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雪乃都鳥

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不可思議なこと

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 6時になろうとしていてもまだ明るいくるいには、日の沈みも遅くなっていた。昇降口の階段に座り、しばらくボケた頭を冷やす。小鳥が俺の足元を跳ねた。

 俺は女の子と仲良くできたことがない。控えめに言って苦手だ。どうして苦手なものと関わらなければいけないんだ、どうして俺はこのような状況に陥ったのだろう。
 なんて、考えすぎだろうか。そうだといいな。
 空のペットボトルを夕陽に照らせば、オレンジ色に透ける。いつでも空はのどかだ。
 指でスマホをいじっているが、渚からのラインは来ない。アルバイト中だろうか。そのようなことを考えていれば、常日頃の俺なら渚で頭がいっぱいになるのに。こんなに怯えているのは、何だろうか。
 背中を軽く叩かれ、振り向けば男友達。朝方に挨拶するくらいの仲だ。
「な、侑希ゆうき?」
「隣いい? 」
「いや、いいけど」
 自然と背中を伸ばしていた。挨拶くらいしたことがない友達。
「で、なんでそんな湿気た顔してんの?」
 侑希はなぜか、しなったぬれ煎餅を齧ってそんな質問をした。
「べ、別にしけてなんかないし」
「へーそ」
 どうやら聞いただけのようだった。気まぐれな奴だ。ただ、少しだけ気持ちが休まった。
「なんか渋いやつ食べてんね」
「あーこれ、じいちゃんばあちゃんにもらったから。案外美味いぞ、食べる? 」
 俺はその煎餅を受け取った。食べていると、自然に口が動いていた。
「女の子にさ、話しかけられたんだよ」
「おー、お前でも話しかけられんだ」
「・・・でさ、仲良くなろうって言われて」
「ほー、その子紹介して」
 ふざけるな、と睨んだがなぜか笑った。
「まー、確かに面倒くさそうな感じだな」
「だいたい女の子自体苦手なんだって」
「言ってても仕方ないだろ、とりあえずその煎餅食え」

 隣で笑いながらの煎餅はすごく美味しかった。
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