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2章
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「ルーク!」
「カイト、おはよう!」
久々のルークだ!今日も王子様スマイルが眩しいっ。
ルークは俺が昇級する前から長期の調査依頼に出ててずっと会えてなかった。昨日帰って来て、今日は休みにするから遠乗りに行かないかって誘ってくれた!
門の横の騎獣商で駱を借りる。騎獣商のおっちゃんは冒険者の兄さんが乗るならもっと速い騎獣がいいんじゃないかと言ってたけど、俺的には駱一択だ!
相変わらずかわいい!
2人で跨って前に座った俺が手綱を持った時点で納得したような顔をしたのは、どういうことかな、おっちゃんよ。
「久しぶりだよなー。昨日ギルドで待っててくれたらよかったのに。ルークが帰ってすぐに俺戻って来たみたいだよ?」
ギィがギルドでルークに会って今日のお誘いの伝言をしてくれた。昨日会えてたらギィも一緒にお疲れ様会できてたのに。今日はギィは依頼でいないんだよなー。
「昨日は帰って来て直接ギルドに寄ったからだいぶ汚れてたんだよ。カイトに会うときはカッコよくありたいだろ?」
ルークが後ろから俺の腰に緩く腕を回して、肩に顎を乗せて来る。
「ルークはカッコいいよ。人気あるし、風見鶏のティナなんてルークのこと毎回聞いてくるよ?」
「うーん。カイトがカッコいいって思ってくれてるだけでいいんだけどなー」
「思ってる思ってる。
ルークはカッコいいだけじゃなくて優しいし。今日も依頼で疲れてるのに誘ってくれるしさ」
「カイトといる方が疲れが癒されるんだよ。
それに、俺がいない間に昇級してるし、ギィと家決めてるし」
じっくり話を聞かせて貰うからね。って耳を齧りそうな距離で囁かないでっ。なんかぞくぞくしちゃうだろ。
「お、俺もルークの依頼の話聞きたいっ。
お弁当持ってきたから食べながらのんびり聞かせてよ」
「お弁当って昼ご飯?俺も携帯食持ってきてるけど」
冒険者ってそういうとこあるんだよなー。食べられればそれでいい。みたいな。
俺としては美味しいものが食べたい訳だ!
ピクニックに携帯食は許可できません!
「のんびりするための遠出なのにご飯が携帯食じゃ依頼中と変わらないだろ。
お弁当っていうのは、色んな料理をちょっとずつ入れ物に詰めたやつ。今回は屋台で買った物を詰めただけだけどさ、携帯食よりは絶対美味しいから」
「屋台の料理を持ってきたのか?わざわざ入れ物に詰め直すのは面倒だったろうに。
楽しみにしてるよ」
屋台の料理は、焼き串はそのまま剥き出しだし、おかずクレープも紙が巻いてあるだけで、食べ歩きにはいいけど鞄に入れたりは出来ない。雑貨屋さんに木の皮を編んで作った蓋付きの入れ物があったから、今日は朝から色んな屋台で好きな物を買って、ギルド食堂の隅を借りてそれに詰め直して来た。
これなら鞄に入れられるし、しかも大中小の3個セットで食べ終わったら重ねて大に収納できる便利なやつだ!
目的地はエリカの街が見下ろせる丘の上。まばらに木立もあって涼しくて気持ちいい。
駱は近くの木に手綱を繋いでおく。座りこんで首が届く範囲の周りの草を食べてる。もう動く気はないんだね。
俺たちも木陰でお弁当を広げてお昼ご飯だ。
「おー。きれいに詰めたなー」
蓋を開けるとルークが嬉しそうに覗き込んできた。
そうだろ、そうだろ。
大はお肉、中はおかずクレープ、小は果物って買った物ばかりだけど頑張って詰めたんだぞ。
今回のルークの依頼は、決められたポイントを調査して回る内容だったらしい。ポイントで3日くらい滞在して変化がないか確認したら最寄りのギルドで報告して次のポイントへ移動。を繰り返す。
「ギルドに行くときは宿に泊まってゆっくり寝れるから、期間は長いけどそこまで過酷でもないよ。
お土産も買って来れたから、夜にはギィも一緒に宿で飲もうね」
美味しそうなお酒と、俺用に果物のジュースを買って来てくれたらしい。楽しみだー!
俺の蜂の巣採取大作戦の話もして家を探した話もした。
「ギィがそんなにすぐ動くと思ってなかったなあ」
「俺もあんなにすぐ決めると思わなかった」
しかもお風呂増築するなんてさ。
「俺がちょっと留守にしてる間にそんなに進展してるなんてなぁ。あーぁ」
はあぁ。って大きなため息。やっぱりまだ疲れてるんだろうなー。
「ルーク、昼寝しない?俺、枕するよ?」
「えっ!何それ!?抱き枕?」
「抱き枕??いや、ルークがそれがいいならいいけど」
膝枕のつもりだったけど、俺の膝じゃ固いかな。
「あ、膝枕ね。うん、うん、膝枕もいいね」
お邪魔しまーす。ってルークが頭を乗せてくる。
金髪サラサラだなー。まつ毛も金なんだなー。すっごい長いな。
目を閉じているルークを観察しているうちに俺も眠くなってきた。
駱も昼寝中。誰もいないし、俺もちょっとだけ寝ちゃおう。ちょっとだけ。
目が覚めたらなぜかルークの膝の上で、抱きつくみたいに伏せて寝てたんだけど、ルークはすごく元気が出たって言ってたからいいかな。
「カイト、おはよう!」
久々のルークだ!今日も王子様スマイルが眩しいっ。
ルークは俺が昇級する前から長期の調査依頼に出ててずっと会えてなかった。昨日帰って来て、今日は休みにするから遠乗りに行かないかって誘ってくれた!
門の横の騎獣商で駱を借りる。騎獣商のおっちゃんは冒険者の兄さんが乗るならもっと速い騎獣がいいんじゃないかと言ってたけど、俺的には駱一択だ!
相変わらずかわいい!
2人で跨って前に座った俺が手綱を持った時点で納得したような顔をしたのは、どういうことかな、おっちゃんよ。
「久しぶりだよなー。昨日ギルドで待っててくれたらよかったのに。ルークが帰ってすぐに俺戻って来たみたいだよ?」
ギィがギルドでルークに会って今日のお誘いの伝言をしてくれた。昨日会えてたらギィも一緒にお疲れ様会できてたのに。今日はギィは依頼でいないんだよなー。
「昨日は帰って来て直接ギルドに寄ったからだいぶ汚れてたんだよ。カイトに会うときはカッコよくありたいだろ?」
ルークが後ろから俺の腰に緩く腕を回して、肩に顎を乗せて来る。
「ルークはカッコいいよ。人気あるし、風見鶏のティナなんてルークのこと毎回聞いてくるよ?」
「うーん。カイトがカッコいいって思ってくれてるだけでいいんだけどなー」
「思ってる思ってる。
ルークはカッコいいだけじゃなくて優しいし。今日も依頼で疲れてるのに誘ってくれるしさ」
「カイトといる方が疲れが癒されるんだよ。
それに、俺がいない間に昇級してるし、ギィと家決めてるし」
じっくり話を聞かせて貰うからね。って耳を齧りそうな距離で囁かないでっ。なんかぞくぞくしちゃうだろ。
「お、俺もルークの依頼の話聞きたいっ。
お弁当持ってきたから食べながらのんびり聞かせてよ」
「お弁当って昼ご飯?俺も携帯食持ってきてるけど」
冒険者ってそういうとこあるんだよなー。食べられればそれでいい。みたいな。
俺としては美味しいものが食べたい訳だ!
ピクニックに携帯食は許可できません!
「のんびりするための遠出なのにご飯が携帯食じゃ依頼中と変わらないだろ。
お弁当っていうのは、色んな料理をちょっとずつ入れ物に詰めたやつ。今回は屋台で買った物を詰めただけだけどさ、携帯食よりは絶対美味しいから」
「屋台の料理を持ってきたのか?わざわざ入れ物に詰め直すのは面倒だったろうに。
楽しみにしてるよ」
屋台の料理は、焼き串はそのまま剥き出しだし、おかずクレープも紙が巻いてあるだけで、食べ歩きにはいいけど鞄に入れたりは出来ない。雑貨屋さんに木の皮を編んで作った蓋付きの入れ物があったから、今日は朝から色んな屋台で好きな物を買って、ギルド食堂の隅を借りてそれに詰め直して来た。
これなら鞄に入れられるし、しかも大中小の3個セットで食べ終わったら重ねて大に収納できる便利なやつだ!
目的地はエリカの街が見下ろせる丘の上。まばらに木立もあって涼しくて気持ちいい。
駱は近くの木に手綱を繋いでおく。座りこんで首が届く範囲の周りの草を食べてる。もう動く気はないんだね。
俺たちも木陰でお弁当を広げてお昼ご飯だ。
「おー。きれいに詰めたなー」
蓋を開けるとルークが嬉しそうに覗き込んできた。
そうだろ、そうだろ。
大はお肉、中はおかずクレープ、小は果物って買った物ばかりだけど頑張って詰めたんだぞ。
今回のルークの依頼は、決められたポイントを調査して回る内容だったらしい。ポイントで3日くらい滞在して変化がないか確認したら最寄りのギルドで報告して次のポイントへ移動。を繰り返す。
「ギルドに行くときは宿に泊まってゆっくり寝れるから、期間は長いけどそこまで過酷でもないよ。
お土産も買って来れたから、夜にはギィも一緒に宿で飲もうね」
美味しそうなお酒と、俺用に果物のジュースを買って来てくれたらしい。楽しみだー!
俺の蜂の巣採取大作戦の話もして家を探した話もした。
「ギィがそんなにすぐ動くと思ってなかったなあ」
「俺もあんなにすぐ決めると思わなかった」
しかもお風呂増築するなんてさ。
「俺がちょっと留守にしてる間にそんなに進展してるなんてなぁ。あーぁ」
はあぁ。って大きなため息。やっぱりまだ疲れてるんだろうなー。
「ルーク、昼寝しない?俺、枕するよ?」
「えっ!何それ!?抱き枕?」
「抱き枕??いや、ルークがそれがいいならいいけど」
膝枕のつもりだったけど、俺の膝じゃ固いかな。
「あ、膝枕ね。うん、うん、膝枕もいいね」
お邪魔しまーす。ってルークが頭を乗せてくる。
金髪サラサラだなー。まつ毛も金なんだなー。すっごい長いな。
目を閉じているルークを観察しているうちに俺も眠くなってきた。
駱も昼寝中。誰もいないし、俺もちょっとだけ寝ちゃおう。ちょっとだけ。
目が覚めたらなぜかルークの膝の上で、抱きつくみたいに伏せて寝てたんだけど、ルークはすごく元気が出たって言ってたからいいかな。
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