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♡『しゃぶりんぴっく』のララ♡

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「アフリカのコンゴ民主共和国では、100年程前、切断された人の手首が通貨として使われていた過去があるらしい。詳しいことは自身で調べてくれ」

 くだらない仕事に毎日精を出す芳永智樹は、毎月通う高円寺のお店、『しゃぶりんぴっく』にて、いつも指名するララ嬢に向かって性を出しながら言った。

「1人じゃできなくなるね」

 ララ嬢はティッシュに智樹の吐き出された性を吐き出しながら言った。

「両手を切断されたらね」

「智樹さんが両手を切断されても、ララがいるから大丈夫だね」

ララ嬢は智樹の性の吐き出し口を拭きながら言った。

「大事なのはお金じゃないんだよね」

「え?」

 ララ嬢が智樹にパンツを履かせながら言った。

「昔は物々交換だったように、価値ってのはそもそもが実体のある、実用的なモノに対してあるものなんだ。それがいつからか、便利だから硬貨や紙幣などのいわゆるお金が使われるようになった。でも、それはつまり人々がそれに価値を見出しているからで、本当の価値じゃないんだよね。だから人の手首に価値があるってなると、実際に価値を持ってしまう」

 智樹は少し腰を上げながら言った。

「ウチの手首は切らんといてやぁ。気持ちイイコトさせてあげれんくなるけぇ」

 ララ嬢は智樹の手首をさすりながら言った。
 
 智樹は毎日ここに来たかった。毎日ララ嬢と時間を過ごしたかった。だってこの時間が人生の唯一の愉しみなのだから。

「ジリリリリリリリリ」

「あーん、時間よ、智樹さん」

 ララ嬢が上目遣いで智樹の手首を人差し指でクルクルしながら言った。

「来月、また来るから」

 智樹はズボンを履きながら言った。

「来月?来週の間違いでしょ?」

 いつものやり取りだ。

 智樹はララ嬢に笑顔で見送られて店を出た。

 智樹は満たされて家路に着いた。翌日会社を首になった。



 
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