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ヒロインと負けヒロイン
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"どちらと結ばれる結末にしようかしら‥‥"
漫画家の春場留美子は悩んでいた。
現在、執筆中のラブコメ漫画、『MALES BE‥‥』がクライマックスにさしかかり、
"真面目で、おとなしいが芯が強く、音楽が得意でピアノコンクールでも度々入賞するスウェーデン人の母と日本人の父というお金持ちを両親に持つ金髪お嬢様"の新発田ミサ
と
"快活で面倒見がよく男女だれからも慕われ、運動神経がよく空手の大会で入賞する、両親が創業300年の呉服店を営む大和撫子黒髪お嬢様"の島田ヒロ
のどちらかの美少女と、主人公の渋谷一郎が恋人になるのだが、どちらとカップリングさせるべきか悩んでいるのだ。
"前作のエッセイ系の漫画が打ち切られてあとがなくなったから、まっちゃる(担当編集者の藤田勝)にいわれるまま、パンをくわえた女子高生がパンチラする漫画(ラブコメ)を描いてみたら大当たりしたけど、絶対に最後は、負けヒロインが出るから、ラブコメは好きじゃないのよね。
だいたい、モブの主人公をこんなハイスペック美少女が好きになるわけないじゃない。しかもどっちの美少女にもファンの読者がいて「推しを幸せにして下さい」ってファンレターがくるからどちらのファンの読者の期待も裏切れないし‥‥"
ネームに行き詰まりながらフルデジタルで漫画を作成しているのに、アシスタントにインクとペン先を購入しに行くと伝えて、商店街に向かった。
古くからあったスーパーが閉店し、更地になった土地に、新たに建てられたコンビニでペン先とインクの代わりに、ジャンクなフライヤー商品とコーラを買い仕事場に帰ろうとしたとき、くる時にはなかったはずの"時を買います"と書かれた札が張られた屋台が目の前にあることに気が付いた。
"怪しい屋台だが何か漫画を描くヒントになるかも知れない"
と思った留美子は屋台に寄ってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康と引き換えにそれと同等の契約、モノ、経験が手に入る店だよ」
と店員がいったので、
「今、連載している漫画のラストをどうするか悩んでいるのだが、最期の結末をどうするか解決する契約を結ぶにはどれくらいの人生を売ればよいでしょうか?」
と留美子が尋ねるた。すると店員が
「その契約ですと1年ほどの人生を売っていただくことになります。仮にここで人生を売ったならその間の思い出は全く残りませんが、それでも契約されますか?」
といってきたので
「はい。契約します。」
と留美子が答えた。
すぐさま店員が契約書を出してきたので、その契約書にサインをするやいなや、藤田勝と打ち合わせをしている場面に自分がいることに気付いた
「第1期終了後、1年間の休載を挟んで再び第2期を執筆されるとのことで、そろそろ休載明けなので、その構想を伺いたく訪問いたしました。」
勝がそう話したので、1年間の想い出のない留美子は
「1年も間が空いちゃたから、漫画の終わりかたどうだったか覚えてないんだけど‥‥」
ととぼけたふりをして尋ねた。
「やだなぁ。当時SNSやメディアで賛否両論起こって、出版社もてんやわんやだったのに‥‥。
第1期のラストで、主人公の渋谷一郎を交通事故で死なせて、その葬式で初めて新発田ミサと島田ヒロが出会い、二人の美少女ヒロインが艱難辛苦乗り越えて、恋人同士になる"百合ファンタジー"の『FEMALES BE‥‥』を書かれるって話だったじゃないですか 」
勝の話を聞いて、留美子は
"新発田ミサと島田ヒロのどちらのファンも納得する展開だし、負けヒロインは生まれない。私もムサイ男より、美少女描く方が好きだし、『百合』って最高じゃない"
と思い、
「ねぇ、まっちゃる。もうパンをくわえた女子高生がパンチラする話を描かなくっていいってことよね」
と尋ねると
「そうです。第2期はパンなどいらないノーパン主義ですよ。」
と勝は元気に答えましたとさ。
漫画家の春場留美子は悩んでいた。
現在、執筆中のラブコメ漫画、『MALES BE‥‥』がクライマックスにさしかかり、
"真面目で、おとなしいが芯が強く、音楽が得意でピアノコンクールでも度々入賞するスウェーデン人の母と日本人の父というお金持ちを両親に持つ金髪お嬢様"の新発田ミサ
と
"快活で面倒見がよく男女だれからも慕われ、運動神経がよく空手の大会で入賞する、両親が創業300年の呉服店を営む大和撫子黒髪お嬢様"の島田ヒロ
のどちらかの美少女と、主人公の渋谷一郎が恋人になるのだが、どちらとカップリングさせるべきか悩んでいるのだ。
"前作のエッセイ系の漫画が打ち切られてあとがなくなったから、まっちゃる(担当編集者の藤田勝)にいわれるまま、パンをくわえた女子高生がパンチラする漫画(ラブコメ)を描いてみたら大当たりしたけど、絶対に最後は、負けヒロインが出るから、ラブコメは好きじゃないのよね。
だいたい、モブの主人公をこんなハイスペック美少女が好きになるわけないじゃない。しかもどっちの美少女にもファンの読者がいて「推しを幸せにして下さい」ってファンレターがくるからどちらのファンの読者の期待も裏切れないし‥‥"
ネームに行き詰まりながらフルデジタルで漫画を作成しているのに、アシスタントにインクとペン先を購入しに行くと伝えて、商店街に向かった。
古くからあったスーパーが閉店し、更地になった土地に、新たに建てられたコンビニでペン先とインクの代わりに、ジャンクなフライヤー商品とコーラを買い仕事場に帰ろうとしたとき、くる時にはなかったはずの"時を買います"と書かれた札が張られた屋台が目の前にあることに気が付いた。
"怪しい屋台だが何か漫画を描くヒントになるかも知れない"
と思った留美子は屋台に寄ってみることにした。
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康と引き換えにそれと同等の契約、モノ、経験が手に入る店だよ」
と店員がいったので、
「今、連載している漫画のラストをどうするか悩んでいるのだが、最期の結末をどうするか解決する契約を結ぶにはどれくらいの人生を売ればよいでしょうか?」
と留美子が尋ねるた。すると店員が
「その契約ですと1年ほどの人生を売っていただくことになります。仮にここで人生を売ったならその間の思い出は全く残りませんが、それでも契約されますか?」
といってきたので
「はい。契約します。」
と留美子が答えた。
すぐさま店員が契約書を出してきたので、その契約書にサインをするやいなや、藤田勝と打ち合わせをしている場面に自分がいることに気付いた
「第1期終了後、1年間の休載を挟んで再び第2期を執筆されるとのことで、そろそろ休載明けなので、その構想を伺いたく訪問いたしました。」
勝がそう話したので、1年間の想い出のない留美子は
「1年も間が空いちゃたから、漫画の終わりかたどうだったか覚えてないんだけど‥‥」
ととぼけたふりをして尋ねた。
「やだなぁ。当時SNSやメディアで賛否両論起こって、出版社もてんやわんやだったのに‥‥。
第1期のラストで、主人公の渋谷一郎を交通事故で死なせて、その葬式で初めて新発田ミサと島田ヒロが出会い、二人の美少女ヒロインが艱難辛苦乗り越えて、恋人同士になる"百合ファンタジー"の『FEMALES BE‥‥』を書かれるって話だったじゃないですか 」
勝の話を聞いて、留美子は
"新発田ミサと島田ヒロのどちらのファンも納得する展開だし、負けヒロインは生まれない。私もムサイ男より、美少女描く方が好きだし、『百合』って最高じゃない"
と思い、
「ねぇ、まっちゃる。もうパンをくわえた女子高生がパンチラする話を描かなくっていいってことよね」
と尋ねると
「そうです。第2期はパンなどいらないノーパン主義ですよ。」
と勝は元気に答えましたとさ。
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