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冒険者Dと近隣国
スキルの故郷
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ほんのり赤くなった頬が妙に色気のあるアルマが口を開いた。
「先ずは昔話をさせて下さい。」
><
かつて、この世界には強力なスキルを有する人々がいた。
彼らはそのスキルで世界を支配し魔物も人々も支配した。
世界は安定し、人口も魔物も増え、豊かになった。
だが、豊かになっても人の欲望は留まる事を知らない。自分たちを支配する存在を許さない者たちが台頭し、やがてスキルによる戦いが起こった。
スキルで支配する者たちの数はそれを許さない者たちより少なかった。様々なスキルによるシナジーが強力なスキルを圧倒し、やがてスキルで支配していた人々を放逐した。絶滅を恐れたスキルで支配していた人々は逃げ、隠れるように峻厳な山々に住むようになった。
スキルによって峻厳な山々の中に世界を生み出し、築いた。スキルの力で山々の中なのにも関わらず高度な文明を維持し、自分たちを追い出した外界との関係を断った。
そのもの達は自分達のことを『アルヴァンチェリ』高いスキルを持つ者と呼び、外界の者たちを『スキュード』愚か者たちと呼んだ。
そんな中で『無貌』のスキルを持つものは長老の地位に立ち、多くの者たちの記憶とスキルを保持し続けた。『無貌』のスキルは代々子供に引き継がれる事が出来たのだ。恐ろしい戦争の記憶も持つため様々な不和が起きる前に解決する力があったのだ。長老は『賢者を超える者』『スキルの神』とも言われた。だが残念ながらそんな安寧も長く続かなかった。ある時、子をなさないまま長老が事故で死んでしまったのだ。
『アルヴァンチェリ』は『無貌』のスキルが失われたと思っていたが世界知識にアクセス出来るものが外の世界『スキュード』に『無貌』のスキルを持つ者が産まれたことを感知した。放置することは『アルヴァンチェリ』の危機の為、探し出し『アルヴァンチェリ』の長老とすることになった。その使命をある女性が負うことになった。
><
それがアルマなのだと言う。
アルマは『無貌』のスキルを持つ者の傍系てあり、特異なスキルを保持していると告白した。
『無権』というスキルは『無貌』の下位互換のスキルで、『無貌』のスキルを持つ者の居場所を感知出来る力があるようだ。長老の死を感知したのもアルマだったらしい。
成人の15才を過ぎて外の世界に出たアルマは自分の直感に従い、ある時は行商の子供として放浪し、ある街では貴族の娘に成り済まし、世界を探し歩いたと語る。
そしてダゾンの街で冒険者ギルドの受付嬢として潜り込んだ時にDに出逢ったのだ。
アルマとアンナが俺の顔を見る。そんなに見詰められると照れるぜ。ふたりは俺の言葉を待っているようだ。まぁ、ここで嘘をつく訳には行かねえな。正直に話すとするか。
「確かに俺にはスキル『無貌』がある。そのお陰で今までやってこれた事も確かだぜ。でもなぁそんな『アルヴァンチェリ』とか言う奴らの長老とかにならんぜ。」
俺の言葉に顔を輝かせるアルマと驚くアンナだが背後からも驚きの動揺が伝わってきた。俺は振り返って言った。
「ユキ、隠れてないで出て来い。」
ドア近くの壁から滲むようにユキの姿が現れた。てくてく歩いて俺を見上げて言う。
「Dの強さの秘密が分かった。複数のスキル持ち」
「ああ、そうだぜ。」
「D『無貌』の力って何なの?」
アンナが俺に言う。
「まぁ言いたくは無いんだがな」
「複数の人の記憶とスキルの保持」
ユキが断定するように本質を突く。まぁ間違って無い。アンナがユキを見る。
「アルマが言った。Dいったい何人の記憶を持っている」
「さあな」
アンナは驚いたり、疑ったりを繰り返しふと何かに気付いた。
「ディー、あなたは本当にディーなの?」
流石に気になるようだ。まぁアンナの不安は取り除くとしよう。
「もちろんだぜ。Dを名乗る前から俺は俺だ。他の奴らの記憶は・・・そうだな。魔法袋に入れてあるようなものさ」
アルマの説明やユキの指摘に無い他人の姿を奪える事は言わなくても良いだろう。余計に恐れられるからな。
「それでアルマは俺にどうして欲しいんだ。力づくで連れ帰るのか」
意外なことにアルマはスッキリした顔をしている。
「目的はスキル『無貌』を持つ者に真実を伝えることです。後はその者の判断です。だってDさんに敵わないんですから無理強いなんて出来ません。でも、見つかった事は里の者に傳わっている筈です。里にいる時に知らせが届くように魔法を掛けられましたから」
へー、そんな魔法があるんだ。
「で、アルマはこれからどうするんだ」
意外な事を訊かれたとばかりにアルマが驚く。少し考えてから答えた。
「そうですね、このまま冒険者を続けます。」
「里に帰らないのか」
「わたしの目的は達成されましたけど、その後は何も言われてませんから」
なるほど。伝令みたいなものか。聞かされた事は驚くべき事だったが知っていても知らなくても何も俺には関係ないな。
「Dが危険」
ユキが意外な事を言い始めた。
「そうね、ディーの意思に任されているとしても連れ帰りたい人達が居るかも知れないわ」
アンナが心配そうに言う。
「Dを護る」
俺より弱いユキの言葉に俺は返って驚いた。
「あたしも護るわ」
「Dから離れない」
「あら、それは駄目よ。それはあたしの役目だわ」
「それならふたりで護る」
「・・・そうね。それでも良いわ。ユキちゃんも頑固そうだし」
何だかアンナとユキが共闘する流れになってるんだが。ふたりのやり取りを聞いていたアルマが呆れたようなため息をついた。
「あたしは付き合って居られないわ、じゃあね」
部屋を出ていくアルマ以外のユキとアンナが部屋に残った。
「先ずは昔話をさせて下さい。」
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かつて、この世界には強力なスキルを有する人々がいた。
彼らはそのスキルで世界を支配し魔物も人々も支配した。
世界は安定し、人口も魔物も増え、豊かになった。
だが、豊かになっても人の欲望は留まる事を知らない。自分たちを支配する存在を許さない者たちが台頭し、やがてスキルによる戦いが起こった。
スキルで支配する者たちの数はそれを許さない者たちより少なかった。様々なスキルによるシナジーが強力なスキルを圧倒し、やがてスキルで支配していた人々を放逐した。絶滅を恐れたスキルで支配していた人々は逃げ、隠れるように峻厳な山々に住むようになった。
スキルによって峻厳な山々の中に世界を生み出し、築いた。スキルの力で山々の中なのにも関わらず高度な文明を維持し、自分たちを追い出した外界との関係を断った。
そのもの達は自分達のことを『アルヴァンチェリ』高いスキルを持つ者と呼び、外界の者たちを『スキュード』愚か者たちと呼んだ。
そんな中で『無貌』のスキルを持つものは長老の地位に立ち、多くの者たちの記憶とスキルを保持し続けた。『無貌』のスキルは代々子供に引き継がれる事が出来たのだ。恐ろしい戦争の記憶も持つため様々な不和が起きる前に解決する力があったのだ。長老は『賢者を超える者』『スキルの神』とも言われた。だが残念ながらそんな安寧も長く続かなかった。ある時、子をなさないまま長老が事故で死んでしまったのだ。
『アルヴァンチェリ』は『無貌』のスキルが失われたと思っていたが世界知識にアクセス出来るものが外の世界『スキュード』に『無貌』のスキルを持つ者が産まれたことを感知した。放置することは『アルヴァンチェリ』の危機の為、探し出し『アルヴァンチェリ』の長老とすることになった。その使命をある女性が負うことになった。
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それがアルマなのだと言う。
アルマは『無貌』のスキルを持つ者の傍系てあり、特異なスキルを保持していると告白した。
『無権』というスキルは『無貌』の下位互換のスキルで、『無貌』のスキルを持つ者の居場所を感知出来る力があるようだ。長老の死を感知したのもアルマだったらしい。
成人の15才を過ぎて外の世界に出たアルマは自分の直感に従い、ある時は行商の子供として放浪し、ある街では貴族の娘に成り済まし、世界を探し歩いたと語る。
そしてダゾンの街で冒険者ギルドの受付嬢として潜り込んだ時にDに出逢ったのだ。
アルマとアンナが俺の顔を見る。そんなに見詰められると照れるぜ。ふたりは俺の言葉を待っているようだ。まぁ、ここで嘘をつく訳には行かねえな。正直に話すとするか。
「確かに俺にはスキル『無貌』がある。そのお陰で今までやってこれた事も確かだぜ。でもなぁそんな『アルヴァンチェリ』とか言う奴らの長老とかにならんぜ。」
俺の言葉に顔を輝かせるアルマと驚くアンナだが背後からも驚きの動揺が伝わってきた。俺は振り返って言った。
「ユキ、隠れてないで出て来い。」
ドア近くの壁から滲むようにユキの姿が現れた。てくてく歩いて俺を見上げて言う。
「Dの強さの秘密が分かった。複数のスキル持ち」
「ああ、そうだぜ。」
「D『無貌』の力って何なの?」
アンナが俺に言う。
「まぁ言いたくは無いんだがな」
「複数の人の記憶とスキルの保持」
ユキが断定するように本質を突く。まぁ間違って無い。アンナがユキを見る。
「アルマが言った。Dいったい何人の記憶を持っている」
「さあな」
アンナは驚いたり、疑ったりを繰り返しふと何かに気付いた。
「ディー、あなたは本当にディーなの?」
流石に気になるようだ。まぁアンナの不安は取り除くとしよう。
「もちろんだぜ。Dを名乗る前から俺は俺だ。他の奴らの記憶は・・・そうだな。魔法袋に入れてあるようなものさ」
アルマの説明やユキの指摘に無い他人の姿を奪える事は言わなくても良いだろう。余計に恐れられるからな。
「それでアルマは俺にどうして欲しいんだ。力づくで連れ帰るのか」
意外なことにアルマはスッキリした顔をしている。
「目的はスキル『無貌』を持つ者に真実を伝えることです。後はその者の判断です。だってDさんに敵わないんですから無理強いなんて出来ません。でも、見つかった事は里の者に傳わっている筈です。里にいる時に知らせが届くように魔法を掛けられましたから」
へー、そんな魔法があるんだ。
「で、アルマはこれからどうするんだ」
意外な事を訊かれたとばかりにアルマが驚く。少し考えてから答えた。
「そうですね、このまま冒険者を続けます。」
「里に帰らないのか」
「わたしの目的は達成されましたけど、その後は何も言われてませんから」
なるほど。伝令みたいなものか。聞かされた事は驚くべき事だったが知っていても知らなくても何も俺には関係ないな。
「Dが危険」
ユキが意外な事を言い始めた。
「そうね、ディーの意思に任されているとしても連れ帰りたい人達が居るかも知れないわ」
アンナが心配そうに言う。
「Dを護る」
俺より弱いユキの言葉に俺は返って驚いた。
「あたしも護るわ」
「Dから離れない」
「あら、それは駄目よ。それはあたしの役目だわ」
「それならふたりで護る」
「・・・そうね。それでも良いわ。ユキちゃんも頑固そうだし」
何だかアンナとユキが共闘する流れになってるんだが。ふたりのやり取りを聞いていたアルマが呆れたようなため息をついた。
「あたしは付き合って居られないわ、じゃあね」
部屋を出ていくアルマ以外のユキとアンナが部屋に残った。
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