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2章

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目が覚めたら腰がふわふわして上手く立てなかった。股関節は昨日の夜開きすぎたのかしっかりはまってない感じもする。喉もカスカスだし。

昨日の夜…ダメだ。思い出すな。あんな…あんな…ギィが…。あぁ!朝から考えていいことじゃないっ。

ギィはご機嫌でおはようのキスをした後、今日は家を見に行くぞ。って宣言してさっさとベッドを出ていった。

俺は恐る恐る俺の俺を確認する。
お前、大丈夫か。昨日は大変な目にあったけど…。いつもは俺より早いくらいに目覚めてるけど、今朝はまだ起きてないな。そりゃそうだよな、あんなにあんなことになったらぐったりだよな。

「今日は昇級祝いだからな。昨日よりもっと甘やかしてやらないとな。…蜂蜜もまだまだあるしな」

いつの間にか後ろに来ていたギィに耳元で囁かれる。

今日…今日もあんな…あんなことがあんなことになるのか。ギィがあんな…ギィのあれもあんなで…。
ああーっ。どうしよう!?でも嫌じゃないんだ。俺って…俺ってば、もう!あぁぁ…。

気が付いたらギルドにいてヤックのテストも終わってた。
昨夜のあれこれが頭の中でぐるぐるしてる内に終わっちゃったんだな。どうだよ、合格したぞ!俺もなかなかやるだろ!ってごめんヤック。全然見てなかったよ…。

「カイトはどうした。様子がおかしいが」
「あぁ、昨日の説教が効きすぎたようだ。今日は昇級祝いだからな。しっかり甘やかすから大丈夫だ」
「ギィ、お前な…。まあ、家を探すくらいだからいいのかもしれんが。まだ子どもだからほどほどにな」
「カイトは皆が思ってるほど子どもではないぞ」
「……ほどほどにな…」

俺達は穴が1つ開けられたギルド証を見せあって、カウンターのギルド員達からおめでとうを貰い食堂で祝杯をあげた。俺はもちろんミルク。ダスさんはヤックとグレンにもミルクを出した。

「えー。俺違うのがいいんだけど」
「ヤック、昨日の蜂蜜入れたらすごい美味しいから!ほら、グレンもコップ貸して入れるから!」
「えっ、分けてくれんの!?やった!」
「ありがとう」
「濃くて甘くて美味しかったんだ」

チラッと隣りにいるギィを盗み見る。俺の視線に気づいたギィが、蕩けそうな甘さの極上の蜂蜜だ。なんて言うからダスさんも味見することになった。

そう、甘い、とろとろの蜂蜜…とろとろで…
はっ。ダメだダメだ。思い出したらダメだ。

「昇級を祝って、かんぱーい!」

いつものテーブルにいるおじいちゃん達も一緒に乾杯してくれた!
これからも頑張るぞー!

ヤックは早速グレンとD級の依頼を受けるらしい。俺は今からギィと家を見に行く。
ギィが希望を伝えてギルドが持ってる物件の中から3軒候補を上げてもらったんだって。
こっちの家ってどんなのかな。お風呂も気になる。

ギルド長から渡された地図を見ながら家を探す。
1軒目は住宅街だったんだけど、お屋敷って感じの大きさだった。いや、この広さは掃除だけでも大変だ。掃除は人を雇えばいいってギィは言ったけど、使わない部屋が大量にあるのも無駄だろ。却下だ。

2軒目はギルドからも近い街中だった。間取りは4LDKって言うのかな?日本でよくある大きさの2階建。俺的には違和感なかっんだけど、ギィはお風呂を作るスペースがないからダメって。

お風呂は家でも付いてないのが普通だった。だからリフォームして作るらしい。土地はギルドの持ち物だけど家は借主の物だから好きに改造していいんだって。一から建ててもいいけど時間がかかるから既に建ってる物件を候補にしてたけど、納得できるのがなかったら土地だけの所も見るか。って俺、そこまで拘りないけどなー。お風呂もユニットバスサイズで充分なんだけど。

2軒目はギィが却下して3軒目。

「これは、街の外になるか?」
「牧場みたいな感じ?」
「あそこまで街から離れている訳ではないが、壁の外にはなるようだ。ただ、こんな場所に門はないはずだが」
「ギィでも知らない場所があるんだ。とりあえず行ってみようよ。探検だ!」
「デートだろ?」
「えっ。えっと…ギィがデートって言いたいならデートでもいいけど…」
「じゃあ恋人繋ぎだな」
「えぇっ!?いや、探検!これ探検だから!」
「そうか。まぁ、今夜すればいいか」

ゆっくりじっくり祝ってやるからな。って言われて顔から火が出るかと思った!
かわいいってゆるゆるの笑顔してるギィの方がかわいいんだからな!!
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