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第1章 溺愛されても困るんです
1-8 知らずにいたこと
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「こうして直接お会いするのは初めてですね? 改めまして、フォード=モントレイと申します。先程はお恥ずかしいところをお見せしました」
「いえ、彼の非情さは目に余るところがあったので」
王宮内だというのに、リアナーレはドレスの裾をたくし上げ、大股で歩いていた。質素なドレスにしてもらったが、それでも非常に歩きづらい。
エスコートもなしにずんずん進む聖女様を目の当たりにし、フォードは笑い声を漏らす。
「失礼。大人しい方と思っておりましたが、勇ましいところは亡き戦女神によく似ていらっしゃる」
リアナーレはギクリとして、一歩後ろを小走りについてくるルーラに耳打ちをした。
「やらかしたかな」
「先程の行いは、リアナ様にしては少し勇敢すぎたかもしれません……この方とは元より大した面識がないので、大丈夫だとは思いますが」
リアナーレはわざとらしく「ほほほ」と笑って誤魔化し、話題のすり替えを試みる。
「それにしても、セヴィー。じゃない、セヴィリオ様は何故、あそこまで戦女神を嫌うのでしょうね」
「総帥は誰に対しても冷たいですが、リアナーレ嬢に対しては顕著ですね。彼女に剣で挑んでも勝てないからでしょう」
そうかもしれない。
リアナーレも、薄々感じていたことだ。セヴィリオとの関係が悪化し始めた時期からしても、嫉妬が原因の可能性は高い。
本気で剣を交えたら、セヴィリオはリアナーレに勝てなかっただろう。嘆くことではない。何せ、シャレイアン王国軍でリアナーレに勝る者は誰もいなかったのだから。
「器の小さい男」
不敬罪だ、とは誰も言わなかった。それどころか、フォードは小刻みに頷いて肯定を示す。
「本当に。彼女の死についても、昨日のうちには早馬が着いていただろうに。私が知ったのはつい先程だ」
「もしかしたら、一人で泣いていたのかもしれませんよ」
皮肉めいた冗談だ。
自分で言っておきながら、リアナーレは虚しくなる。
ない。絶対にない。死地へ送り込むことを決めたのは、総帥である彼ではないか。
その意味ではフォードが言ったように、彼がリアナーレを殺したのだ。
◇◆◇
「うわっ、堅物フォード様がついに女性を!?」
短い距離にも拘わらず馬車に揺られ、王宮の向かいに位置する宿舎に到着する。
丁度、馬小屋から出てきた若い男は、女連れのフォードを見るなり茶化した。
「エルド!」
赤毛にくりくりとした緑の目。少し横着そうな彼は、リアナーレの腹心の部下だった。
フォードが軽口への文句をつけるより先に、リアナーレは駆け出す。
あれほど転ばないドレスを所望したのに、裾を靴の踵で踏んで、呆気なく体勢を崩した。
「えーっと? どちら様っすか?」
戦帰りで薄汚れたエルドは、瞬きを繰り返しながら、転びかけた聖女様に手を差し出す。
初対面で名前を呼ぶという過ちを犯すのは、実のところ本日二回目だ。貴族であるモントレイ伯爵のことならまだしも、一介の軍人の名前を聖女様が把握しているのはおかしいだろう。
「リアナ様は、王国軍の熱心なファンで、軍の皆様のことをよくご存知なのです。本日は旦那様のお許しが出て、労いに参りました」
顔を引きつらせるばかりのリアナーレに、ルーラが助け舟を出した。
苦しい言い訳だが、エルドは『聖女』への興味が勝ったらしい。彼は玩具を買い与えられた子どものように目を輝かせる。
「聖女様!?」
「い、一応……」
「うわ~、綺麗な方だ。始めまして、エルド=トラレスです。名前、知っていてくれて嬉しいな」
リアナーレは違和感を覚えながらも、差し出された男の手を握る。
彼は相手が聖女様であることをお構いなしに、握った手を勢いよく上下に振った。
「お前は、もう少し敬意を払った振る舞いと言葉遣いをしなさい」
フォードは母親のごとく窘《タシナ》めるが、エルドはそれしきのことで反省する男ではない。
「えぇ。だって、同い年くらいじゃないっすか。総帥の嫁さん連れ回してるフォード様よりましっすよ」
エルドは庶民上がりだ。生意気で礼儀正しさに欠けるところはあれど、愛嬌のおかげで多少のことは許されている。
リアナーレにとっては、彼が入隊した時から、天塩にかけて育てた可愛い部下だ。
いつもと変わらぬ様子を見て、生きて帰してやることができて良かったと安堵する。
「生きてたのね。無事で良かった」
「俺は比較的安全なところを任されていましたから」
エルドの顔から笑顔が消え、代わりに悔しさが滲む。
彼に頼んだのは沼地を挟み、足を取られた敵を矢で狙い撃つ小隊の指揮だった。敵陣に殴り込みの奇襲をかけたリアナーレの部隊に比べたら、死の危険が低いのは明らかだ。
「リアナーレ嬢の遺品は?」
ゆっくりと歩み寄ってきたフォードは、エルドに確認をする。
「髪と、ペンダントだけ」
「後ほど私が、アストレイ家へ持って行こう」
「くすねないで下さいね」
若造の悪戯っぽい言葉に、堅物指揮官は片方の眉をぴくりと動かした。
「そのような真似、この私がするわけないだろう」
「だってフォード様、隊長のこと好きでしたよね?」
「なっ」
真面目でお堅いフォードの顔は、瞬く間に赤く染まっていく。どうやら、好きだったというのは本当のことらしい。
「知らなかった……」
「私も初耳です!」
呆然とするリアナーレの横で、ルーラは興奮を隠しきれていない。恐らく、明日には王宮中のメイドに噂が広まっていることだろう。
「いえ、彼の非情さは目に余るところがあったので」
王宮内だというのに、リアナーレはドレスの裾をたくし上げ、大股で歩いていた。質素なドレスにしてもらったが、それでも非常に歩きづらい。
エスコートもなしにずんずん進む聖女様を目の当たりにし、フォードは笑い声を漏らす。
「失礼。大人しい方と思っておりましたが、勇ましいところは亡き戦女神によく似ていらっしゃる」
リアナーレはギクリとして、一歩後ろを小走りについてくるルーラに耳打ちをした。
「やらかしたかな」
「先程の行いは、リアナ様にしては少し勇敢すぎたかもしれません……この方とは元より大した面識がないので、大丈夫だとは思いますが」
リアナーレはわざとらしく「ほほほ」と笑って誤魔化し、話題のすり替えを試みる。
「それにしても、セヴィー。じゃない、セヴィリオ様は何故、あそこまで戦女神を嫌うのでしょうね」
「総帥は誰に対しても冷たいですが、リアナーレ嬢に対しては顕著ですね。彼女に剣で挑んでも勝てないからでしょう」
そうかもしれない。
リアナーレも、薄々感じていたことだ。セヴィリオとの関係が悪化し始めた時期からしても、嫉妬が原因の可能性は高い。
本気で剣を交えたら、セヴィリオはリアナーレに勝てなかっただろう。嘆くことではない。何せ、シャレイアン王国軍でリアナーレに勝る者は誰もいなかったのだから。
「器の小さい男」
不敬罪だ、とは誰も言わなかった。それどころか、フォードは小刻みに頷いて肯定を示す。
「本当に。彼女の死についても、昨日のうちには早馬が着いていただろうに。私が知ったのはつい先程だ」
「もしかしたら、一人で泣いていたのかもしれませんよ」
皮肉めいた冗談だ。
自分で言っておきながら、リアナーレは虚しくなる。
ない。絶対にない。死地へ送り込むことを決めたのは、総帥である彼ではないか。
その意味ではフォードが言ったように、彼がリアナーレを殺したのだ。
◇◆◇
「うわっ、堅物フォード様がついに女性を!?」
短い距離にも拘わらず馬車に揺られ、王宮の向かいに位置する宿舎に到着する。
丁度、馬小屋から出てきた若い男は、女連れのフォードを見るなり茶化した。
「エルド!」
赤毛にくりくりとした緑の目。少し横着そうな彼は、リアナーレの腹心の部下だった。
フォードが軽口への文句をつけるより先に、リアナーレは駆け出す。
あれほど転ばないドレスを所望したのに、裾を靴の踵で踏んで、呆気なく体勢を崩した。
「えーっと? どちら様っすか?」
戦帰りで薄汚れたエルドは、瞬きを繰り返しながら、転びかけた聖女様に手を差し出す。
初対面で名前を呼ぶという過ちを犯すのは、実のところ本日二回目だ。貴族であるモントレイ伯爵のことならまだしも、一介の軍人の名前を聖女様が把握しているのはおかしいだろう。
「リアナ様は、王国軍の熱心なファンで、軍の皆様のことをよくご存知なのです。本日は旦那様のお許しが出て、労いに参りました」
顔を引きつらせるばかりのリアナーレに、ルーラが助け舟を出した。
苦しい言い訳だが、エルドは『聖女』への興味が勝ったらしい。彼は玩具を買い与えられた子どものように目を輝かせる。
「聖女様!?」
「い、一応……」
「うわ~、綺麗な方だ。始めまして、エルド=トラレスです。名前、知っていてくれて嬉しいな」
リアナーレは違和感を覚えながらも、差し出された男の手を握る。
彼は相手が聖女様であることをお構いなしに、握った手を勢いよく上下に振った。
「お前は、もう少し敬意を払った振る舞いと言葉遣いをしなさい」
フォードは母親のごとく窘《タシナ》めるが、エルドはそれしきのことで反省する男ではない。
「えぇ。だって、同い年くらいじゃないっすか。総帥の嫁さん連れ回してるフォード様よりましっすよ」
エルドは庶民上がりだ。生意気で礼儀正しさに欠けるところはあれど、愛嬌のおかげで多少のことは許されている。
リアナーレにとっては、彼が入隊した時から、天塩にかけて育てた可愛い部下だ。
いつもと変わらぬ様子を見て、生きて帰してやることができて良かったと安堵する。
「生きてたのね。無事で良かった」
「俺は比較的安全なところを任されていましたから」
エルドの顔から笑顔が消え、代わりに悔しさが滲む。
彼に頼んだのは沼地を挟み、足を取られた敵を矢で狙い撃つ小隊の指揮だった。敵陣に殴り込みの奇襲をかけたリアナーレの部隊に比べたら、死の危険が低いのは明らかだ。
「リアナーレ嬢の遺品は?」
ゆっくりと歩み寄ってきたフォードは、エルドに確認をする。
「髪と、ペンダントだけ」
「後ほど私が、アストレイ家へ持って行こう」
「くすねないで下さいね」
若造の悪戯っぽい言葉に、堅物指揮官は片方の眉をぴくりと動かした。
「そのような真似、この私がするわけないだろう」
「だってフォード様、隊長のこと好きでしたよね?」
「なっ」
真面目でお堅いフォードの顔は、瞬く間に赤く染まっていく。どうやら、好きだったというのは本当のことらしい。
「知らなかった……」
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呆然とするリアナーレの横で、ルーラは興奮を隠しきれていない。恐らく、明日には王宮中のメイドに噂が広まっていることだろう。
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