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第七章 かけがえのないもの
67話 悲愴の人形劇
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宿場町の建物群から離れると、襲撃の件があったためだろう――街道に行き来する者の姿はなく、奇妙なほどの静けさに包まれていた。
「……お前が心配しているような刺客は、意外と来ないな」
奇妙な静寂の中、思い出したようにぽつりと僕は言った。パウルは口をへの字に曲げて小さく息をついた。
「やめろよ、そういうこと言うと途端に来るんだぞ。だが、まあ確かに意外だ。少人数で探しているとしたらさっきみたいな宿場は恰好の情報収集の場だろう、聞き込みがされてるのが自然だとすら思うが、どうやら俺を探しているような者はいなかった」
「もしかしてトレンティアはそこまで必死にお前の首を狙ってるわけでもないんじゃないか?」
そんなあまりに楽観的な意見は、ほとんど冗談だった。
「俺が自意識過剰だって言いたいのか? だったらいいがな。しかしお前だってトレンティア王家のお家騒動は見ただろ。現状王位を継げるような男は生まれたばかりの赤ん坊だけだ。ギルバートのジジイだって歳だ、あの赤ん坊が成長する前に、俺がその気になれば今から王位奪還の争いを巻き起こすことだって不可能じゃない。そんな危険分子をあのジジイが生かしておくはずが……」
パウルは苦そうな声で言う。僕はトレンティアで見聞きしたその騒動を思い出した。
確か年齢が二十を超えていたという王子は、王家の儀式に失敗して死んだという話だ。王位を継ぐための儀式でその継承者を失うなんて滑稽な話だな、などと胸の内で悪態をついてやった。
トレンティア軍が何を考えて、今はどこで何をしているのか……当然分かりようもないが、ともかく刺客が来ないなら来ないで好都合なだけだ、今は目の前のことに集中しよう。
そう無駄話をしているうちに、速めに動かしていた足はすぐに目的地へと近付いていた。その道中にもやはり他の人影や気配はない。やがて前にも見た村の廃墟が視界に入ってくる。
打ち捨てられた家屋や武具の残骸が散乱している様子に変わりはない。広場にある焚き火の炭から細く煙が上がっているようだった。まだこの村にいるらしい……。
そう安堵を覚えたのも一瞬で、その状況の変化にはすぐに気が付いた。壊れかけた家屋の中に入ることもせず、気だるそうな様子でその周辺に座り込んでいる人影が多い。
彼らの目が、そこに訪れた僕達の方をぎょろりと向く、それは以前に見た子ども達のものではなかった。
ゆらりと立ち上がる細い体、その腕に握られている武器を見て僕はごくりと唾を飲み込んだ。遠目からの様子でも分かってしまう、そこにいるのは確かに魔道人形だった。
まさか既に遅かったのか……そんな考えはすぐに頭を巡り、重たい胸騒ぎが燻る。
「焚き火の跡がある。人間もいる」
パウルは低い声で言った。そこにいる人形たちは僕達の存在を捉えてもなお、すぐに襲いかかってくる様子はない。まるで指示を待っているかのようなその素振りからも、近くに人間がいるだろうことが察せられた。
当然武器を抜いた状態で警戒を高めながら僕達は彼らの元へにじり寄った。そしてやがて壊れかけた家屋の中からぬっとそれは現れる。
「誰だ? 合流予定の場所はここじゃねえぞ」
そうだるそうにぼやきながらため息をつく男が一人。その顔を見て、僕もパウルもすうと戦意を研ぎ澄ませていく。……こうも簡単に会えるとは拍子抜けだ、そんな思いさえ浮かんだ……その顔は見覚えのあるものだった。
「なんだ、ここにいるとは……探す手間が省けたぜ。久しぶりだな、ガロン」
パウルが重たくその名前を呼ぶ。ガロンは怪訝な表情で僕達を睨んで一瞬固まったが、やがて僕達の顔を思い出したのだろう、苦い表情になって舌打ちをした。
「誰かと思えば、パーティルで会った人形使いの旦那か。同志との出会いに感謝を……と言うべきところかねえ?」
その態度を見るだけで僕の腹が熱く煮えていく。逸る気持ちに押されるように、パウルが返事をするより先に僕が口を開いた。
「……ここに村の生き残りの子どもがいたはずだ。どこへ行った」
僕は短く問う。家の中までは分からないが、今見た限りでアザル達の姿は無い。ガロンは不思議そうに首を傾げて僕を見た。
「ん? もしかしてお前らもここのガキどもを狙ってたのか? 残念ながら早いもの勝ちだ、あいつらは俺がもらった」
「魔道人形にするためにか?」
声に滲む怒りは精一杯に抑えたつもりだった。ガロンは呆れたように笑いさえ浮かべる。
「なんだその目は? お前らだって人形使いなら分かるだろ、若い体じゃないと成功しないんだよ。ああも都合よく子どもだけ残ってくれてるなんてありがたいばかりじゃないか?」
当然のように悪びれる態度一つ見せない。その言葉で確信した……どうやら彼が他でもなく魔道人形の“生産”に関わっていることに間違いはないらしい。
パウルが後ろから、押さえるように僕の肩を掴んだ。
「どうせ盗賊だ、まともな話は通じんさ。なあガロンさんよ、俺達はただ知りたいだけなんだ。お前さん、どうやって人形を生産してるんだ? お前がまさか魔術を使うようには見えないが……」
そしてガロンに投げた言葉は軽かった。ガロンはまた笑う。
「……ああ、そうか、お前らは生産する技術までは持ってないってことか? 連れてる人形はパーティルでもいた奴だな、そいつ一体だけか。まあ俺の部下になるってんなら融通してやっても構わんが」
「お前の部下にって……、何やるんだよ、盗賊行為か?」
「人聞きの悪い言い方だが、そうだな。当然パーティルの時みたいに雇われれば戦争にだって加わる。そうだ、お前らレジスタンスにコネがあるんなら紹介してくれよ。盗賊稼業はいかんせん安定収入というわけにはいかないもんでな……」
二人は平然として言葉を交わしていた。こうなれば交渉はパウルに任せたほうがいいだろう、そう判断して僕は、今にも爆ぜそうな怒りの感情をぐっと飲み込んだ。せめて武器を握る手には集中を巡らせる。
パウルは細くため息をついた。
「なあガロン、お前は魔道人形が一体何なのか理解して使ってるのか? そいつはトレンティアでは禁術とされる魔術で作られているものだ。トレンティアの軍人の中じゃズミで魔道人形が見つかった、つって大騒ぎになってるんだぞ。こんな堂々と使い潰してちゃすぐに足がつく、近い内にお前はトレンティア兵に捕まって首を刎ねられるだろうな」
そう呆れたように言って、パウルは自分の喉元にすっと指を走らせた。その話は初耳だったのだろうか、ガロンはぎょっとしたように笑みを消して、やがて苦々しい視線でパウルを睨んだ。
パウルはフードの奥で妖しげに笑って見せる。
「お前だってパーティルの魔剣士には酷くやられたんだから分かるだろう。奴らがその気になればお前が作っているような“粗悪品”じゃあ到底太刀打ちできん。……人形の生産技術を融通してやる、だって? は、笑わせるな。俺はお前よりもよっぽど優秀な人形を作る技術を持っているし、お前みたいな下手な使い方はしねえ。なあガロン、取引を持ちかけるのはこちらの立場だぜ。同じ人形使いのよしみとして、助けてやろうか?」
露悪的にさえ聞こえる声でパウルは語った。ガロンは苦々しい表情のまますぐに返事はしない。しかしやがて彼は不敵に笑った。
「はっ……、俺よりよっぽど優秀な人形だって? そんなご自慢なら見せてもらおうかね? お前ら!」
そうガロンが片手を上げると同時に、周囲に待機していた人形達がびくりとして頭を持ち上げた。突然に訪れた戦闘の予感に、しかし不意を打たれるほどこちらも気を抜いてはいない。
「フェリア!」
パウルもそう声を上げる、既に斧を持っていたフェリアがびしと戦闘態勢に入る。
相手の人形は、パウル曰くの粗悪品とは言え数が多い。全部で六体が目の前にいる。彼らはすぐに襲いかかってくることはなく、円形に陣を広げて僕達を取り囲むようにしてにじり寄っていた。
「残念だなガロン、交渉決裂か? せっかく生き延びるチャンスを与えてやったのに」
それでもなおパウルはそう不敵に笑っていた。ガロンも負ける気がしないのか、余裕の笑みを浮かべている。
「お前の言う事が本当だったとしても、力ずくでお前をくだしちまえば同じことだ。魔術師よ、大人しく俺に従うなら優しくしてやるぜ?」
パウルはそんなガロンの言葉には構わず軽やかに言う。
「フェリア、攻める方向を絞れよ。防御は俺に任せていい。あとヨハン、お前は無茶をするなよ、俺から離れるな。ガロンの野郎もフェリアの身柄は欲しいだろう、飼い主である俺を下手に殺すようなことは避けたいはずだ」
僕は言われて無言で頷く。歯痒いが、人形同士の戦いとなると、魔法も使えない生身の人間にできることは少ない。せいぜい足を引っ張らないように気を付けるだけだろう。
「来いよガロン。撫で斬りにしてやる」
パウルはそう宣戦した。ガロンはぎっと怒りの表情を浮かべて怒鳴った。
「やれお前ら! 適度に痛めつけて生け捕りだ、殺すなよ」
その号令に合わせて、人形達は一斉に飛びかかってきた。パウルは平然として空中に魔法陣を浮かべ、右手から襲いかかってきた人形へと火の玉を撃つ。それはまるで空に線を描くように複数の玉が連なり、それぞれが一斉に正面へと放たれた。
敵の人形は力こそ超人的だが、その体の強度はフェリアよりもずっと低い。炎の玉を真正面から受けただけで叫び声をあげて苦しんだ。
そしてフェリアは左手へと攻め上がる。体の斜め下から振り上げるように斧を一振りするとそこに襲いかかってきていた敵の武器と、その隣にいた魔道人形の腕とを同時に弾き飛ばした。
また同時に別の一体の斧が振り下ろされたがフェリアはそれをずしと肩で受け止め、難なくもう一振りで薙ぎ払う。
やはり力においても身体の強度においても、そしてその動きの素早さと正確さにおいても、何もかもがフェリアは敵を超えている。そのことが一瞬で分かる攻防だった。
僕は攻撃を受けないようにだけ気を払ってその場でじっとしていただけだ、ガロンの顔色を窺う余裕すらあったが、彼の顔は一瞬にして余裕をなくしたようだ。
しかし彼の背中の陰から……、いつの間にいたのだろうか、その小さな人影が顔を覗かせたのを見て、何かいい知れない胸騒ぎを覚えた。
人形達の中でも一層幼い、十にも満たない子どもの姿の人形は……唯一その額に魔法陣をむき出しにしていない。涼しげな表情で細めた目には青い色の瞳が浮かんでいる……フェリアの“弟”だという人形、ウィルがいた。
黒髪に青い瞳、ただそれだけの特徴が自分と同じだからだろうか、その人形の顔を見ると嫌な気分になる。まるで異次元の自分と邂逅してしまったような、そんな不気味な感覚だ。
姿を現したウィルに気を取られている間に、既にフェリアとパウルはその怪力と魔術の息を合わせた戦いで敵の半数ほどを打ちのめしていた。
こちらが躊躇う理由はない――、一度人形になってしまった者を救うことはできないのだ。フェリアの重い一撃で彼らは絶命していた。
「待て、魔術師! お前の人形の性能は確かに見事だ、認めるぜ。だから待て、もう一度話を……」
ガロンは焦った顔になってそう弁明をし始めた。しかしパウルはそれを嘲笑うかのようだ。
「今からのごめんなさいで許してやるほど俺様も優しくはないぜ。一度歯向かったからには白黒ハッキリつけないと気がすまないねえ! フェリア、ガロンからはまだ情報を引き出したい、殺さず捕らえろ……」
そしてフェリアにそう命令を下した。フェリアは迷うことなくガロンの元へと飛びかかる。
強い腕力同士で交わる人形の戦いはやはり凄惨で、武器の一振りで四肢や首が千切れて飛んでは高く血飛沫が上がる。しかし力強いだけに、その勝負はすぐに決して行く。既にガロンの人形らに勝ち目はないように見えた。
しかしフェリアがガロンの眼前に迫った時、その体の前にずいと身を乗り出すウィルの姿があった。まるで何かを指し示すようにその幼い片手を前に差し出して。
次の瞬間、それはあまりに眩く迸った電撃、その衝撃に思わず僕は目を瞑った。
彼らが交わった場所で何が起こったのかははっきりしない、とにかくそこに激しく電撃が爆ぜるように迸った。それはまるで魔力同士の衝突……。
ハッとして目を開けると、生き残ったガロンの人形たちは既に身を引き、彼の前に出ているのはウィル一人だった。フェリアの攻撃がガロンへ届くことはなかったらしく、彼女はこちらに背を向けてじりとその場に立っていた。
「……フェリア、だめだよ。お父さんのことを傷付けないで。どうしてそんな奴らに従っているの? 僕と一緒に来てよ、フェリア」
ウィルは悲しげな声で語った。そのあまりに人間じみた声色を聞いて、僕の胸騒ぎは一層強くなる。
……そうだ、パーティルで会った時もそうだ。彼はガロンのことを父と呼び、そして“家族”であるフェリアと共にあることを望んだ。そして彼の言葉にフェリアも惑わされていたではないか。
「ウィ、ル……」
フェリアの呟きは明らかに苦しそうだった。やがて彼女の体は小さく震え始め、頭が痛むような仕草でそれを片手で押さえて俯く。
「フェリア、しっかりしろ。俺の命令を聞け」
パウルがそうフェリアに言う、その声にはじわりと焦りが滲んでいた。しかしその声は既にフェリアには届いていそうにもない。
その空気の中、既に決して思えた戦況は途端に揺らぎを孕む。僕は強くなっていく嫌な感情に胸を蝕まれながらも……しかし、自分にできることは何も思いつかなかった。
それを好機と捉えたのはガロンだ。焦りきっていた顔が強がるような笑みを浮かべた。
「ウィル、こいつら全員生け捕りにできるか?」
父に問われ、ウィルは悲しそうに眉を寄せた。
「……フェリアにあんまり荒っぽいことはしたくないんだけど……、お互い人形だから仕方がないのかな。手加減してたら僕が死んじゃうもんね。ねえフェリア、僕の声が届かないなら……ちょっと手荒なことをするけど許してね?」
あどけなくも思える子どもの声は、しかしずしりと重たかった。その予感に僕は鳥肌が立つのを感じる。
ウィルは両手をふと宙に浮かべた。どう見ても彼はその小さな体躯のどこにも武器を持っていない。しかし空中に手の平を差し出すその仕草は、まるで……。
いや、僕の直感が間違うことはなかった。次の瞬間にその場を包み込みようにうねった空気に濃い魔力の気配が混じる。……人形が魔法を使うというのか?
「フェリア! 目覚ませ! 戻ってこい!」
パウルはフェリアの肩を掴んで必死に叫んだ。しかしフェリアは苦しげに頭を抱えて、何か、聞こえないほど小さな声でぶつぶつと独り言を繰り返している。どう見ても正常な状態ではない。
そうしている間にもざわざわと、周囲を包む魔力の濃度が上がっていく。僕の直感は告げていた、今すぐにこの場を離れるべきだと。
しかしその魔力はあまりにも強大で、しかも広大だ。今から走って逃げたところでその範囲の外に出られるかどうかも怪しい……それでもこの場に立ち尽くしているわけにはいかない。
「パウル! いいから離れ……」
僕はたまらずにそう叫んだ。フードの奥から苦渋に満ちたパウルの顔色が見える。しかし僕達が走り出そうとした矢先に、空から炎が降ってきた。
それは一般的によく使われる、火の玉を飛ばすあの魔術が、空中に無数に現れて地面を打つような火の雨だった。
思わず僕は頭を庇ってその場に踏みとどまる、その体を直撃することはなく、まるで地面に縫い留めるように周辺を激しい熱が刺して僕達の動きを封じる。時々は服や髪の端を掠った炎がじゅと音を立ててそれを焦がした。
むせ返るような熱の雨の中、僕は薄く目を開いてそれを見ているだけで精一杯だった。この火の雨の中は到底歩くことも出来ない。
「ミョーネ……!」
その声は一体何の思いを込めたものだっただろうか、パウルの苦しげな声、そしてまるでそれが何かの呪文であったかのように……、その途端にばちりとフェリアが目を見開いて顔を上げたのが分かった。
しかしパウルの叫びに呼応するかのように炎の雨もまた強まっていく、眩い橙色に覆われていく視界で、彼女が何か大きく身を翻した、それだけは分かった。
「……待て! フェリアっ、ヨハンが……!」
パウルの叫び声が遠くに聞こえた。それが何を意味しているのかは分からない。僕はただ降りしきる炎の雨の中を立ち尽くしていた。必死に吸う息の中には煙たい味とむっとした熱気とが混じっている。
次第に息苦しくなっていく中、ハッと気付いた時、その青い色が目の前にあった。幼い少年の、純真にさえ見える双眸が……。
何を言うでもなく、何も出来ず、その状況の意味を飲み込むことさえできないまま、僕はただ自分の身に襲い来る衝撃を甘んじることしかできなかった。
一体どうやって攻撃されたのかさえ分からない……、ただ腹部へ強い衝撃が走ったかと思うと、その痛みを噛みしめる時間さえなく視界が白黒に点滅していった。
「……お前が心配しているような刺客は、意外と来ないな」
奇妙な静寂の中、思い出したようにぽつりと僕は言った。パウルは口をへの字に曲げて小さく息をついた。
「やめろよ、そういうこと言うと途端に来るんだぞ。だが、まあ確かに意外だ。少人数で探しているとしたらさっきみたいな宿場は恰好の情報収集の場だろう、聞き込みがされてるのが自然だとすら思うが、どうやら俺を探しているような者はいなかった」
「もしかしてトレンティアはそこまで必死にお前の首を狙ってるわけでもないんじゃないか?」
そんなあまりに楽観的な意見は、ほとんど冗談だった。
「俺が自意識過剰だって言いたいのか? だったらいいがな。しかしお前だってトレンティア王家のお家騒動は見ただろ。現状王位を継げるような男は生まれたばかりの赤ん坊だけだ。ギルバートのジジイだって歳だ、あの赤ん坊が成長する前に、俺がその気になれば今から王位奪還の争いを巻き起こすことだって不可能じゃない。そんな危険分子をあのジジイが生かしておくはずが……」
パウルは苦そうな声で言う。僕はトレンティアで見聞きしたその騒動を思い出した。
確か年齢が二十を超えていたという王子は、王家の儀式に失敗して死んだという話だ。王位を継ぐための儀式でその継承者を失うなんて滑稽な話だな、などと胸の内で悪態をついてやった。
トレンティア軍が何を考えて、今はどこで何をしているのか……当然分かりようもないが、ともかく刺客が来ないなら来ないで好都合なだけだ、今は目の前のことに集中しよう。
そう無駄話をしているうちに、速めに動かしていた足はすぐに目的地へと近付いていた。その道中にもやはり他の人影や気配はない。やがて前にも見た村の廃墟が視界に入ってくる。
打ち捨てられた家屋や武具の残骸が散乱している様子に変わりはない。広場にある焚き火の炭から細く煙が上がっているようだった。まだこの村にいるらしい……。
そう安堵を覚えたのも一瞬で、その状況の変化にはすぐに気が付いた。壊れかけた家屋の中に入ることもせず、気だるそうな様子でその周辺に座り込んでいる人影が多い。
彼らの目が、そこに訪れた僕達の方をぎょろりと向く、それは以前に見た子ども達のものではなかった。
ゆらりと立ち上がる細い体、その腕に握られている武器を見て僕はごくりと唾を飲み込んだ。遠目からの様子でも分かってしまう、そこにいるのは確かに魔道人形だった。
まさか既に遅かったのか……そんな考えはすぐに頭を巡り、重たい胸騒ぎが燻る。
「焚き火の跡がある。人間もいる」
パウルは低い声で言った。そこにいる人形たちは僕達の存在を捉えてもなお、すぐに襲いかかってくる様子はない。まるで指示を待っているかのようなその素振りからも、近くに人間がいるだろうことが察せられた。
当然武器を抜いた状態で警戒を高めながら僕達は彼らの元へにじり寄った。そしてやがて壊れかけた家屋の中からぬっとそれは現れる。
「誰だ? 合流予定の場所はここじゃねえぞ」
そうだるそうにぼやきながらため息をつく男が一人。その顔を見て、僕もパウルもすうと戦意を研ぎ澄ませていく。……こうも簡単に会えるとは拍子抜けだ、そんな思いさえ浮かんだ……その顔は見覚えのあるものだった。
「なんだ、ここにいるとは……探す手間が省けたぜ。久しぶりだな、ガロン」
パウルが重たくその名前を呼ぶ。ガロンは怪訝な表情で僕達を睨んで一瞬固まったが、やがて僕達の顔を思い出したのだろう、苦い表情になって舌打ちをした。
「誰かと思えば、パーティルで会った人形使いの旦那か。同志との出会いに感謝を……と言うべきところかねえ?」
その態度を見るだけで僕の腹が熱く煮えていく。逸る気持ちに押されるように、パウルが返事をするより先に僕が口を開いた。
「……ここに村の生き残りの子どもがいたはずだ。どこへ行った」
僕は短く問う。家の中までは分からないが、今見た限りでアザル達の姿は無い。ガロンは不思議そうに首を傾げて僕を見た。
「ん? もしかしてお前らもここのガキどもを狙ってたのか? 残念ながら早いもの勝ちだ、あいつらは俺がもらった」
「魔道人形にするためにか?」
声に滲む怒りは精一杯に抑えたつもりだった。ガロンは呆れたように笑いさえ浮かべる。
「なんだその目は? お前らだって人形使いなら分かるだろ、若い体じゃないと成功しないんだよ。ああも都合よく子どもだけ残ってくれてるなんてありがたいばかりじゃないか?」
当然のように悪びれる態度一つ見せない。その言葉で確信した……どうやら彼が他でもなく魔道人形の“生産”に関わっていることに間違いはないらしい。
パウルが後ろから、押さえるように僕の肩を掴んだ。
「どうせ盗賊だ、まともな話は通じんさ。なあガロンさんよ、俺達はただ知りたいだけなんだ。お前さん、どうやって人形を生産してるんだ? お前がまさか魔術を使うようには見えないが……」
そしてガロンに投げた言葉は軽かった。ガロンはまた笑う。
「……ああ、そうか、お前らは生産する技術までは持ってないってことか? 連れてる人形はパーティルでもいた奴だな、そいつ一体だけか。まあ俺の部下になるってんなら融通してやっても構わんが」
「お前の部下にって……、何やるんだよ、盗賊行為か?」
「人聞きの悪い言い方だが、そうだな。当然パーティルの時みたいに雇われれば戦争にだって加わる。そうだ、お前らレジスタンスにコネがあるんなら紹介してくれよ。盗賊稼業はいかんせん安定収入というわけにはいかないもんでな……」
二人は平然として言葉を交わしていた。こうなれば交渉はパウルに任せたほうがいいだろう、そう判断して僕は、今にも爆ぜそうな怒りの感情をぐっと飲み込んだ。せめて武器を握る手には集中を巡らせる。
パウルは細くため息をついた。
「なあガロン、お前は魔道人形が一体何なのか理解して使ってるのか? そいつはトレンティアでは禁術とされる魔術で作られているものだ。トレンティアの軍人の中じゃズミで魔道人形が見つかった、つって大騒ぎになってるんだぞ。こんな堂々と使い潰してちゃすぐに足がつく、近い内にお前はトレンティア兵に捕まって首を刎ねられるだろうな」
そう呆れたように言って、パウルは自分の喉元にすっと指を走らせた。その話は初耳だったのだろうか、ガロンはぎょっとしたように笑みを消して、やがて苦々しい視線でパウルを睨んだ。
パウルはフードの奥で妖しげに笑って見せる。
「お前だってパーティルの魔剣士には酷くやられたんだから分かるだろう。奴らがその気になればお前が作っているような“粗悪品”じゃあ到底太刀打ちできん。……人形の生産技術を融通してやる、だって? は、笑わせるな。俺はお前よりもよっぽど優秀な人形を作る技術を持っているし、お前みたいな下手な使い方はしねえ。なあガロン、取引を持ちかけるのはこちらの立場だぜ。同じ人形使いのよしみとして、助けてやろうか?」
露悪的にさえ聞こえる声でパウルは語った。ガロンは苦々しい表情のまますぐに返事はしない。しかしやがて彼は不敵に笑った。
「はっ……、俺よりよっぽど優秀な人形だって? そんなご自慢なら見せてもらおうかね? お前ら!」
そうガロンが片手を上げると同時に、周囲に待機していた人形達がびくりとして頭を持ち上げた。突然に訪れた戦闘の予感に、しかし不意を打たれるほどこちらも気を抜いてはいない。
「フェリア!」
パウルもそう声を上げる、既に斧を持っていたフェリアがびしと戦闘態勢に入る。
相手の人形は、パウル曰くの粗悪品とは言え数が多い。全部で六体が目の前にいる。彼らはすぐに襲いかかってくることはなく、円形に陣を広げて僕達を取り囲むようにしてにじり寄っていた。
「残念だなガロン、交渉決裂か? せっかく生き延びるチャンスを与えてやったのに」
それでもなおパウルはそう不敵に笑っていた。ガロンも負ける気がしないのか、余裕の笑みを浮かべている。
「お前の言う事が本当だったとしても、力ずくでお前をくだしちまえば同じことだ。魔術師よ、大人しく俺に従うなら優しくしてやるぜ?」
パウルはそんなガロンの言葉には構わず軽やかに言う。
「フェリア、攻める方向を絞れよ。防御は俺に任せていい。あとヨハン、お前は無茶をするなよ、俺から離れるな。ガロンの野郎もフェリアの身柄は欲しいだろう、飼い主である俺を下手に殺すようなことは避けたいはずだ」
僕は言われて無言で頷く。歯痒いが、人形同士の戦いとなると、魔法も使えない生身の人間にできることは少ない。せいぜい足を引っ張らないように気を付けるだけだろう。
「来いよガロン。撫で斬りにしてやる」
パウルはそう宣戦した。ガロンはぎっと怒りの表情を浮かべて怒鳴った。
「やれお前ら! 適度に痛めつけて生け捕りだ、殺すなよ」
その号令に合わせて、人形達は一斉に飛びかかってきた。パウルは平然として空中に魔法陣を浮かべ、右手から襲いかかってきた人形へと火の玉を撃つ。それはまるで空に線を描くように複数の玉が連なり、それぞれが一斉に正面へと放たれた。
敵の人形は力こそ超人的だが、その体の強度はフェリアよりもずっと低い。炎の玉を真正面から受けただけで叫び声をあげて苦しんだ。
そしてフェリアは左手へと攻め上がる。体の斜め下から振り上げるように斧を一振りするとそこに襲いかかってきていた敵の武器と、その隣にいた魔道人形の腕とを同時に弾き飛ばした。
また同時に別の一体の斧が振り下ろされたがフェリアはそれをずしと肩で受け止め、難なくもう一振りで薙ぎ払う。
やはり力においても身体の強度においても、そしてその動きの素早さと正確さにおいても、何もかもがフェリアは敵を超えている。そのことが一瞬で分かる攻防だった。
僕は攻撃を受けないようにだけ気を払ってその場でじっとしていただけだ、ガロンの顔色を窺う余裕すらあったが、彼の顔は一瞬にして余裕をなくしたようだ。
しかし彼の背中の陰から……、いつの間にいたのだろうか、その小さな人影が顔を覗かせたのを見て、何かいい知れない胸騒ぎを覚えた。
人形達の中でも一層幼い、十にも満たない子どもの姿の人形は……唯一その額に魔法陣をむき出しにしていない。涼しげな表情で細めた目には青い色の瞳が浮かんでいる……フェリアの“弟”だという人形、ウィルがいた。
黒髪に青い瞳、ただそれだけの特徴が自分と同じだからだろうか、その人形の顔を見ると嫌な気分になる。まるで異次元の自分と邂逅してしまったような、そんな不気味な感覚だ。
姿を現したウィルに気を取られている間に、既にフェリアとパウルはその怪力と魔術の息を合わせた戦いで敵の半数ほどを打ちのめしていた。
こちらが躊躇う理由はない――、一度人形になってしまった者を救うことはできないのだ。フェリアの重い一撃で彼らは絶命していた。
「待て、魔術師! お前の人形の性能は確かに見事だ、認めるぜ。だから待て、もう一度話を……」
ガロンは焦った顔になってそう弁明をし始めた。しかしパウルはそれを嘲笑うかのようだ。
「今からのごめんなさいで許してやるほど俺様も優しくはないぜ。一度歯向かったからには白黒ハッキリつけないと気がすまないねえ! フェリア、ガロンからはまだ情報を引き出したい、殺さず捕らえろ……」
そしてフェリアにそう命令を下した。フェリアは迷うことなくガロンの元へと飛びかかる。
強い腕力同士で交わる人形の戦いはやはり凄惨で、武器の一振りで四肢や首が千切れて飛んでは高く血飛沫が上がる。しかし力強いだけに、その勝負はすぐに決して行く。既にガロンの人形らに勝ち目はないように見えた。
しかしフェリアがガロンの眼前に迫った時、その体の前にずいと身を乗り出すウィルの姿があった。まるで何かを指し示すようにその幼い片手を前に差し出して。
次の瞬間、それはあまりに眩く迸った電撃、その衝撃に思わず僕は目を瞑った。
彼らが交わった場所で何が起こったのかははっきりしない、とにかくそこに激しく電撃が爆ぜるように迸った。それはまるで魔力同士の衝突……。
ハッとして目を開けると、生き残ったガロンの人形たちは既に身を引き、彼の前に出ているのはウィル一人だった。フェリアの攻撃がガロンへ届くことはなかったらしく、彼女はこちらに背を向けてじりとその場に立っていた。
「……フェリア、だめだよ。お父さんのことを傷付けないで。どうしてそんな奴らに従っているの? 僕と一緒に来てよ、フェリア」
ウィルは悲しげな声で語った。そのあまりに人間じみた声色を聞いて、僕の胸騒ぎは一層強くなる。
……そうだ、パーティルで会った時もそうだ。彼はガロンのことを父と呼び、そして“家族”であるフェリアと共にあることを望んだ。そして彼の言葉にフェリアも惑わされていたではないか。
「ウィ、ル……」
フェリアの呟きは明らかに苦しそうだった。やがて彼女の体は小さく震え始め、頭が痛むような仕草でそれを片手で押さえて俯く。
「フェリア、しっかりしろ。俺の命令を聞け」
パウルがそうフェリアに言う、その声にはじわりと焦りが滲んでいた。しかしその声は既にフェリアには届いていそうにもない。
その空気の中、既に決して思えた戦況は途端に揺らぎを孕む。僕は強くなっていく嫌な感情に胸を蝕まれながらも……しかし、自分にできることは何も思いつかなかった。
それを好機と捉えたのはガロンだ。焦りきっていた顔が強がるような笑みを浮かべた。
「ウィル、こいつら全員生け捕りにできるか?」
父に問われ、ウィルは悲しそうに眉を寄せた。
「……フェリアにあんまり荒っぽいことはしたくないんだけど……、お互い人形だから仕方がないのかな。手加減してたら僕が死んじゃうもんね。ねえフェリア、僕の声が届かないなら……ちょっと手荒なことをするけど許してね?」
あどけなくも思える子どもの声は、しかしずしりと重たかった。その予感に僕は鳥肌が立つのを感じる。
ウィルは両手をふと宙に浮かべた。どう見ても彼はその小さな体躯のどこにも武器を持っていない。しかし空中に手の平を差し出すその仕草は、まるで……。
いや、僕の直感が間違うことはなかった。次の瞬間にその場を包み込みようにうねった空気に濃い魔力の気配が混じる。……人形が魔法を使うというのか?
「フェリア! 目覚ませ! 戻ってこい!」
パウルはフェリアの肩を掴んで必死に叫んだ。しかしフェリアは苦しげに頭を抱えて、何か、聞こえないほど小さな声でぶつぶつと独り言を繰り返している。どう見ても正常な状態ではない。
そうしている間にもざわざわと、周囲を包む魔力の濃度が上がっていく。僕の直感は告げていた、今すぐにこの場を離れるべきだと。
しかしその魔力はあまりにも強大で、しかも広大だ。今から走って逃げたところでその範囲の外に出られるかどうかも怪しい……それでもこの場に立ち尽くしているわけにはいかない。
「パウル! いいから離れ……」
僕はたまらずにそう叫んだ。フードの奥から苦渋に満ちたパウルの顔色が見える。しかし僕達が走り出そうとした矢先に、空から炎が降ってきた。
それは一般的によく使われる、火の玉を飛ばすあの魔術が、空中に無数に現れて地面を打つような火の雨だった。
思わず僕は頭を庇ってその場に踏みとどまる、その体を直撃することはなく、まるで地面に縫い留めるように周辺を激しい熱が刺して僕達の動きを封じる。時々は服や髪の端を掠った炎がじゅと音を立ててそれを焦がした。
むせ返るような熱の雨の中、僕は薄く目を開いてそれを見ているだけで精一杯だった。この火の雨の中は到底歩くことも出来ない。
「ミョーネ……!」
その声は一体何の思いを込めたものだっただろうか、パウルの苦しげな声、そしてまるでそれが何かの呪文であったかのように……、その途端にばちりとフェリアが目を見開いて顔を上げたのが分かった。
しかしパウルの叫びに呼応するかのように炎の雨もまた強まっていく、眩い橙色に覆われていく視界で、彼女が何か大きく身を翻した、それだけは分かった。
「……待て! フェリアっ、ヨハンが……!」
パウルの叫び声が遠くに聞こえた。それが何を意味しているのかは分からない。僕はただ降りしきる炎の雨の中を立ち尽くしていた。必死に吸う息の中には煙たい味とむっとした熱気とが混じっている。
次第に息苦しくなっていく中、ハッと気付いた時、その青い色が目の前にあった。幼い少年の、純真にさえ見える双眸が……。
何を言うでもなく、何も出来ず、その状況の意味を飲み込むことさえできないまま、僕はただ自分の身に襲い来る衝撃を甘んじることしかできなかった。
一体どうやって攻撃されたのかさえ分からない……、ただ腹部へ強い衝撃が走ったかと思うと、その痛みを噛みしめる時間さえなく視界が白黒に点滅していった。
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