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我田引鉄
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「やはり廃線になるみたいよ」
西田勝之の出勤時に、妻の瞳が言った。
"やっぱりそうか……。過疎地で利用者は俺ぐらいしかいないからなぁ"
と勝之は思った。
廃線になることになったのは、勝之が通勤で使っている過疎地の盲腸線で、自分の街にとにかく鉄道をいれたかった大昔のなごりで、赤字を垂れ流しながらいままで存続してきたのだ。
しかし、この鉄道がなくなると病気で車の運転ができない勝之にとって大変不便な状態となってしまう。
"廃線になると、バスもないし、タクシーでの移動は無理だから住み慣れた土地を離れることになるなぁ"
仕事が終わりそんなことを考えながら、駅への近道である商店街を、歩いて横切ろうとしたとき
「ちょっとそこの方、何か悩みがおありのようですが」
と
"時(人生)買います"
と書かれた札の付いた朝の通勤時にはなかった屋台から店員が話しかけてきた。
"不思議なこともあるもんだ"
と思ったが、誰かに話をきいてもらいたかったので寄ってみることにした。
「この店は、あなたの時(人生)・健康を売って、それと同程度の契約、モノ、経験を得ることができる店だよ。売ってしまった人生の間に起こった出来事は思い出に残らないけど売ってみるかい?」
と店員が言ったので
「いつも通勤で使っている路線が廃線になるのを阻止したいのだが、何年ぐらいの人生を売ればよいのでしょうか?」
と勝之が尋ねると
「それを叶えるには5年の人生を売ってもらえればOKです。それに同意するならこの契約書にサインして契約成立です。」
そう言って店員が、契約書を出してきたので、勝之がそれにサインするや否や自身が、出勤の為に駅のホームにいることに気付いた。
"おや?盲腸線の最終駅が私の使っていた駅だったはずなのに。反対側にも線路が延びているなぁ"
不思議に思った勝之は近くにいた駅員にきいてみることにした
「すいません。この路線って廃線になるんじゃなかったんですか?」
勝之が尋ねると、駅員は怪訝そうな顔で
「あの大震災の影響で、海に面していて利用者の多い路線が駄目になってしまい復旧に時間がかかった教訓から、盲腸線であるこの路線を、延ばして迂回経路を作る計画がもちあがって今作っているところじゃないですか」
と答えた。
それを聞いて
"震災があったのは残念だけど、なんでも" 無駄 "ととらえるのでなく" 保険 "なんだと思うと生活が豊かになるよなぁ"
と思う勝之なのでした。
西田勝之の出勤時に、妻の瞳が言った。
"やっぱりそうか……。過疎地で利用者は俺ぐらいしかいないからなぁ"
と勝之は思った。
廃線になることになったのは、勝之が通勤で使っている過疎地の盲腸線で、自分の街にとにかく鉄道をいれたかった大昔のなごりで、赤字を垂れ流しながらいままで存続してきたのだ。
しかし、この鉄道がなくなると病気で車の運転ができない勝之にとって大変不便な状態となってしまう。
"廃線になると、バスもないし、タクシーでの移動は無理だから住み慣れた土地を離れることになるなぁ"
仕事が終わりそんなことを考えながら、駅への近道である商店街を、歩いて横切ろうとしたとき
「ちょっとそこの方、何か悩みがおありのようですが」
と
"時(人生)買います"
と書かれた札の付いた朝の通勤時にはなかった屋台から店員が話しかけてきた。
"不思議なこともあるもんだ"
と思ったが、誰かに話をきいてもらいたかったので寄ってみることにした。
「この店は、あなたの時(人生)・健康を売って、それと同程度の契約、モノ、経験を得ることができる店だよ。売ってしまった人生の間に起こった出来事は思い出に残らないけど売ってみるかい?」
と店員が言ったので
「いつも通勤で使っている路線が廃線になるのを阻止したいのだが、何年ぐらいの人生を売ればよいのでしょうか?」
と勝之が尋ねると
「それを叶えるには5年の人生を売ってもらえればOKです。それに同意するならこの契約書にサインして契約成立です。」
そう言って店員が、契約書を出してきたので、勝之がそれにサインするや否や自身が、出勤の為に駅のホームにいることに気付いた。
"おや?盲腸線の最終駅が私の使っていた駅だったはずなのに。反対側にも線路が延びているなぁ"
不思議に思った勝之は近くにいた駅員にきいてみることにした
「すいません。この路線って廃線になるんじゃなかったんですか?」
勝之が尋ねると、駅員は怪訝そうな顔で
「あの大震災の影響で、海に面していて利用者の多い路線が駄目になってしまい復旧に時間がかかった教訓から、盲腸線であるこの路線を、延ばして迂回経路を作る計画がもちあがって今作っているところじゃないですか」
と答えた。
それを聞いて
"震災があったのは残念だけど、なんでも" 無駄 "ととらえるのでなく" 保険 "なんだと思うと生活が豊かになるよなぁ"
と思う勝之なのでした。
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