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第23話 ハイレイス
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レイスは配下には出来なかったが、レベルは上昇した。
倒せたのはいいが……何故配下に出来なかったんだ? 条件を満たしてない? 条件って何だ?
「消えた……?」
「私たちみたいに、正気に戻ってアンタの配下になるんじゃなかったの?」
ミラとシミアが不思議そうな表情を浮かべる。
「条件を満たしてないから、配下に出来なかったようだ」
「条件? って何?」
シミアが尋ねてきた。
俺は「分からない」、と首を横に振る。
「条件……推測になりますが、シンジ様は現在ゴーストで、相手はレイス、相手の方が一歩進化した存在だったので、配下にはならなかったのではないでしょうか?」
「なるほど……レイスはレイスに進化していないと配下に出来ない……あり得そうな話だな」
はっきりとその条件とやらを声は教えてくれなかったので、確実にそうだと断言はできないが、その可能性は高そうだ。
「でもレイスは強いって話だったが、割と簡単に倒せたな」
「そうですね……戦ってて思ったのですが、ゴーストになったことで、単純な戦闘力は大きく上昇した感覚があります。動きもずっと早いですし、力も強いです。何より剣を振っても全く疲れないので、常に全力の力を出して戦うことができています」
「俺もそうだ。恐らくクロとネズオもそうなんだろうな」
クロとネズオを見てみると、軽く頷いた。
ゴーストになると戦闘力が上がるのは明白だな。攻撃できる相手がレイスだけではあるが。
「私も魔法使ったけど、魔力を消費した感覚は全くなかったは。これならいくらでも使えるわね……」
「さっきの奴には効かなかったから、意味なかったけどな」
「ぐ……つ、次、魔法しか効かないレイスが来た時は、この私のありがたみを思い知ることになるわ! 見てなさいよ!」
シミアは怒りながらそう言った。
物理攻撃が効かないレイスが現れるかは分からないが、そうなった場合シミア以外に魔法を使えるものはいないので、彼女の言葉は正しい。
「そうだな。その時は頼りにしてるよ」
「ふ、ふん」
不機嫌そうにシミアは口元を尖らせた。
とにかくレイス相手なら、勝てる可能性が高いと分かった。
すぐにレベル4に上がったし。恐らくゴーストを配下にするよりも、レイスを倒した方が手に入る経験値的なものが多いんだろう。
レイスを探して倒した方がいい。
そう判断して、俺たちは城の中を捜索した。
城の中にはアンデッド系の魔物がウヨウヨいた。
骨で動いているスケルトンや、動いている死体のゾンビなどが闊歩していた。
ちなみにゴーストの俺たちを認知することは出来ないようだった。
スケルトンやゾンビは俺たちが進化していったらこうなるんだろうか?
そう思っていシミアに尋ねてみたが、スケルトンやゾンビはレイスより遥に格下の魔物らしいので、違うようだ。
多分だけど、ゴーストは魂だけの存在で、ゾンビは肉体スケルトンは骨だけが魔物になった、という感じなのだろう。
レイスを捜索するが、そこまで頻繁にいるわけではないので、見つからない。
「冒険者からしちゃ、レイスが頻繁に出てもらったら困るわね」
シミアはそう言った。俺たちは割とあっさり倒せたが、レイスは生きた冒険者にとっては、結構怖い存在らしい。
しばらく歩くと、金髪のメイド服を来た女を見つけた。
ゾンビではない。ゾンビは肉体が腐っているが、この女は生きている時と変わらない姿だ。
となると、ゴーストかレイス。
そう思って足元を確認すると、黒い靄があるのを確認した。
……レイスだ。
俺たちは身構え、臨戦態勢をとる。
さっきの男は斧を持っていたが、この女はメイドで武器のような物は持っていない。こっちの方が楽そうだ。
「アイスエッジ!!」
さっきの鬱憤を晴らすかのように、シミアが先陣を切った。
氷の刃がレイスに向かって飛んでいく。
レイスは避ける素振りを見せず、直撃……と思ったが、いつの間にかレイスがいなくなっていた。
瞬きはしていない。というかゴーストになってからしてない気がする。見逃したということはないはずだ。
どういうことか理解できず、混乱していると、後ろから強烈な殺気を察知した。
焦りながら後ろを向く。
そこには、先ほどのレイスの姿が。
レイスは俺に向かって殴りかかってきていた。
腕でガードする。
「シンジ様!!」
ミラがその後、レイスに斬りかかったが、再びレイスは消えた。
確認すると、先ほどいた場所に戻っている。
しゅ、瞬間移動!?
そんなスキルが……武器は持っていないが、これは厄介……
「ま、まずいわ……」
そう思っていると、横にいたシミアが、レイスを見ながら呟いた。
焦っているような表情を浮かべている。
「ど、どうした」
俺が尋ねると、シミアは少し声を震わせながら答えた。
「……あ、あれはレイスじゃない。ハイレイスよ」
倒せたのはいいが……何故配下に出来なかったんだ? 条件を満たしてない? 条件って何だ?
「消えた……?」
「私たちみたいに、正気に戻ってアンタの配下になるんじゃなかったの?」
ミラとシミアが不思議そうな表情を浮かべる。
「条件を満たしてないから、配下に出来なかったようだ」
「条件? って何?」
シミアが尋ねてきた。
俺は「分からない」、と首を横に振る。
「条件……推測になりますが、シンジ様は現在ゴーストで、相手はレイス、相手の方が一歩進化した存在だったので、配下にはならなかったのではないでしょうか?」
「なるほど……レイスはレイスに進化していないと配下に出来ない……あり得そうな話だな」
はっきりとその条件とやらを声は教えてくれなかったので、確実にそうだと断言はできないが、その可能性は高そうだ。
「でもレイスは強いって話だったが、割と簡単に倒せたな」
「そうですね……戦ってて思ったのですが、ゴーストになったことで、単純な戦闘力は大きく上昇した感覚があります。動きもずっと早いですし、力も強いです。何より剣を振っても全く疲れないので、常に全力の力を出して戦うことができています」
「俺もそうだ。恐らくクロとネズオもそうなんだろうな」
クロとネズオを見てみると、軽く頷いた。
ゴーストになると戦闘力が上がるのは明白だな。攻撃できる相手がレイスだけではあるが。
「私も魔法使ったけど、魔力を消費した感覚は全くなかったは。これならいくらでも使えるわね……」
「さっきの奴には効かなかったから、意味なかったけどな」
「ぐ……つ、次、魔法しか効かないレイスが来た時は、この私のありがたみを思い知ることになるわ! 見てなさいよ!」
シミアは怒りながらそう言った。
物理攻撃が効かないレイスが現れるかは分からないが、そうなった場合シミア以外に魔法を使えるものはいないので、彼女の言葉は正しい。
「そうだな。その時は頼りにしてるよ」
「ふ、ふん」
不機嫌そうにシミアは口元を尖らせた。
とにかくレイス相手なら、勝てる可能性が高いと分かった。
すぐにレベル4に上がったし。恐らくゴーストを配下にするよりも、レイスを倒した方が手に入る経験値的なものが多いんだろう。
レイスを探して倒した方がいい。
そう判断して、俺たちは城の中を捜索した。
城の中にはアンデッド系の魔物がウヨウヨいた。
骨で動いているスケルトンや、動いている死体のゾンビなどが闊歩していた。
ちなみにゴーストの俺たちを認知することは出来ないようだった。
スケルトンやゾンビは俺たちが進化していったらこうなるんだろうか?
そう思っていシミアに尋ねてみたが、スケルトンやゾンビはレイスより遥に格下の魔物らしいので、違うようだ。
多分だけど、ゴーストは魂だけの存在で、ゾンビは肉体スケルトンは骨だけが魔物になった、という感じなのだろう。
レイスを捜索するが、そこまで頻繁にいるわけではないので、見つからない。
「冒険者からしちゃ、レイスが頻繁に出てもらったら困るわね」
シミアはそう言った。俺たちは割とあっさり倒せたが、レイスは生きた冒険者にとっては、結構怖い存在らしい。
しばらく歩くと、金髪のメイド服を来た女を見つけた。
ゾンビではない。ゾンビは肉体が腐っているが、この女は生きている時と変わらない姿だ。
となると、ゴーストかレイス。
そう思って足元を確認すると、黒い靄があるのを確認した。
……レイスだ。
俺たちは身構え、臨戦態勢をとる。
さっきの男は斧を持っていたが、この女はメイドで武器のような物は持っていない。こっちの方が楽そうだ。
「アイスエッジ!!」
さっきの鬱憤を晴らすかのように、シミアが先陣を切った。
氷の刃がレイスに向かって飛んでいく。
レイスは避ける素振りを見せず、直撃……と思ったが、いつの間にかレイスがいなくなっていた。
瞬きはしていない。というかゴーストになってからしてない気がする。見逃したということはないはずだ。
どういうことか理解できず、混乱していると、後ろから強烈な殺気を察知した。
焦りながら後ろを向く。
そこには、先ほどのレイスの姿が。
レイスは俺に向かって殴りかかってきていた。
腕でガードする。
「シンジ様!!」
ミラがその後、レイスに斬りかかったが、再びレイスは消えた。
確認すると、先ほどいた場所に戻っている。
しゅ、瞬間移動!?
そんなスキルが……武器は持っていないが、これは厄介……
「ま、まずいわ……」
そう思っていると、横にいたシミアが、レイスを見ながら呟いた。
焦っているような表情を浮かべている。
「ど、どうした」
俺が尋ねると、シミアは少し声を震わせながら答えた。
「……あ、あれはレイスじゃない。ハイレイスよ」
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