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第1章 海辺の喫茶店【シナプる】

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(ああああああ!!!!俺のバカァァァァ!!!! )

「くっ・・・」

 “トラ男“が苦虫を噛み潰したような表情で“旅人“を睨みつけた。

「10万!!10万円入りましたー!!ないですか~ないですか~」

(あれーーー!!あってくれーーー!!!“トラ男“がんばれ!!!男を見せろ!!!!)

「ありがとうユウちゃん、ありがとうユウちゃん」

 “殴られ女“が“ビンタ男“の股間をさすりながら言った。

「俺がお前を裏切る訳ないだろ?」

 “ビンタ男“が股間をビンビンにしながら言った。

「そうだよね?そうだよね?」

 “殴られ女“が股間をさするスピードを上げながら言った。

「あ・・・・うっっ!」

『ドクドク!ドクドクドク!!』

「くそーーーー!!!!」

 みたいな顔を“トラ男“がした直後、『カランカラン』と“みたらし売りの茉莉“がベルを鳴らし、“旅人“の勝利が確定した。

(ああああぁぁぁぁ!!!!しまったーーーーー!!!!)

「お買い上げ、ありがとうございます」

 “みたらし売りの茉莉“はそう言うと、最後にベロ~~~とねぶられ団子を下から上にねぶってから、“旅人“の口にねぶられ団子を突っ込んだ。すると店内のBGMがエルガーの「威風堂々」に切り替わった。

 “旅人“はねぶられ団子を口に咥えたまま、財布から10万円を取り出して“みたらし売りの茉莉“に渡した。

「うふふ、またよろしくね」

 と“みたらし売りの茉莉“が“旅人“の耳元でそっと囁いた。そして舌を出してちろっと耳の穴を舐めた。

「あっ!!!」

 “旅人“の股間の先っぽからみたらしがたれ~。

 “みたらし売りの茉莉“がジュラルミンケースの中に鞠をしまい、“マスター“に一礼してから店を出て行った。

 “旅人“は「威風堂々」がかかる中、口中のねぶられ団子を自身の舌でねぶった。

(うまい!!!)

 そうしてしばし口の中でねぶられ団子をねぶっていると、視界に“トラ男“が入ってきた。その表情は羨望と恨みがブレンドされたような感じだったので、“旅人“は“トラ男“の眼を見てしっかりと見下しながらゆっくりと団子をちゅぱちゅぱとねぶった。

(ははは、これが勝利の味か)

 “トラ男“は唇を噛み締めながらワナワナと震えながら店を後にした。
 
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