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雪乃都鳥

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大好きな人

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 その後、俺は渚に手を握られて店を出ていった。会計をする時も、俺はただぎゅっと渚の腕にしがみついていた。立花さんは追いかけてこなかった。
「もう、夕暮だな」
 そう話題を振る渚に、うんと頷く。黙って、未だに握る手には力がこもっている。
「まぁ、あれだ。気にするな」
「・・・だって、だって、だってさ」
 渚は仕方ないという笑顔で頭を撫でて、俺を付近の親水公園に連れていった。
 遠くで大きな犬が投げられたボールをキャッチしては投げた人に届けているのを繰り替えしている。
 足元に、鳩が一羽。靴を飛び越えた。
「懐っこい鳩だなぁ」
 その言葉に、鳩をよく見てみると、くりくりしてつぶらな瞳がとても可愛らしく見えた。けれど、何も言うことが出来なかった。
 渚はのどかな公園のどこかも眺めて、目を細めたりしていた。のんきな人だと、付き合いたての俺なら思っただろう。だけど、今の俺は知っている。
「俺はよかったよ。陽乃と出会えて。始めは一目惚れだけど。一緒にいる内にお前の性格とか、考え方とか、生き様だったり。そんなお前を愛していった。俺は、ありのままのお前が好きだからさ。服もそうだよ、髪型もそうだし」
 だから、気にすんなよ。渚は言葉にはせずとも、その手で俺の頭を撫でた。涙を堪えることができずに、俺は嗚咽を漏らした。「泣いていいから、ほら」渚の胸の中にしばらくこもった。

 あぁ、俺は。この人がいないと生きていけないや。
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