5 / 9
第5話
しおりを挟む
亡くなったじーさんばーさんが子供の頃は、「食事をする」という日常風景がだんだん減りつつもそこそこあったらしいが、仕事や娯楽に忙しい人類の片手間としてする「食事」には、身体に悪い添加物や栄養素の偏りが多く、肥満とそれに付随する病気が蔓延したそうだ……。
「きちんとした栄養を補給できないものは食事としての意味がない」という国の決断から、栄養素が認められない食品はどんどん排除されていき、同時に個人の身体検査を義務付けて徹底し、データとして国に登録することが定められた。
その上で、食事の代わりとして個々の足りない栄養素を補うためのドリンクやサプリメント、野菜や魚の栄養素を凝縮したタブレットが配給として出回るようになった。
これらは指定数飲むだけで身体に必要な栄養素が全て行きわたり、おなかがすくという感覚すら感じなくなり、増加傾向にあった肥満に関しては、特にストレスなく解消されていった。
その結果、長い年月をかけて人々の中から少しずつ「食事をしなければならない」という固定観念は自然と消えていき……
お金もかからず、食事の手間や片付けに時間を取られない上に、歯を磨く必要がなく、肥満にもならない。
自由を謳歌したい人類にとっては、まさに理想的な生活になった。
上記のことは、国の歴史として調べれば誰でもわかるようにネットで公開されている。
じーさんばーさんから聞いた話も同じような感じなので、情報操作等でねじ曲がっていることはないはずだ。
そして俺たちの世代になると、「食事」という言葉自体を知らない者も増えてきた。
俺も「食事」の認識は、「たまに口に入れる趣味」みたいな感覚だ。
ひと昔前のゲームをやったり映画やアニメを観れば、何かを食べたり複数でテーブルを囲むシーンが割と出てくる。
なので自分が体験したことがなくても、昔の人たちが、どういう風にどういうものを食べていたのかは、知識としては知っている。
だけどそれはどこか「他人事」で、自分の日常に持ち込むものではないという感覚がある。
国も別に「食事をしてはいけない」という法律は定めてはいない。あくまでそこは個人の意思でどうぞ、という感じだ。
そんな状況の俺たちが、「食事」を好まなくなった理由は、上記の他にもう1つある。
食事をするための材料が……とにかく「高価」なのだ。
知っている人はきっと口を揃えて言う。「食事は高級な趣味」だと。
まず、配給用に使用する材料をあえて原型で譲ってもらうため、多額の税金を取られる。
譲ってもらうためには登録が必要で、当人たちが健康であることも条件にあげられる。
登録した者以外が食事した場合も、身体検査によってすぐバレる。当然その者にも共同飲食者として多額の税金は課せられる。
そこまでしてする「食事」はもう趣味の域であり……
日常でやることではなかった。
ちなみにじーさんばーさんは、肥料を取り寄せたり作物の種を取り寄せたりして家の周りに作物を作っていたが、それらの材料も全て高額だった。
それは「身体を動かす」が目的の趣味であったが、金持ちの娯楽でもあった。
実った食べ物を、トントンと音を立てて切る包丁の音は割と好きだったな……と、たまに思い出す。枕・ロボの影響もあると思うけれど。
小さい頃、目を閉じながら……よくその音を聞いていた。
一定のリズムで刻まれるその音は、どういう訳か心が安定する音だった。
正直、実った作物が美味しかったかどうかの記憶はあまりない。
口に入れてみて、酸っぱいとか苦いとか、ごわごわするとか、ネチャネチャするとか、そういう感覚が強くて俺は好かなかった。吐き出したこともある。
じーさんばーさんも無理に食べろとは言わず、「今の時代の子には無理かな~」と笑ってた。
まず「歯を磨く」という習慣がないから、食事をした後に、口の中を奇麗にするのも大変なのだ。
そんなじーさんばーさんの言葉で一番驚いたのは、俺たちの世代は「食事」を噛まないせいで歯がだいぶ劣化して、小さく少なくなっているということだ。
糖分の制限により虫歯がほぼなくなる代わりに、歯自体も身体には不要なものと判断されて、身体が自然に減らしていくそうだ。
しかし最近では、歯は身体の中でも硬く残りやすいものであり、後世の遺伝子研究に役立てられるものとして残すことを研究者たちに強く推薦されていることもあり、ABCトリオが開発したカミカミ・ロボが人気だったりする。
カミカミ・ロボは、歯の研究者たちと共に開発した柔軟性のある楕円形の噛み物で、一日一時間程度噛み噛みしているだけで歯が丈夫になったり、思考能力がアップしたり、小顔になったりする効果があるらしい。
唾液から抽出される菌を調べてPCに転送してくれる簡単な機能もついており、歯の健康維持に貢献してくれることから、とても人気商品だ。
毎日のお手入れも簡単で、箱付の専用液体につけておくと、液体がカミカミ・ロボに付着した菌を吸い上げて勝手に浄化していくそうだ。
液体が無くなると、箱自体も溶けて跡形も無くなり……ゴミすら出ない。
そして次の日にはまたカミカミ・ロボをいつも通り使える。
ちなみにきちんと洗浄してから使わないと、使えない仕様になっているので問題ない。
カミカミ・ロボが、カッチカチになっていて噛めないのだ……。
よくできた仕様だと、毎回感心させられる。
―――――ん……?
考え事をしていたら、目の前で床を泳いでいたカルガモップ・ロボが止まり、首を振っているのに気が付いた。
これは、エラーの時のしぐさだった。
親カルガモが止まると子カルガモも止まり、全員一斉に首を振り出す。
どうやらモチモチ・ロボを揉み揉みしながらぼんやりしていたせいで、そこら中に水を吐きまくって床が水浸しになり、カルガモップ・ロボの掃除が追い付かないようだ。
足元のモップが重くなりすぎて、泳げなくなってエラーになっている。
モップを一旦外して、水を絞ってくる必要があった。
(今度からモチモチ・ロボを揉む時は、バケツを用意しよう……)
―――――そういえば……!
バケツ……でふと思い出した。
「なぁ、バケツ・ロボが壊れたのは聞いたけど、結局サンダルはどーなったんだ?」
食事を準備中のABCトリオを見ると、「「「「サンダルならそこに……」」」と、3人が目線だけ同じ方向を見た。
リビングの床に適当に転がってる改造後のサンダル・ロボは、バケツ・ロボから外す時に欠けたであろう部分を継ぎはぎして補ってあった。
(夏用のシンプルなデザインだし、壊れたなら捨てて新しいのを取り寄せれば済むことなのに……)
まぁこういうものでも試しに改造したくなるのが、研究者なんだろうなぁ……。
俺はモチモチ・ロボを床に置き、サンダル・ロボのいる場所まで行ってから、何となくサンダルに足を乗せてみた。
その間にABCトリオのひとりがカルガモップ・ロボのモップを絞りに行き、また装着して動かし始めていた。
「これは、どういうロボなん……」
と俺が言いかけたところで、サンダルがシュイーンッと音を立てて浮き上がってびっくりした! スンスンスンスンッと音を出して白い煙を一定間隔で吐き出している。
床から20センチくらいは浮いているだろうか……?
「とりあえず、エクササイズ用に改造してみましたー♪」
「落ちないようにバランスを取って下さーい♪」
「普段使わない筋肉を鍛えることができますよー♪」
「「「ぼっちゃんの体重に合わせて調整してありまーっす♪♪♪」」」
ABCトリオめ……相変わらず褒めていいのか、突っ込んでいいのか謎な改造するな……と思ったところで、
『ヘイ! ぼっちゃん! レッツプレイ☆ナイスバランスッ! ステップ・ワン!』
サンダル・ロボがテンションの高い機械音でしゃべりだした。
(とりあえずやってみるか。結構難しいな……)
そしてステップ・ファイブくらいで慣れないバランスのため崩れて落ちて、足からサンダルが抜けた瞬間……
『頑張れー! 頑張るんだ! ぼっちゃ~ん! おいらはオゥェエエエエッェェンするぜー☆』
その吐き気をもよおしそうな声援に、俺はイラッとして反射的にサンダル・ロボを蹴り飛ばしていた。床に尻がついた状態で横蹴りしたので、サッカー選手のボレーシュートのようだったと自画自賛する!
サンダル・ロボはひゅるるるるーっとリビングを舞い、ぽこんっと落ちて、吐く……じゃなくて、履くところが上を向いて転がった。
『ぼっちゃん、、、明日も……晴れ……だぜ☆ フッ』
サンダル・ロボはそういい残し、ぷしゅーっと煙を噴いて静かになった。
「あ、これで普通のサンダルとして使えるじゃん」
俺は立ち上がってサンダルを回収し、スタスタ歩いて玄関に置いた。
継ぎはぎだから見栄えは若干悪いが、まぁ他人が来ることなんてほぼないし、、、大丈夫だろう。
「さすが……! さすがですよ、ぼっちゃん!」
「サンダルを普通のサンダルとして使うなんて、思いつきませんでした!」
「二足でもサンダルとはこのことですね!」
最後のは何言ってるのかわかんないんだけど……と思いつつ、俺はABCトリオをキッと睨んで指を差した。
「次からロボ作る時、オェェエェとかゲロ系の叫びは禁止! まじ禁止!!」
「「「アアン♥ ぼっちゃんの冷たい視線、しびれるぅ♥」」」
3人は悶え、くねくねと身体をよじって喜んだ。
―――――研究者って、どうしてこう変態チックなのが多いのかね!
「で! いい加減食事の準備はできたのか?」
俺はそう言って、リビングのテーブルの横にどっかり腰をおろした。
つづく。
「きちんとした栄養を補給できないものは食事としての意味がない」という国の決断から、栄養素が認められない食品はどんどん排除されていき、同時に個人の身体検査を義務付けて徹底し、データとして国に登録することが定められた。
その上で、食事の代わりとして個々の足りない栄養素を補うためのドリンクやサプリメント、野菜や魚の栄養素を凝縮したタブレットが配給として出回るようになった。
これらは指定数飲むだけで身体に必要な栄養素が全て行きわたり、おなかがすくという感覚すら感じなくなり、増加傾向にあった肥満に関しては、特にストレスなく解消されていった。
その結果、長い年月をかけて人々の中から少しずつ「食事をしなければならない」という固定観念は自然と消えていき……
お金もかからず、食事の手間や片付けに時間を取られない上に、歯を磨く必要がなく、肥満にもならない。
自由を謳歌したい人類にとっては、まさに理想的な生活になった。
上記のことは、国の歴史として調べれば誰でもわかるようにネットで公開されている。
じーさんばーさんから聞いた話も同じような感じなので、情報操作等でねじ曲がっていることはないはずだ。
そして俺たちの世代になると、「食事」という言葉自体を知らない者も増えてきた。
俺も「食事」の認識は、「たまに口に入れる趣味」みたいな感覚だ。
ひと昔前のゲームをやったり映画やアニメを観れば、何かを食べたり複数でテーブルを囲むシーンが割と出てくる。
なので自分が体験したことがなくても、昔の人たちが、どういう風にどういうものを食べていたのかは、知識としては知っている。
だけどそれはどこか「他人事」で、自分の日常に持ち込むものではないという感覚がある。
国も別に「食事をしてはいけない」という法律は定めてはいない。あくまでそこは個人の意思でどうぞ、という感じだ。
そんな状況の俺たちが、「食事」を好まなくなった理由は、上記の他にもう1つある。
食事をするための材料が……とにかく「高価」なのだ。
知っている人はきっと口を揃えて言う。「食事は高級な趣味」だと。
まず、配給用に使用する材料をあえて原型で譲ってもらうため、多額の税金を取られる。
譲ってもらうためには登録が必要で、当人たちが健康であることも条件にあげられる。
登録した者以外が食事した場合も、身体検査によってすぐバレる。当然その者にも共同飲食者として多額の税金は課せられる。
そこまでしてする「食事」はもう趣味の域であり……
日常でやることではなかった。
ちなみにじーさんばーさんは、肥料を取り寄せたり作物の種を取り寄せたりして家の周りに作物を作っていたが、それらの材料も全て高額だった。
それは「身体を動かす」が目的の趣味であったが、金持ちの娯楽でもあった。
実った食べ物を、トントンと音を立てて切る包丁の音は割と好きだったな……と、たまに思い出す。枕・ロボの影響もあると思うけれど。
小さい頃、目を閉じながら……よくその音を聞いていた。
一定のリズムで刻まれるその音は、どういう訳か心が安定する音だった。
正直、実った作物が美味しかったかどうかの記憶はあまりない。
口に入れてみて、酸っぱいとか苦いとか、ごわごわするとか、ネチャネチャするとか、そういう感覚が強くて俺は好かなかった。吐き出したこともある。
じーさんばーさんも無理に食べろとは言わず、「今の時代の子には無理かな~」と笑ってた。
まず「歯を磨く」という習慣がないから、食事をした後に、口の中を奇麗にするのも大変なのだ。
そんなじーさんばーさんの言葉で一番驚いたのは、俺たちの世代は「食事」を噛まないせいで歯がだいぶ劣化して、小さく少なくなっているということだ。
糖分の制限により虫歯がほぼなくなる代わりに、歯自体も身体には不要なものと判断されて、身体が自然に減らしていくそうだ。
しかし最近では、歯は身体の中でも硬く残りやすいものであり、後世の遺伝子研究に役立てられるものとして残すことを研究者たちに強く推薦されていることもあり、ABCトリオが開発したカミカミ・ロボが人気だったりする。
カミカミ・ロボは、歯の研究者たちと共に開発した柔軟性のある楕円形の噛み物で、一日一時間程度噛み噛みしているだけで歯が丈夫になったり、思考能力がアップしたり、小顔になったりする効果があるらしい。
唾液から抽出される菌を調べてPCに転送してくれる簡単な機能もついており、歯の健康維持に貢献してくれることから、とても人気商品だ。
毎日のお手入れも簡単で、箱付の専用液体につけておくと、液体がカミカミ・ロボに付着した菌を吸い上げて勝手に浄化していくそうだ。
液体が無くなると、箱自体も溶けて跡形も無くなり……ゴミすら出ない。
そして次の日にはまたカミカミ・ロボをいつも通り使える。
ちなみにきちんと洗浄してから使わないと、使えない仕様になっているので問題ない。
カミカミ・ロボが、カッチカチになっていて噛めないのだ……。
よくできた仕様だと、毎回感心させられる。
―――――ん……?
考え事をしていたら、目の前で床を泳いでいたカルガモップ・ロボが止まり、首を振っているのに気が付いた。
これは、エラーの時のしぐさだった。
親カルガモが止まると子カルガモも止まり、全員一斉に首を振り出す。
どうやらモチモチ・ロボを揉み揉みしながらぼんやりしていたせいで、そこら中に水を吐きまくって床が水浸しになり、カルガモップ・ロボの掃除が追い付かないようだ。
足元のモップが重くなりすぎて、泳げなくなってエラーになっている。
モップを一旦外して、水を絞ってくる必要があった。
(今度からモチモチ・ロボを揉む時は、バケツを用意しよう……)
―――――そういえば……!
バケツ……でふと思い出した。
「なぁ、バケツ・ロボが壊れたのは聞いたけど、結局サンダルはどーなったんだ?」
食事を準備中のABCトリオを見ると、「「「「サンダルならそこに……」」」と、3人が目線だけ同じ方向を見た。
リビングの床に適当に転がってる改造後のサンダル・ロボは、バケツ・ロボから外す時に欠けたであろう部分を継ぎはぎして補ってあった。
(夏用のシンプルなデザインだし、壊れたなら捨てて新しいのを取り寄せれば済むことなのに……)
まぁこういうものでも試しに改造したくなるのが、研究者なんだろうなぁ……。
俺はモチモチ・ロボを床に置き、サンダル・ロボのいる場所まで行ってから、何となくサンダルに足を乗せてみた。
その間にABCトリオのひとりがカルガモップ・ロボのモップを絞りに行き、また装着して動かし始めていた。
「これは、どういうロボなん……」
と俺が言いかけたところで、サンダルがシュイーンッと音を立てて浮き上がってびっくりした! スンスンスンスンッと音を出して白い煙を一定間隔で吐き出している。
床から20センチくらいは浮いているだろうか……?
「とりあえず、エクササイズ用に改造してみましたー♪」
「落ちないようにバランスを取って下さーい♪」
「普段使わない筋肉を鍛えることができますよー♪」
「「「ぼっちゃんの体重に合わせて調整してありまーっす♪♪♪」」」
ABCトリオめ……相変わらず褒めていいのか、突っ込んでいいのか謎な改造するな……と思ったところで、
『ヘイ! ぼっちゃん! レッツプレイ☆ナイスバランスッ! ステップ・ワン!』
サンダル・ロボがテンションの高い機械音でしゃべりだした。
(とりあえずやってみるか。結構難しいな……)
そしてステップ・ファイブくらいで慣れないバランスのため崩れて落ちて、足からサンダルが抜けた瞬間……
『頑張れー! 頑張るんだ! ぼっちゃ~ん! おいらはオゥェエエエエッェェンするぜー☆』
その吐き気をもよおしそうな声援に、俺はイラッとして反射的にサンダル・ロボを蹴り飛ばしていた。床に尻がついた状態で横蹴りしたので、サッカー選手のボレーシュートのようだったと自画自賛する!
サンダル・ロボはひゅるるるるーっとリビングを舞い、ぽこんっと落ちて、吐く……じゃなくて、履くところが上を向いて転がった。
『ぼっちゃん、、、明日も……晴れ……だぜ☆ フッ』
サンダル・ロボはそういい残し、ぷしゅーっと煙を噴いて静かになった。
「あ、これで普通のサンダルとして使えるじゃん」
俺は立ち上がってサンダルを回収し、スタスタ歩いて玄関に置いた。
継ぎはぎだから見栄えは若干悪いが、まぁ他人が来ることなんてほぼないし、、、大丈夫だろう。
「さすが……! さすがですよ、ぼっちゃん!」
「サンダルを普通のサンダルとして使うなんて、思いつきませんでした!」
「二足でもサンダルとはこのことですね!」
最後のは何言ってるのかわかんないんだけど……と思いつつ、俺はABCトリオをキッと睨んで指を差した。
「次からロボ作る時、オェェエェとかゲロ系の叫びは禁止! まじ禁止!!」
「「「アアン♥ ぼっちゃんの冷たい視線、しびれるぅ♥」」」
3人は悶え、くねくねと身体をよじって喜んだ。
―――――研究者って、どうしてこう変態チックなのが多いのかね!
「で! いい加減食事の準備はできたのか?」
俺はそう言って、リビングのテーブルの横にどっかり腰をおろした。
つづく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
真実の愛は水晶の中に
立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。
しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。
※AIイラスト使用
※「なろう」にも重複投稿しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる