僕は冒険者になりたい! 〜ハズレ枠のS級スキル持ちの僕はパーティー追放されたけど、可愛い女の子とイチャラブしながら冒険者を目指します〜

猫民のんたん

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第5話 僕は研究者じゃない!?

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 街の中でウロウロしていても仕方がないので、僕は街を出て海辺を歩いていた。アカデミーのある街コーフスは、海に隣接した街だ。この海辺は街のはずれにある。

 ギルドで言われたモンスター討伐証を発行してもらうため、僕はここに来ていた。モンスターを狩って、その一部を回収するんだ。最初のうちはお金にならないけれど、経験値くらいにはなってくれるはず。こんなことをしていても、ナクトル達との差は開く一方だろう。でも、僕は地道にやって行くしかない。

 磯の香りと潮風を感じながら、僕はリュックサックを背負って海辺をのんびり歩く。すると、早速モンスターが現れた。

 あれは『鎧兜蟹アーマークラブ』だ。モンスター図鑑で見たことがある。猛毒なので、食べちゃいけない蟹だ。でも、毒攻撃を仕掛けてくる訳では無い。やたら硬いだけで、それ程危険はないらしい。

 僕は離れたところから、初級魔法を唱える。

「プチファイア!

 手のひらから、丸い炎が飛び出して一直線に鎧兜蟹アーマークラブへ向かっていく。バンっと激しい音を立てて、鎧兜蟹アーマークラブの腹に着弾。鎧兜蟹アーマークラブは、そのままポスっと倒れた。僕は砂浜を走り、腰から素早く剣を抜く。倒れた鎧兜蟹アーマークラブに跨ると、その腹へ剣を突き立てた。しかし、硬くて中々刺さらない。

 僕は剣を振り上げては突き立てるという動作を繰り返した。三度目で、ようやく殻を突き破って剣が刺さる。鎧兜蟹アーマークラブは殻の隙間から泡を出して、そのまま動かなくなった。

 思ったより苦戦はしなかったな。さて、部位を回収しよう。蟹だし、ハサミでも持っていけば分かりやすいかな。

 僕が鎧兜蟹アーマークラブの部位回収をしていると、スキルが反応して僕にアイテム名を示してきた。



鎧兜蟹アーマークラブの血】

効能:あらゆる毒を包み込み無効化する。

副作用:高熱が出る。

レアリティ:★


 意外だ。この蟹の血液には解毒作用があるらしい。しかし、副作用がヤバそうだ。鎧兜蟹アーマークラブは猛毒なので食べられないと言うけれど、もしかしたら、この血液が原因なのではないだろうか。この情報は、モンスター図鑑にも載っていなかったぞ。

 僕は、採取用の細い瓶をリュクサックから取り出した。鎧兜蟹アーマークラブの血液には触れないよう、慎重に瓶へ血液を注いでいく。コルク栓を閉めて、紙で栓の部分を包み込んだ。割れないように専用のケースへしまうと、それをリュックに詰める。これでよし。

 幸先よく、一匹目を仕留めることが出来た。この調子で、モンスターを倒していこう。でも、出来るだけ色んな種類のモンスターを討伐しておきたいな。次は、森へ行ってみようかな。


 僕は海辺を離れて、街はずれの森へ向かった。森の中を散策していると、ここでもモンスターに遭遇した。

 こいつは『バーサク・モスキート』だ。刺された人間がしばらく怒り狂って暴れることから、そんな名前が付けられたらしい。絶対に刺されたくない蚊だ。しかも、こいつは握り拳くらいの大きさがある。そんな蚊に刺されたら、絶対痛いよね。

 僕は、初級魔法の『バブルシャワー』を唱えた。手のひらから飛び出した泡が、バーサク・モスキートを包み込む。怯んでふわふわ浮いているところを、剣でバッサリ切り伏せた。こいつも、思ったより手応えがなかったな。

 さて、この蚊はどこを持ち帰ったら証拠として使えるだろうか。羽でいいかな?

 すると、ここでもまた【薬識】が反応した。このモンスターも、何かしらの素材になるんだろうか。


【バーサクエキス】

効能:バーサク・モスキートの唾液。鎮痛作用があり、しばらく痛みを感じなくなる。揮発性があり、吸入しても効果が出る。

副作用:異常興奮。幻覚作用。

レアリティ:★


 うわ、これもヤバそう。あ、もしかして刺された時に、この唾液を注入されるから怒り狂ってしまうのか。鎮痛作用があるから、刺されても痛くないみたいだけど……いや、それでも刺されたくはないけどね。

 これも一応、研究用に採取しておこうかな。揮発性があるらしいから、勝手に蒸発してなくならないよう注意しなきゃ。とりあえず、キャップ付きの瓶なら大丈夫かな。

 僕は金属キャップのついた小型の瓶をリュクサックから取り出した。唾液に触れないように注意しながら回収する。回収する際には、襟元をたくしあげて自身の口に被せた。蒸発した唾液を吸ったら危ないからね。これでよし。

 うんうん。いい調子で採取が進んでいるぞ。【薬識】のおかげで、毒も回避出来てるし。モンスター討伐にはあんまり役立ってる気がしないけど、こういう生物由来の素材を集める時は便利だな。アイテム採集にすごく向いてる気がするぞ。


 そう考えて、僕は地面に膝をついて項垂れた。


 違うんだ……。
 僕がなりたいのはこういうのじゃなくて、冒険者なんだってば……。
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