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閑話10 モナコラ伯爵の危機 妻の托卵
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モナコラ伯爵の危機 妻の托卵
モナコラ伯爵家にアンドレオへの召還状が届いたのは、曇った朝のことだった。
空は今にも雨が落ちそうなほど暗かった。
アンドレオは、赤い封蝋に刻まれた王家の紋章を見た瞬間、胸の奥がひやりと冷えた。
「……なぜ、赤い封蝋が我が家に来たのだ」
借金は、まだ表に出ていないはずだ。
鉱山は閉山になったが、それは騒ぎになるほどの話でもない。
そう――思った。
だが、封を切った瞬間、アンドレオは絶望した。
『モナコラ伯爵アンドレオ、
皇女ペネロペ殿下に関わる不敬、
ならびに王命による婚姻を離縁した件、
上記、二つについての説明を求める。
至急、王都へ出頭せよ』
その内容に血の気が引いた。
皇女ペネロペ殿下に関わる不敬とは、まさか
エマの店にいた店員を愛人にしようとした件なのか?
まさか、本当に、帝国の皇女だったのか……。
「……馬鹿なことだ。皇女がエマの店で働いているなど誰が想像できるというのだ」
手紙を持つ指が、激しく震える。
あの店での一件。
エマのパワーストーンの店で、女を脅して愛人にしようとした。
もし本当にあの店員が皇女だったら、
俺は終わりだ……。
想像の範囲を超えた出来事に、理解が追いつかない。
それに、ならびに王命による婚姻を離縁した件は、エマとの結婚のことだろう。
王家が命じた、借金整理のための形式的な婚姻。
役目が終わり、三年の間に子供ができなかったから離縁した。
それのどこに弁明する必要があるのか?
王国法に違反していない行為だ。
――なのになぜ? こんな手紙を寄こしたのだ。
怒りで、召還状を握り潰しかけた、その時。
「……アンドレオ」
低い声が、背後から響いた。
振り返ると、父――フランシスコ=モナコラが、そこに立っていた。
いつから、見ていたのか分からない。
表情が読めない顔をしている。
「父上……」
父は、召還状に視線を落とし、短く息を吐いた。
「ついに来たのか」
「……知っていたのですか?」
「当然だ」
父は、淡々と言った。
「王城にも私の伝手はあるからな」
心臓が、嫌な音を立てた。
「だが」
父は、俺をまっすぐに見据える。
「王家の話をする前に――
家の中で、片を付ける話がある」
そのまま、書斎へと連れて行かれた。
◇
書斎の重い扉が閉じられる音が、やけに大きく響く。
「座れ」
言われるまま、父の前にある椅子に腰を下ろす。
机越しに俺を見る父の姿は、何か言いづらそうにも見えた。
それでも父は重そうに口を開いた。
「アンドレオ。
お前、本当に自分の“子ができた”と思っているのか?」
嫌な質問に、頭が拒絶しそうになった。
その言葉は俺自身もそう思っていたからである。
胸が凍りついた気分だ。
「……アルカのお腹の中の子のことですか?」
「そうだ、お前に子ができるはずがないのだ」
「なぜ、そう言い切れるのですか?」
父は、表情を変えない。
だが、言いづらそうに細々と口を開いた。
「……すまない、避妊薬を朝食に入れていた。
――お前の朝食に毎食、薬を入れるように命令していた」
意味が分からなかった。
それがどれだけ重大なことなのかを、俺は知っていた。
もし、それが事実なら……大変なことになる。
俺の脳裏に医者とのやり取りが思い出された。
「領地改革中のため、子供を作るのをしばらく控えたい。絶対に妊娠させない、強い避妊薬をくれ」
「……かしこまりました。強い薬ですので、服用は一日一回だけです」
「飲みすぎると?」
「子種がなくなります。永久に」
そうだ、一日一回だけの服用なのに……。
父の話では俺は一日二回服用したことになる。
それが事実なら……俺は子種が無くなったのか――
「……は?」
「エマが嫁いできた直後から、お前に飲ませていた。
子ができないようにな」
あまりのことに、耳鳴りがした。
これは絶望への道を進もうとしている。
や、やめて、くれ。
それ以上、先は聞きたくない。
だが、俺の口は静かに動いた。
「なぜ……!」
「エマとの間に子ができれば、伯爵家はエマに乗っ取られる。そうなれば、
我々は永遠に節約生活だ。」
冷たい断言。
そして、俺と同じ考えだ。
まさか、親子だからなのか……。
同じことを考え、同じ行動をしていたというのか――。
「私には金が必要だ。
エマがここにいれば、わしが自由になる金は微々たるものになる」
俺は子孫を残せない体になったのか……。
いや、そんなことはない。
なぜなら、そうだ、アルカだ。
アルカは妊娠しているのだ。
アルカのお腹の中には俺の子がいるのだ。
言葉が、喉に詰まる。
「……アルカは妊娠している! 俺の子だ」
「それがおかしい、と言っている」
父の声は、低く、容赦がなかった。
「アルカのお腹の子は――お前の子ではない」
世界が、音を立てて崩れた。
そんなはずはない。
それは間違いだ。
アルカのお腹の子は俺の子供だ。
そうじゃなければ、おかしい。
アルカが妊娠しているのがすべてだ。
だが、口から出たのは疑いの言葉だった。
「……じゃあ、アルカの子は……」
「托卵だな、お前の子じゃない、誰かの子供だ」
その一言に俺は失望した。
アルカが裏切ったのか……。
俺の子供ではないのか?
アルカは俺を騙したのか……。
信じられない。信じたくない。嘘だと誰か言ってくれ!!!!
◇
その日の夕方。
昼過ぎから降りだした雨は、今も続いていた。
暗闇の中を雨音だけが不気味に響いていた。
俺は、屋敷の居間にアルカを呼び出した。
お腹が出始めているアルカが不思議そうな顔で現れた。
「アルカ」
「怖い顔をしてどうしたの? アンドレオ様?」
いつも通りの甘えた声。
だが、もう心は動かない。
「……お腹の子は、誰の子だ」
一瞬の沈黙。
そして、アルカは――フフフと小さく笑った。
今までの甘えるような声ではなく、嘲るような声で。
頭を掻きながら、悪びれることもなく、薄笑いを浮かべながら淡々と続けた。
「……あぁあ、ばれちゃったか?」
まるでいたずらがバレた子供のような無邪気な姿だった。
そして、今までとはまったく違う、目で俺を見つめた。
それは今までの甘えるような弱者の瞳ではなく、
まるで獣のような瞳だ。
豹変したアルカに、俺は血が逆流したかのようにぞっとした。
思わず叫び出した。
「ふざけるな!!」
「だってね~」
アルカはおどける様に肩をすくめる。
「あなたが、勝手にわたしをここに連れてきたんでしょう?」
「俺を、騙したのか!」
「それはあなたでしょう。伯爵様って言うから、伯爵夫人になれると期待したのに。
お金はないし、屋敷の使用人は意地悪だし、まるで詐欺にあった気分だわ」
ひどく後味の悪い開き直りだった。
俺が詐欺だと、騙しただと……。
「だけど、伯爵様」
アルカは、今度は、甘えるような声で俺に告げた。
「今までの“慰謝料”として、もらったものは返しませんわ」
宝石箱。
衣装。
金貨。
「バレてしまったから、明日には屋敷を出ていくわ、さよなら、伯爵様」
そう言って、アルカは去ろうとする。
「ま、待て、金目の物は置いていけ」
「フフフ、残念だけど、ほとんどもうないわ。とっくに使い切ったから」
その言葉を聞いて、それ以上、アルカを止める言葉は、思い浮かばなかった。
アルカに渡した金は、伯爵家にとっては、それほどの額ではないからだ。
アルカが去り、静まり返った部屋に、一人残される。
机の上には、王家の召還状。
「……終わった」
その時、ようやく理解した。
エマを追い出した日が、
伯爵の終わりの始まりだったのだ。
だが、それでも――
「エマがいれば、何とかなったものを……」
俺は、まだ縋っていた。
自分から離縁し、追い出した女がどれほど大切な存在だったのかを
改めて思い知らされたのだ。
エマがいれば、どうにかなったのに……
でも、もうエマは絶対に戻ってこない。
エマの周りには、屈強の護衛たちがいる。
そして、あの店員が皇女ならば、もうエマは、俺が絶対に手を出してはいけない
遠い存在になっているのだ。
王家の召還状が、
この屋敷に落とした影の重さを、
俺はまだ、本当の意味では理解していなかった。
――モナコラ伯爵家の崩壊は、
すでに、屋敷の中から始まっていたのだ。
モナコラ伯爵家にアンドレオへの召還状が届いたのは、曇った朝のことだった。
空は今にも雨が落ちそうなほど暗かった。
アンドレオは、赤い封蝋に刻まれた王家の紋章を見た瞬間、胸の奥がひやりと冷えた。
「……なぜ、赤い封蝋が我が家に来たのだ」
借金は、まだ表に出ていないはずだ。
鉱山は閉山になったが、それは騒ぎになるほどの話でもない。
そう――思った。
だが、封を切った瞬間、アンドレオは絶望した。
『モナコラ伯爵アンドレオ、
皇女ペネロペ殿下に関わる不敬、
ならびに王命による婚姻を離縁した件、
上記、二つについての説明を求める。
至急、王都へ出頭せよ』
その内容に血の気が引いた。
皇女ペネロペ殿下に関わる不敬とは、まさか
エマの店にいた店員を愛人にしようとした件なのか?
まさか、本当に、帝国の皇女だったのか……。
「……馬鹿なことだ。皇女がエマの店で働いているなど誰が想像できるというのだ」
手紙を持つ指が、激しく震える。
あの店での一件。
エマのパワーストーンの店で、女を脅して愛人にしようとした。
もし本当にあの店員が皇女だったら、
俺は終わりだ……。
想像の範囲を超えた出来事に、理解が追いつかない。
それに、ならびに王命による婚姻を離縁した件は、エマとの結婚のことだろう。
王家が命じた、借金整理のための形式的な婚姻。
役目が終わり、三年の間に子供ができなかったから離縁した。
それのどこに弁明する必要があるのか?
王国法に違反していない行為だ。
――なのになぜ? こんな手紙を寄こしたのだ。
怒りで、召還状を握り潰しかけた、その時。
「……アンドレオ」
低い声が、背後から響いた。
振り返ると、父――フランシスコ=モナコラが、そこに立っていた。
いつから、見ていたのか分からない。
表情が読めない顔をしている。
「父上……」
父は、召還状に視線を落とし、短く息を吐いた。
「ついに来たのか」
「……知っていたのですか?」
「当然だ」
父は、淡々と言った。
「王城にも私の伝手はあるからな」
心臓が、嫌な音を立てた。
「だが」
父は、俺をまっすぐに見据える。
「王家の話をする前に――
家の中で、片を付ける話がある」
そのまま、書斎へと連れて行かれた。
◇
書斎の重い扉が閉じられる音が、やけに大きく響く。
「座れ」
言われるまま、父の前にある椅子に腰を下ろす。
机越しに俺を見る父の姿は、何か言いづらそうにも見えた。
それでも父は重そうに口を開いた。
「アンドレオ。
お前、本当に自分の“子ができた”と思っているのか?」
嫌な質問に、頭が拒絶しそうになった。
その言葉は俺自身もそう思っていたからである。
胸が凍りついた気分だ。
「……アルカのお腹の中の子のことですか?」
「そうだ、お前に子ができるはずがないのだ」
「なぜ、そう言い切れるのですか?」
父は、表情を変えない。
だが、言いづらそうに細々と口を開いた。
「……すまない、避妊薬を朝食に入れていた。
――お前の朝食に毎食、薬を入れるように命令していた」
意味が分からなかった。
それがどれだけ重大なことなのかを、俺は知っていた。
もし、それが事実なら……大変なことになる。
俺の脳裏に医者とのやり取りが思い出された。
「領地改革中のため、子供を作るのをしばらく控えたい。絶対に妊娠させない、強い避妊薬をくれ」
「……かしこまりました。強い薬ですので、服用は一日一回だけです」
「飲みすぎると?」
「子種がなくなります。永久に」
そうだ、一日一回だけの服用なのに……。
父の話では俺は一日二回服用したことになる。
それが事実なら……俺は子種が無くなったのか――
「……は?」
「エマが嫁いできた直後から、お前に飲ませていた。
子ができないようにな」
あまりのことに、耳鳴りがした。
これは絶望への道を進もうとしている。
や、やめて、くれ。
それ以上、先は聞きたくない。
だが、俺の口は静かに動いた。
「なぜ……!」
「エマとの間に子ができれば、伯爵家はエマに乗っ取られる。そうなれば、
我々は永遠に節約生活だ。」
冷たい断言。
そして、俺と同じ考えだ。
まさか、親子だからなのか……。
同じことを考え、同じ行動をしていたというのか――。
「私には金が必要だ。
エマがここにいれば、わしが自由になる金は微々たるものになる」
俺は子孫を残せない体になったのか……。
いや、そんなことはない。
なぜなら、そうだ、アルカだ。
アルカは妊娠しているのだ。
アルカのお腹の中には俺の子がいるのだ。
言葉が、喉に詰まる。
「……アルカは妊娠している! 俺の子だ」
「それがおかしい、と言っている」
父の声は、低く、容赦がなかった。
「アルカのお腹の子は――お前の子ではない」
世界が、音を立てて崩れた。
そんなはずはない。
それは間違いだ。
アルカのお腹の子は俺の子供だ。
そうじゃなければ、おかしい。
アルカが妊娠しているのがすべてだ。
だが、口から出たのは疑いの言葉だった。
「……じゃあ、アルカの子は……」
「托卵だな、お前の子じゃない、誰かの子供だ」
その一言に俺は失望した。
アルカが裏切ったのか……。
俺の子供ではないのか?
アルカは俺を騙したのか……。
信じられない。信じたくない。嘘だと誰か言ってくれ!!!!
◇
その日の夕方。
昼過ぎから降りだした雨は、今も続いていた。
暗闇の中を雨音だけが不気味に響いていた。
俺は、屋敷の居間にアルカを呼び出した。
お腹が出始めているアルカが不思議そうな顔で現れた。
「アルカ」
「怖い顔をしてどうしたの? アンドレオ様?」
いつも通りの甘えた声。
だが、もう心は動かない。
「……お腹の子は、誰の子だ」
一瞬の沈黙。
そして、アルカは――フフフと小さく笑った。
今までの甘えるような声ではなく、嘲るような声で。
頭を掻きながら、悪びれることもなく、薄笑いを浮かべながら淡々と続けた。
「……あぁあ、ばれちゃったか?」
まるでいたずらがバレた子供のような無邪気な姿だった。
そして、今までとはまったく違う、目で俺を見つめた。
それは今までの甘えるような弱者の瞳ではなく、
まるで獣のような瞳だ。
豹変したアルカに、俺は血が逆流したかのようにぞっとした。
思わず叫び出した。
「ふざけるな!!」
「だってね~」
アルカはおどける様に肩をすくめる。
「あなたが、勝手にわたしをここに連れてきたんでしょう?」
「俺を、騙したのか!」
「それはあなたでしょう。伯爵様って言うから、伯爵夫人になれると期待したのに。
お金はないし、屋敷の使用人は意地悪だし、まるで詐欺にあった気分だわ」
ひどく後味の悪い開き直りだった。
俺が詐欺だと、騙しただと……。
「だけど、伯爵様」
アルカは、今度は、甘えるような声で俺に告げた。
「今までの“慰謝料”として、もらったものは返しませんわ」
宝石箱。
衣装。
金貨。
「バレてしまったから、明日には屋敷を出ていくわ、さよなら、伯爵様」
そう言って、アルカは去ろうとする。
「ま、待て、金目の物は置いていけ」
「フフフ、残念だけど、ほとんどもうないわ。とっくに使い切ったから」
その言葉を聞いて、それ以上、アルカを止める言葉は、思い浮かばなかった。
アルカに渡した金は、伯爵家にとっては、それほどの額ではないからだ。
アルカが去り、静まり返った部屋に、一人残される。
机の上には、王家の召還状。
「……終わった」
その時、ようやく理解した。
エマを追い出した日が、
伯爵の終わりの始まりだったのだ。
だが、それでも――
「エマがいれば、何とかなったものを……」
俺は、まだ縋っていた。
自分から離縁し、追い出した女がどれほど大切な存在だったのかを
改めて思い知らされたのだ。
エマがいれば、どうにかなったのに……
でも、もうエマは絶対に戻ってこない。
エマの周りには、屈強の護衛たちがいる。
そして、あの店員が皇女ならば、もうエマは、俺が絶対に手を出してはいけない
遠い存在になっているのだ。
王家の召還状が、
この屋敷に落とした影の重さを、
俺はまだ、本当の意味では理解していなかった。
――モナコラ伯爵家の崩壊は、
すでに、屋敷の中から始まっていたのだ。
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