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発情期4
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「涼風さんのも、したい。舐めてみたいです……いいですか?」
掠れた声の返事を聞いて、涼風の下着へ手を伸ばす。薄暗い部屋の中でも、下着の上の陰影がよく見えて期待する。ウエストのゴムに弾かれて、腹につくほど反り返ったものが現れる。根元に存在するアルファ特有の膨らみは、オメガの胎内に子種を注ぐために進化したものだ。
──こんな大きいの……入れられたら……。
想像するだけで、立花の後孔からはつうっと愛液が溢れる。
「……っは」
浮き上がった筋を舌で辿ると、次第に涼風の息が乱れていく。ちゅっちゅっと、啄むように唇で涼風のものに触れた後で、先端から全部を口に含もうとする。
「ん……っ。んん、ふ、ん……あ」
全体をくわえることはとても無理だった。せめて気持ちよくなってもらおうと懸命に舌を動かそうとするが、口内を圧迫する熱でいっぱいで、そんな余裕はなかった。半分も入りきらないうちに、喉奥へ到達してしまい、苦しさで視界が滲んだ。
「いいっ……。もう、無理しなくて、いいから……」
「やだ……。涼風さんと同じことが、したい」
1度口から離し、さっきより深くくわえ込む。涼風の腰が揺れると、喉の奥を突かれたみたいになって、それが嫌いな立花は諦めて、涼風の熱を口の中に留めるだけにした。
先で口蓋をなぞられて、立花の身体がびくびくと震える。自分でも知らなかった気持ちいい場所を涼風のもので犯されて、立花は曇った声で喘いだ。
「ん……あ、んっ、んん……!」
満足に口淫を行えないまま、涼風の手がやや強引に立花の顔を退けた。
「んんっ……あ……?」
涼風のものが脈打つのを感じた直後に、苦い味が拡がる。飲みきれなかった残りは、立花の顔と髪にべたりとかかった。
「……ごめん。本当に。汚すつもりじゃ、なかったんだけど」
呆然としている立花に、ばつの悪そうな顔を向ける。放たれた白濁を指で掬い取って、口に含んだ。涼風の精を受けて、興奮している。立花は再び足の間へと身を屈ませて、幹に伝っている残滓を舌で綺麗にした。
「ん……っ、涼風さんの、おいしい……」
ぴちゃぴちゃと水を飲む猫みたいにわざと音を立てると、涼風の腹筋と口に含んでいるものが、びくりと震えて面白かった。悪戯を続ける立花の顔の脇を、節張った指の背で撫でる。
「立花君の口の中、すごく熱い……。それに……まだ酔ってるのかな……っ」
硬度を取り戻してくると、また舐め辛くなってきて中断した。今まで立花を好きなように甘やかしていた涼風は、その隙にベッドへ押し倒す。
「……あっ、あ、あ、ん……」
怪我をしていないほうの手で後ろの濡れた場所を探り、ぐずぐずになっている秘部を、涼風の指が見つける。浅いところばかりを擦られ、上擦った声で「早く……」とねだってしまう。
「指だけじゃ……足りない……。もっと、大きいので、おくに……」
大切にしようとしてくれているのは、皮膚の上で蕩けて拡がる熱で伝わる。それをもどかしいと感じる贅沢な感情に胸をじりじりと焼かれながらも、涼風が欲しいと素直に言った。
立花と同様にヒートに飲まれている涼風は、完全に慣らしていない後孔へ育ちきった欲を宛がう。項と耳の裏に荒れた息がかかって、今までにないくらい近い距離に、彼を感じた。金で立花を買っている男達は、自分の快楽だけを追及するから、どれだけ痛みや苦しさに泣こうがお構いなしだ。抵抗しても、従順でも扱いはさほど変わらない。めり込んでくる熱に、立花は詰めた息をなるべく吐こうとした。涼風の余裕のなさが、何故かすごく愛しいのだ。
──涼風さんになら、酷くされていい……。
「あ……あ、やっ……ひ、うぅ……」
先程まで味わっていたものの質量を思い出して、本当に全て受け入れられるのか不安になる。背を向けたままで、苦悶を浮かべている顔を見られないような体勢で、よかったと思う。
「あ、あっ、ああぁ、だめっ。奥に、きてるの……っ。あぁ……あ、ん。おっきくて……や、いや……」
「奥? 奥がいいの……?」
「あ、あぁっ、ちが……こわれちゃう……。奥にきたら、だめぇ……」
立花の感じる箇所に、意図せずとも触れて押し上げている。酷くされていい、とは言ったものの、脳が焼ききれるくらいの快楽がくるとは想定していなかったのだ。自分は苦しくても、涼風に気持ちよくなってもらえればいい。そう思っていたのに……。
「ああぁー……! こわいっ。やだぁ……なん、で、気持ちいいの……あぁ、あっ、あ……うう、きちゃう……きちゃうからぁ……!」
ぐずぐずと泣きじゃくりながら、身体をシーツの上で跳ねさせる。もう何を喋っているかも、どんな意味の言葉を叫んでいるのかも分からない。
「立花君の嫌と駄目は、気持ちいいってことだよね。分かりやすい……ほら」
「あ、あ……うそ……」
涼風の手のひらが、果実にそっと触れる。いつの間にか勃ち上がっているそこは濡れそぼっていて、薄い色の蜜をたらたらと吹き溢していた。ぐっと涼風がさらに腰をくっつけると、押し出されるみたいに透明な液体がぴしゃぴしゃと跳ねる。粗相をしてしまったのだと勘違いして、立花はさらに泣いた。
掠れた声の返事を聞いて、涼風の下着へ手を伸ばす。薄暗い部屋の中でも、下着の上の陰影がよく見えて期待する。ウエストのゴムに弾かれて、腹につくほど反り返ったものが現れる。根元に存在するアルファ特有の膨らみは、オメガの胎内に子種を注ぐために進化したものだ。
──こんな大きいの……入れられたら……。
想像するだけで、立花の後孔からはつうっと愛液が溢れる。
「……っは」
浮き上がった筋を舌で辿ると、次第に涼風の息が乱れていく。ちゅっちゅっと、啄むように唇で涼風のものに触れた後で、先端から全部を口に含もうとする。
「ん……っ。んん、ふ、ん……あ」
全体をくわえることはとても無理だった。せめて気持ちよくなってもらおうと懸命に舌を動かそうとするが、口内を圧迫する熱でいっぱいで、そんな余裕はなかった。半分も入りきらないうちに、喉奥へ到達してしまい、苦しさで視界が滲んだ。
「いいっ……。もう、無理しなくて、いいから……」
「やだ……。涼風さんと同じことが、したい」
1度口から離し、さっきより深くくわえ込む。涼風の腰が揺れると、喉の奥を突かれたみたいになって、それが嫌いな立花は諦めて、涼風の熱を口の中に留めるだけにした。
先で口蓋をなぞられて、立花の身体がびくびくと震える。自分でも知らなかった気持ちいい場所を涼風のもので犯されて、立花は曇った声で喘いだ。
「ん……あ、んっ、んん……!」
満足に口淫を行えないまま、涼風の手がやや強引に立花の顔を退けた。
「んんっ……あ……?」
涼風のものが脈打つのを感じた直後に、苦い味が拡がる。飲みきれなかった残りは、立花の顔と髪にべたりとかかった。
「……ごめん。本当に。汚すつもりじゃ、なかったんだけど」
呆然としている立花に、ばつの悪そうな顔を向ける。放たれた白濁を指で掬い取って、口に含んだ。涼風の精を受けて、興奮している。立花は再び足の間へと身を屈ませて、幹に伝っている残滓を舌で綺麗にした。
「ん……っ、涼風さんの、おいしい……」
ぴちゃぴちゃと水を飲む猫みたいにわざと音を立てると、涼風の腹筋と口に含んでいるものが、びくりと震えて面白かった。悪戯を続ける立花の顔の脇を、節張った指の背で撫でる。
「立花君の口の中、すごく熱い……。それに……まだ酔ってるのかな……っ」
硬度を取り戻してくると、また舐め辛くなってきて中断した。今まで立花を好きなように甘やかしていた涼風は、その隙にベッドへ押し倒す。
「……あっ、あ、あ、ん……」
怪我をしていないほうの手で後ろの濡れた場所を探り、ぐずぐずになっている秘部を、涼風の指が見つける。浅いところばかりを擦られ、上擦った声で「早く……」とねだってしまう。
「指だけじゃ……足りない……。もっと、大きいので、おくに……」
大切にしようとしてくれているのは、皮膚の上で蕩けて拡がる熱で伝わる。それをもどかしいと感じる贅沢な感情に胸をじりじりと焼かれながらも、涼風が欲しいと素直に言った。
立花と同様にヒートに飲まれている涼風は、完全に慣らしていない後孔へ育ちきった欲を宛がう。項と耳の裏に荒れた息がかかって、今までにないくらい近い距離に、彼を感じた。金で立花を買っている男達は、自分の快楽だけを追及するから、どれだけ痛みや苦しさに泣こうがお構いなしだ。抵抗しても、従順でも扱いはさほど変わらない。めり込んでくる熱に、立花は詰めた息をなるべく吐こうとした。涼風の余裕のなさが、何故かすごく愛しいのだ。
──涼風さんになら、酷くされていい……。
「あ……あ、やっ……ひ、うぅ……」
先程まで味わっていたものの質量を思い出して、本当に全て受け入れられるのか不安になる。背を向けたままで、苦悶を浮かべている顔を見られないような体勢で、よかったと思う。
「あ、あっ、ああぁ、だめっ。奥に、きてるの……っ。あぁ……あ、ん。おっきくて……や、いや……」
「奥? 奥がいいの……?」
「あ、あぁっ、ちが……こわれちゃう……。奥にきたら、だめぇ……」
立花の感じる箇所に、意図せずとも触れて押し上げている。酷くされていい、とは言ったものの、脳が焼ききれるくらいの快楽がくるとは想定していなかったのだ。自分は苦しくても、涼風に気持ちよくなってもらえればいい。そう思っていたのに……。
「ああぁー……! こわいっ。やだぁ……なん、で、気持ちいいの……あぁ、あっ、あ……うう、きちゃう……きちゃうからぁ……!」
ぐずぐずと泣きじゃくりながら、身体をシーツの上で跳ねさせる。もう何を喋っているかも、どんな意味の言葉を叫んでいるのかも分からない。
「立花君の嫌と駄目は、気持ちいいってことだよね。分かりやすい……ほら」
「あ、あ……うそ……」
涼風の手のひらが、果実にそっと触れる。いつの間にか勃ち上がっているそこは濡れそぼっていて、薄い色の蜜をたらたらと吹き溢していた。ぐっと涼風がさらに腰をくっつけると、押し出されるみたいに透明な液体がぴしゃぴしゃと跳ねる。粗相をしてしまったのだと勘違いして、立花はさらに泣いた。
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