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第57話 マケドニア聖教国に向けて
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階段を上がるエリーゼの足取りは、どこかぎこちなかった。
帽子の男――ガーランの言葉が、脳裏に深く根を張って離れない。封印。魔王国選別大会。マケドニア聖教国。そして世界の滅亡。
(……もし、あれが全部、本当なら)
心の奥底が静かに震えた。でも、それに呑まれるわけにはいかなかった。エリーゼは小さく首を振り、深く息を吐いた。
「ただいま……」
陽だまり亭の二階。スプレーマムの面々が長期滞在する部屋に入ると、夕食前のくつろいだ空気が漂っていた。だがエリーゼの表情を見た瞬間、部屋にいた三人が同時に顔を上げた。
「エリーゼ、遅かったな。来客って誰だったんだ?」
そう訊いたのは、黒髪の剣士マスキュラ―だった。逞しい体をソファから起こし、真っ直ぐに彼女を見つめる。その横で、銀縁眼鏡の神官ダリルが静かに本を閉じた。金髪の美青年アリスターは優雅な仕草で髪をかき上げながら、興味深そうに視線を向けてくる。
「……ちょっと、みんなに話したいことがあるの。大事な話」
その言葉に、三人が自然と腰を上げた。椅子を引き寄せ、テーブルの周囲に集まる。四人は小さな円を描くように座った。
エリーゼは静かに語り出した。帽子の男――ガーランとの会話。彼が魔族の王族であること。祖母が選別大会を勝ち抜き、かつてカールと共に魔王国の王座についたこと。そして、再び封印を狙う魔族たちが現れたこと。次の選別大会は、世界の運命を左右するかもしれないこと。
「……鍵は、マケドニア聖教国にある。彼はそう言ってた」
語り終えると、部屋の空気が張り詰めた。沈黙を破ったのはアリスターだった。
「封印、か……。ボクの知識でも、その詳細はあまり記されてないんだ。だけど、確かにその存在は古い文献にちらほらと。もし、それが本当に破られたら――この世界は危うい」
顎に指をあて、思索に沈むその様は、まるで王子のように品があった。
「……ってことは、黙ってたら世界がぶっ壊れるってことだな。へっ、燃えてきたぜ」
マスキュラ―が拳を鳴らし、口角を吊り上げて笑った。その瞳には、戦士としての熱が宿っている。
「拙者も……同行を拒む理由はないでござる」
低く呟いたのは、眼鏡の奥に沈む瞳を光らせたダリルだった。
「マケドニア聖教国は、拙者が追放された国……だが、あの国が“奇跡”と称するものの裏側を知らずして、真実に辿り着けるとは思えぬでござる」
「ダリル……ありがとう」
エリーゼはその言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
「行くとして……問題は、どうやってマケドニアに入るか、だね」
現実的な障壁に言及すると、アリスターが肩をすくめた。
「正面突破はまず無理だよ。ダリルが追放されてるし、ボクやエリーゼの顔も割れてる可能性が高い。あの国は外部者に対して、極端に閉鎖的だからね」
「だったら、抜け道を探すしかねぇな。裏ルートで潜り込む」
マスキュラ―が荷物袋から古い地図を広げた。険しい山脈、廃道、廃教会――密航できそうなルートを探しながら、彼は言った。
「情報屋に頼るのが早ぇかもな。ああいうヤツら、こういうとき便利だしな」
「準備もしっかりしておこう。食料、装備、馬……それと変装道具も」
エリーゼが一つ一つ項目を挙げると、ダリルがそっと口を開いた。
「変装には……拙者が扱う“隠蔽の祈祷”が役立つやもしれぬ。完全ではないが、魔力で気配や姿を曖昧にする術……試す価値はあるでござる」
「うん、頼りにしてるよ、ダリル」
エリーゼの言葉に、ダリルは少しだけ照れくさそうに眼鏡を指で押し上げた。
ふと、エリーゼは仲間たちの顔を見渡した。そして、迷いを含んだ問いを口にした。
「ねえ……ガーランって人、信じていいと思う?」
一瞬の沈黙。重い問いだった。
「信じるかどうかは……行動で判断するべきだね。でも、ボクの目から見ても、彼は“本気”だったと思う。あれは、何かを背負った者の目だ」
アリスターの言葉に、他の三人も頷いた。
「たとえ罠だったとしてもよ……オレは黙って滅ぶなんて性に合わねぇ。だったら、拳で未来を切り開く方が性に合ってる」
マスキュラ―が不敵に笑う。
「拙者も……もう一度、あの国と向き合うべき時が来たと、そう思うでござる」
エリーゼは、小さく微笑んだ。
「じゃあ……行こう。マケドニア聖教国へ」
誰からともなく、拳を中央に差し出した。四人の拳が、静かに重なった。
その夜。エリーゼは宿屋の屋上に立っていた。
夜風が桃色の髪を優しく撫で、星々が無数の光を天に灯している。彼女は右腕を見た。金龍の力を宿した、金に輝く腕。そして左足には、フェンリルの力が銀の輝きを纏う。
(……この身体も、この力も、意味があるはず)
前世の記憶――交通事故で命を落とした女子高生としての自分。なぜこの世界に転生したのか。ずっと答えを探していた。
でも今は、はっきりと言える。
「わたし……たぶん、この世界で何かを為すために来たんだね」
呟いた瞬間、夜風の音がふと止んだような気がした。
(もう、独りじゃない。みんながいる)
エリーゼは夜空を見上げた。
この世界を守るために。仲間と共に歩む未来のために。どんな運命が待ち受けていようと、彼女は剣を握り続けるだろう。
帽子の男――ガーランの言葉が、脳裏に深く根を張って離れない。封印。魔王国選別大会。マケドニア聖教国。そして世界の滅亡。
(……もし、あれが全部、本当なら)
心の奥底が静かに震えた。でも、それに呑まれるわけにはいかなかった。エリーゼは小さく首を振り、深く息を吐いた。
「ただいま……」
陽だまり亭の二階。スプレーマムの面々が長期滞在する部屋に入ると、夕食前のくつろいだ空気が漂っていた。だがエリーゼの表情を見た瞬間、部屋にいた三人が同時に顔を上げた。
「エリーゼ、遅かったな。来客って誰だったんだ?」
そう訊いたのは、黒髪の剣士マスキュラ―だった。逞しい体をソファから起こし、真っ直ぐに彼女を見つめる。その横で、銀縁眼鏡の神官ダリルが静かに本を閉じた。金髪の美青年アリスターは優雅な仕草で髪をかき上げながら、興味深そうに視線を向けてくる。
「……ちょっと、みんなに話したいことがあるの。大事な話」
その言葉に、三人が自然と腰を上げた。椅子を引き寄せ、テーブルの周囲に集まる。四人は小さな円を描くように座った。
エリーゼは静かに語り出した。帽子の男――ガーランとの会話。彼が魔族の王族であること。祖母が選別大会を勝ち抜き、かつてカールと共に魔王国の王座についたこと。そして、再び封印を狙う魔族たちが現れたこと。次の選別大会は、世界の運命を左右するかもしれないこと。
「……鍵は、マケドニア聖教国にある。彼はそう言ってた」
語り終えると、部屋の空気が張り詰めた。沈黙を破ったのはアリスターだった。
「封印、か……。ボクの知識でも、その詳細はあまり記されてないんだ。だけど、確かにその存在は古い文献にちらほらと。もし、それが本当に破られたら――この世界は危うい」
顎に指をあて、思索に沈むその様は、まるで王子のように品があった。
「……ってことは、黙ってたら世界がぶっ壊れるってことだな。へっ、燃えてきたぜ」
マスキュラ―が拳を鳴らし、口角を吊り上げて笑った。その瞳には、戦士としての熱が宿っている。
「拙者も……同行を拒む理由はないでござる」
低く呟いたのは、眼鏡の奥に沈む瞳を光らせたダリルだった。
「マケドニア聖教国は、拙者が追放された国……だが、あの国が“奇跡”と称するものの裏側を知らずして、真実に辿り着けるとは思えぬでござる」
「ダリル……ありがとう」
エリーゼはその言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
「行くとして……問題は、どうやってマケドニアに入るか、だね」
現実的な障壁に言及すると、アリスターが肩をすくめた。
「正面突破はまず無理だよ。ダリルが追放されてるし、ボクやエリーゼの顔も割れてる可能性が高い。あの国は外部者に対して、極端に閉鎖的だからね」
「だったら、抜け道を探すしかねぇな。裏ルートで潜り込む」
マスキュラ―が荷物袋から古い地図を広げた。険しい山脈、廃道、廃教会――密航できそうなルートを探しながら、彼は言った。
「情報屋に頼るのが早ぇかもな。ああいうヤツら、こういうとき便利だしな」
「準備もしっかりしておこう。食料、装備、馬……それと変装道具も」
エリーゼが一つ一つ項目を挙げると、ダリルがそっと口を開いた。
「変装には……拙者が扱う“隠蔽の祈祷”が役立つやもしれぬ。完全ではないが、魔力で気配や姿を曖昧にする術……試す価値はあるでござる」
「うん、頼りにしてるよ、ダリル」
エリーゼの言葉に、ダリルは少しだけ照れくさそうに眼鏡を指で押し上げた。
ふと、エリーゼは仲間たちの顔を見渡した。そして、迷いを含んだ問いを口にした。
「ねえ……ガーランって人、信じていいと思う?」
一瞬の沈黙。重い問いだった。
「信じるかどうかは……行動で判断するべきだね。でも、ボクの目から見ても、彼は“本気”だったと思う。あれは、何かを背負った者の目だ」
アリスターの言葉に、他の三人も頷いた。
「たとえ罠だったとしてもよ……オレは黙って滅ぶなんて性に合わねぇ。だったら、拳で未来を切り開く方が性に合ってる」
マスキュラ―が不敵に笑う。
「拙者も……もう一度、あの国と向き合うべき時が来たと、そう思うでござる」
エリーゼは、小さく微笑んだ。
「じゃあ……行こう。マケドニア聖教国へ」
誰からともなく、拳を中央に差し出した。四人の拳が、静かに重なった。
その夜。エリーゼは宿屋の屋上に立っていた。
夜風が桃色の髪を優しく撫で、星々が無数の光を天に灯している。彼女は右腕を見た。金龍の力を宿した、金に輝く腕。そして左足には、フェンリルの力が銀の輝きを纏う。
(……この身体も、この力も、意味があるはず)
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でも今は、はっきりと言える。
「わたし……たぶん、この世界で何かを為すために来たんだね」
呟いた瞬間、夜風の音がふと止んだような気がした。
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