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冒険者Dと近隣国
アンナの秘密
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私掠船を襲うのは順調に行っていた。これも海獣艇リバイアーがあったからだがな。これほど私掠船に見つからずに接近し、護衛艦を翻弄するのに最適な魔導具は無かった。それでも何度も襲えば噂になるし、数も減るし、護衛も増えてしまった。
気晴らしに港街ラヴァッツの酒場に行ったらQT達に会ったぜ。隣にユキがいる!思わずヤバイと思った時にはユキは姿を晦ましていた。抱きつかれたQTの身体はだいぶ肉付きも良くなってもう子供とは思えない程だったぜ。その後にやけにゆっくりと近付いて来たアンナは涙を流していた。う~ん、何か泣かすような事を俺はしただろうか。心当たりがあり過ぎる。
「ディー」
低く響くアンナの声がざわつく店内で何故か良く聞こえた。遠慮がちにQTが俺から離れるとゆっくりと俺を抱き締めた。
文字通り締められたぁー。
まぁしょせん女の力だ。痛ぇがそれだけだ。
「どうしてこんな所にアンナが居るんだ?」
俺が聞くとQTが答えた。
「Dの帰りが遅いから迎えに来たんだよー」
「こんな場所まで?それに良く此処が分かったな?」
「そりゃDは派手に暴れるもん。直ぐに分かるよー。会えるかどうかは分からなかったけどねー。」
「俺は久しぶりにこの店に来たんだかな?」
「アンナ様の女の感って奴?」
背筋がゾクゾクするぜ。
暫くQTと言葉を交わしているとようやく強めの拘束を外して、アンナが俺の手を引いて先程まで座っていた席まで連れて行った。
空いている適当な席に座って周りを見ると知り合いばかりだった。アンナはそちらに座らずに俺の隣に座ってしなだれ掛かって側から離れようとしない。
「よう」
俺が最初に声を掛けたのはマリリンだった。何でダゾンの街の冒険者ギルドの受付嬢がここに居るんだ?良く見ればマリリンの姿は冒険者らしく革鎧を身に着けている。それなりに年季も手入れもされている様子だったぜ。
「暫くぶりですね、冒険者Dさん。」
「何でダゾンの街の受付嬢のマリリンが一緒何だ?」
思ったことをそのまま言えば一瞬マリリンが決まり悪そうな顔をしてから、にこやかに答えた。
「もう、受付嬢は辞めたんですのよ。それにマリリンは偽名で本名はアルマと言いますのよ。」
人差し指を唇に置いて何かを考えながら言っているのは何かあるのか。何故か俺はアルマに警戒心を覚えながら見詰めた。
「そうか、それで今は冒険者か」
「そうですね。アンナさんに同行を許して貰ってDさんにお話があって来ましたの。」
何故かマリリンでないアルマに話し掛けられる毎に謂れのない不安が浮かび上がって来た。こんな気持ちになったのは初めてだった。それに俺に用事があるとは何の事だ?俺が眉を潜めたせいでアルマが言う。
「まぁここでは話せませんわ。後でゆっくり・・・」
俺にしなだれ掛かっていたアンナの視線に気付いたようにびっくりして言葉が途切れた。
「それってあたしも同席するわ!」
アンナが断定して有無も言わせない。それを見ていたQTは引き攣った笑いを見せた。う~ん、俺がいない間に何だかアンナの強引さが増したような気がする。だが、俺がアンナを見るとにこやかに笑い返す。
「どうも個人的な事らしいな。アンナにも話したく無さそうだがな」
「わたしもDを離したく無いです!」
笑顔は変わらないけどアンナの圧が凄い。
そこへ酒と食べ物が店員に依って大量に運ばれて来た。どうやら一緒に居る冒険者達が気を効かせてくれたらしい。
「まぁ、久しぶりの再開だ。金は俺が出すから好きなだけ呑んでくれ」
俺の言葉に歓声が上がって、凄い勢いで飲み始めた。良く見るとその端っこにユキまで混じってる。しれっとその場の冒険者のふりをしているのだろう。気にしたら負けだな。
元々女だらけの纏まりに男の俺が一人だけ混じってる状況だが誰も気にして無い。見知った顔があるので声を掛けに行こうと立ち上がろうとしたがアンナが手を引っ張って離さない。
その代わりにアンナがダリアに手を振った。QTの横で談笑していたが立ち上がってこちらに来た。
「アンナ様何か」
俺はダリアに声を掛けた。
「お前ヴォルンタリの所のダリアだろ?」
「ええ、よくご存知で」
「そりゃまぁな。『暁燿旅団』の方は大丈夫なのか?」
ダリア•マルチネスがフルネームだったか。
軽槍を使う『暁燿旅団』の団員で年はQTと同じ位だったか。
黒目黒髪で腰まで長い髪、QTとほぼ同じくらいの背丈でありながら細身でとても小顔だ。髪色だけでなく彫りの深くない扁平な顔が弓月国の出身を物語っていた。何処となくユキに似ている。
「ええ、問題ないですわ」
「むしろダリアは旅団を辞めるのよね」
「んん?どういう事だ」
アンナがダリアの事に口を出す。
「わたしの所へ来るのよ。元々ダリアはわたしの所の騎士だもの」
ますますアンナの言っていることが分からない。
「んん?どういう事だ。さっぱり分からん」
ダリアとアンナと俺が顔を見合わせてお互いに分かってない。
「あー!アンナ様!D様に身分を話しておられないでしょう?」
ダリアの言葉にアンナの顔が青くなった。
「どういう事だ。アンナは冒険者ギルドの受付嬢じゃないのか?」
俺はますます理由が分からなくなった。
気晴らしに港街ラヴァッツの酒場に行ったらQT達に会ったぜ。隣にユキがいる!思わずヤバイと思った時にはユキは姿を晦ましていた。抱きつかれたQTの身体はだいぶ肉付きも良くなってもう子供とは思えない程だったぜ。その後にやけにゆっくりと近付いて来たアンナは涙を流していた。う~ん、何か泣かすような事を俺はしただろうか。心当たりがあり過ぎる。
「ディー」
低く響くアンナの声がざわつく店内で何故か良く聞こえた。遠慮がちにQTが俺から離れるとゆっくりと俺を抱き締めた。
文字通り締められたぁー。
まぁしょせん女の力だ。痛ぇがそれだけだ。
「どうしてこんな所にアンナが居るんだ?」
俺が聞くとQTが答えた。
「Dの帰りが遅いから迎えに来たんだよー」
「こんな場所まで?それに良く此処が分かったな?」
「そりゃDは派手に暴れるもん。直ぐに分かるよー。会えるかどうかは分からなかったけどねー。」
「俺は久しぶりにこの店に来たんだかな?」
「アンナ様の女の感って奴?」
背筋がゾクゾクするぜ。
暫くQTと言葉を交わしているとようやく強めの拘束を外して、アンナが俺の手を引いて先程まで座っていた席まで連れて行った。
空いている適当な席に座って周りを見ると知り合いばかりだった。アンナはそちらに座らずに俺の隣に座ってしなだれ掛かって側から離れようとしない。
「よう」
俺が最初に声を掛けたのはマリリンだった。何でダゾンの街の冒険者ギルドの受付嬢がここに居るんだ?良く見ればマリリンの姿は冒険者らしく革鎧を身に着けている。それなりに年季も手入れもされている様子だったぜ。
「暫くぶりですね、冒険者Dさん。」
「何でダゾンの街の受付嬢のマリリンが一緒何だ?」
思ったことをそのまま言えば一瞬マリリンが決まり悪そうな顔をしてから、にこやかに答えた。
「もう、受付嬢は辞めたんですのよ。それにマリリンは偽名で本名はアルマと言いますのよ。」
人差し指を唇に置いて何かを考えながら言っているのは何かあるのか。何故か俺はアルマに警戒心を覚えながら見詰めた。
「そうか、それで今は冒険者か」
「そうですね。アンナさんに同行を許して貰ってDさんにお話があって来ましたの。」
何故かマリリンでないアルマに話し掛けられる毎に謂れのない不安が浮かび上がって来た。こんな気持ちになったのは初めてだった。それに俺に用事があるとは何の事だ?俺が眉を潜めたせいでアルマが言う。
「まぁここでは話せませんわ。後でゆっくり・・・」
俺にしなだれ掛かっていたアンナの視線に気付いたようにびっくりして言葉が途切れた。
「それってあたしも同席するわ!」
アンナが断定して有無も言わせない。それを見ていたQTは引き攣った笑いを見せた。う~ん、俺がいない間に何だかアンナの強引さが増したような気がする。だが、俺がアンナを見るとにこやかに笑い返す。
「どうも個人的な事らしいな。アンナにも話したく無さそうだがな」
「わたしもDを離したく無いです!」
笑顔は変わらないけどアンナの圧が凄い。
そこへ酒と食べ物が店員に依って大量に運ばれて来た。どうやら一緒に居る冒険者達が気を効かせてくれたらしい。
「まぁ、久しぶりの再開だ。金は俺が出すから好きなだけ呑んでくれ」
俺の言葉に歓声が上がって、凄い勢いで飲み始めた。良く見るとその端っこにユキまで混じってる。しれっとその場の冒険者のふりをしているのだろう。気にしたら負けだな。
元々女だらけの纏まりに男の俺が一人だけ混じってる状況だが誰も気にして無い。見知った顔があるので声を掛けに行こうと立ち上がろうとしたがアンナが手を引っ張って離さない。
その代わりにアンナがダリアに手を振った。QTの横で談笑していたが立ち上がってこちらに来た。
「アンナ様何か」
俺はダリアに声を掛けた。
「お前ヴォルンタリの所のダリアだろ?」
「ええ、よくご存知で」
「そりゃまぁな。『暁燿旅団』の方は大丈夫なのか?」
ダリア•マルチネスがフルネームだったか。
軽槍を使う『暁燿旅団』の団員で年はQTと同じ位だったか。
黒目黒髪で腰まで長い髪、QTとほぼ同じくらいの背丈でありながら細身でとても小顔だ。髪色だけでなく彫りの深くない扁平な顔が弓月国の出身を物語っていた。何処となくユキに似ている。
「ええ、問題ないですわ」
「むしろダリアは旅団を辞めるのよね」
「んん?どういう事だ」
アンナがダリアの事に口を出す。
「わたしの所へ来るのよ。元々ダリアはわたしの所の騎士だもの」
ますますアンナの言っていることが分からない。
「んん?どういう事だ。さっぱり分からん」
ダリアとアンナと俺が顔を見合わせてお互いに分かってない。
「あー!アンナ様!D様に身分を話しておられないでしょう?」
ダリアの言葉にアンナの顔が青くなった。
「どういう事だ。アンナは冒険者ギルドの受付嬢じゃないのか?」
俺はますます理由が分からなくなった。
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