18 / 47
社員教育
しおりを挟む
①『いらっしゃいませ』などのあいさつがきちんとできない。
②注文を取りに来るまで長時間待たされた
これが外食チェーン店の二大トラブルでありクレームの半分以上はこのような接客態度に関することになっている。
しかしこの二つの基本的な業務をスタッフが行ってくれないために、今、頭を悩ませているのがファミリーレストラン店長の酒井博だ。
酒井の担当店舗のスタッフは目の前の業務(例えばテーブルの拭き掃除やゴミ箱の整理)が最優先となってしまい、お客様への関心が低いため、お客様の満足度を上げる接客ができないのだ。
これを解決するには「店で、一番優秀な人の真似をしてもらう」ことが効果的であるが、一番優秀な最古参のベテランスタッフが退職してしまい、接客の不得意な新人のスタッフだけが残されてしまい教育するのに苦労している次第である。
本日も、お客様から「スタッフのあいさつに元気がない」とクレームを言われ、そのお客様に頭を下げ、心身ともにくたくたになったので、自宅に戻る足取りはとても重いものだった。
"今月は目標売上達成しないとなぁ"
社員教育がうまかなくとも当然ある店舗売上目標のことを考えながら歩いていつもの商店街を通過しようとしたとき、
「時・(人生)買います。」
と書かれた札の付いた見慣れない屋台があることに気が付いた。
"こんなところに屋台なんてなかったような気がするが寄ってみるか"
酒井が屋台に近づくと
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)を売って、それと同等の契約・モノ・経験が得られる店だよ。」
と店員が言った。
「お客様から、接客対応へのクレームが多く困っているのだが、それを解決する契約を結びたいのだが‥‥」
と酒井が言うと、
「その契約だと、3ヶ月の人生を売っていただければ、結構です。しかしその3ヶ月間の思い出は全く残りませんが、それでも契約しますか?」
と店員が続けた、
「はい。お願いいたします。」
酒井からの同意の返事を聞いて店員が契約書を出してきたので、酒井はその契約書にサインをした。
次の瞬間、酒井は自身が担当する店舗にいて、そのファミレス店舗が劇的な変貌を遂げていることを目の当たりにした。
"注文が全てタブレットで行えるようになっているし、決済はキャッシュレスのみの対応となっている上に、食事の提供もロボットが行うようになっているじゃないか❗️これなら接客の対応をする必要も少なくなってクレームに頭を悩ませることもなくなるじゃないか"
酒井がうれしくて小躍りしたい気分になっているその時、
「ふざけてんじゃねーぞ」
レジで会計をされているお客様が急に怒り出したのだ。
「どうされましたでしょうか?」
酒井がレジ担当のスタッフのところに駆け寄りお客様の対応をこころみた、
「タブレットの注文でドリンクバーなんて頼んでないのに料金は請求されたんだよ。」
酒井がお客様の注文履歴を確認するとしっかりドリンクバーの注文が入っていた。したがってスタッフのミスではない。お客さまがタブレット操作を誤って注文してしまったに違いない。
「お客様タブレットの履歴にはドリンクバーの注文が入っていますので、申し訳ありませんが料金をいただくことになります。」
酒井がお客様に説明すると、
「わかった。料金だけは払うけどもうこんな店こねぇからな。タッチパネルの仕様が各々チェーン店で違うから、俺が間違っていたんだろうけど、そこらへん融通効かせて料金もらわないとかできねぇのかよ。キャッシュレス決済のみになって、一番金を使う、年寄りの利用者が激減してるし、このファミレスチェーンもオワコンだよ。」
といって怒りながらも料金を支払って、お店を出ていかれるお客様の後ろ姿を見ながら、
"自分がミスを犯したのに店の悪口をいうとかありえないよなぁ"
と思う酒井であったが、このお客様の指摘された
・タッチパネルの仕様が、他の飲食チェーン店と同じようでないため、いつもお客様がパネルの迷宮に迷い込むチェーン店
・高齢者の囲い込みに失敗したチェーン店
にあてはまるこのファミレスチェーン店は淘汰されることとなり、社員教育を施す立場だった酒井自身が社員教育を一から他のファミレスで受けることとなったのはこのわずか二年後のことだったそうな。
②注文を取りに来るまで長時間待たされた
これが外食チェーン店の二大トラブルでありクレームの半分以上はこのような接客態度に関することになっている。
しかしこの二つの基本的な業務をスタッフが行ってくれないために、今、頭を悩ませているのがファミリーレストラン店長の酒井博だ。
酒井の担当店舗のスタッフは目の前の業務(例えばテーブルの拭き掃除やゴミ箱の整理)が最優先となってしまい、お客様への関心が低いため、お客様の満足度を上げる接客ができないのだ。
これを解決するには「店で、一番優秀な人の真似をしてもらう」ことが効果的であるが、一番優秀な最古参のベテランスタッフが退職してしまい、接客の不得意な新人のスタッフだけが残されてしまい教育するのに苦労している次第である。
本日も、お客様から「スタッフのあいさつに元気がない」とクレームを言われ、そのお客様に頭を下げ、心身ともにくたくたになったので、自宅に戻る足取りはとても重いものだった。
"今月は目標売上達成しないとなぁ"
社員教育がうまかなくとも当然ある店舗売上目標のことを考えながら歩いていつもの商店街を通過しようとしたとき、
「時・(人生)買います。」
と書かれた札の付いた見慣れない屋台があることに気が付いた。
"こんなところに屋台なんてなかったような気がするが寄ってみるか"
酒井が屋台に近づくと
「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)を売って、それと同等の契約・モノ・経験が得られる店だよ。」
と店員が言った。
「お客様から、接客対応へのクレームが多く困っているのだが、それを解決する契約を結びたいのだが‥‥」
と酒井が言うと、
「その契約だと、3ヶ月の人生を売っていただければ、結構です。しかしその3ヶ月間の思い出は全く残りませんが、それでも契約しますか?」
と店員が続けた、
「はい。お願いいたします。」
酒井からの同意の返事を聞いて店員が契約書を出してきたので、酒井はその契約書にサインをした。
次の瞬間、酒井は自身が担当する店舗にいて、そのファミレス店舗が劇的な変貌を遂げていることを目の当たりにした。
"注文が全てタブレットで行えるようになっているし、決済はキャッシュレスのみの対応となっている上に、食事の提供もロボットが行うようになっているじゃないか❗️これなら接客の対応をする必要も少なくなってクレームに頭を悩ませることもなくなるじゃないか"
酒井がうれしくて小躍りしたい気分になっているその時、
「ふざけてんじゃねーぞ」
レジで会計をされているお客様が急に怒り出したのだ。
「どうされましたでしょうか?」
酒井がレジ担当のスタッフのところに駆け寄りお客様の対応をこころみた、
「タブレットの注文でドリンクバーなんて頼んでないのに料金は請求されたんだよ。」
酒井がお客様の注文履歴を確認するとしっかりドリンクバーの注文が入っていた。したがってスタッフのミスではない。お客さまがタブレット操作を誤って注文してしまったに違いない。
「お客様タブレットの履歴にはドリンクバーの注文が入っていますので、申し訳ありませんが料金をいただくことになります。」
酒井がお客様に説明すると、
「わかった。料金だけは払うけどもうこんな店こねぇからな。タッチパネルの仕様が各々チェーン店で違うから、俺が間違っていたんだろうけど、そこらへん融通効かせて料金もらわないとかできねぇのかよ。キャッシュレス決済のみになって、一番金を使う、年寄りの利用者が激減してるし、このファミレスチェーンもオワコンだよ。」
といって怒りながらも料金を支払って、お店を出ていかれるお客様の後ろ姿を見ながら、
"自分がミスを犯したのに店の悪口をいうとかありえないよなぁ"
と思う酒井であったが、このお客様の指摘された
・タッチパネルの仕様が、他の飲食チェーン店と同じようでないため、いつもお客様がパネルの迷宮に迷い込むチェーン店
・高齢者の囲い込みに失敗したチェーン店
にあてはまるこのファミレスチェーン店は淘汰されることとなり、社員教育を施す立場だった酒井自身が社員教育を一から他のファミレスで受けることとなったのはこのわずか二年後のことだったそうな。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる