生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第67話 二個目の大きな魔石

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「この子がメーリスだよ」

 メイがメーリスという人を連れてきた。

 正直めちゃくちゃ美人でかなりドキッとした。
 この人とメイが友達になれた理由は、割とすぐに分かった。
 とにかく喋らない。
 名前の紹介もメイがして自分ではしなかったし、俺が自分の名を言ってよろしくと言っても、ペコリと頭を少し下げただけで言葉は発さない。

 いや……俺の見た目がアレだったので警戒されまくっているという可能性もあるが……

「メーリスは誰に対してもあんな感じだから、悪く思わないでね。喋るのがとても苦手なんだ」

 やはり口数が異常に少ないタイプの人なんだな。

 メーリスは、怪我人がいるという事を見ると、魔法を使って手当てを始めた。

「魔法で怪我を治しているのか」
「そうだよ。いつも僕を助けてくれたんだメーリスは」

 怪我がだいぶ重そうな人もいたけど、傷は塞がったので助かりそうだ。
 アガントにかなり感謝されている。

 それから近くの町に戻ることに。

 意識を失っている人たちもいたので、俺がホムンクルスを使って運んだ。
 それからブラックドラゴンも運ぶ。
 解体すると金になるとの事から、ここに放っておくことは出来ず、町に運び込むことになった。
 素人では解体できないから、ドラゴンを解体できる職人に任せるようだ。
 ホムンクルスだけでは運べないから、怪我を負っていない兵士たちと一緒に運んだ。

「ねーねー、ところであの変な生き物は何なの。ゼンジの命令で動いているみたいだけど」
「ホムンクルスだ。俺の命令には絶対服従なんだ」
「ホ、ホムンクルス? なんか僕のイメージと大きな違いがあるかも」

 どういうホムンクルスをイメージしているのか知らないが、メイは複雑な表情を浮かべる。

「ゼンジが作ったの? スキルで?」
「そうだ」

 俺は自分のスキルの説明をする。

「へー、結構便利そうなスキルじゃん。それで何とかなったんだ」
「まあ、運が良かったのもあるけどな」

 最初にマタタビスプレー作れてなかったら、今頃はチョウとタンの餌になっていたかもしれないからな。

「……こっちの寝てるのか起きてるのか分からない女の人と、あの男の人は何なの?」

 ベルフェとアガントの事を聞いてきた。
 メイはベルフェとアガントに対して、全力で人見知りを発動させており、自分で話しかけようとは一切しない。

「えーと、あの人はアガントって人で……フラメリウムってところの領主をやっている偉い人だ。今回ブラックドラゴンで協力することになったんだ」
「へー。何で協力することになったの?」

 俺は協力することになった経緯を説明する。

「結構変わった人なのかなアガントさんって」
「そうかもな。でも悪い人じゃないと思うから、話してみればどうだ」
「それは遠慮しておく」

 メイは即答した。

「そんで、こっちの女の人は?」
「こいつはベルフェっていうんだ。俺が作ったホムンクルスなんだ」
「え? ホムンクルス? 人間にしか見えないんだけど。ホムンクルスってあの変なのじゃないの?」
「特殊ホムンクルスって言って、普通のホムンクルスよりもだいぶ違うホムンクルスみたいなんだ」
「そうなんだ。そういえば、ブラックドラゴンに留めさしてたよね。結構強いんじゃないの?」
「ホムンクルスの中では間違いなくダントツで強いな。さらに強化も可能だ」
「ふーん。やっぱ、ゼンジのスキル結構良さそうだね」
「そういえばメイのスキルって、どんなのなんだ? なんか物凄いスピードで動いていたけど」
「僕のスキルはねー」

 メイは自分のスキルについて説明した。
 魔剣ね。
 出している間は身体能力が高くなるって、また単純な能力だけど、普通に強い気がする。

 話している間に、近くの町に到着した。

 ブラックドラゴンを運び込むと、大歓声で迎えられた。
 どうもブラックドラゴンの存在は、この辺の人たちに強い恐怖心を与えていたらしい。

「そういえば、僕お金貰えるのかな?」
「金?」
「うん。僕はブラックドラゴンを倒してゼンジを探す費用にしようと思ってたんだよ。もう必要なくなったけど、貰えるものは貰いたいな」
「こいつ倒したら、金が貰えてたのか?」
「うん、冒険者ギルドで依頼を受けたんだ。今回は僕だけで倒したわけじゃないし、とどめも刺してないし、貰えるのかな」
「お前が攻撃してなかったら、倒せてないしいくらかは貰えるんじゃないのか? ……まあ、俺は冒険者のシステム全く知らないから、断言はできないが……」

 メイは悩んでいたが、メーリスは冒険者について詳しいようで、全額ではないけど貰えると教えた。

 メーリスは、私語はほとんどしないけど、説明なんかは普通に喋れるようだ。普通に流暢に喋れているし、何で私語はしないんだろうか。面倒くさいからか?

 それから、ブラックドラゴンの解体が始まった。
 特殊な道具でブラックドラゴンを見事に解体していく。
 素人がやると、高い部位に傷を付けて台無しにしてしまうから、解体は職人が行わないといけないらしい。
 ところで、こいつの部位は俺に分けて貰えるのだろうか。
 一応働いたし、いくらか欲しいよな。
 もしかしたら今後生産スキルの素材に必要になってくるかもしれないし。

 ブラックドラゴンの解体を見ていると、見覚えのある球が出てきた。

 あれ大きな魔石じゃん。

 新しい特殊ホムンクルスを作る材料になるから、かなり欲しいけど貰えないだろうか。

 俺はアガントに頼んでみるか迷っていると、

「そうだ。ゼンジもブラックドラゴンで欲しい箇所があったら言ってくれ。全部は無理だがいくつかなら報酬としてあげるぞ」
「本当ですか? じゃあ、魔石を貰えると助かります」
「大きな魔石か。ホムンクルスの材料にするのか?」
「はい」
「分かった。魔石は君にやろう」

 よし。
 大きな魔石ゲットした。

「嬉しそうだね。魔石ってそんなにいい物なの?」
「ああ、ベルフェの仲間みたいな特殊ホムンクルスを作るのに使えるからな」
「強い仲間が増えるんだ」
「そうなるな」

 特殊ホムンクルスは拠点に戻ってから作ろう。

 そのあと、メイとメーリスが凄く空腹だったようなので、一緒に飯を食べた後、戦いの疲れを癒すため宿に一泊した。

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