71 / 87
2章
71
しおりを挟む
「いいか、カイト。ご飯はこれまで通り魔力が多い物を選んで3食食べるんだ。ミルクも必ず1日1杯は飲む。いいね?」
神様のことがなくたって、毎日ミルク1杯で健康が保てる訳がない。心配させないでくれ。って言われちゃったら、返事はハイしかないだろう。
頑張ってたくさん食べます。
ルークはお酒をグッと一気に飲んでコップを置くとニッコリ笑って俺を見た。
「じゃ、次はギィの話をしようか。
結婚が何だって?」
なんか目が笑ってない気がするんだけど…。
俺はギィが家にあまりいなくなったことから、結婚するって噂になってたこと、相手の人と仲良く買い物してたのを見たこととかを話した。
「あっ。相手の人はね、俺は話したことはないんだけどね、見たことはあってね、明るそうでかわいくて良さそうな女の人だったよ!」
「カイト…お前は何でそんなことを必死で主張するの」
こっちおいで。ってソファに引き上げられてルークの横にピッタリ引き寄せられる。
「カイトはギィとホームを持って一緒に住んでるだろ?何でそんな噂を信じるんだ?」
「んー。最初聞いた時はね、びっくりしたんだけど、よく考えてみたらそういうことだったのかな。って思えることもいっぱいあって…」
「どんなこと?」
「えーと…その…キスとかね、あのー…前よりあっさりって言うかね?寝るときも一緒に布団に入らなくて、俺が寝てから寝に来てるのかな。お風呂も一緒に入ったの最初の1回だけだしね?」
どんどん声が小さくなっていく。
「あのー…触ったりとかもね…しなくなって…」
「ふぅん?」
「忙しいから疲れてるのかな。って思ってたけど、好きな人が出来たんだったら当然だな。って…思って…」
改めて言うとまた胸が痛いなぁ。
「俺ね、宿にいた時と何も変わってないつもりだったから、ギィが何で俺のこと好きじゃなくなったのかわからなくて…でも、昨日ギルド食堂で相性があるって話してる人がいて…その人は前の人より相性がいい人が見つかったから新しい方の人にするって言ってて。ギィもそうなのかな。って。相性って何かわからないけど、どうやって確認するのか知りたくて、聞いてみたんだけど…」
俺の腰に回ってるルークの腕に力が入る。
「教えてもらう前にダスさんに怒られて帰ったんだ」
「…俺は今猛烈に腹が立ってるよ…」
「あ、でも!もういいんだ!今さら確認しても意味ないしね?
俺がギィに好きって言わなかったのが悪いんだよ」
自業自得って言うんだよ。小さく呟いたらルークが両腕で痛いぐらいにぎゅっと抱きしめてきた。
「あぁぁー、もう!!
そうだよな!カイトは1人で色々考えるんだもんな!でも直接聞いてないのは良くないんじゃないか!?」
「だってティナはギィが女の人と同じ家に入って行くの見たって言うし、俺も2人で買い物してるの見たし」
「たまたま同じ店で買い物してたとかは?」
「椅子だよ?」
「椅子??」
「うん。椅子2脚。ギィは持って帰って来なかったし…。きっと新居用だよ」
「椅子…」
「それにルークだって、ホームは後から1人になることはある。って言ってたでしょ?俺が独り立ち出来たらギィは結婚相手との家に住むんだな。って。だからギィは小さめのベッドを買ったんだ。って思ったんだけど」
「俺もか!俺もなのか!?」
「だから俺、留守番頑張ろうって。早く独り立ちしないとギィにも相手の人にも悪いし」
ルークが俺の肩に顔を伏せて黙っちゃった…。留守番頑張るくらいじゃダメだったかな。やっぱり急いでC級目指すしかないか。
「なあカイト、お腹空かなくなったのはいつから?」
「うーん…ティナからギィが結婚するって聞いたくらいかなぁ」
「そうか。
カイト、次ギィが帰って来たら今の話をちゃんとギィにするんだ」
「えぇ…しなくていいよ。しても変わらないし。忙しいのに」
「いーや、ダメだ。こういうのは曖昧はダメなんだ。ちゃんとカイトの気持ちを言って、ギィの気持ちも聞かないと。これから冒険者として一緒に依頼をするときに遠慮するようなことがあったら、危険が増すかもしれないだろ」
そうなのかなー。
まぁ、でも、ちゃんと振ってもらって友達?仲良しの先輩後輩?みたいになれたらいいかもしれない。
将来ギィの子どもが出来たら、お兄ちゃんは無理でも親戚のお兄ちゃんくらいになることは許してもらえるかも!
俺、絶対可愛がる自信あるし!!
「…また、なんかいらないこと考えてるだろ…」
「ルーク、俺、ちゃんとギィに言うね!
子ども楽しみだなー」
「……。
よし、今日はもう寝よう!カイトも泊まっていって。帰っても1人でしょ?今日は久しぶりに一緒に寝よう!」
「いいの?へへ、夜1人なのちょっと寂しかったんだー。ありがとう、ルーク」
あ、寂しかったっていうのはギィには内緒でお願いします。
神様のことがなくたって、毎日ミルク1杯で健康が保てる訳がない。心配させないでくれ。って言われちゃったら、返事はハイしかないだろう。
頑張ってたくさん食べます。
ルークはお酒をグッと一気に飲んでコップを置くとニッコリ笑って俺を見た。
「じゃ、次はギィの話をしようか。
結婚が何だって?」
なんか目が笑ってない気がするんだけど…。
俺はギィが家にあまりいなくなったことから、結婚するって噂になってたこと、相手の人と仲良く買い物してたのを見たこととかを話した。
「あっ。相手の人はね、俺は話したことはないんだけどね、見たことはあってね、明るそうでかわいくて良さそうな女の人だったよ!」
「カイト…お前は何でそんなことを必死で主張するの」
こっちおいで。ってソファに引き上げられてルークの横にピッタリ引き寄せられる。
「カイトはギィとホームを持って一緒に住んでるだろ?何でそんな噂を信じるんだ?」
「んー。最初聞いた時はね、びっくりしたんだけど、よく考えてみたらそういうことだったのかな。って思えることもいっぱいあって…」
「どんなこと?」
「えーと…その…キスとかね、あのー…前よりあっさりって言うかね?寝るときも一緒に布団に入らなくて、俺が寝てから寝に来てるのかな。お風呂も一緒に入ったの最初の1回だけだしね?」
どんどん声が小さくなっていく。
「あのー…触ったりとかもね…しなくなって…」
「ふぅん?」
「忙しいから疲れてるのかな。って思ってたけど、好きな人が出来たんだったら当然だな。って…思って…」
改めて言うとまた胸が痛いなぁ。
「俺ね、宿にいた時と何も変わってないつもりだったから、ギィが何で俺のこと好きじゃなくなったのかわからなくて…でも、昨日ギルド食堂で相性があるって話してる人がいて…その人は前の人より相性がいい人が見つかったから新しい方の人にするって言ってて。ギィもそうなのかな。って。相性って何かわからないけど、どうやって確認するのか知りたくて、聞いてみたんだけど…」
俺の腰に回ってるルークの腕に力が入る。
「教えてもらう前にダスさんに怒られて帰ったんだ」
「…俺は今猛烈に腹が立ってるよ…」
「あ、でも!もういいんだ!今さら確認しても意味ないしね?
俺がギィに好きって言わなかったのが悪いんだよ」
自業自得って言うんだよ。小さく呟いたらルークが両腕で痛いぐらいにぎゅっと抱きしめてきた。
「あぁぁー、もう!!
そうだよな!カイトは1人で色々考えるんだもんな!でも直接聞いてないのは良くないんじゃないか!?」
「だってティナはギィが女の人と同じ家に入って行くの見たって言うし、俺も2人で買い物してるの見たし」
「たまたま同じ店で買い物してたとかは?」
「椅子だよ?」
「椅子??」
「うん。椅子2脚。ギィは持って帰って来なかったし…。きっと新居用だよ」
「椅子…」
「それにルークだって、ホームは後から1人になることはある。って言ってたでしょ?俺が独り立ち出来たらギィは結婚相手との家に住むんだな。って。だからギィは小さめのベッドを買ったんだ。って思ったんだけど」
「俺もか!俺もなのか!?」
「だから俺、留守番頑張ろうって。早く独り立ちしないとギィにも相手の人にも悪いし」
ルークが俺の肩に顔を伏せて黙っちゃった…。留守番頑張るくらいじゃダメだったかな。やっぱり急いでC級目指すしかないか。
「なあカイト、お腹空かなくなったのはいつから?」
「うーん…ティナからギィが結婚するって聞いたくらいかなぁ」
「そうか。
カイト、次ギィが帰って来たら今の話をちゃんとギィにするんだ」
「えぇ…しなくていいよ。しても変わらないし。忙しいのに」
「いーや、ダメだ。こういうのは曖昧はダメなんだ。ちゃんとカイトの気持ちを言って、ギィの気持ちも聞かないと。これから冒険者として一緒に依頼をするときに遠慮するようなことがあったら、危険が増すかもしれないだろ」
そうなのかなー。
まぁ、でも、ちゃんと振ってもらって友達?仲良しの先輩後輩?みたいになれたらいいかもしれない。
将来ギィの子どもが出来たら、お兄ちゃんは無理でも親戚のお兄ちゃんくらいになることは許してもらえるかも!
俺、絶対可愛がる自信あるし!!
「…また、なんかいらないこと考えてるだろ…」
「ルーク、俺、ちゃんとギィに言うね!
子ども楽しみだなー」
「……。
よし、今日はもう寝よう!カイトも泊まっていって。帰っても1人でしょ?今日は久しぶりに一緒に寝よう!」
「いいの?へへ、夜1人なのちょっと寂しかったんだー。ありがとう、ルーク」
あ、寂しかったっていうのはギィには内緒でお願いします。
6
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
巨人の国に勇者として召喚されたけどメチャクチャ弱いのでキノコ狩りからはじめました。
篠崎笙
BL
ごく普通の高校生だった優輝は勇者として招かれたが、レベル1だった。弱いキノコ狩りをしながらレベルアップをしているうち、黒衣の騎士風の謎のイケメンと出会うが……。
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる