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第150話 シャルル、エリーゼへ手紙を送る お前が愛するオレ様からの嬉しい手紙だ!
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『オレ様の勝利は目前だ――剣聖エリーゼの忠誠』
まったく、予想通りだ。
いや、それ以上と言ってもいいだろう。
このシャルル=レインハルト、元王子たるオレ様の見る目はやはり間違っていなかった。
エリーゼ。
オレ様に夢中だったあの愛らしい令嬢が、今や大陸を救う英雄となった――なんと感動的な筋書きだろうか。
今日、近衛騎士隊長キリエムが届けた報告書を読んで、オレ様は思わず椅子から立ち上がった。
「ふはははっ、見たか父上! 見たか貴族ども! やはりエリーゼはオレ様が見込んだ女だった!」
書面には、こうあった。
・魔族による召喚儀式を阻止し、封印されし悪魔を討伐。
・国王陛下とユリウス、聖女セレスティアまでもが重傷を負う中、ただ一人、王都の危機を救った。
・その英雄の名は、エリーゼ=アルセリア。
・冒険者パーティー“スプレーマム”と共に戦い、大陸全土の秩序を守った。
見事すぎる……完璧な布石だ。
彼女の功績は、そのままオレ様のものになる。なぜなら、彼女はかつてオレ様に恋い焦がれた女。オレ様に忠義を誓ったに等しい存在なのだからな!
「なるほど……つまり、運命が再びオレ様の元に戻ってきたということだな」
そう、これは神意。天が再びオレ様に王座を差し出すための舞台を整えたに違いない。
婚約破棄だの、冤罪だの、王族追放だの……まったく、愚かな大人たちが勝手に暴れ回っただけの話だ。
オレ様は最初から分かっていた。
エリーゼは他の女とは違う。あのまっすぐな瞳、芯の通った剣筋、何よりオレ様への一途な愛。彼女こそ、未来の王妃に相応しい女だと。
そして今や、大陸を救う英雄にまで成り上がった。
素晴らしい、最高だ。完璧すぎる。
「これでオレ様の王位復権も、現実味を帯びてきたな」
陛下である父もオレ様を認めるだろう。弟も同様に王位は諦めるだろう。
剣聖を妻持ったオレ様の復帰を求める声が高まるはずだ。
そこへ“英雄の妻”エリーゼを伴って戻れば、民も貴族も、ひれ伏すに決まっている。
それどころか、大陸中の注目を一手に集める“理想のカップル”として、王族の新たな象徴になるやもしれぬ。
「ふふん……待っていろ、エリーゼ。お前の愛に応える時が来たようだな」
かつて彼女が見せた恥じらいがちの笑み、照れて目を逸らす仕草。
あれは確かに、オレ様に惚れていた女のそれだった。あれが演技であろうはずがない。
だから大丈夫だ。迎えに行けば、彼女は喜んでオレ様の腕に飛び込んでくる。
そして正室として王宮に迎え入れよう。
姉のカリーナ? あいつもまあ悪くはない。側室として置いてやればいいだろう。
王族の血統のことを考えれば、むしろ賢明な選択だ。
「完璧だ……完璧すぎる……!」
エリーゼを正室、カリーナを側室。
二人の美姫を従え、オレ様は民に微笑みかける王となる。
その姿を想像しただけで、全身が震える。
まさしく“王たる器”だ、オレ様は。
……ただ、一つ気がかりなのは、彼女の周囲にいるという連中、“スプレーマム”とかいう怪しげな冒険者集団のことだ。
なにやら奇抜な者たちが揃っているらしいが、所詮は成り上がり。エリーゼの光に群がった蛾のようなものだろう。
「むしろ利用できるな。彼らを臣下として取り込めば、戦力としても文句なし」
英雄を従える王。
その王を支える最強の冒険者たち。
この組み合わせ、民が熱狂せぬわけがない。
記念式典を開き、民衆の前でエリーゼとの再会を演出するのも悪くない。
涙ながらに抱き合い、過去の別れを乗り越えた二人の“愛と忠義の再結合”。
――完璧すぎて、身震いすら覚えるな。
「ふっ……オレ様の時代が、ついに来た」
さっそく使いの者を準備させよう。
神都ルシェルにはすでにキリエムがいるが、オレ様直々の親書を持たせる必要がある。
文面はこうだ。
エリーゼ=アルセリア殿へ
久方ぶりだな、我が運命の剣。
お前の輝かしき功績は既に余の耳にも届いている。
悪魔を討ち、大陸を救い、我が国を守ったその武勲、まさしく誇り高き我が未来の王妃に相応しい。
あの時はすまなかった。
国を思い、周囲の圧力に屈するしかなかったとはいえ、オレ様も胸を痛めていたのだ。
だが、もう迷いはない。
今度こそ、共に歩もうではないか。
お前を迎えにテオドリック国に行く、楽しみに待っていろ。
――シャルル=レインハルト
うむ、完璧な文面だ。余裕と愛情、そして支配の香りを漂わせる黄金比の文。
ああ、想像できる。
文を読んだエリーゼが、目に涙を浮かべ、手紙を胸に抱きしめる光景を。
そしてきっと、彼女は思い出すだろう。
王宮の庭園で共に笑い合った日々。オレ様の姿を追いかけていたあの頃を――
「ふっ、逃すものかよ。お前はオレ様のものだ、エリーゼ」
そう、どれだけ世界が変わろうとも。
彼女の心はきっと、オレ様のもののままに違いない。
そして、オレ様の地位は再び、世界の頂点へと返り咲く。
これはもう、決まった未来だ。
神も、歴史も、運命も――すべてがオレ様の勝利を祝福している。
まったく、予想通りだ。
いや、それ以上と言ってもいいだろう。
このシャルル=レインハルト、元王子たるオレ様の見る目はやはり間違っていなかった。
エリーゼ。
オレ様に夢中だったあの愛らしい令嬢が、今や大陸を救う英雄となった――なんと感動的な筋書きだろうか。
今日、近衛騎士隊長キリエムが届けた報告書を読んで、オレ様は思わず椅子から立ち上がった。
「ふはははっ、見たか父上! 見たか貴族ども! やはりエリーゼはオレ様が見込んだ女だった!」
書面には、こうあった。
・魔族による召喚儀式を阻止し、封印されし悪魔を討伐。
・国王陛下とユリウス、聖女セレスティアまでもが重傷を負う中、ただ一人、王都の危機を救った。
・その英雄の名は、エリーゼ=アルセリア。
・冒険者パーティー“スプレーマム”と共に戦い、大陸全土の秩序を守った。
見事すぎる……完璧な布石だ。
彼女の功績は、そのままオレ様のものになる。なぜなら、彼女はかつてオレ様に恋い焦がれた女。オレ様に忠義を誓ったに等しい存在なのだからな!
「なるほど……つまり、運命が再びオレ様の元に戻ってきたということだな」
そう、これは神意。天が再びオレ様に王座を差し出すための舞台を整えたに違いない。
婚約破棄だの、冤罪だの、王族追放だの……まったく、愚かな大人たちが勝手に暴れ回っただけの話だ。
オレ様は最初から分かっていた。
エリーゼは他の女とは違う。あのまっすぐな瞳、芯の通った剣筋、何よりオレ様への一途な愛。彼女こそ、未来の王妃に相応しい女だと。
そして今や、大陸を救う英雄にまで成り上がった。
素晴らしい、最高だ。完璧すぎる。
「これでオレ様の王位復権も、現実味を帯びてきたな」
陛下である父もオレ様を認めるだろう。弟も同様に王位は諦めるだろう。
剣聖を妻持ったオレ様の復帰を求める声が高まるはずだ。
そこへ“英雄の妻”エリーゼを伴って戻れば、民も貴族も、ひれ伏すに決まっている。
それどころか、大陸中の注目を一手に集める“理想のカップル”として、王族の新たな象徴になるやもしれぬ。
「ふふん……待っていろ、エリーゼ。お前の愛に応える時が来たようだな」
かつて彼女が見せた恥じらいがちの笑み、照れて目を逸らす仕草。
あれは確かに、オレ様に惚れていた女のそれだった。あれが演技であろうはずがない。
だから大丈夫だ。迎えに行けば、彼女は喜んでオレ様の腕に飛び込んでくる。
そして正室として王宮に迎え入れよう。
姉のカリーナ? あいつもまあ悪くはない。側室として置いてやればいいだろう。
王族の血統のことを考えれば、むしろ賢明な選択だ。
「完璧だ……完璧すぎる……!」
エリーゼを正室、カリーナを側室。
二人の美姫を従え、オレ様は民に微笑みかける王となる。
その姿を想像しただけで、全身が震える。
まさしく“王たる器”だ、オレ様は。
……ただ、一つ気がかりなのは、彼女の周囲にいるという連中、“スプレーマム”とかいう怪しげな冒険者集団のことだ。
なにやら奇抜な者たちが揃っているらしいが、所詮は成り上がり。エリーゼの光に群がった蛾のようなものだろう。
「むしろ利用できるな。彼らを臣下として取り込めば、戦力としても文句なし」
英雄を従える王。
その王を支える最強の冒険者たち。
この組み合わせ、民が熱狂せぬわけがない。
記念式典を開き、民衆の前でエリーゼとの再会を演出するのも悪くない。
涙ながらに抱き合い、過去の別れを乗り越えた二人の“愛と忠義の再結合”。
――完璧すぎて、身震いすら覚えるな。
「ふっ……オレ様の時代が、ついに来た」
さっそく使いの者を準備させよう。
神都ルシェルにはすでにキリエムがいるが、オレ様直々の親書を持たせる必要がある。
文面はこうだ。
エリーゼ=アルセリア殿へ
久方ぶりだな、我が運命の剣。
お前の輝かしき功績は既に余の耳にも届いている。
悪魔を討ち、大陸を救い、我が国を守ったその武勲、まさしく誇り高き我が未来の王妃に相応しい。
あの時はすまなかった。
国を思い、周囲の圧力に屈するしかなかったとはいえ、オレ様も胸を痛めていたのだ。
だが、もう迷いはない。
今度こそ、共に歩もうではないか。
お前を迎えにテオドリック国に行く、楽しみに待っていろ。
――シャルル=レインハルト
うむ、完璧な文面だ。余裕と愛情、そして支配の香りを漂わせる黄金比の文。
ああ、想像できる。
文を読んだエリーゼが、目に涙を浮かべ、手紙を胸に抱きしめる光景を。
そしてきっと、彼女は思い出すだろう。
王宮の庭園で共に笑い合った日々。オレ様の姿を追いかけていたあの頃を――
「ふっ、逃すものかよ。お前はオレ様のものだ、エリーゼ」
そう、どれだけ世界が変わろうとも。
彼女の心はきっと、オレ様のもののままに違いない。
そして、オレ様の地位は再び、世界の頂点へと返り咲く。
これはもう、決まった未来だ。
神も、歴史も、運命も――すべてがオレ様の勝利を祝福している。
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