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2章
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「いいか、カイト。ご飯はこれまで通り魔力が多い物を選んで3食食べるんだ。ミルクも必ず1日1杯は飲む。いいね?」
神様のことがなくたって、毎日ミルク1杯で健康が保てる訳がない。心配させないでくれ。って言われちゃったら、返事はハイしかないだろう。
頑張ってたくさん食べます。
ルークはお酒をグッと一気に飲んでコップを置くとニッコリ笑って俺を見た。
「じゃ、次はギィの話をしようか。
結婚が何だって?」
なんか目が笑ってない気がするんだけど…。
俺はギィが家にあまりいなくなったことから、結婚するって噂になってたこと、相手の人と仲良く買い物してたのを見たこととかを話した。
「あっ。相手の人はね、俺は話したことはないんだけどね、見たことはあってね、明るそうでかわいくて良さそうな女の人だったよ!」
「カイト…お前は何でそんなことを必死で主張するの」
こっちおいで。ってソファに引き上げられてルークの横にピッタリ引き寄せられる。
「カイトはギィとホームを持って一緒に住んでるだろ?何でそんな噂を信じるんだ?」
「んー。最初聞いた時はね、びっくりしたんだけど、よく考えてみたらそういうことだったのかな。って思えることもいっぱいあって…」
「どんなこと?」
「えーと…その…キスとかね、あのー…前よりあっさりって言うかね?寝るときも一緒に布団に入らなくて、俺が寝てから寝に来てるのかな。お風呂も一緒に入ったの最初の1回だけだしね?」
どんどん声が小さくなっていく。
「あのー…触ったりとかもね…しなくなって…」
「ふぅん?」
「忙しいから疲れてるのかな。って思ってたけど、好きな人が出来たんだったら当然だな。って…思って…」
改めて言うとまた胸が痛いなぁ。
「俺ね、宿にいた時と何も変わってないつもりだったから、ギィが何で俺のこと好きじゃなくなったのかわからなくて…でも、昨日ギルド食堂で相性があるって話してる人がいて…その人は前の人より相性がいい人が見つかったから新しい方の人にするって言ってて。ギィもそうなのかな。って。相性って何かわからないけど、どうやって確認するのか知りたくて、聞いてみたんだけど…」
俺の腰に回ってるルークの腕に力が入る。
「教えてもらう前にダスさんに怒られて帰ったんだ」
「…俺は今猛烈に腹が立ってるよ…」
「あ、でも!もういいんだ!今さら確認しても意味ないしね?
俺がギィに好きって言わなかったのが悪いんだよ」
自業自得って言うんだよ。小さく呟いたらルークが両腕で痛いぐらいにぎゅっと抱きしめてきた。
「あぁぁー、もう!!
そうだよな!カイトは1人で色々考えるんだもんな!でも直接聞いてないのは良くないんじゃないか!?」
「だってティナはギィが女の人と同じ家に入って行くの見たって言うし、俺も2人で買い物してるの見たし」
「たまたま同じ店で買い物してたとかは?」
「椅子だよ?」
「椅子??」
「うん。椅子2脚。ギィは持って帰って来なかったし…。きっと新居用だよ」
「椅子…」
「それにルークだって、ホームは後から1人になることはある。って言ってたでしょ?俺が独り立ち出来たらギィは結婚相手との家に住むんだな。って。だからギィは小さめのベッドを買ったんだ。って思ったんだけど」
「俺もか!俺もなのか!?」
「だから俺、留守番頑張ろうって。早く独り立ちしないとギィにも相手の人にも悪いし」
ルークが俺の肩に顔を伏せて黙っちゃった…。留守番頑張るくらいじゃダメだったかな。やっぱり急いでC級目指すしかないか。
「なあカイト、お腹空かなくなったのはいつから?」
「うーん…ティナからギィが結婚するって聞いたくらいかなぁ」
「そうか。
カイト、次ギィが帰って来たら今の話をちゃんとギィにするんだ」
「えぇ…しなくていいよ。しても変わらないし。忙しいのに」
「いーや、ダメだ。こういうのは曖昧はダメなんだ。ちゃんとカイトの気持ちを言って、ギィの気持ちも聞かないと。これから冒険者として一緒に依頼をするときに遠慮するようなことがあったら、危険が増すかもしれないだろ」
そうなのかなー。
まぁ、でも、ちゃんと振ってもらって友達?仲良しの先輩後輩?みたいになれたらいいかもしれない。
将来ギィの子どもが出来たら、お兄ちゃんは無理でも親戚のお兄ちゃんくらいになることは許してもらえるかも!
俺、絶対可愛がる自信あるし!!
「…また、なんかいらないこと考えてるだろ…」
「ルーク、俺、ちゃんとギィに言うね!
子ども楽しみだなー」
「……。
よし、今日はもう寝よう!カイトも泊まっていって。帰っても1人でしょ?今日は久しぶりに一緒に寝よう!」
「いいの?へへ、夜1人なのちょっと寂しかったんだー。ありがとう、ルーク」
あ、寂しかったっていうのはギィには内緒でお願いします。
神様のことがなくたって、毎日ミルク1杯で健康が保てる訳がない。心配させないでくれ。って言われちゃったら、返事はハイしかないだろう。
頑張ってたくさん食べます。
ルークはお酒をグッと一気に飲んでコップを置くとニッコリ笑って俺を見た。
「じゃ、次はギィの話をしようか。
結婚が何だって?」
なんか目が笑ってない気がするんだけど…。
俺はギィが家にあまりいなくなったことから、結婚するって噂になってたこと、相手の人と仲良く買い物してたのを見たこととかを話した。
「あっ。相手の人はね、俺は話したことはないんだけどね、見たことはあってね、明るそうでかわいくて良さそうな女の人だったよ!」
「カイト…お前は何でそんなことを必死で主張するの」
こっちおいで。ってソファに引き上げられてルークの横にピッタリ引き寄せられる。
「カイトはギィとホームを持って一緒に住んでるだろ?何でそんな噂を信じるんだ?」
「んー。最初聞いた時はね、びっくりしたんだけど、よく考えてみたらそういうことだったのかな。って思えることもいっぱいあって…」
「どんなこと?」
「えーと…その…キスとかね、あのー…前よりあっさりって言うかね?寝るときも一緒に布団に入らなくて、俺が寝てから寝に来てるのかな。お風呂も一緒に入ったの最初の1回だけだしね?」
どんどん声が小さくなっていく。
「あのー…触ったりとかもね…しなくなって…」
「ふぅん?」
「忙しいから疲れてるのかな。って思ってたけど、好きな人が出来たんだったら当然だな。って…思って…」
改めて言うとまた胸が痛いなぁ。
「俺ね、宿にいた時と何も変わってないつもりだったから、ギィが何で俺のこと好きじゃなくなったのかわからなくて…でも、昨日ギルド食堂で相性があるって話してる人がいて…その人は前の人より相性がいい人が見つかったから新しい方の人にするって言ってて。ギィもそうなのかな。って。相性って何かわからないけど、どうやって確認するのか知りたくて、聞いてみたんだけど…」
俺の腰に回ってるルークの腕に力が入る。
「教えてもらう前にダスさんに怒られて帰ったんだ」
「…俺は今猛烈に腹が立ってるよ…」
「あ、でも!もういいんだ!今さら確認しても意味ないしね?
俺がギィに好きって言わなかったのが悪いんだよ」
自業自得って言うんだよ。小さく呟いたらルークが両腕で痛いぐらいにぎゅっと抱きしめてきた。
「あぁぁー、もう!!
そうだよな!カイトは1人で色々考えるんだもんな!でも直接聞いてないのは良くないんじゃないか!?」
「だってティナはギィが女の人と同じ家に入って行くの見たって言うし、俺も2人で買い物してるの見たし」
「たまたま同じ店で買い物してたとかは?」
「椅子だよ?」
「椅子??」
「うん。椅子2脚。ギィは持って帰って来なかったし…。きっと新居用だよ」
「椅子…」
「それにルークだって、ホームは後から1人になることはある。って言ってたでしょ?俺が独り立ち出来たらギィは結婚相手との家に住むんだな。って。だからギィは小さめのベッドを買ったんだ。って思ったんだけど」
「俺もか!俺もなのか!?」
「だから俺、留守番頑張ろうって。早く独り立ちしないとギィにも相手の人にも悪いし」
ルークが俺の肩に顔を伏せて黙っちゃった…。留守番頑張るくらいじゃダメだったかな。やっぱり急いでC級目指すしかないか。
「なあカイト、お腹空かなくなったのはいつから?」
「うーん…ティナからギィが結婚するって聞いたくらいかなぁ」
「そうか。
カイト、次ギィが帰って来たら今の話をちゃんとギィにするんだ」
「えぇ…しなくていいよ。しても変わらないし。忙しいのに」
「いーや、ダメだ。こういうのは曖昧はダメなんだ。ちゃんとカイトの気持ちを言って、ギィの気持ちも聞かないと。これから冒険者として一緒に依頼をするときに遠慮するようなことがあったら、危険が増すかもしれないだろ」
そうなのかなー。
まぁ、でも、ちゃんと振ってもらって友達?仲良しの先輩後輩?みたいになれたらいいかもしれない。
将来ギィの子どもが出来たら、お兄ちゃんは無理でも親戚のお兄ちゃんくらいになることは許してもらえるかも!
俺、絶対可愛がる自信あるし!!
「…また、なんかいらないこと考えてるだろ…」
「ルーク、俺、ちゃんとギィに言うね!
子ども楽しみだなー」
「……。
よし、今日はもう寝よう!カイトも泊まっていって。帰っても1人でしょ?今日は久しぶりに一緒に寝よう!」
「いいの?へへ、夜1人なのちょっと寂しかったんだー。ありがとう、ルーク」
あ、寂しかったっていうのはギィには内緒でお願いします。
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