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第二話
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人生で一回だけの高校生活初日も、気が付けばもう夕方だ。
本来であれば私は真っ直ぐ帰路に着く。でも、あの二人がいるから別々に帰るのもあれだし……、一緒に帰ろうって誘うのも気が引けるし。
そんな気持ちで椅子に座っていたら、麗王が友達を引き連れて私の席にやってきた。
「瑠璃、俺らこれからみんなでカラオケ行くんだけど一緒にいこーぜ」
「私歌えないけどいいの?」
「全然いいって! 親睦会みたいなもんだから」
啓爾くんと諒くん、それに金髪ロングと黒髪ボブの女の子も一緒だ。
「じゃあ私も誘いたい人いるんだけどいい?」
「もちろん! あ、利鬼斗はもう誘ってあるから大丈夫!」
麗王たちには先に校門に行っててもらい、私は隣の席で帰る準備をしていた清宮さんに声をかける。
「清宮さん、聞いてたと思うけどこの後カラオケ行かない?」
清宮さんは目を大きく開き、驚いた顔をしていた。
「まさか誘われると思わなくてびっくりしちゃいました。私なんかが行っていいんですか?」
「清宮さんでダメなら私だってダメだから」
「黒崎さんは素敵ですよ? じゃあお言葉に甘えてご一緒させてもらいます」
清宮さんと二人で校門に向かった。
男子はやはり清宮さんを見てソワソワしていた。それはそうだ、彼女は大和撫子なんだから。
麗王が側にやってきて耳打ちをしてきた。
「いつの間にこんな可愛い人と友達になったんだよ」
「今後清宮さんと話すときは私を通してね一生」
「なんでだよ!」
耳元で叫ばれて耳がキーンとする。コソコソ話してた意味ないじゃん。
それから私たちはみんなでカラオケへと向かった。気のせいかもしれないが視線を感じる。睨まれているような、悪意を含んだ視線だと思うけど、私は気にしないことにした。
カラオケの一番大きいルームに通してもらい、最初は自己紹介から始まった。
麗王以外は当たり障りのない自己紹介だったけど、あのバカは自己紹介の途中で歌い出した大馬鹿だ。
名前の知らなかった二人は、金髪の方が柊木 花音で、黒髪ボブの方が二ノ宮 玲だ。
男子と女子がちょうど四人ずつだから、合コンみたいになったのは笑える。私は一番扉に近い席に座り、左隣が清宮さんで正面が利鬼斗だ。
それから順番に歌い出したけど、私と利鬼斗はパスしてもらい時間が流れていく。
清宮さんは正直透き通る声で耳が癒される。彼女が歌うときは男子もみんな静かに聞き入っていた。
柊木さんと二ノ宮さんはギャルって感じだ。ノリもいいし男子と積極的にコミュニケーションを取っているけど、私と清宮さんとはあまり話さない。
グラスが空になったから、取りに行こうかな。
「ドリンク取りに行ってくるけど、欲しい人るいる?」
一人で欲しい人全員分取りに行こうと思ったけど、思ったより多かった……。
「僕も行くから手伝うよ」
利鬼斗ほんと助かる。
私たちはそれぞれ三つずつグラスを持ちドリンクバーへと向かった。
ドリンクバーに着くと、利鬼斗はトイレに行くといいグラスを置いてトイレに行った。
頼まれた分のドリンクを先に入れておこう。
私が一つずつ入れていると、柊木さんと二ノ宮さんがやってきた。
「二人もドリンク? ちょっと待ってねこれ入れちゃうから」
今入れている分を早く終わらせようと急いだけど、どうやらグラスを持っていないから違うみたいだ。
「あのさ、黒崎さんって白河くんのなんなの?」
いきなりの質問に頭が真っ白になってしまった。麗王のなに? そんなの決まっている。
「ただの幼馴染だよ。それ以上でも以下でもない」
柊木さんは少し口角をあげて何度か頷いた。
「それならいいんだけどさ、あたし白河くんのこと狙ってるから邪魔しないでもらっていい?」
いや、邪魔も何も私から何かすることはないんだけど……。
柊木さんには私が麗王を口説いてると思われているのか?
「あーあとわたしからもいいかな? わたしは赤羽くん狙ってるからそっちも邪魔しない方向でお願いしまーす」
こっちも狙ってんのかよ……。これだからイケメンと幼馴染は苦労する。
「はいはい、分かったよ。別に私から何かしようとかは思ってないから安心してね」
二人は納得したのか、部屋に戻って行った。グラスの一つでも持って行ってくれればいいのに。
二人の背中を見届けると、利鬼斗も帰ってきた。
「ごめんお待たせ。あの二人と話してたの?」
「ただの世間話だよ」
「ふーん、そっか」
私たちはドリンクの入ったグラスを持って部屋に戻った。
部屋では私たちがいない間に恋バナはじまっていた。
ちょうど麗王の話題だ。でも麗王の恋バナなんて無かった気がするけど。
先ほどの宣言通り、柊木さんが猛アタックを仕掛けている。
「白河くんって好きな人いないのー?」
「んーいなくはない……」
「それっているの? いないの?」
麗王が一瞬私の方を見た。気がした。一瞬すぎてわからなかったけど気のせいか。
「麗王はまだ初恋を諦めてないんだよ」
利鬼斗が少し揶揄うようにニヤリと笑いながら爆弾発言をしてしまった。
「ちょっ! 利鬼斗お前許さないからなー!」
麗王が利鬼斗の頭をワシャワシャして戯れている。
でも意外だったな、麗王に好きな人いたんだ。
普段麗王のことなんて気にも留めないのに、今は嫌ってほど気になる。
ダメだダメだ、これじゃ私が麗王のこと気になってるみたいじゃん。
この正体不明の気持ちに蓋をして、残りの時間を楽しんだ。
家に帰るまで、麗王の顔は見れなかった。
本来であれば私は真っ直ぐ帰路に着く。でも、あの二人がいるから別々に帰るのもあれだし……、一緒に帰ろうって誘うのも気が引けるし。
そんな気持ちで椅子に座っていたら、麗王が友達を引き連れて私の席にやってきた。
「瑠璃、俺らこれからみんなでカラオケ行くんだけど一緒にいこーぜ」
「私歌えないけどいいの?」
「全然いいって! 親睦会みたいなもんだから」
啓爾くんと諒くん、それに金髪ロングと黒髪ボブの女の子も一緒だ。
「じゃあ私も誘いたい人いるんだけどいい?」
「もちろん! あ、利鬼斗はもう誘ってあるから大丈夫!」
麗王たちには先に校門に行っててもらい、私は隣の席で帰る準備をしていた清宮さんに声をかける。
「清宮さん、聞いてたと思うけどこの後カラオケ行かない?」
清宮さんは目を大きく開き、驚いた顔をしていた。
「まさか誘われると思わなくてびっくりしちゃいました。私なんかが行っていいんですか?」
「清宮さんでダメなら私だってダメだから」
「黒崎さんは素敵ですよ? じゃあお言葉に甘えてご一緒させてもらいます」
清宮さんと二人で校門に向かった。
男子はやはり清宮さんを見てソワソワしていた。それはそうだ、彼女は大和撫子なんだから。
麗王が側にやってきて耳打ちをしてきた。
「いつの間にこんな可愛い人と友達になったんだよ」
「今後清宮さんと話すときは私を通してね一生」
「なんでだよ!」
耳元で叫ばれて耳がキーンとする。コソコソ話してた意味ないじゃん。
それから私たちはみんなでカラオケへと向かった。気のせいかもしれないが視線を感じる。睨まれているような、悪意を含んだ視線だと思うけど、私は気にしないことにした。
カラオケの一番大きいルームに通してもらい、最初は自己紹介から始まった。
麗王以外は当たり障りのない自己紹介だったけど、あのバカは自己紹介の途中で歌い出した大馬鹿だ。
名前の知らなかった二人は、金髪の方が柊木 花音で、黒髪ボブの方が二ノ宮 玲だ。
男子と女子がちょうど四人ずつだから、合コンみたいになったのは笑える。私は一番扉に近い席に座り、左隣が清宮さんで正面が利鬼斗だ。
それから順番に歌い出したけど、私と利鬼斗はパスしてもらい時間が流れていく。
清宮さんは正直透き通る声で耳が癒される。彼女が歌うときは男子もみんな静かに聞き入っていた。
柊木さんと二ノ宮さんはギャルって感じだ。ノリもいいし男子と積極的にコミュニケーションを取っているけど、私と清宮さんとはあまり話さない。
グラスが空になったから、取りに行こうかな。
「ドリンク取りに行ってくるけど、欲しい人るいる?」
一人で欲しい人全員分取りに行こうと思ったけど、思ったより多かった……。
「僕も行くから手伝うよ」
利鬼斗ほんと助かる。
私たちはそれぞれ三つずつグラスを持ちドリンクバーへと向かった。
ドリンクバーに着くと、利鬼斗はトイレに行くといいグラスを置いてトイレに行った。
頼まれた分のドリンクを先に入れておこう。
私が一つずつ入れていると、柊木さんと二ノ宮さんがやってきた。
「二人もドリンク? ちょっと待ってねこれ入れちゃうから」
今入れている分を早く終わらせようと急いだけど、どうやらグラスを持っていないから違うみたいだ。
「あのさ、黒崎さんって白河くんのなんなの?」
いきなりの質問に頭が真っ白になってしまった。麗王のなに? そんなの決まっている。
「ただの幼馴染だよ。それ以上でも以下でもない」
柊木さんは少し口角をあげて何度か頷いた。
「それならいいんだけどさ、あたし白河くんのこと狙ってるから邪魔しないでもらっていい?」
いや、邪魔も何も私から何かすることはないんだけど……。
柊木さんには私が麗王を口説いてると思われているのか?
「あーあとわたしからもいいかな? わたしは赤羽くん狙ってるからそっちも邪魔しない方向でお願いしまーす」
こっちも狙ってんのかよ……。これだからイケメンと幼馴染は苦労する。
「はいはい、分かったよ。別に私から何かしようとかは思ってないから安心してね」
二人は納得したのか、部屋に戻って行った。グラスの一つでも持って行ってくれればいいのに。
二人の背中を見届けると、利鬼斗も帰ってきた。
「ごめんお待たせ。あの二人と話してたの?」
「ただの世間話だよ」
「ふーん、そっか」
私たちはドリンクの入ったグラスを持って部屋に戻った。
部屋では私たちがいない間に恋バナはじまっていた。
ちょうど麗王の話題だ。でも麗王の恋バナなんて無かった気がするけど。
先ほどの宣言通り、柊木さんが猛アタックを仕掛けている。
「白河くんって好きな人いないのー?」
「んーいなくはない……」
「それっているの? いないの?」
麗王が一瞬私の方を見た。気がした。一瞬すぎてわからなかったけど気のせいか。
「麗王はまだ初恋を諦めてないんだよ」
利鬼斗が少し揶揄うようにニヤリと笑いながら爆弾発言をしてしまった。
「ちょっ! 利鬼斗お前許さないからなー!」
麗王が利鬼斗の頭をワシャワシャして戯れている。
でも意外だったな、麗王に好きな人いたんだ。
普段麗王のことなんて気にも留めないのに、今は嫌ってほど気になる。
ダメだダメだ、これじゃ私が麗王のこと気になってるみたいじゃん。
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家に帰るまで、麗王の顔は見れなかった。
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