僕は冒険者になりたい! 〜ハズレ枠のS級スキル持ちの僕はパーティー追放されたけど、可愛い女の子とイチャラブしながら冒険者を目指します〜

猫民のんたん

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第4話 僕は冒険者じゃない!?

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 ギルドの職業適正相談コーナーで、僕は順番待ちをしていた。職業適正相談コーナーは、ギルドに併設されている職業安定所にある。ギルド職員が兼務している組織だ。なので、体裁上は別組織だけれど、巷ではギルドの一部と認識されている。

 待っている間、僕はギルドに出入りする人々を眺めていた。見た感じ鍛冶師のようなおじさんがクエストに出かけて行ったり、裁縫師を名乗るおばさんがモンスターを狩るのがどうこうという話をしていたり。こうしてみると、本当に色んな人が色んな形で仕事をしているんだなと思う。もしかしたら僕にも、人々の生活に役立つような仕事があるんじゃないか。そんな気がしてくる。

「514番のハルガード様~」
「あ、はーい!」

 僕の名前が呼ばれたので、返事をした。僕は相談コーナーの職員に会釈をすると、正面の席に座る。目の前で僕に優しく微笑みかけてくれているのは、茶色髪を肩まで垂らしたお姉さんだった。

「初めまして。私がハルガードさんの担当をさせていただきます、ティファと申します。よろしくお願いします」

「あ、こちらこそ」

 まるで僕らはお見合いのように、ぺこりと頭を下げた。

「それでは、初めにご提出いただいた書類を確認させていただきますね。年齢は二十歳、学歴は今年アカデミー卒業、固有スキルは【薬識】……【S級スキル】じゃないですか!」

「そうなんです。でも、僕は冒険者を目指してきたんです。なのに、開示された固有スキルが【薬識】だったので……こんな僕でも、冒険者としてやっていけるんでしょうか」

「そうですね……少々お待ちください」

 そう言って、ティファさんは分厚いファイルを取り出すとパラパラとめくり出した。茶色い瞳が文字を追って左右に動く。

「【薬識】自体が珍しい固有スキルですので、記録はあまりないのですが……冒険者をやっていた方の記録はございません」

「あー、やっぱりそうですか。そうですよね……」

 案の定というか、当然な気がする。

「過去に、アイテム製造業者の方はいらっしゃったようです。やはり、お仕事としては薬品製造に携わる形が向いているようですね」

「ですよね。僕もそう思います」

「生産職ではご不満でしょうか?」

「いえ、そういう訳では無いんですが……」

 僕は、やっぱり冒険者をやりたい。そう思ってはいるんだけれど、言葉に詰まってしまった。一応、アカデミーを卒業した者として多少の剣術と魔法は扱える。それが武器になればいいのだけれど。

「一応、初級の魔法と多少の剣術は習得してきました。なので、近場のモンスターくらいなら狩れると思うんです。なにか、僕に出来そうなクエストはあるんでしょうか?」

「そうですね。あることはありますけれど、こう、雑用系と言いますか……素材収集のクエストが殆どになりますね。やはり戦闘向きの固有スキルでないので、モンスター討伐のようなクエストはご依頼する事が出来ません」

「そうですか……」

 ティファさんの説明を受けて、僕は落胆した。やっぱり、そうですよね。冒険者をやろうにも、クエストが受けられないんじゃどうしようもない。

「あの……あまりオススメはしませんが、全く方法が無いわけではありません」

 僕の落胆ぶりを見かねたティファさんが、少し声を小さくしてゆっくりと話し始めた。

「報酬は出ないのですが、何かしらの形で実績を証明することが出来れば、クエストを受けられるようになる事があります」

「と、言いますと?」

 ティファさんの希望ある提案に、僕は顔をガバッとあげて飛びついた。

「例えば、モンスターを討伐した証として体の一部をお持ちいただく等ですね。モンスター討伐記録証を発行させていただきますので、以降はそれをお持ちいただければ、該当するモンスター討伐の依頼を受けられるようになります」

「じゃあ、魔王討伐は……?」

 ティファさんの目が点になる。いや、そうなりますよね。僕、何言っちゃてるんでしょう。

「理屈上は、魔王の首を持ち帰るなどして頂ければ記録証を発行できると思います。しかし、前例がありません」

 でしょうね。うん、分かってます。

「そうすると、まずは自力で何かしら倒してこないとって事ですね。分かりました。ありがとうございます」

「いえ、どういたしまして。ついでに、ご依頼可能なクエストを受注されていきますか? このままご案内できますが」

「いえ、今は大丈夫です。ありがとうございました。また来ます」

 僕はそう言って、席を離れた。


 やっぱり、冒険者の前例が無いんだ。こればっかりは仕方がない。僕自身でどうにか頑張ってみるしかないようだ……。
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