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12月
西日の男の子
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彼の部屋の片隅には、ダンボールだけがある。他には何も無い。
空っぽになったその部屋には、少年だけが西日を受け、座っていた。
離婚届には既に朱肉を押された。あとは少年だけが部屋から出れば良い。
少年はおもむろに立ち上がり、部屋のドアを開けた。
少年はサンダルを地面にすらせながら、歩道橋の階段を上がり、通りの途中で立ち止まる。
大きな川が流れている。セミが鳴いている。ジリジリと心身にだるさを伴わせる蝉だ。
道橋の上でその華奢なその背中に、夕日が架かる。
一匹のアキアカネがその指に止まった。
「さようなら」
少年は言い含んだ言葉を残して、歩道橋を降りていった。
空っぽになったその部屋には、少年だけが西日を受け、座っていた。
離婚届には既に朱肉を押された。あとは少年だけが部屋から出れば良い。
少年はおもむろに立ち上がり、部屋のドアを開けた。
少年はサンダルを地面にすらせながら、歩道橋の階段を上がり、通りの途中で立ち止まる。
大きな川が流れている。セミが鳴いている。ジリジリと心身にだるさを伴わせる蝉だ。
道橋の上でその華奢なその背中に、夕日が架かる。
一匹のアキアカネがその指に止まった。
「さようなら」
少年は言い含んだ言葉を残して、歩道橋を降りていった。
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