?アミバは今日、明日には証拠隠滅に動くぞ。」
ピンと背筋を伸ばし焦ったようにライアンは言った。
「そりゃ不味い!一応、見張らせて居るがスナーク伯爵の言う通りにやるしかねえのかよ!」
何をどうするのか分からんがちゃんと捕まえろよ。
「それとな、ライアン」
「まだ、なんかあんのか?」
俺が言葉を続けたから疑わしそうな目つきで聞いてきた。
「ああ、塩漬けになってた『海獣リバイス討伐』終えたぞ。」
「うそん!受けたのは一昨日じゃなかったか?」
驚きすぎて顎が外れそうな顔になったのは笑えるぜ。
「まあな、でもほんとだぜ。証拠を見せるから解体倉庫へ行こうぜ」
せっつく俺を嫌がりながら、俺はライアンを席から引っ張り上げながら部屋から追い立てる。
眠気覚ましをしてやったというのにライアンは時折欠伸を噛み殺しながらギルドの1階に俺と降りた。
受付嬢のミリュエルが朝早い冒険者と話し込んで居たがこちらに気付いた。
「あら、ギルマスどちらへ?」
ライアンは片手を上げてミリュエルに応えると言った。
「3番倉庫に行ってくる。」
「Dさんの納品ですか?」
「そうだ」
「ちょっと待ってください。私も行きます!」
ミリュエルは乱暴に依頼書を目の前の冒険者に渡すと立ちあがってドアを出掛けていた俺達を追ってきた。
話をしていた冒険者があ然としていたが、奥からふらふら出てきて隣に他の受付嬢が座ったから良いのだろう。
俺達はライアンの後を付いて冒険者ギルドに併設されている大きな倉庫に入った。
入口のドアの横には巨人でも入れそうな横開きの扉があり、中に入ると更に奥行きも広かった。
床は石畳が敷かれ、簀子が沢山置かれて居るから魔物の体液などは流してしまえるようだ。最も魔法を掛けて置けばそれなりに清潔に保てるのだろう。
「ここなら、海獣リバイスでも置けるだろう。何処に仕舞ってあるんだ?」
どうもライアンはアイテム袋か何かに入れてあると思ったらしい。俺は手を伸ばしてインベントリから海獣リバイスを取り出した。ドゴンと音を立てて簀子の上に落ちる。あまりの重さに一部の簀子が欠けてしまったらしい。
「「!」」
ライアンとミリュエルが息を飲んだ。
う~ん、でかいよな。改めて目の前にするとやはり20mは越えているようだ。
「D~!お前はインベントリが使えるのか!?」
なんとライアンはインベントリを知っているようだ。ミリュエルは驚きから戻って来ない。
「ああ、それがどうした。」
「じゃあ、お前は『使徒』なのか?」
『使徒』というのは神様の使いとか呼ばれる神様の命令を受けて某かの使命を成し遂げる存在のことだ。
「いや?違うぞ」
「ほんとか?インベントリが使えるのは『使徒』だけだと聞いているぞ!」
「『使徒』って奴らは神の声が聞こえるとか言うイカれた奴らだろーが。俺はそんなんじゃねえぞ。どんな神にも憑かれちゃあいねえ!」
「・・・ほんとか」
ライアンは半信半疑らしい。
それを聞いていたミリュエルが放心から帰って来た。
「Dさん凄ーい!!」
抱きつきながら言うもんだから俺は照れた。
もうすぐ夜更けを過ぎて空が明るくなるだろう。銀貨を出して酒場に居た奴らに奢ればやんややんやの大騒ぎだ。俺が酒場を出る頃には酔い潰れた奴らがわんさか出たぜ。そのお陰でハルッツも知らねえ話が聞けたから良しとしよう。
俺は冒険者ギルドを目指してのんびりと歩いた。
この時間はまだ一部の冒険者しか出て来ていない筈だ。夜の魔物を狩って戻った冒険者がいるか、夜勤の受付嬢くらいしか居ない。
ギルマスやサブマスは性格で遅出する者も、泊まり込んで仕事をする者もいる。ライアンはそんな男だろう。
バラナビィーチ冒険者ギルドマスターであり、立派な体躯をした冒険者叩き上げの男だ。厳つい顔はその生真面目さを表してる。
しかも俺が仕事を振ってるからな。
バラナビィーチ冒険者ギルド塩漬け案件の妙齢の婦人行方不明事件にアミバ•モトーレン伯爵が関わっていると教えたし、冒険者パーティのテンペストの連中がわざと塩漬けにしたとも言ったからな。
スナーク辺境伯への繋ぎと内偵やらテンペストの処罰やら忙しいだろうよ。
冒険者ギルドに入るとミリュエルが受付で居眠りをしていた。どうやら彼女が夜勤だったらしい。
髪の毛がほつれて妙な色気を出してやがる。唆るぜ。
俺が入って来た音で目が覚めたらしい。こっちをぼんやりした目で見てる。
「ギルマスは居るか?」
俺が声を掛けると目を瞬かせてから、しゃんとして応えた。
「あっ、はい!泊まり込みで部屋に居るはずです!」
窓明かりが差し込む誰も居ないギルドの中は静かだったからミリュエルの声がやけに大きく聞こえる。
「奴に報告かあるから上がるぜ。終わったらミリュエルにも話をしないとな」
俺がニヤリと笑うとミリュエルは顔を赤らめて背けた。
俺は遠慮なしに2階のギルマスの部屋に向かった。
訪う事無くドアを無遠慮に開けて中に入ると執務机の椅子に座ったまま、頭を上げて鼾をかいていやがった。
「おい、起きろ!ライアン」
俺が声を掛けたら変な寝言をかきやがった。
仕方ないから執務机を叩いてやると積み上げられていた書類が崩れ、ライアンが音にビクついて起きた。
「な、な、何だぁ?」
「朝早くから悪いな!俺だ、Dだ。」
目をしょぼつかせながらライアンが俺を見て、言った。
「アミバの件ならまだ終ってないぞ。ようやく、拘束する手筈がスナーク伯爵と整ったばかりだ。」
呑気すぎるような気がするぞ。
「おいおい、大丈夫か?アミバは今日、明日には証拠隠滅に動くぞ。」
ピンと背筋を伸ばし焦ったようにライアンは言った。
「そりゃ不味い!一応、見張らせて居るがスナーク伯爵の言う通りにやるしかねえのかよ!」
何をどうするのか分からんがちゃんと捕まえろよ。
「それとな、ライアン」
「まだ、なんかあんのか?」
俺が言葉を続けたから疑わしそうな目つきで聞いてきた。
「ああ、塩漬けになってた『海獣リバイス討伐』終えたぞ。」
「うそん!受けたのは一昨日じゃなかったか?」
驚きすぎて顎が外れそうな顔になったのは笑えるぜ。
「まあな、でもほんとだぜ。証拠を見せるから解体倉庫へ行こうぜ」
せっつく俺を嫌がりながら、俺はライアンを席から引っ張り上げながら部屋から追い立てる。
眠気覚ましをしてやったというのにライアンは時折欠伸を噛み殺しながらギルドの1階に俺と降りた。
受付嬢のミリュエルが朝早い冒険者と話し込んで居たがこちらに気付いた。
「あら、ギルマスどちらへ?」
ライアンは片手を上げてミリュエルに応えると言った。
「3番倉庫に行ってくる。」
「Dさんの納品ですか?」
「そうだ」
「ちょっと待ってください。私も行きます!」
ミリュエルは乱暴に依頼書を目の前の冒険者に渡すと立ちあがってドアを出掛けていた俺達を追ってきた。
話をしていた冒険者があ然としていたが、奥からふらふら出てきて隣に他の受付嬢が座ったから良いのだろう。
俺達はライアンの後を付いて冒険者ギルドに併設されている大きな倉庫に入った。
入口のドアの横には巨人でも入れそうな横開きの扉があり、中に入ると更に奥行きも広かった。
床は石畳が敷かれ、簀子が沢山置かれて居るから魔物の体液などは流してしまえるようだ。最も魔法を掛けて置けばそれなりに清潔に保てるのだろう。
「ここなら、海獣リバイスでも置けるだろう。何処に仕舞ってあるんだ?」
どうもライアンはアイテム袋か何かに入れてあると思ったらしい。俺は手を伸ばしてインベントリから海獣リバイスを取り出した。ドゴンと音を立てて簀子の上に落ちる。あまりの重さに一部の簀子が欠けてしまったらしい。
「「!」」
ライアンとミリュエルが息を飲んだ。
う~ん、でかいよな。改めて目の前にするとやはり20mは越えているようだ。
「D~!お前はインベントリが使えるのか!?」
なんとライアンはインベントリを知っているようだ。ミリュエルは驚きから戻って来ない。
「ああ、それがどうした。」
「じゃあ、お前は『使徒』なのか?」
『使徒』というのは神様の使いとか呼ばれる神様の命令を受けて某かの使命を成し遂げる存在のことだ。
「いや?違うぞ」
「ほんとか?インベントリが使えるのは『使徒』だけだと聞いているぞ!」
「『使徒』って奴らは神の声が聞こえるとか言うイカれた奴らだろーが。俺はそんなんじゃねえぞ。どんな神にも憑かれちゃあいねえ!」
「・・・ほんとか」
ライアンは半信半疑らしい。
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