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第4章 冷酷王子の愛
4-1 最愛
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セヴィリオ=シャレイアンは、最愛の人が誘拐された事件について納得していなかった。
発生から解決まで上手く事が運びすぎており、逆に気持ち悪い。
まるで、誰かの手の上で躍らされているようだ。
苛立ちながら、セヴィリオは螺旋状の階段を下る。空気は湿っぽく、淀んでいる。崩れたら生き埋めになりそうな狭いこの階段は、王宮の地下牢へと続いていた。
地下牢と言っても、恒久的に罪人を閉じ込めておく監獄ではない。王宮に関わる事件の首謀者を処罰が決まるまでの間、一時的に閉じ込めておくための牢だ。
「セヴィリオ様!?」
「邪魔をする」
眠たそうに目を擦っていた衛兵は、第二王子の存在を認識すると、慌てて姿勢を正す。
セヴィリオは許可を求めず、勝手に鉄の扉を開けて中へと押し入った。
貴族のベッドよりも狭い独房と通路の境目には、鉄格子が嵌め込まれている。セヴィリオは全ての中身を確認するが、人影は見当たらない。
「ここに収容されていた奴らはどこにいる」
「今朝方処刑されたはずです」
「誰の命だ」
「ライアス様だったかと」
思わず舌打ちをしたセヴィリオに、若い衛兵は顔を強張らせる。
「何か問題がありましたか?」
「いや、問題ない」
無人の牢を見張る衛兵に、セヴィリオはさっさと背を向ける。ついさっき下ってきた階段を、数分と経たぬうちに上る羽目になった。
もしセヴィリオが昨日のうちに確かめたいことに気づき、牢を訪れていたならば、リアナを攫った実行犯の上腕を確かめることができただろう。
いや、最早確認する必要はない。きっと腕には、蛇の紋が刻まれていたはずだ。そして、その原因がライアスであることも、セヴィリオは分かっている。
「セヴィリオ様、どこへ行かれていたのですか。私、新編成について説明に伺うと、前もってお伝えしていましたよね」
執務室へ戻ると、フォード=モントレイが部屋の前で待ちぼうけを食らっていた。
セヴィリオはリアナに色目を使うこの男が嫌いだ。この男もまた、セヴィリオのことを嫌っているだろう。
「この前聞いた構想の通りなら説明は不要だ。仕事を増やさないでくれ」
「ああ、そうですか。念の為、書類には目を通してサインをしてください」
彼は涼しい顔で紙の束を渡してくる。西方から安価な紙の製法が伝わった近年、目を通して署名をしなければならない書類がやたらと多い。
数日不在にしようものなら机の上に報告書や稟議書が山積みとなり、北部視察から戻った後は地獄の事務仕事が待っていた。
それをやっとの思いで片付けて、難色を示す彼女を任務だと言って説き伏せ、普通の恋人のように過ごせる時間を作ったというのに。
邪魔をされた。愉しそうに顔を歪ませるライアスを想像し、セヴィリオは受け取った書類を握り潰す。
「明日までには戻すようにする。それより、エルドを呼んでくれ。この時間なら薔薇園にいるだろう。戻るまでの間、リアナの護衛にはお前がつくように」
「承知しました」
いつまた、リアナの身に魔の手が忍び寄るか分からない状況だ。
できる限り、フォード=モントレイを彼女に近づけたくないセヴィリオだったが、そこらの衛兵に任せるよりは安全だろうと判断した。
◇◆◇
「なんでしょうか」
エルドは自らの失態に思い当たる節があるのか、やけに萎縮している。いつもの軽薄な笑顔はどこにもなく、緊張の面持ちでセヴィリオの執務机の前に立つ。
「リアナの様子はどうだ」
「普通ですよ。ちょっとやそっとのことで動揺する人じゃないって、総帥もよく知ってますよね?」
「昨晩、様子がおかしかった。うなされていた」
リアナは昔から強かった。身体的な面だけでなく、精神的な面でも。
セヴィリオは泣いたところを見せたことはあっても、彼女の泣いたところを見たことがない。
男二人に攫われた時だって、リアナは泣かなかっただろう。
それどころか、セヴィリオたちが目撃情報を頼りに居場所を突き止めようと奔走している間に、彼女は犯人たちを締め上げていた。
それが昨晩、夢にうなされた彼女の頬を涙が伝っていた。
彼女が初めて見せた弱さだ。思い出しただけで、セヴィリオは何もしてやれない自分を殴りたくなる。
「死んだ時の夢でも見たんじゃないんすか。自分を殺した人間と一緒に寝てれば、あの人でもうなされるかもしれませんね」
エルドは声を震わせながらも嫌味を言ってのけた。
「僕はお前を護衛につけるにあたり、経緯を話したはずだが」
「俺はまだ、完全には信用していません」
「彼女を殺したのは僕だと、いくらでも罵ってくれて構わない。止められなかったのは僕なのだから、その通りだろう」
ただ――
セヴィリオは続ける。
「彼女への愛を疑われることだけは、許せない」
セヴィリオがリアナに向ける気持ちは、幼少期から何一つ変わっていない。
物心がつく頃には、リアナと一緒にいることが当たり前だった。母親が亡くなってからは、セヴィリオにとっての家族はリアナだけだった。
――僕のリアナ。リアナーレ=アストレイ。強くて、可憐で、美しい、鮮烈な朱。
「面倒なことしてないで、言ったらどうっすか? 聖女様の中身がリアナーレ=アストレイだって、とっくに気づいてるって」
「言えるわけ、ない。僕は彼女に選ばれなかった男なのだから」
発生から解決まで上手く事が運びすぎており、逆に気持ち悪い。
まるで、誰かの手の上で躍らされているようだ。
苛立ちながら、セヴィリオは螺旋状の階段を下る。空気は湿っぽく、淀んでいる。崩れたら生き埋めになりそうな狭いこの階段は、王宮の地下牢へと続いていた。
地下牢と言っても、恒久的に罪人を閉じ込めておく監獄ではない。王宮に関わる事件の首謀者を処罰が決まるまでの間、一時的に閉じ込めておくための牢だ。
「セヴィリオ様!?」
「邪魔をする」
眠たそうに目を擦っていた衛兵は、第二王子の存在を認識すると、慌てて姿勢を正す。
セヴィリオは許可を求めず、勝手に鉄の扉を開けて中へと押し入った。
貴族のベッドよりも狭い独房と通路の境目には、鉄格子が嵌め込まれている。セヴィリオは全ての中身を確認するが、人影は見当たらない。
「ここに収容されていた奴らはどこにいる」
「今朝方処刑されたはずです」
「誰の命だ」
「ライアス様だったかと」
思わず舌打ちをしたセヴィリオに、若い衛兵は顔を強張らせる。
「何か問題がありましたか?」
「いや、問題ない」
無人の牢を見張る衛兵に、セヴィリオはさっさと背を向ける。ついさっき下ってきた階段を、数分と経たぬうちに上る羽目になった。
もしセヴィリオが昨日のうちに確かめたいことに気づき、牢を訪れていたならば、リアナを攫った実行犯の上腕を確かめることができただろう。
いや、最早確認する必要はない。きっと腕には、蛇の紋が刻まれていたはずだ。そして、その原因がライアスであることも、セヴィリオは分かっている。
「セヴィリオ様、どこへ行かれていたのですか。私、新編成について説明に伺うと、前もってお伝えしていましたよね」
執務室へ戻ると、フォード=モントレイが部屋の前で待ちぼうけを食らっていた。
セヴィリオはリアナに色目を使うこの男が嫌いだ。この男もまた、セヴィリオのことを嫌っているだろう。
「この前聞いた構想の通りなら説明は不要だ。仕事を増やさないでくれ」
「ああ、そうですか。念の為、書類には目を通してサインをしてください」
彼は涼しい顔で紙の束を渡してくる。西方から安価な紙の製法が伝わった近年、目を通して署名をしなければならない書類がやたらと多い。
数日不在にしようものなら机の上に報告書や稟議書が山積みとなり、北部視察から戻った後は地獄の事務仕事が待っていた。
それをやっとの思いで片付けて、難色を示す彼女を任務だと言って説き伏せ、普通の恋人のように過ごせる時間を作ったというのに。
邪魔をされた。愉しそうに顔を歪ませるライアスを想像し、セヴィリオは受け取った書類を握り潰す。
「明日までには戻すようにする。それより、エルドを呼んでくれ。この時間なら薔薇園にいるだろう。戻るまでの間、リアナの護衛にはお前がつくように」
「承知しました」
いつまた、リアナの身に魔の手が忍び寄るか分からない状況だ。
できる限り、フォード=モントレイを彼女に近づけたくないセヴィリオだったが、そこらの衛兵に任せるよりは安全だろうと判断した。
◇◆◇
「なんでしょうか」
エルドは自らの失態に思い当たる節があるのか、やけに萎縮している。いつもの軽薄な笑顔はどこにもなく、緊張の面持ちでセヴィリオの執務机の前に立つ。
「リアナの様子はどうだ」
「普通ですよ。ちょっとやそっとのことで動揺する人じゃないって、総帥もよく知ってますよね?」
「昨晩、様子がおかしかった。うなされていた」
リアナは昔から強かった。身体的な面だけでなく、精神的な面でも。
セヴィリオは泣いたところを見せたことはあっても、彼女の泣いたところを見たことがない。
男二人に攫われた時だって、リアナは泣かなかっただろう。
それどころか、セヴィリオたちが目撃情報を頼りに居場所を突き止めようと奔走している間に、彼女は犯人たちを締め上げていた。
それが昨晩、夢にうなされた彼女の頬を涙が伝っていた。
彼女が初めて見せた弱さだ。思い出しただけで、セヴィリオは何もしてやれない自分を殴りたくなる。
「死んだ時の夢でも見たんじゃないんすか。自分を殺した人間と一緒に寝てれば、あの人でもうなされるかもしれませんね」
エルドは声を震わせながらも嫌味を言ってのけた。
「僕はお前を護衛につけるにあたり、経緯を話したはずだが」
「俺はまだ、完全には信用していません」
「彼女を殺したのは僕だと、いくらでも罵ってくれて構わない。止められなかったのは僕なのだから、その通りだろう」
ただ――
セヴィリオは続ける。
「彼女への愛を疑われることだけは、許せない」
セヴィリオがリアナに向ける気持ちは、幼少期から何一つ変わっていない。
物心がつく頃には、リアナと一緒にいることが当たり前だった。母親が亡くなってからは、セヴィリオにとっての家族はリアナだけだった。
――僕のリアナ。リアナーレ=アストレイ。強くて、可憐で、美しい、鮮烈な朱。
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