生産スキルで国作り! 領民0の土地を押し付けられた俺、最強国家を作り上げる

未来人A

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第69話 名前

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 俺は拠点に行き、住民たちにメイとメーリスを紹介した。

「メイさんとメーリスさんですね。私はアイナと言います。よろしくお願いしますね」
「マイナはマイナっていうんだよ」

 アイナとマイナが二人に挨拶をした。

 メイは二人の顔を見て、ペコリとお辞儀をしただけで言葉は発さなかった。
 子供だろうと大人だろうと、人見知りの激しい奴なのである。
 メーリスもメーリスで、喋らないタイプなので挨拶に二人とも黙ったままであった。

「え? わ、私なにか悪いこと言いました? 嫌われましたか?」
「わ、悪い。メーリスさんはあんま喋らないタイプで、そしてメイは人見知りするタイプなんだ。誰に対してもあんな感じだから、悪く思わないでくれ」
「そ、そうですか……これから仲良くなれるよう頑張ります!」

 アイナはやる気のようだが、果たしてメイが心を開くだろうか……
 しかし、この調子でやっていけるのか少し不安である。

「じゃあ、家を作成するけど……小さい家を二つか、大きめの家に二人で住むかどっちがいい?」
「二人で住む方がいいかも」

 メイはそう言って、メーリスも頷いて同意した。
 俺は二人が住める大きめの家を生産スキルで作成した。

 家具などは作れる材料をフラメリウムで、買ってきておいたためそれも作っておいた。

「作っているとこ初めて見たけど、凄い簡単に作れるね。ゲームみたいだ」
「便利だろ?」
「うん、でもこの家に住んでいいんだね。ありがとうゼンジ」
「まあ、日本の家に比べると、全然住み心地良くないと思うけどな」
「大丈夫大丈夫、この世界に来てから結構経つし、その期間、まともな寝床もなかったこともあったから。ふかふかなベッドがあるだけで、十分すぎる」

 今まで割とサバイバルな生活を送ってきたようだな。
 俺も最初は凄く劣悪な暮らしを強いられていたのを思い出した。
 あれを思うと確かに今の生活は天国に近いかもしれない。
 住むところがかなり良くなったのもだが、最近は栄養ポーションに頼らず普通の食事が出来るようになってきたからな。
 栄養ポーションが大嫌いな俺には、良い傾向だ。
 俺以外の住民たちには、意外と栄養ポーションの人気は高く、飲みたいと思う人もいるし、遠出する時は必要なので引き続き生産はしていく。

「なるべくここの住民たちとは仲良くするんだぞ」

 これは言っておく必要があると思って、言っておいた。

「む、むう。努力はする」

 何とも信用できない返事をメイはする。

「特に最初に挨拶したアイナって子は、お前と仲良くしたがっているみたいだから、あんまり邪険にしないでやってほしい」
「あ、あー、あの人……でも、子供いるような人と、仲良く会話なんて出来るのかな……」
「いや、あのマイナって子は、アイナの子供ではなく妹だぞ。アイナは俺と同い年くらいだ」
「え!?」

 メイはびっくりして目を丸くする。

「嘘でしょ? 同い年? 僕と?」
「本当だ」
「う、嘘、同い年って……」

 メイは何やらショックを受けているようだ。
 どうも、アイナに比べて自分が色々と子供っぽいことがショックみたいである。

「……やっぱ仲良くできないかも」
「何でだ!」
「何となく」
「何となくで嫌わないでくれ……良い子なんだ。お前も……あれだ。確かに大人っぽさでは負けているかもしれないが……色々勝っているところはあるさ」
「具体的に?」
「……具体的に? 具体的……具体的に?? えーと……目が大きい……とか?」
「それは勝っていていいものなの?」
「さ、さあ? 目が大きいといいんじゃないのか? 分かんないけど……とにかくまあほかにも色々勝っているところはあるさ。だから落ち込むな」
「何だその曖昧な慰め方は!」
「メイにも勝っているところはある」

 さっきまで横で黙って話を聞いていたメーリスが突然口を開いた。

「な、何?」
「回復魔法や支援魔法が効きやすい」
「……は?」
「性格が単純だと回復魔法や支援魔法が効きやすいと言われている。メイは今までで誰よりも効きやすい。白魔導士としては一緒にいたくなる人材」
「は、はぁ……え? それ褒めてんの? 性格が単純ってつまり馬鹿ってことじゃないの?」
「褒めてる。効きやすくて損はしない」
「そ、そうなの?」

 メ、メーリスなりに褒めているのだろうか?
 てか、メイと一緒にいる理由は、魔法が効きやすいからってのが大きな理由なのか? 流石にそれだけが理由ではないだろうが。
 一応メイは褒められているいうことで、何か機嫌を直した。単純な奴である。

「とにかく今日からはそこに住んでくれ。何か欲しいものがあったら言ってくれ。作れる物なら作るから」
「うん分かった。あ、そうだ。聞いておきたかったんだけど、ここはなんて名前なの?」
「名前?」
「うん、この村の名前だよ」
「……ないけど」

 付けるという発想に今まで至っていなかったので、名前なんて付けていない。

「えー!! 名前は必要でしょ! 僕の魔剣にも名前はあるんだから!」
「いや、お前の魔剣に名前あるからって俺の領地に名前があるとも限らんけど。てか、魔剣の名前まだ教えてもらってないけど、何なんだ?」
「そ、それは今はいいでしょ!」

 魔剣の名前はいまだに知らない。
 出す時としまう時に、名前を言う必要があるようだが、帰り道は俺のいない場所で、魔剣を出してそれを出しっぱなしにして帰っており、今も出したままであるので、聞いていない。
 何なのか尋ねてみても、黙られるし、何か恥ずかしい名前でも付けたのだろうか。

「メイがどんだけ恥ずかしい名前を付けていようとも、メイだからで納得するから、別に馬鹿にはしないぞ」
「どういう意味だそれは! とにかく教える気はないからな!」

 まあ、別に一緒にいればいずれ知ることになるだろうから、急いで聞くこともないだろう。

「とにかく名前を決めたほうがいいよ」

 メイのいう事も一理はある。
 町や村に名前は必ずあるものだ。
 付けておいた方が、この場所のアピールにも繋がるし、住民たちの連帯意識の向上にもなるだろう。

「うーん、皆と話し合って決めたほうが……」
「ここはゼンジの作った場所なんだろ? ゼンジが決めればいいじゃん」
「いや、でもなぁ……ネーミングセンスなんて皆無だしなぁ」

 でもいちいち全員の仕事を止めてまで、話し合って決める必要もなさそうというか。
 俺が何パターンか考えて、それで皆がいいと言ったら、その名前にするって方がいいかもな。

「分かった考えるよ」

 俺は拠点の名前を考えることにした。

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