15 / 47
十五話目 竜王の巣へ
しおりを挟む
それから3日ほど旅をして、トルケスタンにたどり着いた。
古風な町で建物は歴史を感じさせる。
「とりあえず、この町で竜王の巣の場所を聞くかー」
俺は竜王の巣の場所の聞き込みを開始する。
ミナ、レミ、アイシャの3人は手伝ってくれた。意外と使えるじゃないかあいつら。
分かれて聞き込みをする事にした。ただ、離れると面倒なのでそこまで離れずにそれぞれ聞き込みをする。
メオンは手伝わず俺の後ろをただただ歩いている。こいつは使えない。まともに俺に協力する気がないのか。
俺は竜王の巣について町民に尋ねてみる。しかし、
「りゅ竜王の巣!? ししししししし知らねぇ!」
とめちゃくちゃビビリながら返答された。
ほかのものに聞いてもだいたい同じような反応だ。
ここまで恐れられているのか。名前を出しただけで逃げていくなんて。
中々教えてくれ人がおらず困っていると、
「ペレスさーん」
アイシャが俺を呼ぶ。
「どうした」
そういいながら、アイシャの元に向かう。
ミナとレミもアイシャの元に集まってくる。
「場所分かったわ! この町から南西方向にあるらしいわ。大まかな地図書いてもらったから、これを頼りにいきましょう」
「よくやったぞ」
「親切な人がいるものだね」
「場所が分かったならさっそく行くか」
俺がそう言って行こうとしたとき。
「ちょ、ちょっと待って。ほんとに行くの……?」
アイシャがそう言ってきた。かなり怯えているようだ。
「当然だ」
「でも、めっちゃ怖い所だって言う話もいっぱい聞いちゃって……」
「名を馳せた戦士が巣に入った30秒後に断末魔の悲鳴が聞こえてきたとか」
「せ、世界中の超強力なドラゴン達が集結している巣だって話を、私は聞いたよ」
3人はブルブルと震えながら話す。
かなりビビッているようだ。
「来たくないなら別に来なくてもいいぞ」
「「「う……」」」
そういうと、3人は集まってコソコソと話し出した。
「ど、どうするの?」
「ここで待つという手もあるぞ」
「ちょっと会わなかっただけで私たちの顔忘れるような人だよ。覚えてないよ」
「でも死ぬかもしれないのよ!?」
「ミラーシュ様の命を果たせないのは、部下として死んだも同然だ……行くしかない……」
「うう……そうだね……」
「お前さ、聞こえてるから、コソコソ話す意味がまったくないんだよなぁ」
「「「うわっ」」」
前にも似たようなパターンあっただろ。学習能力がないのかまったく。
てか、ミラーシャ様って誰だ。こいつら冒険者って言ってなかったか? まあ、何でもいいか。
「じゃ、さっそと行くぞ」
「うぅ……憂鬱だぁ」
「これが最後になるかもしれないか……ミラーシャ様のためならこの命、捧げてもおしくない」
「私は惜しいよ~」
かなり不安そうな3人。別に危なくなったら助けてやってもいいことはいいけどな。
「ふん。トカゲどもを相手にするだけじゃろーに、大袈裟じゃのう」
メオンは特にビビッていないようだ。
その後、俺達は地図を見ながら、竜王の巣へと向かった。
○
町を出て、しばらく歩く。
そして、3時間ほど歩いた所に、馬鹿でかい穴が地面に空いていた。
これが竜王の巣の入り口か。
ここまでデカイ穴なら、わざわざ場所を聞かなくても発見できたのにというくらいデカイ穴だ。
「うわー。大きい穴……」
「うん大きいねー」
「……大きいな」
あまりの大きさにそれ以外の感想が出ないようだ。
「じゃ、入るか」
俺がそう言った瞬間、「ギャオオオオオオ!」というドラゴンの雄たけびが聞こえてきた。
その雄たけびを聞いても俺は気にせず、穴に入ろうとしたが、
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ! ちょっと待ってくださるかしら!?」
アイシャがそう言った。焦りで言葉遣いがおかしくなっている。
「心の準備をするべき。うん、絶対するべきだよ」
ミナが熱心にそう言ってくるが、
「俺はとっくに出来てる」
そう言って穴に入った。俺が入ったのを見てメオンもあとに続いた。
「ま、待ってよー」「待ってくれ!」「ううー! 入るしかないのー?」
ほかの3人は情けない声を出しながらも穴に入ってきたようだ。
古風な町で建物は歴史を感じさせる。
「とりあえず、この町で竜王の巣の場所を聞くかー」
俺は竜王の巣の場所の聞き込みを開始する。
ミナ、レミ、アイシャの3人は手伝ってくれた。意外と使えるじゃないかあいつら。
分かれて聞き込みをする事にした。ただ、離れると面倒なのでそこまで離れずにそれぞれ聞き込みをする。
メオンは手伝わず俺の後ろをただただ歩いている。こいつは使えない。まともに俺に協力する気がないのか。
俺は竜王の巣について町民に尋ねてみる。しかし、
「りゅ竜王の巣!? ししししししし知らねぇ!」
とめちゃくちゃビビリながら返答された。
ほかのものに聞いてもだいたい同じような反応だ。
ここまで恐れられているのか。名前を出しただけで逃げていくなんて。
中々教えてくれ人がおらず困っていると、
「ペレスさーん」
アイシャが俺を呼ぶ。
「どうした」
そういいながら、アイシャの元に向かう。
ミナとレミもアイシャの元に集まってくる。
「場所分かったわ! この町から南西方向にあるらしいわ。大まかな地図書いてもらったから、これを頼りにいきましょう」
「よくやったぞ」
「親切な人がいるものだね」
「場所が分かったならさっそく行くか」
俺がそう言って行こうとしたとき。
「ちょ、ちょっと待って。ほんとに行くの……?」
アイシャがそう言ってきた。かなり怯えているようだ。
「当然だ」
「でも、めっちゃ怖い所だって言う話もいっぱい聞いちゃって……」
「名を馳せた戦士が巣に入った30秒後に断末魔の悲鳴が聞こえてきたとか」
「せ、世界中の超強力なドラゴン達が集結している巣だって話を、私は聞いたよ」
3人はブルブルと震えながら話す。
かなりビビッているようだ。
「来たくないなら別に来なくてもいいぞ」
「「「う……」」」
そういうと、3人は集まってコソコソと話し出した。
「ど、どうするの?」
「ここで待つという手もあるぞ」
「ちょっと会わなかっただけで私たちの顔忘れるような人だよ。覚えてないよ」
「でも死ぬかもしれないのよ!?」
「ミラーシュ様の命を果たせないのは、部下として死んだも同然だ……行くしかない……」
「うう……そうだね……」
「お前さ、聞こえてるから、コソコソ話す意味がまったくないんだよなぁ」
「「「うわっ」」」
前にも似たようなパターンあっただろ。学習能力がないのかまったく。
てか、ミラーシャ様って誰だ。こいつら冒険者って言ってなかったか? まあ、何でもいいか。
「じゃ、さっそと行くぞ」
「うぅ……憂鬱だぁ」
「これが最後になるかもしれないか……ミラーシャ様のためならこの命、捧げてもおしくない」
「私は惜しいよ~」
かなり不安そうな3人。別に危なくなったら助けてやってもいいことはいいけどな。
「ふん。トカゲどもを相手にするだけじゃろーに、大袈裟じゃのう」
メオンは特にビビッていないようだ。
その後、俺達は地図を見ながら、竜王の巣へと向かった。
○
町を出て、しばらく歩く。
そして、3時間ほど歩いた所に、馬鹿でかい穴が地面に空いていた。
これが竜王の巣の入り口か。
ここまでデカイ穴なら、わざわざ場所を聞かなくても発見できたのにというくらいデカイ穴だ。
「うわー。大きい穴……」
「うん大きいねー」
「……大きいな」
あまりの大きさにそれ以外の感想が出ないようだ。
「じゃ、入るか」
俺がそう言った瞬間、「ギャオオオオオオ!」というドラゴンの雄たけびが聞こえてきた。
その雄たけびを聞いても俺は気にせず、穴に入ろうとしたが、
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ! ちょっと待ってくださるかしら!?」
アイシャがそう言った。焦りで言葉遣いがおかしくなっている。
「心の準備をするべき。うん、絶対するべきだよ」
ミナが熱心にそう言ってくるが、
「俺はとっくに出来てる」
そう言って穴に入った。俺が入ったのを見てメオンもあとに続いた。
「ま、待ってよー」「待ってくれ!」「ううー! 入るしかないのー?」
ほかの3人は情けない声を出しながらも穴に入ってきたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる