異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~

犬童 貞之助

文字の大きさ
70 / 273
第二章 工業都市ボルドー

2-48 観察するもの、されるもの

しおりを挟む
 ムスターファの屋敷に着いたロウたちは、いつもの様に中庭へと移動する。

 セルケトの類稀たぐいまれなる美貌を見た屋敷の門兵は口を開けて見入っていたが、他ならぬロウの親戚という説明を受けると、こころよく彼女を招き入れた。

 そんなに簡単に招き入れて大丈夫か? と思ったロウだが、ムスターファにとっては自分と孫娘の命を救った恩人であり、孫娘などは二度も救われている。彼が最大限の敬意を払い意思を尊重するよう使用人たちに命じるのも、当然だと言えよう。

「ほう。中庭というのは面白いものだな? 先ほどの庭とはおもむきが大いに異なっている。我はこちらの森のような庭の方が良いな」
「恐れ入ります。都市内においては人の手の入っていない、ありのままの自然というものが存在しませんから、それを可能な限り再現し中庭を一つの生態系として維持しております。この庭が完成した時、ムスターファ様は大層喜ばれたものです」

 その時の様子を思い出したのか、柔らかい笑みを浮かべる老執事アルデス。今日は彼がロウたちの中庭までの案内を請け負っていたのだ。

「閉じられた生態系か。興味深い──うむ? なるほど、流石に人が休む場は手を入れているか」
「フフフ、申し訳ありません、セルケト様」

 目的地である開けた空間に出ると、やや残念そうにセルケトがこぼす。それを見たアルデスは彼女の素直な反応に微笑ましさを感じ、おどけたように期待に沿えなかったことを詫びた。

 彼にしては珍しい態度で、庭に興味を持ってもらえたことが嬉しかったのだろうか? とロウが考えていると、中庭のテラスでお茶を楽しんでいた女性たちが出迎えへとやってきた。

「おはようございます、アイラ、ロウさん──……また女性を連れ込んだんですか?」
「おはようございます皆さん。そしてヤームルさん、のっけから酷いですね。この人は俺の親戚ですよ。はいセルケト、紹介紹介」
「ロウの親戚にしてこやつの下で世話になっているセルケトである。ふむ……しかしロウよ、貴様も存外女好きよな。しかも綺麗どころばかりか」

 自己紹介をうながされたセルケトは、やってきた人物らがまたもや美しい女性だったため、そのことを揶揄やゆするようにロウへ切り返した。

「知り合いが美人ばっかりなのは同意するけど、残念ながら仕事の付き合いばかりでな。こっちの栗色の髪の子がこの屋敷の持ち主の孫であるヤームルさん、隣にいる銀髪の給仕さんがフュンさん、薄い緑の髪で猫耳が生えてる子がカルラさん。で、あちらに居る白髪の女性が公爵っていうこの国で偉い人の娘のエスリウ様、隣に控えている長身で緑の髪の女性がその使用人のマルト……さんだ」

 セルケトの言葉を軽く流したロウはざっくりとした紹介を告げる。マルトの紹介では若干の間があったが、普段は呼び捨てていても人前ではさん付けで呼ぶことにしたようだ。

「はじめましてセルケトさん。この屋敷の主人ムスターファの孫、ヤームルです。ロウさんには体術の指導をしてもらっていて、お世話になっています」
「わたしはカルラです! 隣国出身ですけど、色々あって今はヤームルさんのお屋敷でお世話になってます」
「うふふ、ワタクシはエスリウです。ロウさんは様なんて付けていますけれど、好きなように呼んで下さって構いませんわ。勿論、ロウさんも……よろしくお願いしますね」

 使用人たちは頭を下げて紹介を控え、少女たちが三者三様の紹介を終える。いずれも少年の親戚だというセルケトに対し興味深げな視線を向けている。

(ロウの周りは女性ばかりですからね。幸いなことに親密な関係へと至っていませんが、時間との戦いです。早く私の人化を成さねば……)
(何が幸いだよ! 酷い奴だな全く)
(ククッ、今はまだ背後から刺される心配もないな)

 ロウはといえばセルケトの様子を見守ったり曲刀たちからからかわれたりと忙しない。それでも対応にそつがないあたり、彼は低い自己評価とは裏腹に高い対人能力を持っていると言える。


 互いの紹介を終え、ロウやヤームルたちが訓練のための準備運動も終えたところで、楽しそうに談笑していたエスリウやカルラたち見学組から要望が飛んできた。

「──というわけでロウよ、あやつらも我が戦う姿を見たいと言っておるし、模擬戦を行うぞ」
「駄目に決まってんだろうが」

 秒単位でセルケトの頼みを棄却ききゃくするロウ。彼女の実力が見たいがために模擬戦を行ってくれとの提案だったのだ。

 少女たちが彼女への質問を重ねていく内に高い戦闘能力を持つことが判明し、ならば彼女が対抗意識を持っている少年との模擬戦をお願いしてみよう──そういう流れになったようだった。

「ふふん。我に敗れるのが怖いか?」
「全身炭にされといてよく大口叩けるな……移動中も屋根ぶち抜いてたし、まだその身体に慣れてないだろ? 人前で模擬戦なんて当分先だ」
「むっ。確かに一理ある。雪辱せつじょくの機会と考えたが、尚早しょうそうであったか」

 ボソボソと相談することでセルケトを丸め込んだロウは、何とか彼女の力が露見する危機を脱することに成功した。

 ロウ自身、今の彼女の力がどの程度なのか計りかねている部分もある。そんな状況下で周囲の目があるこの場で確かめるなど論外であろう。

「──あら、セルケトさんの戦いぶりは見られないのですね? 残念です」
「すみませんね。というかエスリウ様、普通にこの場に居ますけど、公爵令嬢って暇なんですか?」
「うふふ。これも仕事の一環ですから。不確定な存在である貴方の実力をこの『眼』で確かめるという、ね」

「む?」「……」

 いつの間にかロウとセルケトの近くに寄っていたエスリウが話に加わり、監視をほのめかす言葉を少年の耳元に囁く。

 絶世の美少女のエスリウが息遣いはおろか、髪の毛すら肌にあたる距離に寄ってきているが、少年には喜びの感情なんぞ毛ほども湧かない。

(ハァ。なんでこう、俺の周りは一癖も二癖もある人ばっかりなんだろ?)
(この娘を誘拐した張本人だし、当然と言えば当然の対応じゃないか)
(ふっ。彼女はロウを誘惑するのは、まだ若すぎたようですね)

 主人の嘆息に素早く切り返す銀刀と切り口が妙な黒刀。彼らも平常運転である。

「──エスリウさん? 見る時は訓練の邪魔をしないって約束でしたよね?」
「あらヤームル、別にとったりしないから、そんなに怒らなくても大丈夫よ? うふふ」

 にこやかな笑顔で言い知れぬ圧力を放つヤームルと、華やかな笑顔で柳に風と受け流すエスリウ。そんな二人の様子に首を傾げるセルケトに、ゲンナリとした表情を浮かべるロウ。混沌度合いが加速する中庭である。

「ご歓談中のところ申し訳ありません、お嬢様方。お時間の都合もございますので、進めさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「勿論です。セルケトさんのお力が見れないのは残念ですけれど、代わりにロウさんの実力を確と見届けさせていただきますね」
「ふむ? エスリウは妙な奴よな。我のことがそんなに気に入ったのか?」

 進行に支障が出る前に軌道修正を行ったアルデスのおかげで事なきを得たロウだったが、彼女のしっかり見定める発言を受け顔が引きつっていた。暢気な調子でエスリウの心情を推察するセルケトとは大違いだ。

 能天気ともいえるセルケトに曲刀たちを預けた少年は、ヤームルへの指導のために意識を切り替えた。



「……」

 少年のとった構えは大陸拳法における基本姿勢、馬歩まほ

 目は半眼、左腕は腰に添え、右腕は手の平を正面へ向けた推掌すいしょう。開いた足の小指側へ体重を掛け足指にあそびを持たせるこの構えは、深く沈んだ様子からは考えられないほど機敏な動きと重心移動を可能とする。

 それは大きな動作や派手な震脚など一切ない静かな所作だったが、少年の小さな身から感じられる威圧感はただならない。武の心得などないアイラたちでも理解できるほどの圧力だ。

「──なるほど。アイラちゃんやカルラちゃんの言っていた通り、闘争状態になると別人のようですね」
「はい……スイッチが入ったロウさんは、いつ見ても怖いくらい静かで、それなのに動く時は激しくて」

「我を殴り飛ばし、体当たりで吹き飛ばしたあの体術か。なんとも面妖めんような」
「セルケトさん、あの状態のロウと戦ったことがあるのですか? 親戚との喧嘩にしては行き過ぎているような気がしますが」
「う、うむ? まあ、我もあやつも血気盛んなところがある故よ。互いに血を見るくらいが丁度良いのだ」
「「「……」」」

 ロウの様子を見ている内に話が脱線していく見学組。身体強化を施していないがため少年の耳には届かないが、集中力を乱されずかえって良かったのかもしれない。

「──では、どこからでもどうぞ」
「今日こそは、一撃入れて見せる!」

 ロウを崩すイメージでも湧いたのか、開始の合図と共に果敢に攻めたてていくヤームル。

 身体能力にあかせた強引な動きではなく、アルデスより学んだ力を集約する技法をもって身体を一本の線と成し、少年の鉄壁を崩さんと攻め立てる!

(──相変わらず鋭い。身体強化無しだと、ふざける余裕すらないな)

 ヤームルの猛攻を凌ぐロウは、その攻撃の力強さと正確さに舌を巻きつつ対応。突き出している腕を円を描くように動かし、連撃を捌いていく。

 迫りくるヤームルの中段突きを、手の甲でまくり上げるように逸らす“りょう”。

 すかさず繰り出されるフックのような逆手の鉤突かぎづきを、掌で軌道をずらし彼女の体勢を崩す“しゅつ”。

 崩された体勢を利用して放たれる回し蹴りを、勢いづく前に掌で押さえ付ける“あん”。

 太極拳や八極拳、八卦掌はっけしょうなどの大陸拳法に共通してみられるこれら円なる動きは、図らずも未明に行っていたシアンとの推手すいしゅで実践された技の数々である。

「──このっ!」

 押さえつけられていた手の平を引きはがし、怒り心頭とばかりに中段突きを見舞ったヤームルだったが──少年は上体を横に流してひらりと躱し、突き出された拳を拘束。

 曝け出された少女の胸部へ、すかさず逆手の掌打──陳式太極拳小架式・懶扎衣らんさついを叩き込む!

ふんッ」
「かはっ!?」

 掌打と同時に足払いをかけられ派手にすっころんだヤームルだったが、容赦のないロウの蹴撃が迫ると身を転がして間一髪と回避、なんとか距離を取って体勢を立て直す。

「──速くて鋭い、何より攻撃が連なった良き攻め手でした。ですが、ヤームルさんは熱くなりやすいところがありますね。感情が昂ると視野が狭くなりがちです。攻める気持ちを持ちながらも、そこに“動中求静どうちゅうきゅうせい”……内面を乱さぬような心掛けが、攻め立てる時にこそ肝要となります」

「ぬぐぐ……」

 威圧を解き、ロウは教師モードで分析を告げる。

 内心は指導を始めた当初よりも格段に良くなった彼女に対し強く感心したが、訓練中なので改善点を重点的に挙げ、軽く褒めるにとどめていた。

 ヤームルはまたしてもいいようにあしらわれたことに不満気だったが、少年が再び構えたため不平を零す間もなく急ぎ魔力を肉体に巡らせる。

「さてさて、見事な攻めでしたが……今度はこちらから行きますね。上手い事切り返してください」
「えっ!? もうちょっと待っ──」
「──ッ!」

 慌てるヤームルに対し敵は待ってはくれないのだと言わんばかりに、ロウは右掌底で彼女の防御の構えごと吹き飛ばした。

 彼は意識が切り替わると非常に好戦的となる。丁寧な口調など見せかけなのだ。

 時に攻めに回り、時に守勢となり。ヤームルの動きの改善を促しながら、ロウはみっちりと彼女を扱いていった。

◇◆◇◆

 他方、見学組はというと。

「──見事なものですね。速さや力はヤームルさんの方が上回っているのに、まるで赤子扱い。……以前私が下した評価は的外れだったようです」

「マルトは主観の入る予測が苦手だものね。ただ、こうなると……彼の扱いには困ってしまうわ。彼個人の実力も底知れないのに、同等の力を有しているらしいセルケトさんの存在。ワタクシの『魔眼』で魔力の漏れが一切見られない彼女も只者じゃない以上、迂闊に手を出せない……じれったいものね」

 丁度ロウがヤームルを扱き終えアイラの指導へと向かっているとき、人外の主従が互いの認識の共有を行っていた。

 彼の奇妙にして力強い動きは、対人戦において実に厄介である。魔力を纏っていない状態でヤームルを圧倒している以上、身体強化が施された状態がどれほどのものになるのか想像もつかない。

 更にその魔力までも底知れぬとなると、上位精霊のマルト、魔神のエスリウをもってして心胆寒からしめるものなのだ。

「体術だけでも嫌になるくらい厄介だから気が進まないけれど、彼の精霊魔法の戦闘技術も見ておかないとね。あの変わった水のゴーレムを見る限り、こっちも尋常じゃないことは分かる──マルト? 何かあったの?」
「お嬢様、アレを」

 ロウから視線を外していたマルトが示したのは、浅葱色あさぎいろの猫耳美少女に上機嫌で語り掛ける竜胆色りんどういろの美女。言わずもがな、カルラとセルケトである。

「──ふふん。良い目をしているなカルラよ。ロウの刀剣も常ならぬものだが、我の靴はそれをも凌ぐ。あやつの曲刀と我が脚でもって切り結んだこともあるのだよ」
「やっぱり、そうですよね? はじめ見た時は綺麗な靴だな~って思ったんですけど、何だか不思議な圧力を感じたというか、見えない力を感じたというか。『視』てびっくりしましたよ! セルケトさんの靴、どういった由来のあるものなんですか?」
「う、うむ? これは我の身体に合わせて形を変える靴でな──」

「「……」」

 主従が魔力で強化された耳をそばだてれば、そんな会話が聞こえてくる。

 セルケトの言うような使用者に合わせて形を変える靴というものも、確かに存在するが──。

「──あの子の持っていた黒刀、『赤蠍あかさそり』の持っていた曲刀のはずよね? ワタクシの記憶が正しければ、金属鎧すら紙きれの様に切り裂く切れ味だったはずだけれど」

 そう、エスリウはロウの持つ曲刀が腕利きの傭兵たち「赤蠍」の所有物であり、尋常ならざる業物であったことを記憶していたのだ。無論、マルトも同様である。

「はい、間違いありません。もう一方の曲刀も同様で、これも並外れた切れ味を誇っていました。彼女の話では、それらと打ち合って傷一つ付かないということですが……お嬢様の『魔眼』で見られても、何か特殊な力が窺えませんか?」

「……いえ、あるわ。濃い紫の魔力。薄っすらと漏れ出る程度だけれど……物凄い濃さね。彼女の言う通り、あの黒刀とも打ち合えるかも」
「金属鎧を切り裂く刃と打ち合える靴、ですか。魔物由来で、装着者に合わせて変形する……あるいはあれが彼女の武器なのかもしれませんね。丸腰と判断したのは危険でした」

 異常ともいえる魔力を纏ったセルケトの靴に対し、警戒感を強める主従。

 実際には着飾る楽しさに目覚めたセルケトの、単なるおめかしでしかないのだが……そんなことを二人が知るよしもない。

 その後もカルラとセルケトの話に聞き耳を立て注意を向けていたエスリウたちは、結果としてロウの魔法戦闘を見逃してしまうこととなる。

 母たる魔神バロールより「魔眼」を継承したエスリウであれば、ロウが魔法を放つ際に操る魔力が、魔神特有の赤系統であることを看破したはずだったのだが──幸か不幸か、それが現実のものとなることはなかった。

 互いが互いを魔神だと認識するのは、まだ先の話である。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...