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第十一章 ラズミル武闘大会
131話 後に続く者
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夏も最盛の頃を過ぎたとは言え、まだ昼間は残暑が重い。ラズミルの街を行き来する商人や軍人らの活気が余計にその空気を熱しているようだった。
その道の上をジュリと肩を並べて歩いていても、賑やかな活気に紛れるようにして、以前ほど僕達の姿は目立たなかった。
しかし変わったのは街だけでなく僕の立場もだった。いつも通り肌身離さず腰に魔剣を提げている様はよく目につくのか、道を行く軍人のうち、僕のことを知っている者の中にはすれ違いざまに敬礼のような仕草をとってくる者も何人かあった。
それをジュリなどは不思議そうに目を丸めて見ていた。
「知り合いですか?」
「まあ、名前ぐらいは。僕が将軍なのを知っているんだろう」
「ヨンが将軍……」
おかしなものを見たような声色で言う、彼女にもいまひとつ実感がないらしい。
「それより何か面白いものはあるのか」
僕は道に出た露店を眺めてそう言った。ジュリの提案でラズミルの出店を見て回ろうとなったのだ、道取りや見る店を選ぶのも彼女に任せて、僕はただついていくだけにしている。
しかしジュリは難しそうに眉を寄せてしまった。
「道具、武具、保存食、服も男物の作業着とか旅装とか……やっぱりまだこう、実用重視というか……、そういうものばかりですね」
「まあ、まだ街を興し始めたばかりだもんな。軍が詰めていた頃から、そこまで早く様変わりはしないだろう。ちなみにどういうのが欲しかったんだ」
「どう、というと……。まあ例えば、服とか、髪飾りとか、それから部屋用の華やかな絨毯とかカーテンとか、道具類でもちょっとおしゃれな意匠がついてるものとか、欲しいじゃないですか?」
僕に女性の趣味は分からない。そうか、と素っ気なく相槌を打つことしかできなかった。ジュリも呆れたような顔だ。
「ヨンは何か欲しいものとかないんですか? 戦争のことしか頭にないのかと思ってましたけど、それ以外にも好きなものぐらいさすがにあるでしょう? そういえばあんまり知らない」
ジュリにそう話を振られて、僕もきょろきょろと周囲の店を見回した。とは言っても、彼女の言う通り、今出ているのはほとんど実用品を扱う店ばかりだ。
その中で特に僕の興味を引いたのは……、ぎらりと金属の色を光らせた一軒の道具屋だった。店頭には短い刃物がずらりと並んでいる。
「切れ味がよさそう」
そんなことを言って包丁を物色し始めた僕に、ジュリは余計に呆れた表情を浮かべた。
「やっぱり戦争のことしか……」
「包丁は戦争では使わないよ」
ジュリは「はあ」と気の抜けた相槌を打った。
何に使うのかと言えば狩りで仕留めた獲物を捌いたり、料理をする時に使うのだが……狩りも料理もしないジュリにはあまり実感も湧かないのだろう、剣などの武器と一緒に見えるのだろうか。
庶民の女の中には台所に立つ者も多いが、貴族育ちのジュリにはその習慣もない。比べて僕は子どもの頃から家でも、兵士として入った部隊でもよく炊事などの雑用を担っていたので、今も家で行う調理は僕の仕事だった。
とは言え、今使っている包丁が駄目になったわけでもないから、急いで新しいものを買う必要はない。店頭に立っても、きらきらと光る刃物をただ単に見て目を楽しませるだけだが……。
ふと脇を見ると、この街には珍しい、小さな客がいるのに気が付いた。
年齢は十歳程度と見える……ひと目の印象で言えば浮浪児だった。服は質素ながらに破れている様子もなく靴も履いている、しかし髪や肌には汚れが目立つ、痩せた、みすぼらしい少年だった。
そんな子どもに店頭に立たれて、道具屋の主人も迷惑そうな表情を隠しもしない。
「坊や、冷やかしならあっちへ行きな」
そんな言葉とともに追い払うような仕草をするが、どうにも少年は躊躇している。汗に濡れた顔の上に開いた両目もどこか虚ろだ、だけどそれは確かに店に並んだ小刀をじっと見つめている。
当然道具を買う金を持っているようにも思えない、ただ物欲しそうに見つめている、だけなのだろう。
僕は何気なくそれを見つめて、何か言いようのない胸騒ぎを覚えた。
……別にラズミルでも珍しい景色ではない。貧民の子どもの出で立ちなんてどこで見ても大差はないだろう、僕だってルベルにいた頃は同じ格好をしていた。
戦時下であれば浮浪児の数はなおのこと増える、いちいち気に留めるようなことではないはずだった。だけどその少年の姿はそれにしても、奇妙な違和感を放っていた。
いかにも貧しい、痩せた少年である。満足に食事がとれているようには思えない。それなのに彼が物欲しそうに見ているのは、食べ物ではなく刃物であることが……。
何か苦しいものを覚えて、僕は目を細めてその少年を見つめていた。僕だってルベルにいた頃は同じ格好をしていた。そして僕が武器を持って村を飛び出した年齢と、彼はきっと同じ年頃だろう。
視線を感じたのだろう、少年の虚ろな目が僕の方を向いた。その途端にその目が大きく見開かれ、自然と晩夏の強い日差しを取り込んで……その黒い瞳にも光が灯ったのが分かった。
その表情の変化に気付いて僕が目を瞬かせた、その間にも少年は動いていいた。
まるで食いつくような勢いで僕の体に飛びついてきたのだ。思わず魔剣の柄を庇うように隠しながら身構えた。
しかし少年はそれに目をくれていたわけでもなく、僕の懐から財布を強奪しようとしたわけでもなかったらしく、ただその細い両手で僕の服に掴みかかり、ぐっとつま先で背伸びをしてまで僕の顔を覗き込んできた。
「その目の色……、お兄さん、もしかしてあの時の……!」
そして彼の口から飛び出てきた言葉を聞いて面食らってしまった。
当然目立つ目の色をしている自覚はある、どこかで僕を見たなら覚えている者も多いだろう。それは僕の方からは忘れている人間の中にも。こんな子どもとどこかで面識があっただろうか。
もともと人の顔や名前を覚えることに得意意識はなかった、思い出そうとしてもすぐには出てこない。眉を寄せて首を傾げている僕に向かって、少年は驚いたままの顔で名乗りを上げた。
「俺……アザルだよ。憶えてない? デルカ村で一緒にご飯食べて……」
聞き覚えのない地名が出てきた。傭兵として渡り歩いた場所も、ある程度の規模の町でなければ立ち寄った村の名前などいちいち気にも留めていない。
しかしアザルと名乗ったその名前は、記憶の片隅に引っかかるものがあった。知人のふりをした乞食というわけでもなさそうだ……確かにどこかで会っている。
「……村の人、家族も、みんなトレンティア兵に殺された。お兄さんが一緒にいた人とお墓作って、お祈りしてくれたじゃんか。春の終わり頃の話」
そこまで言われてようやく僕は思い出した。
オーデルから一人で逃げようとしたパウルを追いかけて、その先で出会った廃村の孤児だ。魔道人形を使う盗賊団に攫われたところを、パウルが成り行きで救出した経緯もあったはずだ。
「あの……時の。え、どうしてラズミルに」
僕は気の抜けた声でやっと返事をした。後ろからジュリが不思議そうな顔で覗き込んできていたが……、口を挟んだのは道具屋の主人だった。店頭で浮浪児になど居座られると迷惑だというのは変わらない。
「あのー、あんた達、話ならよそ行ってしてくれないか」
そうあしらわれて、僕は店主の顔とを交互に見てからそそくさとアザルを促して歩き出した。
彼はまだ店頭の刃物に気を引かれているようだったが、僕に誘われると大人しくついてくるようだ。
「知り合いですか」
ジュリがそう小さく聞いてくるので、僕は少し困った顔で頷く。
「前にパウルとフェリアとで旅してる時に立ち寄った村で……。村ごと敵軍に滅ぼされていた、そこで生き残った子どもだ」
そう説明すると、その凄惨な境遇にはジュリも思わず顔を強張らせたようだ。彼女とて故郷の規模が違うにせよ、似たような身の上を辿ってきているのだ。
しかし彼らと最後に別れたのはオーデルの近くだったはずだ、それがどうしてこんな場所で再会するのか……、それに今僕達が再会したところで弾む話が果たしてあるのか……すぐには分からなかった。
「お兄さん達がいなくなったあと、あそこに残ってたみんなと一緒にオーデルまで行ったんだ。そこで俺はなんとか働き口を見つけて……、町の商人の所で下働きをしてた。その商人の人が今度はラズミルで仕事をするって言うんで、連れてこられた……。でもオーデルまで一緒に行ったみんなとははぐれちゃった。死んだ子もいるし、他の子もどうしてるのか分からない……」
店を避けるように道の端に立ち止まってから、アザルはぽつりぽつりと、これまでの経緯をそう話した。その目はまた虚ろな色を宿している。
彼と出会ったのは三ヶ月ほど前のことになるが、目の前に壊滅した故郷の景色を置いてもなお、気丈な様子の少年だったような印象がある。それが今はその覇気をほとんど失っているようだ。
あの時はあまりに惨い光景を受け入れることもできないでいただけなのか、それともこの三ヶ月の間の苦しい生活が彼をそうさせたのか……両方だろうか。
働き口を見つけたとは言っているが、その身なりを見れば到底いい待遇を受けているわけではないことは明白だった。
「お兄さん達はオーデルで戦った兵士だって言ってたから、もしかしたらここにいるのかなって思ってたんだけど……、ほんとに会えた。一緒にいたフードの人や女の人は今はいないの? ずっとトレンティア軍と戦っていたの?」
アザルの話が僕の方に向くと、その声も次第に明るい感情を帯び始めていた。
あまりにも酷い有り様の村で出会い、そして結局僕達は――ガロン達によって魔道人形にされるという最悪の運命こそ阻んだものの――身寄りも財産も全く持たない彼らを、見放して進んできたのだ。
だというのに、アザルの声色はまるで懐かしい友人と話すような調子だった。
なんともいえないバツの悪さを覚えながらも、僕は曖昧に頷いた。この時世だ、生きて会えたというだけでも喜ぶべきことなのかもしれない。
「そっか、お兄さんは凄いな……。俺だって兵士になって母さん達の仇、とりたいのに」
アザルの声は悲しみと悔しさに詰まっていく。あの境遇から思えば、ただ生きているだけでも十分に幸運だ。毎日の食事さえ満足にとれず、痩せ細った少年の手はきっと剣を握ることもできないだろう。
その時ぼんやりと、店頭に並んだ小刀を見つめていた彼の気持ちが分かった気がした。
「そんな腕じゃ武器を持ったって何もできない。まずは食べるものを食べて体力をつけないと」
僕は淡白に言った。アザルはどきりとしたように目を見開き、やがて悔しそうに唇を噛んで自分の細い手を見つめたようだ。
「普段からろくに食べてないんじゃないか。……再会を祝して奢ってやるから、今日はしっかり食べろ」
僕はアザルの顔を見ずにそう続けた。えっ、なんていう戸惑いの声と共に彼が僕を振り向いたのが分かった。
セラーラで彼らを見捨てた時と違って、今はまだ時間や身分に余裕がある。せめてそれぐらいの情けは……今更かもしれないけど、かけてやらなくちゃいけない気がした。
「いや、でも俺、仕事しないと。それに勝手に他の人からご飯なんてもらったら旦那様、怒るし……」
躊躇いがちにそんな遠慮をするアザルを見て、僕は思わず顔をしかめた。どこの商人かは知らないが、この年齢でろくに食えていない子どもが施しを受けることさえ怒るなんて、非情な者もいたものだ。
「その旦那様というところに案内しろ。僕が話をつけるから」
少しだけ怒りを滲ませてそう言った。この際は僕の英雄だとか将軍だとかいう肩書きが役に立つのか、確信があるわけではなかったが……そうでなくとも金を多少支払えば融通は利くだろう。
アザルは戸惑った様子ながらに、僕の強い口調を受けてこわごわと従うようだ。そこから彼に連れられ、その雇い主だという商人の元を訪れた。それはアザルが語った通り、シュナートの解放を受けてオーデルから来た気鋭の商人らしかった。
アザルを見るやいなやぎろりと彼を睨み、小声ながらに叱責を始めたようだ。
「お前、仕事はどうした。なんでこんな時間に戻ってくるんだ」
それを受けてアザルは怯えて体を竦めている……僕は少し荒っぽい足取りでその間に割り入った。
「失礼。僕の名前はヨン、ズミ軍の将軍を務めている。アザルとはオーデル以前に縁があって……再会の祝杯を上げたいんだ、少しの間彼の身柄を借りる許可をもらいたい」
そう精一杯威張って名乗ってやった。相手は髭を伸ばした背の高い男だった、どう見ても若年の僕を見下ろして怪訝に眉をひそめる。
「はい? なんだ軍人さん……えっ、将軍? あ、あんたが?」
にわかには信じられない、という様子だが、もし本当だったのなら捨て置くこともできない……そんな戸惑いが見て取れた。
どうやら将軍という肩書き自体は軍外の商人相手にも役に立つらしい。しかし僕が将軍だということが知れていなければ、疑われるだけで、あまり意味がないではないか……。
何かこの場で見せられるはっきりとした証明があるわけでもない……結局は戦士のさだめというものだろうか、強引に実力を見せつけることぐらいしかできなさそうだった。
僕はその場の空中に片手を上げてソル・サークルを浮かべ、意味もなく派手な爆炎を空に散らした。
突然のことに驚きおののいて商人はあわや転びかけてしまったようだ。
「こう見えても軍内で唯一の魔道兵なんだ。その腕を買われている」
パウルが別部隊となった今、僕が唯一と言っても差し支えはない……だろう、たぶん。
実際買われているのは魔法の腕ではなく魔剣なのだが、魔法に慣れてもいないズミ人の多くには爆炎をあげるだけでパフォーマンスとしては十分だ。
「こ、これは失礼いたしました。ええ、将軍様が仰るのなら、どうぞ……」
商人はおどおどと腰を引きながらそう頷かざるを得なかったようだ。それを一歩離れたところから、アザルもジュリも唖然とした様子で眺めていた。
「ヨンがすごく偉そう」
他意はないのだろう、ジュリが無表情で零した言葉に、僕は表情をむずむずさせて振り向いた。
……実際に偉いかどうかはよく分からないが、今はこのいたいけな少年を少しでも助けるために、使えるのなら与えられた肩書きも使うべきだと思ったのだ。
「でも、言われてみれば前から英雄でしたもんね。少しも気取らないからそんな感じしてなかったですけど、本当ならそれぐらい威張っててもいいほど活躍してますもんね」
ジュリは思い出したように言って、何やら得意げな様子で頷いた。そんな風に言われると却って落ち着かなくて、僕は疲れたため息をついた。
「英雄なんて言われてるのも魔剣をもらったからっていうだけで……、僕自身はそこまでまだ強くもないし、パウルやモルズみたいに頭が切れるわけでもない。過大評価だと思うけどね」
そう改めて口にした言葉は、ほとんど自分を戒めるものにしかならなかった。……忘れてはいけない、僕はまだほとんどの男よりも背が低いし、腕相撲をすればグリスにだって勝てないのだ。
魔法を見て驚いたのはアザルも同じだったらしく、彼は言葉さえ言えずにただ唖然としていた。それを連れて、僕はジュリと共に食事処を探すことになる。
「ご飯もいいですけど、この格好だとお店でも煙たがられるかもしれません。先に洗いませんか」
そう提案したのはジュリだった。満足に体を拭く時間も与えられていないのか、確かにアザルは汗や泥に汚れて久しい様子だった。まだ暑い季節ということもあって、顔を近付けるとむっとした臭いが熱気のように伝わってくる。
ジュリの案を採用し、雑貨屋で買い付けた石鹸と布とを持って街外れの川でアザルの洗濯に取り掛かった。
彼はただただ戸惑っていたが、さすがに服を脱がせて僕が濡らした布で擦ろうとすると慌てて我に返ったようだ。
「じ、自分でできるから」
そう言って僕から布を奪い取ってせっせと体を拭き始めた。
それにしても溜まった汚れが厚く、落とすのにも時間がかかりそうだったので途中から僕も背中や首の後ろを拭くのを結局手伝い始める。
痩せた背には骨が浮いている……丁寧に扱ってやらねば簡単に壊れてしまいそうな……そんな危なっかしさが僕の手にも伝わっていた。
その作業も適当に区切りをつけ、再び服を着せて大通りの方へ戻っている頃、やや離れたところから声をかけてくる者があった。
「ヨハン!」
僕のことをその名前で呼ぶ者はそう多くない。振り向くと、道の端からフードを被って頭を隠した二人組がこちらに手を振ってくる姿が見えた。
「フードの人……?」
アザルがそう呟いたのが聞こえた。そちらに歩み寄ると、フードの下から青い目を少しだけ覗かせてパウルが声をかけてくる。
「お前もラズミルに来てるって噂を聞いたから少し探してたんだ。……何やってんだ?」
パウルは僕とジュリと、当然その後ろにひっついているアザルを見つめて首を傾げた。僕はアザルのことを説明しようと口を開いたが、パウルの後ろで、同じくフードで頭を隠しているクラウスがそわそわとしているのに気付いて言葉を変えた。
「……今からどこかで食事でもと思って」
今や軍人以外にも多くの商人や市民が行き来している街だ、結局フードを被って金髪を隠すのは、必要以上に目立つのを避けるためだろう。その怪しい出で立ちの男二人を含んで道端で立ち話というのも躊躇われた。
パウルも気持ちは同じなのだろう、アザルのことを詮索する前に僕の話に乗ってきた。
「おお飯か、それはいい、私も一緒にさせてくれ。いい店を紹介しよう、モルズが普段使いしている所らしくてな……」
そう流れるような調子で言って平然と歩き出した。特に行く店の当てが決まっていたわけでもないから、僕達もそれについていくことにする。
その道の上をジュリと肩を並べて歩いていても、賑やかな活気に紛れるようにして、以前ほど僕達の姿は目立たなかった。
しかし変わったのは街だけでなく僕の立場もだった。いつも通り肌身離さず腰に魔剣を提げている様はよく目につくのか、道を行く軍人のうち、僕のことを知っている者の中にはすれ違いざまに敬礼のような仕草をとってくる者も何人かあった。
それをジュリなどは不思議そうに目を丸めて見ていた。
「知り合いですか?」
「まあ、名前ぐらいは。僕が将軍なのを知っているんだろう」
「ヨンが将軍……」
おかしなものを見たような声色で言う、彼女にもいまひとつ実感がないらしい。
「それより何か面白いものはあるのか」
僕は道に出た露店を眺めてそう言った。ジュリの提案でラズミルの出店を見て回ろうとなったのだ、道取りや見る店を選ぶのも彼女に任せて、僕はただついていくだけにしている。
しかしジュリは難しそうに眉を寄せてしまった。
「道具、武具、保存食、服も男物の作業着とか旅装とか……やっぱりまだこう、実用重視というか……、そういうものばかりですね」
「まあ、まだ街を興し始めたばかりだもんな。軍が詰めていた頃から、そこまで早く様変わりはしないだろう。ちなみにどういうのが欲しかったんだ」
「どう、というと……。まあ例えば、服とか、髪飾りとか、それから部屋用の華やかな絨毯とかカーテンとか、道具類でもちょっとおしゃれな意匠がついてるものとか、欲しいじゃないですか?」
僕に女性の趣味は分からない。そうか、と素っ気なく相槌を打つことしかできなかった。ジュリも呆れたような顔だ。
「ヨンは何か欲しいものとかないんですか? 戦争のことしか頭にないのかと思ってましたけど、それ以外にも好きなものぐらいさすがにあるでしょう? そういえばあんまり知らない」
ジュリにそう話を振られて、僕もきょろきょろと周囲の店を見回した。とは言っても、彼女の言う通り、今出ているのはほとんど実用品を扱う店ばかりだ。
その中で特に僕の興味を引いたのは……、ぎらりと金属の色を光らせた一軒の道具屋だった。店頭には短い刃物がずらりと並んでいる。
「切れ味がよさそう」
そんなことを言って包丁を物色し始めた僕に、ジュリは余計に呆れた表情を浮かべた。
「やっぱり戦争のことしか……」
「包丁は戦争では使わないよ」
ジュリは「はあ」と気の抜けた相槌を打った。
何に使うのかと言えば狩りで仕留めた獲物を捌いたり、料理をする時に使うのだが……狩りも料理もしないジュリにはあまり実感も湧かないのだろう、剣などの武器と一緒に見えるのだろうか。
庶民の女の中には台所に立つ者も多いが、貴族育ちのジュリにはその習慣もない。比べて僕は子どもの頃から家でも、兵士として入った部隊でもよく炊事などの雑用を担っていたので、今も家で行う調理は僕の仕事だった。
とは言え、今使っている包丁が駄目になったわけでもないから、急いで新しいものを買う必要はない。店頭に立っても、きらきらと光る刃物をただ単に見て目を楽しませるだけだが……。
ふと脇を見ると、この街には珍しい、小さな客がいるのに気が付いた。
年齢は十歳程度と見える……ひと目の印象で言えば浮浪児だった。服は質素ながらに破れている様子もなく靴も履いている、しかし髪や肌には汚れが目立つ、痩せた、みすぼらしい少年だった。
そんな子どもに店頭に立たれて、道具屋の主人も迷惑そうな表情を隠しもしない。
「坊や、冷やかしならあっちへ行きな」
そんな言葉とともに追い払うような仕草をするが、どうにも少年は躊躇している。汗に濡れた顔の上に開いた両目もどこか虚ろだ、だけどそれは確かに店に並んだ小刀をじっと見つめている。
当然道具を買う金を持っているようにも思えない、ただ物欲しそうに見つめている、だけなのだろう。
僕は何気なくそれを見つめて、何か言いようのない胸騒ぎを覚えた。
……別にラズミルでも珍しい景色ではない。貧民の子どもの出で立ちなんてどこで見ても大差はないだろう、僕だってルベルにいた頃は同じ格好をしていた。
戦時下であれば浮浪児の数はなおのこと増える、いちいち気に留めるようなことではないはずだった。だけどその少年の姿はそれにしても、奇妙な違和感を放っていた。
いかにも貧しい、痩せた少年である。満足に食事がとれているようには思えない。それなのに彼が物欲しそうに見ているのは、食べ物ではなく刃物であることが……。
何か苦しいものを覚えて、僕は目を細めてその少年を見つめていた。僕だってルベルにいた頃は同じ格好をしていた。そして僕が武器を持って村を飛び出した年齢と、彼はきっと同じ年頃だろう。
視線を感じたのだろう、少年の虚ろな目が僕の方を向いた。その途端にその目が大きく見開かれ、自然と晩夏の強い日差しを取り込んで……その黒い瞳にも光が灯ったのが分かった。
その表情の変化に気付いて僕が目を瞬かせた、その間にも少年は動いていいた。
まるで食いつくような勢いで僕の体に飛びついてきたのだ。思わず魔剣の柄を庇うように隠しながら身構えた。
しかし少年はそれに目をくれていたわけでもなく、僕の懐から財布を強奪しようとしたわけでもなかったらしく、ただその細い両手で僕の服に掴みかかり、ぐっとつま先で背伸びをしてまで僕の顔を覗き込んできた。
「その目の色……、お兄さん、もしかしてあの時の……!」
そして彼の口から飛び出てきた言葉を聞いて面食らってしまった。
当然目立つ目の色をしている自覚はある、どこかで僕を見たなら覚えている者も多いだろう。それは僕の方からは忘れている人間の中にも。こんな子どもとどこかで面識があっただろうか。
もともと人の顔や名前を覚えることに得意意識はなかった、思い出そうとしてもすぐには出てこない。眉を寄せて首を傾げている僕に向かって、少年は驚いたままの顔で名乗りを上げた。
「俺……アザルだよ。憶えてない? デルカ村で一緒にご飯食べて……」
聞き覚えのない地名が出てきた。傭兵として渡り歩いた場所も、ある程度の規模の町でなければ立ち寄った村の名前などいちいち気にも留めていない。
しかしアザルと名乗ったその名前は、記憶の片隅に引っかかるものがあった。知人のふりをした乞食というわけでもなさそうだ……確かにどこかで会っている。
「……村の人、家族も、みんなトレンティア兵に殺された。お兄さんが一緒にいた人とお墓作って、お祈りしてくれたじゃんか。春の終わり頃の話」
そこまで言われてようやく僕は思い出した。
オーデルから一人で逃げようとしたパウルを追いかけて、その先で出会った廃村の孤児だ。魔道人形を使う盗賊団に攫われたところを、パウルが成り行きで救出した経緯もあったはずだ。
「あの……時の。え、どうしてラズミルに」
僕は気の抜けた声でやっと返事をした。後ろからジュリが不思議そうな顔で覗き込んできていたが……、口を挟んだのは道具屋の主人だった。店頭で浮浪児になど居座られると迷惑だというのは変わらない。
「あのー、あんた達、話ならよそ行ってしてくれないか」
そうあしらわれて、僕は店主の顔とを交互に見てからそそくさとアザルを促して歩き出した。
彼はまだ店頭の刃物に気を引かれているようだったが、僕に誘われると大人しくついてくるようだ。
「知り合いですか」
ジュリがそう小さく聞いてくるので、僕は少し困った顔で頷く。
「前にパウルとフェリアとで旅してる時に立ち寄った村で……。村ごと敵軍に滅ぼされていた、そこで生き残った子どもだ」
そう説明すると、その凄惨な境遇にはジュリも思わず顔を強張らせたようだ。彼女とて故郷の規模が違うにせよ、似たような身の上を辿ってきているのだ。
しかし彼らと最後に別れたのはオーデルの近くだったはずだ、それがどうしてこんな場所で再会するのか……、それに今僕達が再会したところで弾む話が果たしてあるのか……すぐには分からなかった。
「お兄さん達がいなくなったあと、あそこに残ってたみんなと一緒にオーデルまで行ったんだ。そこで俺はなんとか働き口を見つけて……、町の商人の所で下働きをしてた。その商人の人が今度はラズミルで仕事をするって言うんで、連れてこられた……。でもオーデルまで一緒に行ったみんなとははぐれちゃった。死んだ子もいるし、他の子もどうしてるのか分からない……」
店を避けるように道の端に立ち止まってから、アザルはぽつりぽつりと、これまでの経緯をそう話した。その目はまた虚ろな色を宿している。
彼と出会ったのは三ヶ月ほど前のことになるが、目の前に壊滅した故郷の景色を置いてもなお、気丈な様子の少年だったような印象がある。それが今はその覇気をほとんど失っているようだ。
あの時はあまりに惨い光景を受け入れることもできないでいただけなのか、それともこの三ヶ月の間の苦しい生活が彼をそうさせたのか……両方だろうか。
働き口を見つけたとは言っているが、その身なりを見れば到底いい待遇を受けているわけではないことは明白だった。
「お兄さん達はオーデルで戦った兵士だって言ってたから、もしかしたらここにいるのかなって思ってたんだけど……、ほんとに会えた。一緒にいたフードの人や女の人は今はいないの? ずっとトレンティア軍と戦っていたの?」
アザルの話が僕の方に向くと、その声も次第に明るい感情を帯び始めていた。
あまりにも酷い有り様の村で出会い、そして結局僕達は――ガロン達によって魔道人形にされるという最悪の運命こそ阻んだものの――身寄りも財産も全く持たない彼らを、見放して進んできたのだ。
だというのに、アザルの声色はまるで懐かしい友人と話すような調子だった。
なんともいえないバツの悪さを覚えながらも、僕は曖昧に頷いた。この時世だ、生きて会えたというだけでも喜ぶべきことなのかもしれない。
「そっか、お兄さんは凄いな……。俺だって兵士になって母さん達の仇、とりたいのに」
アザルの声は悲しみと悔しさに詰まっていく。あの境遇から思えば、ただ生きているだけでも十分に幸運だ。毎日の食事さえ満足にとれず、痩せ細った少年の手はきっと剣を握ることもできないだろう。
その時ぼんやりと、店頭に並んだ小刀を見つめていた彼の気持ちが分かった気がした。
「そんな腕じゃ武器を持ったって何もできない。まずは食べるものを食べて体力をつけないと」
僕は淡白に言った。アザルはどきりとしたように目を見開き、やがて悔しそうに唇を噛んで自分の細い手を見つめたようだ。
「普段からろくに食べてないんじゃないか。……再会を祝して奢ってやるから、今日はしっかり食べろ」
僕はアザルの顔を見ずにそう続けた。えっ、なんていう戸惑いの声と共に彼が僕を振り向いたのが分かった。
セラーラで彼らを見捨てた時と違って、今はまだ時間や身分に余裕がある。せめてそれぐらいの情けは……今更かもしれないけど、かけてやらなくちゃいけない気がした。
「いや、でも俺、仕事しないと。それに勝手に他の人からご飯なんてもらったら旦那様、怒るし……」
躊躇いがちにそんな遠慮をするアザルを見て、僕は思わず顔をしかめた。どこの商人かは知らないが、この年齢でろくに食えていない子どもが施しを受けることさえ怒るなんて、非情な者もいたものだ。
「その旦那様というところに案内しろ。僕が話をつけるから」
少しだけ怒りを滲ませてそう言った。この際は僕の英雄だとか将軍だとかいう肩書きが役に立つのか、確信があるわけではなかったが……そうでなくとも金を多少支払えば融通は利くだろう。
アザルは戸惑った様子ながらに、僕の強い口調を受けてこわごわと従うようだ。そこから彼に連れられ、その雇い主だという商人の元を訪れた。それはアザルが語った通り、シュナートの解放を受けてオーデルから来た気鋭の商人らしかった。
アザルを見るやいなやぎろりと彼を睨み、小声ながらに叱責を始めたようだ。
「お前、仕事はどうした。なんでこんな時間に戻ってくるんだ」
それを受けてアザルは怯えて体を竦めている……僕は少し荒っぽい足取りでその間に割り入った。
「失礼。僕の名前はヨン、ズミ軍の将軍を務めている。アザルとはオーデル以前に縁があって……再会の祝杯を上げたいんだ、少しの間彼の身柄を借りる許可をもらいたい」
そう精一杯威張って名乗ってやった。相手は髭を伸ばした背の高い男だった、どう見ても若年の僕を見下ろして怪訝に眉をひそめる。
「はい? なんだ軍人さん……えっ、将軍? あ、あんたが?」
にわかには信じられない、という様子だが、もし本当だったのなら捨て置くこともできない……そんな戸惑いが見て取れた。
どうやら将軍という肩書き自体は軍外の商人相手にも役に立つらしい。しかし僕が将軍だということが知れていなければ、疑われるだけで、あまり意味がないではないか……。
何かこの場で見せられるはっきりとした証明があるわけでもない……結局は戦士のさだめというものだろうか、強引に実力を見せつけることぐらいしかできなさそうだった。
僕はその場の空中に片手を上げてソル・サークルを浮かべ、意味もなく派手な爆炎を空に散らした。
突然のことに驚きおののいて商人はあわや転びかけてしまったようだ。
「こう見えても軍内で唯一の魔道兵なんだ。その腕を買われている」
パウルが別部隊となった今、僕が唯一と言っても差し支えはない……だろう、たぶん。
実際買われているのは魔法の腕ではなく魔剣なのだが、魔法に慣れてもいないズミ人の多くには爆炎をあげるだけでパフォーマンスとしては十分だ。
「こ、これは失礼いたしました。ええ、将軍様が仰るのなら、どうぞ……」
商人はおどおどと腰を引きながらそう頷かざるを得なかったようだ。それを一歩離れたところから、アザルもジュリも唖然とした様子で眺めていた。
「ヨンがすごく偉そう」
他意はないのだろう、ジュリが無表情で零した言葉に、僕は表情をむずむずさせて振り向いた。
……実際に偉いかどうかはよく分からないが、今はこのいたいけな少年を少しでも助けるために、使えるのなら与えられた肩書きも使うべきだと思ったのだ。
「でも、言われてみれば前から英雄でしたもんね。少しも気取らないからそんな感じしてなかったですけど、本当ならそれぐらい威張っててもいいほど活躍してますもんね」
ジュリは思い出したように言って、何やら得意げな様子で頷いた。そんな風に言われると却って落ち着かなくて、僕は疲れたため息をついた。
「英雄なんて言われてるのも魔剣をもらったからっていうだけで……、僕自身はそこまでまだ強くもないし、パウルやモルズみたいに頭が切れるわけでもない。過大評価だと思うけどね」
そう改めて口にした言葉は、ほとんど自分を戒めるものにしかならなかった。……忘れてはいけない、僕はまだほとんどの男よりも背が低いし、腕相撲をすればグリスにだって勝てないのだ。
魔法を見て驚いたのはアザルも同じだったらしく、彼は言葉さえ言えずにただ唖然としていた。それを連れて、僕はジュリと共に食事処を探すことになる。
「ご飯もいいですけど、この格好だとお店でも煙たがられるかもしれません。先に洗いませんか」
そう提案したのはジュリだった。満足に体を拭く時間も与えられていないのか、確かにアザルは汗や泥に汚れて久しい様子だった。まだ暑い季節ということもあって、顔を近付けるとむっとした臭いが熱気のように伝わってくる。
ジュリの案を採用し、雑貨屋で買い付けた石鹸と布とを持って街外れの川でアザルの洗濯に取り掛かった。
彼はただただ戸惑っていたが、さすがに服を脱がせて僕が濡らした布で擦ろうとすると慌てて我に返ったようだ。
「じ、自分でできるから」
そう言って僕から布を奪い取ってせっせと体を拭き始めた。
それにしても溜まった汚れが厚く、落とすのにも時間がかかりそうだったので途中から僕も背中や首の後ろを拭くのを結局手伝い始める。
痩せた背には骨が浮いている……丁寧に扱ってやらねば簡単に壊れてしまいそうな……そんな危なっかしさが僕の手にも伝わっていた。
その作業も適当に区切りをつけ、再び服を着せて大通りの方へ戻っている頃、やや離れたところから声をかけてくる者があった。
「ヨハン!」
僕のことをその名前で呼ぶ者はそう多くない。振り向くと、道の端からフードを被って頭を隠した二人組がこちらに手を振ってくる姿が見えた。
「フードの人……?」
アザルがそう呟いたのが聞こえた。そちらに歩み寄ると、フードの下から青い目を少しだけ覗かせてパウルが声をかけてくる。
「お前もラズミルに来てるって噂を聞いたから少し探してたんだ。……何やってんだ?」
パウルは僕とジュリと、当然その後ろにひっついているアザルを見つめて首を傾げた。僕はアザルのことを説明しようと口を開いたが、パウルの後ろで、同じくフードで頭を隠しているクラウスがそわそわとしているのに気付いて言葉を変えた。
「……今からどこかで食事でもと思って」
今や軍人以外にも多くの商人や市民が行き来している街だ、結局フードを被って金髪を隠すのは、必要以上に目立つのを避けるためだろう。その怪しい出で立ちの男二人を含んで道端で立ち話というのも躊躇われた。
パウルも気持ちは同じなのだろう、アザルのことを詮索する前に僕の話に乗ってきた。
「おお飯か、それはいい、私も一緒にさせてくれ。いい店を紹介しよう、モルズが普段使いしている所らしくてな……」
そう流れるような調子で言って平然と歩き出した。特に行く店の当てが決まっていたわけでもないから、僕達もそれについていくことにする。
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