転移先は勇者と呼ばれた男のもとだった。

桜花龍炎舞

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第一章【愛情の形】

6話 【外伝】②

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ティアナが帰ってから数日、ティアナが帰ってきた。

「おう、ティアナ。ん?どうした?」

 ティアナの浮かない顔に怪訝する。

「人族と魔人族の戦争が始まった。」

「なっ!?」

「私はいかねばならない。」

「行くって何処へだ?」

「戦争に決まっているだろう。」

「なんで?お前に関係は‥」と言いそうになるのをラルフは止める。

「そう言う事か。」

 何かに気付く。

「その反応。気づいていたのか?」

「まあな。普通の魔人族にしちゃ教養がありすぎるし、一般常識があれだけ波状してりゃな。」

 苦笑すると、ティアナは頬を赤る。

「な!?そ、それはどう言う意味だ!?」

「がっはっはっ。ティアナのそう言う所が大好きだぜ。」

「な!?ななな何を言ってるんだ貴様は!今はそんな時では‥ん」

 話そうとするティアナにラルフがそっと口付けをし、ゆっくりと離す。

「行ってこいよ姫様。」

「ラルフ。‥すまない。」

俯き涙を流し始めるティアナの頭に手をのせる。

「そんな顔すんじゃねぇよ。俺は大丈夫だ。」

 それから数日後。

 戦争が始まった。

 ラルフは人族に対して最早興味をなくしていたが、この魔人領地にいれば、ティアナに迷惑がかかると考え、出る事を決意。

「あれから時間はたってるが俺は一応指名手配中だからな。何処へ行くべきか。」

 考えて、答えをだす。

「とりあえず片田舎ぐらいならそんな知れ渡ってねぇかな?一度そこらで人の様子でもみるか。」

 しかし、そこで見たものは至る所で火が上がり、無惨に人々が魔人族に殺されている光景だった。

 薄れていた筈の人族の関心なしに、魔人族に襲われている母と子の間に入った。

「辞めろ!こんな一方的な殺戮は馬鹿げている!!」

「グキャキャキャキャキャ!なんだお前は?」

 下卑た表情にラルフは怪訝する。

「狂ってやがる。いいかよく聞け。今すぐここから出てけ。」

「はぁ?出てけだ?馬鹿かテメェ。戦争だぞ。戦争は生きるか死ぬかだよ馬鹿野郎!」

 魔人族はナイフ片手に襲ってきた。

 だがそれをいとも簡単に交わし、剣の腹で叩き伏せる。

「ぐぁ!」

「3度目はない。早く失せろ。」

 剣先を魔人族に突きつけ、威圧を放つラルフに魔人族は気押される。

「わ、悪い!て、手を引く。てを引くから」と武器をおろし両手をあげる。

「早くいけ。」

 そう言って逃がそうとした瞬間、魔人族は足に隠していたナイフを母と子の元へ投げつけた。

 ザシュ!!

「きやぁぁぁ!!」

 母のほうの悲鳴が響き渡る。

 子は頭にナイフが突き刺さっていた。

「嫌!いやいやいやいや!アリス!アリス!!」

 ラルフは呆然と立ち尽くす。

「ぎゃはははは!!!もう一丁オマケだ!」

 再びナイフが投げつけられ、母の胸に突き刺さった。

「戦争中に逃してくれようとするなんて馬鹿だろお前!バーカ!」

 放心するラルフに切り掛かろうと魔人族はしたが、気づけは胴体が切り離されていた。

「な!?なな!」

 ザシュ!!

 残った胴体をさらに縦に切断。

 フラフラと自分が助けようとした人族の元へと歩み寄ると、母の方の目がギロリと目線が合い、袖を掴まれた。

「どうして!どうして逃したりなんてしたの!?どうして!どうして娘を助けてくれなかったのよ!どう‥し‥て」

 そう言って母の方も生き絶えた。

「うわぁぁぁぁ!!!!」

 ラルフは立ち上がり剣を握る。

 この時の意識はほぼ無く、ただ目の前の魔人族を狩っていた。

 こうして人族と魔人族との戦争は激化し、ラルフもその戦線に参戦していく事となる。

 それから2年の月日が経とうとしていた頃。

 指名手配だったラルフはその戦果の元、人々から勇者と崇められ、戦争は人族が優位となり風向きが変わっていた。

 そして魔王軍にも事件がおきる。

 魔王の死だ。

 魔王は戦争半ば頃から体調を崩し、ついに病により亡くなったのだ。

 そして王位継承権をもつ魔王王女。つまりティアナが王位につく事となり戦を指示する役割となった。

 そして最終決戦。

 魔王城にて魔王と相対するラルフとティアナ。

 かつて恋仲であったが、

 魔人族の王である故に、人族の勇者であるが故に。

 しかし、ラルフはティアナに剣を向ける事はなかった。

 いや、できなかったと言うべきだ。

 「くそ!やっぱ、できねぇーよ。」

 膝を落とし涙を流すラルフ。

 「バカ」

 魔王ティアナもまた勇者ラルフを殺す事ができなかった。

 故に彼女は自ら命を断つ魔術を自分にかけたのだ。

「おい!なんで光ってる?‥まさか!おい!!辞めてくれ!!」

「私は其方と会えて幸せだった。其方の温もりは今も心に。」

「そんなこというな!そうだ逃ればいい!前みたいに辺境の地で誰にも見つからないような場所へ!俺とお前なら!‥ッッ」

ティアナは両手で優しくラルフの頬に触れる。

「お前は勇者だ、。‥生きないと。人族としてこの悲しみの連鎖を打ち消す架け橋となれ。」

 ティアナは光に包まれその場所から姿を消し、戦争は人族に旗が上がった。

 その後、ラルフは人族と魔人族の和解させるべく、魔人城をのっとり人族を、招き入れ一度魔王の座についた。

 持ち前の人の良さで魔人族の家臣も徐々に増やし、そして3年後。

 ついに人族と魔人族の仲介役をし、平和協定条約を結びつけた。

 それと同時にラルフは王位を退位し、忠実な魔人族の家臣に王位を継承し姿を消すのであった。

 それから数年後。

「なんでこんな所にガキがいんだ?」





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