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【6話】気持ちの変化
あたたかな祝福3
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「基城……」
「も、最悪……。寄るな、こっち来んな……バカ」
情けない気持ちで我慢していた感情は決壊し、涙となって溢れてくる。その辺にあった枕を引っ掴んで、優生相手に投げたが力が入らず、放物線を描いて足元に落ちただけだった。
「絶対許さねー……」
「勝手に見たのはごめん。だから、手伝わせてほしい」
「はっ?」
「基城が辛そうだから」
下心を見せない、真面目な顔でそう言われ、基城は返す言葉に詰まった。
ベッドに這い寄られ、発情期の気怠い身体ではすぐに反応することができなかった。優生が基城の身体を包み込むように抱き締め、花芯に手を添える。
「そっちは……やだ」
「どうして?」
「擦りすぎて、痛い。うしろ……後ろいじって……」
逃げ出したくなるほど最悪な状況だが、今頼れるのは優生しかいない。楽になりたい一心で優生に縋った。
「足、開いて」
「むり……」
「開いてくれないとできない」
「ん……」
普段ならそんなことを言われたらそのまま蹴り飛ばしているところだが、そんな余裕も体力もない。優生に言われるがまま、基城は秘奥を晒した。
優生に襞を撫でられただけで、とぷりと蜜が溢れてくる。狭い路のどこから漏れ出てくるのか、基城にも分からない。
「ん、焦らすな……早く、もっと奥……」
「基城が辛そうだからゆっくりしてる」
「そん、な、ゆっくりされるほうが、しんどい」
どうしてこういうときだけ不器用なんだ。それに、何回も抱いているのに把握していない優生にも腹が立つ。基城は一言「バカ」と優生をなじった。
「あ、あっ……あ……なんか、くる……」
腰の奥のほうがきゅう……と切なげに震え、吐精することなく、絶頂を迎える。初めての感覚に、啜り喘ぐことしかできない。
「基城、出さないでイッた?」
「わかんな……あ、また……っ」
波に拐われるみたいな浮いた感覚に襲われ、視界に光がちらつく。どろりとした粘性の液体を伴って、指が抜かれた。
「あ、あぁ……あ、ん……」
「感じてる顔。可愛い。好き」
ちゅっ、ちゅと何度もキスをされている間も、意識は飛びそうになる。再び指を差し入れられ、基城はか細く啼いた。途中にある膨らみを指の腹で撫でられ、喉を反らして喘ぐ。
「あ、あっ……そこ、や……」
「ここ、優しくとんとんしようか?」
無理だ、と基城は首を振った。足を担がれ、目一杯開かれると、優生は宣言通り隆起した場所を押した。
「ん、あぁっ……! あ、イく……あ、あぁ」
「今日は全部ドライでイかせたいな」
疑問符を飛ばす基城に、優生は「出さないで後ろだけで達すること」と語りかけた。基城は無理だと何度も首を振る。じわじわと延々とずっと尾を引くような快感に支配されたら、身体がもたない。
「出す……出すから……」
懇願するように声を絞り出す。こんな拷問みたいなことを続けられたら、頭の回路が焼ききれそうだ。ペニスを握り込むと、基城は手を動かし始める。いつまで経っても射精することは叶わず、「何で」と途方に暮れる。
「基城……可愛いすぎる。何で今まで、友達までって我慢できたんだろう」
優生は溜め息とともに呟く。余裕そうにしている優生が腹立たしく、基城は挑発するようにフロントを手のひらで撫で上げた。
「入れる気ないんなら……今日は一人で扱いてろよ」
こちらが不利な駆け引きに、思いの外優生は焦りを見せる。性急に衣服を脱ぐ優生に、基城は笑みを浮かべた。近寄られるときに、質量のあるそれが重たげに揺れ、基城は喉を鳴らした。
押し広げて入ってくる熱に、ひたすら身悶える。ただ全て飲み込むまでに時間がかかり、途中にある前立腺を掠めると、軽い絶頂感に襲われる。
「ふ、ああぁ……あ……」
「もとき……基城」
アルファの根元の亀頭球が、尻に当たる。どくどくと脈打っているのは内部を蹂躙しているものなのか、膨らみなのか。
後孔はアルファの性器を愛おしげに、締め上げる。
「ん、あ、あ……ゆう、せ……の、すき」
「うん。俺も。基城……好き」
「あぁ、あ、あっ……いく、イくっ……」
「気持ちいいよ、基城。全然、離してくれないね」
「だって、お前の、イイからぁ……。あ、あっ、あ、あ……っ」
亀頭球が膨らみ、精路を伝って基城の中に熱いものを注ぐ。
──中に出されんの……あったかくて好き。
優生のペニスと亀頭球が萎むまで、接合は解けない。アルファの子種を蒔かれる最中、優生の顔が見れないのが残念だ。あと数十分はこの体勢だろう。油断していたところに、項に鋭い痛みが走り、眠気は一気に吹き飛んだ。
「あ? い……ったぁ……」
キスマークをつけるのには、あまりに強く、痛みを伴った。それがただの情交の証ではなく、一生残る傷跡なのだと基城は遅れて知った。
「おま……お前……っ」
優生は黙って抱き締めるだけだった。アルファはオメガの項を噛むことによって、番を成立させることができる。そうすることにより、オメガはみだりにアルファを誘うフェロモンを発さなくなる。基城は一人のオメガから、優生だけのオメガになったのだ。
「一生幸せにする」
「そんなんで、帳消しになるか」
自分に向けられる言葉が恥ずかしくて、何か言い返さないと泣き出してしまいそうだった。
「……その言葉、ずっと覚えてろよ」
「忘れるわけない」
男二人が涙ぐんだ声で言い合って恥ずかしい。親友、好きになった人、そして、優生の番として、項に歯型が刻まれた。
「も、最悪……。寄るな、こっち来んな……バカ」
情けない気持ちで我慢していた感情は決壊し、涙となって溢れてくる。その辺にあった枕を引っ掴んで、優生相手に投げたが力が入らず、放物線を描いて足元に落ちただけだった。
「絶対許さねー……」
「勝手に見たのはごめん。だから、手伝わせてほしい」
「はっ?」
「基城が辛そうだから」
下心を見せない、真面目な顔でそう言われ、基城は返す言葉に詰まった。
ベッドに這い寄られ、発情期の気怠い身体ではすぐに反応することができなかった。優生が基城の身体を包み込むように抱き締め、花芯に手を添える。
「そっちは……やだ」
「どうして?」
「擦りすぎて、痛い。うしろ……後ろいじって……」
逃げ出したくなるほど最悪な状況だが、今頼れるのは優生しかいない。楽になりたい一心で優生に縋った。
「足、開いて」
「むり……」
「開いてくれないとできない」
「ん……」
普段ならそんなことを言われたらそのまま蹴り飛ばしているところだが、そんな余裕も体力もない。優生に言われるがまま、基城は秘奥を晒した。
優生に襞を撫でられただけで、とぷりと蜜が溢れてくる。狭い路のどこから漏れ出てくるのか、基城にも分からない。
「ん、焦らすな……早く、もっと奥……」
「基城が辛そうだからゆっくりしてる」
「そん、な、ゆっくりされるほうが、しんどい」
どうしてこういうときだけ不器用なんだ。それに、何回も抱いているのに把握していない優生にも腹が立つ。基城は一言「バカ」と優生をなじった。
「あ、あっ……あ……なんか、くる……」
腰の奥のほうがきゅう……と切なげに震え、吐精することなく、絶頂を迎える。初めての感覚に、啜り喘ぐことしかできない。
「基城、出さないでイッた?」
「わかんな……あ、また……っ」
波に拐われるみたいな浮いた感覚に襲われ、視界に光がちらつく。どろりとした粘性の液体を伴って、指が抜かれた。
「あ、あぁ……あ、ん……」
「感じてる顔。可愛い。好き」
ちゅっ、ちゅと何度もキスをされている間も、意識は飛びそうになる。再び指を差し入れられ、基城はか細く啼いた。途中にある膨らみを指の腹で撫でられ、喉を反らして喘ぐ。
「あ、あっ……そこ、や……」
「ここ、優しくとんとんしようか?」
無理だ、と基城は首を振った。足を担がれ、目一杯開かれると、優生は宣言通り隆起した場所を押した。
「ん、あぁっ……! あ、イく……あ、あぁ」
「今日は全部ドライでイかせたいな」
疑問符を飛ばす基城に、優生は「出さないで後ろだけで達すること」と語りかけた。基城は無理だと何度も首を振る。じわじわと延々とずっと尾を引くような快感に支配されたら、身体がもたない。
「出す……出すから……」
懇願するように声を絞り出す。こんな拷問みたいなことを続けられたら、頭の回路が焼ききれそうだ。ペニスを握り込むと、基城は手を動かし始める。いつまで経っても射精することは叶わず、「何で」と途方に暮れる。
「基城……可愛いすぎる。何で今まで、友達までって我慢できたんだろう」
優生は溜め息とともに呟く。余裕そうにしている優生が腹立たしく、基城は挑発するようにフロントを手のひらで撫で上げた。
「入れる気ないんなら……今日は一人で扱いてろよ」
こちらが不利な駆け引きに、思いの外優生は焦りを見せる。性急に衣服を脱ぐ優生に、基城は笑みを浮かべた。近寄られるときに、質量のあるそれが重たげに揺れ、基城は喉を鳴らした。
押し広げて入ってくる熱に、ひたすら身悶える。ただ全て飲み込むまでに時間がかかり、途中にある前立腺を掠めると、軽い絶頂感に襲われる。
「ふ、ああぁ……あ……」
「もとき……基城」
アルファの根元の亀頭球が、尻に当たる。どくどくと脈打っているのは内部を蹂躙しているものなのか、膨らみなのか。
後孔はアルファの性器を愛おしげに、締め上げる。
「ん、あ、あ……ゆう、せ……の、すき」
「うん。俺も。基城……好き」
「あぁ、あ、あっ……いく、イくっ……」
「気持ちいいよ、基城。全然、離してくれないね」
「だって、お前の、イイからぁ……。あ、あっ、あ、あ……っ」
亀頭球が膨らみ、精路を伝って基城の中に熱いものを注ぐ。
──中に出されんの……あったかくて好き。
優生のペニスと亀頭球が萎むまで、接合は解けない。アルファの子種を蒔かれる最中、優生の顔が見れないのが残念だ。あと数十分はこの体勢だろう。油断していたところに、項に鋭い痛みが走り、眠気は一気に吹き飛んだ。
「あ? い……ったぁ……」
キスマークをつけるのには、あまりに強く、痛みを伴った。それがただの情交の証ではなく、一生残る傷跡なのだと基城は遅れて知った。
「おま……お前……っ」
優生は黙って抱き締めるだけだった。アルファはオメガの項を噛むことによって、番を成立させることができる。そうすることにより、オメガはみだりにアルファを誘うフェロモンを発さなくなる。基城は一人のオメガから、優生だけのオメガになったのだ。
「一生幸せにする」
「そんなんで、帳消しになるか」
自分に向けられる言葉が恥ずかしくて、何か言い返さないと泣き出してしまいそうだった。
「……その言葉、ずっと覚えてろよ」
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